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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

二人の軌跡 前編

二人の軌跡 前編

ミストとハドラーの関係の変化を感じるために、二人が関わるシーンを振り返ることにしました。
片方がいなくても、言及した場合なども取り上げます。
巻数は文庫版基準で、数字はおおよそのページを示しています。
変換の都合等で…や!の数を変えております。ご了承ください。

※偏った見方に「そんなこと思ってねぇだろ」とツッコみたくなる可能性が高いです。
あとキルバーンとザボエラについて取り上げることが多いです。
「それでもかまわん!」という方はどうぞ。

3巻

34
・初めての登場
「ミストバーンなら、それ、お前の横にもう座っているではないか……」
不敵に笑いながらの台詞。
口ぶりや表情からは疎んでいるように見えませんが、内心「こいつ何考えてるのかわからん」と不気味がっていたのでしょうか。
浮いてるからな、ミストバーン。物理的にもふわふわしてるし。
ミストの方は疎んでいる気持ちに気づいていたか気になる。
「エッ!?」と叫んでギクッとするフレイザードを可愛いと思ってしまった。何か悔しい。

51
・初めての台詞
怒るフレイザードに対してバーン様の決定されたことだと嗜めるハドラー、そしてミストバーンが口を開く。
「……フッフッフッフッ」
いきなり笑い声から始まり、スゥーッとスタンダップ。
初っ端から意外とノリがいい。この頃から愉快さの片鱗を覗かせていたのか。
よく見ると立ち上がったミストバーンの前にグラスが置いてありますが、飲食の必要は無いはず。暗黒闘気エキスか?
「大魔王さまのお言葉はすべてに優先する……」
この台詞が後にあれほど重みを感じさせるとは思わなかった。
ここでハドラーも同意するんですよね。
「その通りだ……我々はそれに従う以外にない……!」
この時点ではそう思っていたんだな。
物語の中で初めての二人のやりとりが、決別のシーンでも使われたことに、因縁めいたものを感じる。
最後もこの台詞を重々しく告げていれば、別人感が薄れて余韻が出たかもしれません。
初登場時の台詞と最期の台詞がつながったら構図が綺麗ですし、決別の時との共通点や違いを考察できますから。

313
・またもや軍団長終結
何食わぬ顔でヒュンケルについて語るフレイザードにハドラーは「フフッ……こいつめ」、ミストバーンは「……」。
温度差がある。
「残念だがまあいいか」程度なのか、「せっかくの器を……!」と思ったか、どっちなんだ。

4巻

・バルジ島での決戦全般
バーン様の意図を酌んだからとはいえ、ミストバーンは手を抜きすぎ。
ハドラーに後期ぐらいの男気があれば、勇者の力を見極めつつ軍団育成というバーン様の目論見を崩さない範囲ギリギリまで協力したかもしれない。
……地上滅亡待ったなし。

5巻

119
・ハドラー蘇生
「出ていけ……!」
追い出す必要あるか?
蘇生方法を見られたら困るのか?
ひょっとしたら威厳が失われるのかもしれない。
ハッスルダンス暗黒闘気版とか。
簡単クッキング風に蘇生させるとか。
1:スプーン一杯の暗黒闘気とお玉一杯の暗黒闘気、さらにジョッキから溢れ出んばかりの暗黒闘気をよく混ぜます
隠し味に「強くなれる身体への羨望」も入れましょう。
2:おもむろにハドラーの口に注ぎます
暗黒闘気を入れれば入れるほど強くなるという大雑把さ全開で。
鼻に入っても気にしない。
3:三分経ったら復活です
範囲を増した黒い模様がいいアクセントになります。
……ありがたみがない。

142
・復活後のハドラー
ピンと背筋を伸ばしペコンと頭を下げガクガク震えるガーゴイルが可愛くて仕方ない。
暗黒闘気の影響だと告げたミストバーンに「ミ……ミストバーン……!」と驚く。
フレイザードやガーゴイルの反応を見るに、彼は存在感薄いのか?
外見というか存在が濃いのに。
「そ……そうか……! 貴様が暗黒闘気の魔力によってオレをよみがえらせたのか!」
貴様呼ばわり。
ミストバーンが沈黙で応えたのに、「い……言われてみれば」と言い出すハドラー。
言ってない。
「私やバーン様の暗黒闘気がある限り、何度でもよみがえる……以前よりはるかに強い力をそなえてな」
正体を考えると、バーン様の体を使っているから魔力同様暗黒闘気も同質だということでしょうか。
「貴様は……そのためにオレの部下に……!?」
またもや貴様呼ばわり。
命の恩人だろ。
一応部下なのに「おまえ」と呼ぶミストバーンもミストバーンですが。

