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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

強制救済ゲーム シャングリラ

強制救済ゲーム シャングリラ

ライジング斉藤様制作『強制救済ゲーム シャングリラ』の感想です。

デスゲームに参加させられた不良達が力を合わせて生き延びようとする作品です。
助けられる者=『仏』が選出されるのに合わせて、助ける者=『救世主』を決める。
命の危機に晒される『仏』の救出に成功すれば皆がポイントを獲得。ポイントを一定数貯めることができれば解放されます。
じゃあさっさと助ければいいじゃんと言いたくなるところですが、助けるスイッチを押すためには手を焼かれたり、電流を浴びたりしなければならない。
痛みを味わってでも他人を助けることを求められます。

まずメインキャラ全員不良×デスゲームという発想に脱帽。
特盛ラーメンに大量のかき氷をぶち込むかのごとく異色に見える組み合わせが、不思議なことにマッチしています。
デスゲームと言っても、他者を蹴落とすのではなく、力を合わせて生き延びることが求められます。
今までのように気にくわない奴を腕っぷしで叩き潰すやり方では道は拓けない。ぶちのめしたい相手とも助け合わねばならない。
絵柄もインパクトがあります。
不良の迫力を伝えるのにピッタリです。
進め方は読んで選択肢を選ぶだけ。
やり直しのできる選択肢はカラフルで、END分岐に直結する選択肢は白黒と分かりやすい。
END回収が容易で、BADから見ていくことをおススメします。

注意すべき点はグロ要素があります。
序盤で指が切断されますし、BADだと人が爆発したりします。死にます。
しかしそこまでじっくり描写されるわけではないので、グロ耐性が高くない私でもいけました。

もう一つは、ヤンキー成分たっぷりであることです。
キャラクターは皆好きですが、彼らの所業を擁護・肯定できるかというと別です。
大半はシャレにならないことをやってます。しかも、反省するどころか軽く考えている者もいる。
被害を受けた人々がいると思うと、「身内に優しい」「男気を見せる」というだけで受け入れる気にはならない。
だからこそ彼らがこんなゲームに参加させられたわけですが。

重要なのは、「助け合って生き延びること」が目標として設定されている点です。
誰かを蹴落として生き延びることが奨励されているわけではありません。
罪を犯した、清廉潔白とは言い難い者達が力を合わせねばならない。
一般人なら一応は協力する方向にいくでしょうが、彼らは面子だの復讐だのでギスギスしています。
助けるふりをして実行しない可能性もあるので、それをどう乗り切るかがポイントになります。
「憎い奴に復讐できるなら命なんて惜しくねー!」なキャラが複数いるので一筋縄じゃないかない。

一番好きなキャラは今蛇です。
でも吾牛には両親と和解しつつ皆と美味いもん食いに行ってほしいし、やっぱり主人公の小森と親友の八木も好きだし、何だかんだで皆好きなんだよな。
なんとなく名字で呼びたくなるキャラと名前で呼びたくなるキャラに分かれます。
名字:小森・八木・今蛇・猫俣
名前:三狼・吾牛
トラはトラで。

ここからはネタバレを含みます。



キャラクターについて
 
メインキャラが七人で怠惰や強欲という単語が出てくるなど、大罪がモチーフ。
今蛇の嫉妬要素はあまり出てきませんでしたが、見たいような、怖いような。
平穏時々殺伐な日常を見たいものです。

・小森孔司
主人公。
主人公ゆえかBAD ENDで生き残ることもあるが、もれなく精神がズタズタに。
発狂したり抜け殻になったり死んだり悲惨な目に遭うからこそ、GOOD ENDの輝きが増す。
本編では苦労人に見えるけど、開始前に他校の生徒数十人を病院送りにしている。
もっと後先考えてくれ。
仲間に手を出されて怒るのは分かるし、復讐するなとは言わないけど、情報を集めてください。どう考えても無関係の奴巻き込んでるって。
情報集めろと言いたくなるのは小森に限った話じゃない。三狼も、猫俣も、復讐するなら事実を確認してからにしてくれ。
今蛇は被害者・加害者双方と知り合いで、人格や状況について把握しているだろうから除外。

