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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ドラゴンボール超 ブロリー

ドラゴンボール超 ブロリー

相変わらず知識はろくにない状態での鑑賞です。
せっかくなので4DXで観ました。
映像との相乗効果でめちゃくちゃ楽しかったです!
ずっと「オラワクワクすっぞ!」状態でした。




気に入った点
・バトル
劇場の大画面で見てよかったと思わせる迫力でした。
設定やストーリーを詳しく知らなくても、とにかくバトルを見たいなら問題なし!
・ストーリー
ならば話は薄味で戦闘シーン以外はどうでもいいかというと、そんなことはありません。
各々の歩んできた道のりや抱いている想いがあるからこそ、それらがぶつかり合う戦いが盛り上がる。
バトルを支える土台となっていました。
・出番のバランス
お祭りムードの作品ならばたくさんキャラを登場させてほしいと思うでしょうけど、今回は違います。
キャラクターを出しすぎてそれぞれの見せ場が中途半端になってしまったり、主人公達より強い存在がホイホイ手助けして緊迫感が失せたりといった展開がありません。
悟空やベジータより強いビルスとウイスの扱いは難しいところですが、復活のFで感じたようなモヤモヤはない分量でした。
強くて余裕綽々のキャラが過剰に手助けすると緊張感が削がれるので、非戦闘員のお守りに徹するのはちょうどよかったと思います。
・キャラの扱い・評価
扱いがひどいと思わせるキャラがいなかったのが好印象。
悟空とベジータは性格や戦い方の違いを発揮しつつカッコよかった。
本作で敵となるブロリーは「いきなり出てきたのに戦闘力のインフレ最前線にいるキャラを上回る強さ」「筋違いの復讐心で攻撃してくる」という反感を招きかねない要素の持ち主ですが、設定や描かれ方のおかげで好感が持てる。
「潜在能力がとんでもなく高い奴があんな過酷な環境で生きてきたらそりゃ強いよね」「復讐以外縋るものがない父親からベジータ親子の悪口を延々吹き込まれたんだろうな」と納得できます。
ギャグ描写があったりサンドバッグにされたりしたフリーザも、前者は精神面での変化、後者はスタミナという欠点の克服が描かれてます。
非道な真似をしたベジータ王やパラガスも、ただのクズと否定したくなるわけではない。
王子より力のある存在は遠ざけたくなるのも尤もですし、パラガスのような状況に置かれれば精神が壊れてしまう。
王は嫉妬を隠すためにでっちあげた懸念が、その通りになったのが面白い。

好みが分かれそうな点
・BGM
名前を叫ぶのは好みが分かれそうですが、プロレスの入場みたいで私は結構好きです。
・配分
前半はストーリー・ドラマパートで後半がバトル。
本格的な戦闘が行われるまで若干長いと思われるかもしれません。
しかし、前半でしっかり描いたからこそ、後半のバトルがいっそう熱くなったと思うので、私はこの配分で良かったと思います。

以上のように、ここで挙げている項目も、私は気になりませんでした。

あとは思ったことを順不同で挙げていきます。
・あの曲
ドラマパートが終わって時間軸が現代に戻っての組み手ですでに高揚した。
・過酷
悟空が「過酷」の意味を知らないのは「えっ?」と思いました。
そこまで無知か?
悟空なりに場を和まそうとしたように見えなくもない。
・ベジータがクレバー
ブロリーにとどめを刺そうとしたり、一対一で戦う悟空に加勢したり、かゆいところに手の届く立ち回りでした。
フリーザのことも警戒しており、実際に危惧が的中するなど、判断が冴えています。
・フリーザの願い事
ブルマと同レベルって……。
部下のキコノの反応とシンクロした。
「不死じゃないなら何?」「え、身長? そんなことのために?」という感じで。
でも理由を言われると納得できました。
確かに、不老不死でも身動き封じられたらアウトですよね。
いくら強くなろうが、邪魔者を葬ろうが、コンプレックスの解消にはつながらないと言われればその通りです。
力や権力を手に入れた先に行きつくのは、傍からはくだらなく見える願いなのかもしれません。
・雄叫び
悟空とブロリー、双方の喉が心配になるレベルで叫びまくってました。大丈夫か?
・発見
レモとチライが到着した時のパラガスの反応が生々しかった。
・食生活
ブロリーがビルスと出会ったらどうなるんだろう。
善意でバンパの食料を分けたブロリーに「何てものを食わせるんだ!」とビルスがキレるけど、ウイスが「その方はそれが主食だったんですよ」と宥めそう。
「普通の水も飲めなかった……?」と、食生活のあまりの悲惨さに同情し、プリンを分けてあげるかも。