「ハドラー……これだけは覚えておくがいい……おまえの肉体は我が全能なる大魔王バーンさまのものなのだ。おまえには生死を選ぶ権利もない……ただ修羅のごとく戦うのだ……死してもなおよみがえり戦うのだ……」
のだのだ言ってる。
後の展開を考えると心に刺さる、抉られる。
言葉通りになりましたね……。
決別の時、この台詞が両者の脳裏によぎったかもしれない。
発言したミストバーンにとって、全然違う重みになったのは予想外だったかもしれない。この時点ではハドラーの命を気にせず、ただの道具としか見ていなかった気がする。
実際、アバンに倒されたところを救っただけでなくさらなる力まで与えたのですから、バーン様がハドラーの命を自分の物として扱うのはおかしくないんですよね。
問題なのは、爆弾を埋め込んでおきながら素知らぬ顔で地上を与えるだの全幅の信頼だの告げたことです。
冷酷なミストバーンですが、恐ろしい爆弾をこっそり埋め込んで敵もろとも吹き飛ばすという発想は無かった様子。
何千年も戦い続けてきてもそこまで思考が及ばないのは、見据えるのが戦術的勝利か戦略的勝利かの違いでしょうか。
「おまえの主バーンさまのために……!」
「のぞむところよ……!」
ここで同じ方向を見ているように見えるのが熱い。
ハドラーもバーン様のために戦う気満々で、同じ道を歩んでいけるはずだったんですよね。

去ろうとするミストバーンに訝しげに声をかけるハドラー。
「どこへ行く!?」
もう用は済んだろ。
留まってもいたたまれない空気が流れるだけだぞ。
そうは言っても、二人の展開する微妙に気まずい空間を見たい。
「再び……戦場へ……!」
かっけえ。
(フン……終始無言のはずの影の男が、ずいぶんおしゃべりになってきおったな……!)
この時点でもまだ疎んでいたのでしょうか?
饒舌ではなくおしゃべりだと響きが柔らかい。
井戸端会議を始めそうです。ミストバーンが。
フレイザードに対しては懇願ごと顔面を踏み潰して念入りに踏みにじったのに、ハドラーは復活させて激励。
そんなに禁呪法生命体が嫌いなのか?
ハドラーに対しては少しは期待していたんでしょうか。

239
・六芒星半減
死神の笛の音に動揺するハドラーと興味深げなミスト。
「いい子だね、ピロロ」のキルバーンがマジでカッコいい。
「誰か不始末でもしでかしたかな……?」
あのーミストさん、わかってて言ってませんか?
表情があったら絶対半笑いしてるだろ。
おちょくるのはやめてあげてください、冷や汗流してますよ。
(なっ……なんだこいつら……!? 顔見知りなのか……!?)
気の合う友人です。
キルバーンがハドラーをからかいミストバーンが黙って見つめる、そんな場面をもっと見たい。
バランにオロオロするザボエラを見て微笑ましいと思ってしまった。くそぅ……!

6巻

二人は関係ないシーンですが、ちょっと疑問が湧いたので取り上げます。
人間を勝手だと言ったり強欲さを人間みたいと言ったり、キルバーンは人間と関わる機会が多かったのでしょうか。
人間を罠に嵌めた時の反応についても語っていましたし。
ミストバーンが「クチの悪い友達」と言われてる。