小森の復讐に話を戻すと、対象が広すぎるだけでなく暴力の程度も問題です。明らかにやりすぎ。
動いた理由や根底にある想いまでは否定できないけど、やり方は思いっきり間違ってますよ……。
END3を見ると、爆発力はキレた時の今蛇をも上回るのでは?
異常事態に混乱したり恐怖したりする一般人寄りの感性と、喧嘩や暴力に対する、一般人とは言いがたい感覚。その乖離が興味深い。
八木との友情が印象に残る。
自分の手か親友の命か天秤にかけられて迷わず後者を取る。
八木を救っていれば、小森が『仏』に選ばれても自動的に助かるのが面白い。
逆に、序盤で八木が死ねばそのまま小森も死にますし、終盤八木が死んで小森が助かっても小森は抜け殻になる。
絆が強い。

・八木山兎
とてつもないお人よし。
何故不良になったんだ。
優しさがいきすぎて自分の首を絞めている。
相手を傷つけたくないからって、複数から告白されて仕方なく受け入れるのはおかしいだろ……。
自分が悪く言われてもいい、自分一人が我慢すれば丸くおさまるという思想は危ういと思います。
本人だけでなく周りも傷つくでしょうし、そうなるといっそう苦しむことになる。
断るべき場面で断れる強さを持つようになってほしい。
人がよすぎて頼りない印象を受ける彼ですが、小森が『仏』に選ばれた時は強さを見せる。
好きな台詞は「ごめん」と「ありがとう」。そんなこと言うなよ……。
 
・猿飛三狼
デスゲームお約束の、見せしめに最初にやられる役かと思いました。
実際はタフだった。
視野が狭いというかとにかく人の話を聞いて!
でもアホっぷりが一周回って面白い。
「頭の方は結構残念」と言われるからな。その通りです。
今蛇から知識を披露されて「???」となっている姿をもっと見たい。
指が飛んでも叫び声一つ上げないのは根性あります。
舎弟からの慕われようを見るに、面倒見が良さそう。
特に好きな台詞は
テメーを道連れにして死ぬ。以上だ
泣くな小森
の二つです。
どちらも小森に向けたものであり、差が激しい。
上の台詞は復讐モードの時。復讐モードが解除されると下。
ポイントを稼ぐためだとしても、本心も含まれているんじゃないか?

・猫俣狐宇介
三狼から「ねーこーまーたぁー!」されてる時の彼が好きです。
真相知った後で序盤を読み返すと、白々しいなコイツ……と思う。
生還後にたっぷり説教されてください。他のキャラがいるから目立たないけど、相当えげつないことをやってるので。
事実を確かめず私怨で相手の人生がめちゃくちゃになるレベルの罪を着せたり、窃盗常習犯だったり。
懲りて二度としなくなればいいのですが……。
まず八木に誠心誠意謝るべきだと思う。
弟分の策謀家の一面を知った三狼が方向修正することを願います。
 
・猪熊吾牛
登場人物の中で最も落ち着いている。
己の人生や幸福を諦めているゆえの態度なので、素直に称賛できない。
『仏』に選ばれた時もすぐ生存を諦めたのが辛い。
他人に助けを求めないのは、最初から期待していないため。
それに、生き延びたところで会いたい人もやりたいこともないため。
自分の人生に価値を見出していないけど、今蛇は貴方に救われたんですよ。
本編では「たいして知りもしない他人を命かけて助けるなんて相当頭弱い奴」と言うけど、自分は不良達にリンチされてる他人を助けたんですよね。
……自分が助けたいじめられっ子が危険な方向に進化したのを見てどう思ったか知りたい。

今蛇を助けた時に告げた言葉は渋いけど、頼れる相手がいなかったことを思うとカッコいいとはしゃぐわけにもいかない。
友人や恋人だけでなく愛してくれる家族がいなかったというのは……。
その台詞+親はいない方が楽という返答+両親への暴行という罪状に嫌な想像が膨らみます。
生還後、両親と和解できたみたいなので、関係が改善されることを願います。
スタッフロールで親から頭と肩に手を置かれて驚いてる顔の彼に「吾牛ィィ!」となりました。
被害者である両親が赦し、受け入れているので、心置きなく「幸せになってくれ!」と叫べる。
小森達と遊んだりしてもっと仲良くなろうぜ!