・ドラマ
最初は本格的な戦闘を待ち焦がれつつ観ていましたが、きっぱり分けて正解でした。
サイヤ人達の劇的な運命が描かれたことで悟空やベジータ、ブロリーに「こんな背景があるのか……」と思えました。
特にブロリーのキャラを掘り下げたおかげで、主人公達が力をぶつけるに相応しい存在感や、結末に対する爽快感を得られました。
内面が描かれなかったら「何この叫び続けてる人……」「こんな危険なだけの奴、野放しにして終わっちゃまずいだろ」と冷めてしまったかもしれません。
「倒さないとまずい」「でも死んでほしくない」の加減が絶妙。
細かい所ではサイヤ人達が滅びるシーンでスカウターの演出が光りました。
戦闘力を測る道具の役割は『数値の大きさ・上昇で強さを分かりやすく示す』が真っ先に浮かびますが、こんな活かし方もあるんだと感心しました。
スカウターと言えば「数値の上昇!」「計測できず爆発!」というイメージがあったので数値が減っていくのは新鮮でした。

・バトル
前半ストーリーを描いた分、後半はひたすらバトル!
これはもう熱い! カッコいい!
相手がどんどん強くなるのに食らいつくブロリーに興奮しました。
野性味あふれるブロリーと流麗な戦い方のゴジータの対比が美しい。
・ブロリーの覚醒
すぐに覚醒したのではなく、悲しみや戸惑いのような表情を浮かべていたのが印象的でした。
瞳がパリーンと割れる演出で『うしおととら』を連想した。
もちろん好きです。
・結末
ブロリーの境遇やパラガスの末路、フリーザの悪行など後味悪くなりそうな要素があるにも関わらず、「面白かった!」と晴れやかな気分で終われるバランスでした。
・ED
ゴジータのポーズは何だったんでしょう。
サービス?
需要はありそうです。

ここからは各キャラについて。

・悟空とベジータ
安定感がありました。
敵であっても穏やかに接する悟空と、容赦なく仕留めようとするベジータ、どちらも魅力があります。
悟空のおおらかで相手の過去にこだわらない性質は美点にも欠点にもなりますが、それをベジータが補う形になっています。
悟空がブロリーに語りかけるシーンが仙人感があってグッときます。
合体を嫌がるベジータにブルマを出して了承させるなど、ベジータの扱いに慣れている様子。
それで頷くあたり、ベジータは丸くなっていますね。
合体してからの圧倒的な強さとカッコよさは、魅力的なボスであるブロリーに打ち勝つ説得力がありました。

・フリーザ
心温まるブロリー方面とは対照的に、フリーザがしっかり悪党やっててホッとしました。
地獄に落ちたり生き返ったりしても丸くならない驚異的な精神の持ち主。
善人や中立のキャラには任せられない役目をこなしてくれる。
延々サンドバックにされるところは笑いました。
主人公の親友殺して覚醒させたことを思い出して、軽いノリで再現するって相当凶悪な所業だぞ。
あんな感じでやってみよう→成功
ってギャグかよ!
「あいつやりやがった!」という心境。
その後ブロリーの標的になることで溜飲が下がるのでバランスが取れています。
殴られまくっても一切心が痛まないって貴重な存在ですね。
サラッとパラガス撃ち殺したり、裏切者を撃ち落とそうとして止められたり、最後は他所を侵略している、一切ブレない悪っぷり。
安易に味方にならず悪の華を咲かせまくってほしい。
そしてしっぺ返しをくらってほしい。

ギャグっぽく見えるサンドバッグシーンも、前回の映画で出たスタミナ問題を克服していることが分かる。
ベジータの危惧が現実になってますね。
精神面も、昔は伝説という曖昧なものを危険視して摘み取ろうとしたのに、今回は脅威を目の当たりにしても素晴らしいと評価し、取り込もうとします。
「追い詰められると取り乱して口汚くなる悪役」から「追い詰められても口調などが崩れない悪役」に変化しつつあるな。
今後ブロリーとどう関わるか気になるところです。
直接チライとレモを人質に取るのは危険なので、「チライさんとレモさんが危ない目に遭っていますよ、助けておあげなさい」と、恩を売りつつ上手く動かす方向で利用してくれると痺れる。

