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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

1000円ヒーロー 3巻

1000円ヒーロー 3巻


第20話 100円と氷

マッハマンが正義に失望しているのは、怪人=悪として排除するヒーロー達だけでなく、大切な家族を守れず、姪の苦しみも解消できない自分への苛立ちも含まれているのかもしれない。
ヒーロータイムがヒーローの失敗を放送したことは一度もない、という話は正直きな臭さ、胡散くささを感じます。
マッチポンプかと……。
だって怪しいじゃないですか。
後の麗華の件を見ると素直に「ヒーロー達の活躍を届けたいんだな」と思えます。
麗華の姿勢も同様で、印象が変わります。
このシーンだけだと爺さんの反応と相まって、正義を振りかざす傲慢なヒーローに見えます。
「千とのやりとりで優しい所があるのは分かるけど、正義が絡むと頭が固くなるのかぁ……」的な。別にそんなことはなかった。

第21話 捜索と労働

麗華がメディアに出ているのは正義の活動を広めるため。
高レートヒーローは戦闘に加えて広報活動にも駆り出されるんですね。
拒絶して逃げ回るのも限度があるでしょうし、千が正体を隠したがるのも納得。
この時点ではプロデューサーがやっぱり胡散くさく見える。
視聴率のためなら手段を選ばない奴かと……。
だって怪しいじゃないですか。

普段刃は千と恵理の弁当の取り合いをしているとのこと。
何やってんだ。
そこは生活が過酷な千に譲ってやれよ。
ただ、何だかんだ言いつつ刃の分も多めに作ってくる恵理に心が温まった。
千と恵理の関係が特別であることは前提も前提で、割って入ってほしいとは思いませんが、刃と恵理には仲良くなってほしい。
指名手配されているヒーローの捜索で刃は休み。
刃の身を案じる千にも心温まる。
友達やってるなあ。
恵理に心配されたがるクラスメートに対する友人の返答がむごい。
確かに心配してくれるだろうけどやめてあげてください。

マッハマンの中の人、声井薫登場。
名前が直球すぎる。
変身の資金を稼ぐために工事現場にバイトしにきました。
人相悪くて無口だがよく働く好青年。頼もしいじゃないか。
主任の言い分は極端な気もしますが、顔だけで決めつけるよりはいいでしょう。
かまかけられて盛大に飲み物噴き出すあたり、腹芸はできそうにないな。

怪人になってしまった身内を匿うヒーローは悪か。
薫の問いに対する千の返答は、正義の味方ではない。
「でも、誰かのために戦ってる人はいつだって誰だってヒーローなんじゃないの。少なくともその誰かにとってはさ」
この作品全体に通じる言葉ですね。
「ヒーローとは誰かのために戦う者」というテーマが根底にある。
1コマだけ怪人のおっちゃんを出すのがずるい。

一方、一人になっている麻衣の前に刃が現れた。
……ここだけ見ると完全に不審者です。

第22話 遭遇と発覚

刃のシニョリータセンサーにどこからどうやってツッコめばいいのか。
自分でブルブルさせる心境を想像しようとしてできなかった。
何考えてんだ。
(俺が怪しい人に見えるとでも言うのか……!?)
はいそうです。
境遇に関係なく逃げるわ。
逃げる麻衣の前に麗華が立ちはだかる。
彼女は手を振り上げ……刃をぶった!
普通なら「親切はありがたいけど関わらないでくれ!」と言いたくなるのに、今回のケースだと仕方ないと思える。
小さな女の子が半裸の男に追われてるのを見て関わらないでいるヒーローなんて見たくない。

刃と麗華の距離感も好きです。
刃と千・恵理とは違う空気がまた面白い。
麗華の言い訳に微笑ましさと呆れが半々。
咄嗟にその切り返しが出るのか。
麻衣に優しい麗華にほのぼのする。いい絵だ。
刃も刃でブラックコーヒーに関する比喩がキレてます。
墨汁に砂糖入れて飲んだ方がマシ……どんだけ嫌いなんだよ。
そんな刃への謎の男の評価。
「この辺りで私より怪しいのは君くらい」
正当な評価です。
刃を警戒し、謎の男も動き出す。

麗華は、マッハマンを殺しかねないから情報をもらえない。
すぐに殺しにかかる冷酷な正義信奉者ってわけじゃないのにな。
でも危うさを感じさせるのは事実か。

千に駆け寄る麗華が赤面してる?
ほほう。
刃と恵理の時も言いましたが、千と麗華も仲良くなってほしい。
恋愛に発展してほしいとは思いませんが、距離が縮まるといいなあ。

第23話 追跡と甘ちゃん

麗華が千に己の立場を明かす。
変身ポーズはカッコいいんですが、その、胸が強調されて……何でもないです。
緊迫した状況なのに氷の狼に群がられて困惑する千に和んだ。

刃の心の声にツッコみたい。
(女の子との遊び方なんてわっかんないや!)
お前、「女好きで軽薄」なキャラ作ってるはずだろ。
ドラゴンパニッシュじゃんけんのルールが気になる。
うたた寝する麻衣に上着をかけようとする光景が危ない。
現時点でもまずいのに、上半身完全に裸になったら全力でアウトだ。