164
・バラン戦観戦
「静粛に……!」
何となく集会で騒がしい生徒達を注意する教師を連想した。
「ただ今より偉大なる大魔王バーンさまが御目見えになる。ひかえよ」
今度は時代劇を連想した。
地に膝をつくミストバーンの動きが好きです。
姿が小さいですが、きっと自然な動きなんだろうな。
167Pをよく見ると、ハドラー、ミスト、キルは右膝をついてますが、ザボエラは正座してることに今気づきました。
体格の問題がありますからね。
ダイの力について語るミストバーンは冷徹。感情を剥き出しにしなければ、ちゃんと見えています。
この冷静さを保っていればと思いつつ、激情に色々見失う姿も好きなので何とも言えない。
バランに魔軍司令の座を任せてもよいと宣告され、動揺するハドラー。
何も言わないミストバーンの顔が一コマ入りますが、この時何を思ってたのか。
「そんな心構えだから敗北し続けるのだ……!」と歯がゆく思っていたのでしょうか。

7巻
特になし。

8巻

ポップが死の世界へ向かうのをゴメが止めますが、本当にあの世があるんでしょうか。
あるならハドラーとミストの会話を見たいと思いましたが、そもそもミストは行けない可能性が……。
神が与えた命ではない上に体質が体質ですから、そのまま消えてもおかしくないんですよね。

183
・呼び出し
「……魔軍司令ハドラー! 大魔王バーンさまがお呼びである……!」
恐怖の呼び出し。
ビクンとなる姿を見て情けないと思ってそうだ。

184
・ご苦労
「ハドラーを呼びました」
「ご苦労」
のやり取りが地味に好きになりました。
後になって見ると、本当にそうだと言いたくなります。
アバンを監視してヒュンケル拾って技を教えて魔王軍の軍団長やってバーン様に酒を持ってくるという……。

188
・最後のチャンス
バーン様のハドラーに対する評価、「最強の肉体を与えている」「勝てないのは精神的なもろさがあるからだ」はミストバーンと同じですね。
ハドラー評を聞いて「……」なミストバーン、内心何考えていたんだ。

247
・ハドラーを捨ててミストバーンに取り入ろうとするザボエラ
この時は未遂でしたが、後に実現することに。
結果はあの有様である。

9巻

この頃から二人の関係が変わり始める。

294
・影の参謀動く……!
死の大地間近の孤島、ザボエラのアジトを訪れるミストバーン。
「ハドラーはどこだ……? ……どこにいる!?」
眼を光らせて威圧までする必要は無いだろ。普通に訊けよ。
勇者抹殺に失敗したハドラーの処遇を決めるつもりだったのかな、やっぱり。
ただ縋るだけだったら普通にバーン様に報告して処刑という展開になっていたかもしれない。

・二人の対面
「みじめな姿に見えるだろう? ダイを殺す最後のチャンスを逃しボロボロにうちのめされた男の姿が……これだっ……!」
覚悟を決めた姿はみじめじゃないと思います。
「ミストバーンよ、おまえがバーンさまの最も信頼厚き家臣であり、オレの部下でありながらその権力を超えた存在であることは……うすうす知っている」
「貴様」から「おまえ」に変わってる。
もしや、貴様呼ばわりが疎んでいた証なのか?
やりづらかっただろうな。
己より立場が上だと素直に認めたのも変化の証か。
「見ての通り今のオレは、おまえが何をしようとも手も足も出せん。バーンさまに敗北を告げたければ、そうしてくれてもかまわん……」
そうしていたら二人の絆も芽生えなかっただろうな。

「だが……!」と決意を感じさせる眼差しに。
「無理を承知でおまえに頼みたい! オレが超魔生物へと改造される間、人間どもと戦ってくれぬか!?」
「!?」「!!?」となっているミストバーンが面白可愛い。
無理を承知で、と言ってるのが重要なポイントですね。
パワーアップすれば大魔王や魔王軍のためになるとはいえ、ミストバーン個人に与えたり差し出したりできるものはない。元々ハドラーの権力を超えている存在ですし、栄誉などにも興味はない。
頼みを聞く理由が薄いのに引き受けたからこそ、「今度はオレがおまえを助ける」「誠意を見せてくれた」につながるのでしょうから。
人間の動きを察知し潰そうとするハドラーは何だかんだで有能ですね。
ザムザの敗北はミストバーンも知っている。
この二人は色々情報を集めそうですね。
ハドラーは魔軍司令としての立場ゆえに、ミストは職務だけでなく強者への関心ゆえに。