・豚田虎男
狂犬扱いされる男。
確かに危険だけど、あの……今蛇が……。
復讐や贖罪に命を捧げるキャラがいるから、死にたくないと叫んで命乞いをするトラを見ると安心します。覚悟ガン決まりな人間ばかりじゃないですよね。
普段今蛇とはどんな感じだったんだろう。
今まで一緒にやってきたと言っており、お互い「ヘビ」「トラくん」呼び。
トラが申し訳ないという態度を取っていれば、今蛇は助けるつもりだった。
電流浴びるのを覚悟して助けるなんて相当仲良くないとできない。
トラが全然悪いと思ってなかったから殺意が溢れましたが。

今蛇は、親友に手を出されなければ、トラの行いに何も思わなかったのでしょうか。
それとも元々引っかかっていて、きっかけがあれば噴き出すものだったのか。
どちらにせよ生還後にトラがやることは、まず病室で土下座ですね。
今後はある程度大人しくなるといいなぁ。
何も考えず暴れた挙句ろくに反省もせずにいると、凄まじい恨みをかうことになると思い知らされたので、少しは己の行動を顧みるようになるでしょう。
今蛇からきつーく言われたからな!
つるんでた相手が自分に対して盛大にブチ切れ散々罵倒しノリノリで見殺しにしようとしたんですから、さすがにショック受けて反省の一つや二つはするはず。
スタッフロール後、皆が食事に行く時に合流するので、今蛇と仲直りできたようです。
生還から謝罪までの流れをもっと詳しく見たかった。
本編だと今蛇に圧されっぱなしだったので、強くてカッコいいところも見たい。
 
・今蛇犬丸
怒ったら開眼してパワーアップするだろうなと思った。
荒っぽいキャラが多い中、丁寧な口調で一人称が「僕」なのが新鮮。
不良にいじめられ、不良が大嫌いだった男が、不良に助けられ、不良になりました。
……開花した。
強くなるのはいいけど方向がまずい。
卑怯と言われているのは元・弱者だからか? 己の弱さを知っているからこそ手段を選ばず勝ちにいくのかもしれない。
いじめられた過去を踏まえると、忍耐力にも自信があるという台詞が重い。

プロフィールの嫌いなものに「おおぅ……」となりました。だから自分を変えるきっかけをくれた吾牛に恩を感じ、一緒にいてくれた親友が傷つけられてキレると。
多分一番キレたらヤバい奴だと思う。
普段冷静な分、理性が吹っ飛んだ時が怖いんですよね。
教師達の車を叩き壊して回ったって、何?
教師は関係ないだろ。八つ当たりで車壊された人達が気の毒すぎる。

親友がトラに大怪我させられ、相手に反省の色が皆無だったため激怒。
トラが『仏』に選ばれた時の台詞がキレッキレ。
「助ける必要ありませんよ」
「こんなにも人の心が無い人間、他にいませんから」
「生かしておく価値ゼロだ」
そ、そこまで言う?
「潔く仏さんになって、病院のベッドで苦しんでるアイツのためにその身をもって詫び入れな!」
「今は生かしておくだなんてまわりくどい」
ひっでぇ……言葉でぶちのめしている。
煽るような言い方も上手いんだよなぁ。「あまりに予想通りで笑えてきますねぇ!」とか。
「『いつものこと』が『いつまでも』許されると思っているんですか?」
「知りませんでしたで許されるわけねーだろうが!」
の二つはご尤も。
そういう今蛇は己のあり方をどう思ってるんだろうとプレイ中に疑問を抱いたけど、嫌いなものが〇〇なので、嫌というほど自覚しているんだろうな。
 
台詞からにじみ出る殺意の高さが芸術的。
特にBADに進むと惚れ惚れする。
普段は名字にくん付けかキミで、感情が昂るとアンタ、吾牛相手だと吾牛さんかアナタですが、トラ相手だとトラくん・キミ・アンタ・トラ、さらに「てめえ」まで飛び出す。口悪っ。
「僕が助けます。ただし……死をもってして、ね」から漂う凶キャラ臭。
最も衝撃を受けた台詞は「僕と心中してもらうぞ、トラ」です。初めての道連れENDだったので。
トラを助けないと自分も死ぬ状況でありながら、助けを求めるトラを言葉の刃でぶった切る。
「静かにしてくれ。最期の最期までわめき散らして死にてえか? 人生の幕引きの時くらい、大人しくしてろよ」
この状況で落ち着いていられませんよ! アンタも死ぬのに!
「ホラもう時間がねえぞ! 潔く死を受けいれようや。俺と、一緒にな」
覚悟完了しすぎ。
一人称の「僕」は口調が荒れても保っていたのに、最期の最期で「俺」になるんですね……。
ここまで罵り心中までしたのは、トラへの友情の裏返しだと思うのは考えすぎでしょうか。
ただの敵が『仏』に選ばれたなら、『救世主』に立候補せず見殺しにするだけで済みますから。