・パラガス
酷いことをしてきたんですが、最初から完全にゲスなわけではないのがもどかしい。
「何でそうなるんだよ?」というぶっ飛んだクズさではなく「そうなるのも分かるけど……」という、納得できてしまう心の動きでした。
王がいないから息子のベジータを復讐対象にしたり、ブロリーはそんなつもりは全然ないのに殺されると怯えたり、最終的に王の判断は正しかったと認めたり。
「巻き込まれる」ではなく「ターゲットにされる」という感じの怯え方だから、恨まれることしてるって自覚はあるんだな。
ブロリーの方は制御装置のスイッチがなくなって反抗するどころか、復讐に付き合ってくれたんだぞ。ブロリー自身は己の境遇を恨んでいるわけではなさそうだったのに。
物心ついた時からバンパにいて、強くて生き延びられるブロリーと、環境激変して戦闘にもついていけないパラガスでは憎悪の度合いが違いすぎる。
それでも戦ったのは親父のためなんだから、よりによってあんたが王の判断を肯定するなよ。
復讐心だけで生きてきたのに、その感情すらブレたらおしまいです。
復讐に憑りつかれたなら「ブロリーこそが最強なのだ、復讐さえ果たせれば屍になろうと本望!」くらい完全に振り切れた方が楽だったろうな。

肉体的にも精神的にも過酷な地で、己より遥かに強大な相手に温かく接しろというのは無茶です。
猛獣がじゃれるようなもので、相手にその気はなくてもこちらは大怪我するかもしれないから制御装置をつけたくなるのは無理もない。
批判したくなるのは二点、電撃が強すぎることと友情を壊したことです。
「刺激を与えて正気に戻す」どころじゃなくて拷問じみた光景になってたぞ。
制御するためと言ってるけど、バアとの交流を尊重していれば加減を覚えたんじゃないのか?
チライやレモの糾弾は一方的に聞こえるかもしれませんが、目の前であんな光景を見たらそう言いたくもなる。
同情できる背景はあるけど、チライ達はそれを知りませんからね。
だいたい事情があってもあそこまでやったらアウトでしょう。
ブロリーから聞いた話と合わせると最低の親父としか思えない。
しかし覚醒するきっかけになるくらい慕われていたんですよねー。
本人はそれに気づいていないのが残酷というか虚しいというか。
ブロリーをたいして知らないはずのフリーザの方が正解したという……。
ビーツを処分した彼が同じように撃ち抜かれて最期を迎えるのは因果応報。
あのあっけなさが却って効果的ではないでしょうか。
昔のパラガスも、フリーザも、命の重みなど感じていないのは同じだと思わせます。
ドラゴンボールで生き返らせるとしても、我が子に殺されると怯え、復讐心も折れた状態ではどうしようもない。

・チライとレモ
ブロリーを利用しようとするパラガスやフリーザ、戦うことになった悟空やベジータとは異なる方向からブロリーと接するキャラクター。
フリーザ軍の一員ですし、純粋な善人や完全な正義というわけではない。
パラガスを批判するシーンは、言っている内容は何も間違ってはいませんが一方的に聞こえます。
ブロリーの力の強大さも、制御できない場合の危険さも、じっくり向き合う余裕などない環境のことも、ろくに知らずに放たれた台詞ですから。
だからといって、いつまでもブロリーをあんな目に遭わせていいはずがない。
誰かが解放すべきで、担ったのがこの二人だっただけの話です。
パラガスのやり方を批判して制御装置を破壊したのは後先考えていないように見えます。
責めたり壊すだけで終わっていたらモヤモヤしたかもしれません。
しかし彼らは、ブロリーの力を知っても拒絶せず、彼を助けるために奔走しました。フリーザを裏切るという危険を冒してまで。
否定するだけでなく行動で見せてくれた彼らは、パラガスとは違うやり方でブロリーを導いていくでしょう。
三人組のほのぼの日常生活を見たい。

・ブロリーというキャラクター
いい奴じゃん!
優しくて強くてカッコよくてかわいいって隙が無いな。
美味いものを腹いっぱい食わせてやりてえ。
幸せになってくれ~!

主人公達が強大な敵に力を合わせたり工夫したりして立ち向かうのではなく、最初は優勢だが相手が追いつき、上回る展開が新鮮。
戦いの中で強くなる特性は主人公向きという印象があり、キャラの立ち位置によっては合わない可能性もあります。
例えば、王者・頂点と評されるようなボスならば最初から完成された強さであってほしい。
ブロリーの場合、境遇がガッツリ描かれたことで、まるで主人公みたいだと感じたので噛み合っていました。
パラガスの叫びに応えて駆けつけるシーンはまさにヒーロー。爺さんと女の子を助けるなんて主人公かよとツッコまずにはいられなかった。

彼の戦いに対する姿勢について、チライ達の言っていることは少しズレている気もします。
戦いそのものが嫌いなのではなく、復讐を強制されたり、暴走して訳も分からず戦うのが嫌なのでは。
普通に強い相手と競い合ったり、己を高めたりするのは嫌ってはいないように見えます。
かめはめ波食らう直前はおびえた様子でしたが、悟空とは仲良くやれそうでよかったよかった。
バアとも仲直りできるといいな。
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