変身する機能をつけるから呪文が使えなくなる、ならば身体そのものを超魔生物と化せばいい。
ハドラーの出した結論に驚愕するミストバーン。
「なっ……なにいっ!?」
驚愕を見せ、眼の光も丸くなっています。
ハドラーが絡むとよく動揺するミストバーン。
その出発点はここかもしれない。
「ハドラーよ! おまえは魔族の肉体を捨てるというのか!? 永久に怪物として生きると……!?」
魔族と怪物の違いがピンとこない。超魔生物化した姿がカッコいいから、戻れない悲壮感が出にくい気がする。
「不死身でなくなるのだぞ! そうなればもはや暗黒闘気を用いても二度と生きかえらん! それでもよいのか!?」
作中で大魔王が最強の肉体を与えたと言われてますが、ゼロから作り出したのではなく、元の体に強化を施したという表現が相応しいのかもしれませんね。
完全に別物なら再び体を取り換えるだけなので、ここまでミストバーンは動揺しなかったでしょうから。
アバンの使徒に勝てるのならそれでもいいと肯定するハドラー。
「……地位も! ……名誉も! 生命さえ、もはやオレには不要! たとえこの身を失おうとも、やつらに一矢をむくいねば……死んでも死にきれんッ……!!」
この時ミストバーンは何を考えていたのか。
たとえこの身を失おうとも、という台詞に思うところがありそうです。

「……いいだろう」
訪れたのがミストバーンでなかったら、彼が頷かなかったら、名場面の数々も生まれなかったかもしれない。
「ハドラー、今までおまえが破れ続けたのは、精神的なもろさやおごりがあったからだ。最強の肉体と才能を持ちながら、慢心と動揺のくり返しで敗北し続けた」
バーン様のハドラー評とほぼ同じですが、より感情がこもっているように聞こえます。
「だが今のおまえはそれを捨てた! 最大の弱点を克服したおまえは必ずや魔王軍最強の戦士となれる。バーンさまもお喜びになろう」
今まで、ハドラーがミストに誠意や熱さを感じたのは、時間稼ぎを引き受けたからだと単純に考えていました。
もしかすると、それにも劣らぬくらいこの台詞……会話での態度も大きかったのかもしれない。
殺伐とした魔王軍において、弱った姿を見せれば寝首をかかれかねない。
そこまでいかずとも、みっともないとか惨めな姿だとか笑われてもおかしくありません。
普通に戦って負けたのではなく、疲弊した少年達に闇討ちかました挙句返り討ちに遭ってズタボロにされたわけですから。
ミストバーンが真剣に向き合って、言葉と行動の両方でハドラーの決意を肯定したからこそ、熱さを感じたのかもしれない。
長々喋ったのは蘇生させた時もですが、その時はあくまでバーン様の代理人という要素が強かったんですよね。
今回はバーン様の命令ではなく個人的に頼みを聞いて、喋る内容も彼自身の意思が前面に出ています。
強さとは何か考えざるを得ない体質や境遇だから、覚悟を決めて強くなろうとしている相手に真摯に対応したんだろうな。
まずミストバーンが熱い言葉をぶつけたゆえに、謁見前に返ってきたのかもしれない。

最強の肉体を持っていても精神面が駄目なら台無しというのは彼自身に言えそうですね。
バーン様の体を使えば最強ですが、秘密を守るためにそれらしい顔をするのではなく心の底から自分のものだと勘違いしておごるようだと、それこそ寄生虫と言われても文句は言えませんから。
というか、最期に思いっきり当てはまりますよね。
こんなこと言ってたのに不屈の戦士相手に慢心して動揺して敗北するのか……。
「パプニカは……私にまかせておくがいい……!」
「……すまぬミストバーン」
のやり取りは何度見てもいい。
ミストバーンの背中は、このシーンが一番カッコいい。

信用できるのか疑うザボエラと、わからないが信じる以外にないと答えるハドラー。
「オレに最後のチャンスをくれるなら……たとえ相手が神でも悪魔でもかまわん……!」
ダイ大世界の神が、人間の味方についていない魔族にチャンスを与えるか疑わしい。
この行いを人情家と評されたミストバーンですが、これは情なのか?
ドライな判断によるものではありませんが、単なる優しさとは違うものも含まれているような。
最も彼の心を動かすのは「強くなってみせる!」の一言なんだろうな。
それに「バーン様のために」をつけると完璧に。

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