復讐のため道連れにするのは三狼もですが、今蛇は普段の冷静さや丁寧な口調がある分、恐ろしく思えるんですよね。
また、復讐対象との関係や感情も全然違います。
三狼にとって小森は、猫俣が真相を明かさない限り「自分達南校の生徒を何十人も病院送りにした敵→先に仕掛けたのはこっちみたいだが、詳しい事情が分かっていない以上許せない相手」です。憎しみしかありません。
一方、今蛇にとってトラはあだ名で呼び合い、「親友を酷い目に遭わせたものの、反省してるなら自分が電流浴びてでも助けてやろうと思った相手」。
そんな相手に殺意を滾らせるのが怖い。
あとは、すぐ前に助けた吾牛との温度差もありますね。「陰湿とか卑怯とか言われてるけど恩を返すために体を張るなんて熱い奴じゃん!」と思わせてからの開眼豹変哄笑罵倒なので。

BADを回避しトラを生かした場合、必ず親友の目の前で謝らせると告げる。
拒否したら容赦しないとのこと。何するつもりなんだろう。
「たとえ相手がトラくんでも」という言い方なので、友情は変わらずあるんでしょうね。他の人間とは違う位置にいて、それでも容赦しない……という流れなので。
一度言ったことは簡単に曲げないと答えたトラに「そうでしたね」と返すのも、相手をよく知っている感が出ています。
今蛇とトラの友情がどんな感じか知りたいなあ。END2で今蛇の指が飛んだ時、トラは心配して落ち着かせようとしますから。
トラに病院送りにされた、今蛇の親友がどんな人間かも気になります。

続いて各ENDと全体の感想を。
好きな順に上げると、GOOD>END3>END2>END5>END4>END1です。
BADが凄惨な分、GOODがのど越し爽やか。

・END1 他人事
最初のBADだけあって各々の事情がろくに分からないまま。
毒でじわじわ死んでいくのでスッキリしない。

・END2 戒め
中身見えてる……。
助けると宣言しておきながらしり込みした小森を責めない吾牛は優しい。優しいよ。
でも、諦めによるものだから喜べない。
三狼が指落とされても叫び声を上げなかったのは意地や根性によるものでしょうけど、吾牛が落ち着いていたのは死を覚悟したからなんだろうな。

今蛇が目を見開いて叫ぶのが痛々しいですね。
なんでなんでと連呼する様は、吾牛との関係を知ったりEND3を見た後だと印象変わる。
トラと一緒に死ぬ時は静かに喋るのに、吾牛が死んだ時は狂乱するのが興味深い。
自責の念に苛まれただろうな。自分が『救世主』役を引き受ければ助けることができたかもしれないと。
恩人が目の前で惨たらしく死に、自分の指が切られ、今蛇の心も体もボロボロ。
吾牛の指→処刑→今蛇開眼→指→涙ぐみながら絶叫の流れがスピーディー。
小森が呆然として己を責めている間何が起こったのか、明確に描かれていません。
最終的に小森一人が助かり、彼は自責の念に苛まれながら生きる。後味悪い。

・END3 助け合いの果て
壮絶。死屍累々。
小森の指が全部……!
ここまで突き抜けてしまえば一周回って爽快。
さすが主人公、闇堕ちした時の被害が尋常じゃない。
今蛇の覚悟、トラの懇願、小森の発狂と見所がたくさんあります。
今蛇がここまで殺意を爆発させたのは、友情と復讐心の板挟みになった反動かもしれません。
  
・END4 恨みつらみ
三狼が凄みを見せる。
これ、猫俣は自分を責めるんじゃないか?
真相を話していれば、三狼が復讐を優先して命を捨てることはなかったかもしれない。
そもそも八木を罠にはめて小森が動く事態を招かなければ……。
三狼が死んだのは主催者のせいです。
しかし、復讐の連鎖の発端は猫俣です。
今回のゲームがなくても、三狼が巻き込まれ、猫俣のやらかしの代償を払う羽目になったかもしれません。
 
・END5 親友の死
猫俣が静かだったのは何故だろう。
憎んでいた相手の人柄を目にして毒気を抜かれたんでしょうか。
親友の八木が死に、小森は死者を想いながら生きていく。
俺がいなくても元気でやってくれって……小森のこと全然分かってねーじゃねーか!
吾牛が「自分が死ぬことよりも、ツラいんじゃねーかな」と語るほど気力を失ってしまうのに。

このENDだと三狼の大きさというか、したたかさが見られます。
親しい相手が死んだのは同じでも、三狼は生きて脱出しようとした。
ポイント稼ぎも含まれているとはいえ優しい言葉が沁みる。
生還後、三狼と吾牛が会話するのは意外でした。珍しい組み合わせだ。
小森が魂抜けた状態になってるからな。
ある意味綺麗な終わり方ですが、小森や三狼だけでなく吾牛も辛いよなあ……。
仲良くなろうとしてくれた八木は死に、小森も抜け殻になって約束どころじゃない。

・GOOD END 矯正救済ゲーム
清々しい終わり方。
不良とデスゲームを組み合わせてこんな爽やかに終わるなんて。
三狼なんか指失ったのに笑顔で軽口叩いてるからな。タフだ。

以下は全体の感想です。
面白かったからこそ、主催者の正体等が気になります。
組織の詳細は明らかにされません。
更生もしくは死の二択を迫る主催者の主張には色々疑問が湧きます。
最大の問題として、集められた者達の罪の内容が全然違う。八木なんか濡れ衣なのに連れてこられて殺されかけたからな……。
ポイント貯めて脱出した奴が改心したとは限らないのでは。
極限状況に追い込まれたことで悪い方向へ進化する可能性は?
今回は情があったり約束を重視する者ばかりでしたが、救いようのない外道だらけだったら。
それらも含めて『実験』なんでしょうね。
回数を経て洗練されれば、罪の内容によって『仏』『救世主』の負担を調整したり、更生したふりを暴きやすい仕組みになるかもしれない。
いざとなれば全員『処分』するのでしょう。
続編が作れそうな世界観です。

好きなキャラの中で闘う意思と力を持つ奴がぶちのめされるシーンを好きになることが多いのですが、シャングリラはダメージがエグいのでそういう気持ちはあまり湧きませんでした。
ただ、今蛇がトラを助けるために電流浴びて呻き声上げるところは、そういった方向で好きかもしれない。
自分の親友を痛めつけた相手の命を救うために苦痛を堪えるってどんな心境なんだろう。
というか、「吾牛を助けるために手を焼かれる→トラを助けるために電流浴びる」のコンボを耐えたのはすげえな。小森も二種類味わう羽目になったけど、今蛇の方は続けざま。トラ相手だと友情と憎悪が混ざり合って、普通に助けようとするより苦しいでしょうし。
その光景を小森が直視できなかったのが印象に残るというか、嬉しく思ったんですよね。
色々抱えて苦しんでいる今蛇を見るのが辛いから、小森は目を逸らして、ひたすら仲間の無事を祈った。
今蛇の葛藤を感じ取ってくれたのも嬉しいし、恐ろしさを見せた今蛇を仲間と思ってくれたのも嬉しい。

いやーそれにしても面白かった!
ゲーム外のイラストも見るといっそう楽しめます。
END後の二枚はどちらも好きです。
小森発狂は辛い……。
ラーメン食べる光景は吾牛が明るい笑顔で良いですね!
ゲームに参加させられたことによって変化が訪れました。
小森は懲りて今後は大人しくするつもりですし、八木は断り切れないところを直そうとする。
トラから今蛇、三狼から猫俣に対する見方も、相手の新たな一面を知って変わるでしょう。
最も大きく、良い方向に変わったのは吾牛かもしれません。
友達できたし両親との距離が縮まったし自分の人生にいいことなんてないという諦念が払拭されました。

他のイラストでは今蛇に助太刀するトラ&キレた今蛇に引いてるトラに笑いました。力関係が垣間見える。
普通に喧嘩した場合トラの方が強くても、キレた時の危険さは今蛇が上だ、間違いなく。
狂暴なトラが「殺さない程度にやれよ……?」と冷や汗流しながら忠告するって……。
トラは相手を殺すつもりはないけど、今蛇はやりかねない。やっぱり怒らせちゃいけない奴だ。
キレたらヤバいのは復讐のためなら心中上等の今蛇・三狼の二強という印象。
……一番ヤバいのは発狂時の小森な気がしますが。
吾牛が涙を流すイラストは前後の流れが気になる。ラーメン食べに行く直前かな。心配してる八木はいい奴だなあ。

もっと色々な場面を見たくなります。
「今蛇が『仏』に選ばれた場合、どんなふうに助けるのか」等のIFもですが、一番はEND後の日常ですね。
成績や進級が危ない面々に今蛇が勉強教えるとか、吾牛が皆と遊ぶとか。
開眼した今蛇の戦いぶりとか、小森と三狼の共闘とか。
各自が他のキャラをどう思っているのか。ゲーム参加前と参加後でどう変化したか。
八木と猫俣に関わった悪女について詳しく知りたいですし、今蛇の親友も気になる。
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