麻衣を利用すればマッハマンを捕らえることも容易だったはずなのに、巻き込まないよう配慮して、相手がベルトをつけるまで待って、事情を問うことまでする。
「俺の力は守るための力だ。理由無く変身したくない」
青臭い。
甘っちょろい。
でも、だからこそ貫き通してほしい。
刃の言葉に対し、マッハマンの返答は無情。
「お前は身を滅ぼすレベルの、甘ちゃんだ」
うん、全く反論できない。後で「底抜けのお人好し」とも言うが、ぐうの音も出ない。
作中で指摘されるのでスッキリしますし、戦闘の危険さ・敵の恐ろしさを知りながらも体を張って戦ってるから受け入れやすい。

第24話 遮断と横槍

刃を甘いと評しながらも、傷つけずに済ませるマッハマンも甘い。
生身の刃が殴られたらどれほどのダメージを受けていたか知りたい。
重傷は免れないだろうな。
ベルトのみ破壊は刃もやったことですね。
甘さの連鎖する様にニヤニヤしてしまう。
己の行動と重ねて介入する意思を強めた刃と、情報代をもらいに行くという名目で関わろうとする千。
息が合ってるな。いいコンビだ。

逃走するマッハマンと麻衣の前にレディフロストが現れる。
見に行こうとする人々に「おいおい……」と言いたくなった。
レート100ヒーローの近くだから安全とのことですが、足手まといになる前に帰ってほしい。
この作品の正義感溢れるヒーロー達は首突っ込んできた連中も守ろうとしますから。

麗華……レディフロストは氷のドームを形成し、周囲から見られないようにする。
正義のため処刑を見せつけるわけではなく、人々がどう思うか配慮しているので好感が持てる。
氷のドーム破壊をもろこし怪人ダッケナルディに命じる謎の男。
話は変わりますが、謎の男がエッジマンに君付けするたびに笑いそうになる。律儀というか。

第25話 貸出と睡眠

ダッケナルディは間の抜けた外見と攻撃方法のくせに強いなぁ。
バイト上がりなのに所持金が少ない千に対する刃の返答がイケメンだった。
「いいさ、カレーに罪は無い」
こんな台詞言ってみたい……別にいいや。
千は生活が苦しいから仕方ないけど刃はもう少し持っておけよ。
千のベルトで刃が変身する。
友のベルトを使って立ち向かうと書くと熱い展開ですが、所持金が少ないからというのが世知辛い。

レディフロストが麻衣の意識を失わせて捕らえようとしたところ……とうとう怪人がお目覚めです。

第26話 悲劇と選択

寄生怪人パラサイトヴァンパイア。
寄生体質の敵を見るとダイ大のミストバーンを思い出す。
彼の影響で寄生キャラに対する注目度や期待度が上がっているんですよね。
か弱い人間に憑りついて盾にしつつ偉そうな態度を取るのか、異なる言動を見せるのか。
この怪人はゲスい方向で輝いてます。
強面のせいで怯えられるマッハマンと、姉や姪とのやり取りが哀しい。
心が温まるほど、待ち受ける出来事が辛くなる。

マッハマンの姉に寄生した怪人が姪を殺そうとしている。
止めたければ姉を殺すしかない。
姪か、姉か。
残酷な二択を迫りやがる。
しかも「寄生された人間は自分の行動を覚えている」とダメ押しの情報まで与えて……。
姉に自分の娘を殺させるわけにはいかない。
マッハマンは葛藤の末に自らの手で姉を……。
嬉々として話して聞かせるなんて、素晴らしい外道だなぁ。
真実を知ったレディフロストが激怒。
怒るに決まってるだろ、こんなの。

千の知識で敵怪人の攻撃を攻略するのは熱いんですが、背景がやっぱり世知辛い。
ダッケナルディはヒーロー共通の弱点……大衆への攻撃に走る。
だから言っただろ、足手まといになる前に帰れって!
この世界のヒーローはわざわざ見物しに来た野次馬でも守ろうとする心の持ち主ばかりですし、怪人は人々を攻撃する気満々です。
前髪ソニックブーム怪人に笑ってしまった。
刃と呼び方ほぼ被ってる。

第27話 爆撃と異能

生身で怪人に立ち向かう千に刃が「君って奴は……」と反応してますが、刃にも当てはまりますよね。彼も大概危険を冒してる。
ここで謎の男が、怪人の邪魔をする千に注目。
野次馬にさっさと帰れと思ったものの、エッジマンの身を案じてもういいと言ったところでちょっと見直した。
お前はどうなってもいいから自分達を守れと要求しなくてよかった。
敵わないと見なす人々に、刃は答える。
「『エッジマン』が死ぬときは、人を見捨てたときだけさ」
内気な学生→持ち上げられ利用されて迷走する軟派野郎→カッコつけるがヒーローらしさ溢れる男と変遷が激しい。
どこからどうしてこうなった。
元々ヒーローらしい心を持っていたけど一時的に曇っていたのだと思っています。

千のベルトは特別なようです。
今のところベルトについて分かっているのは
・レート1のベルトは共通
・レート10~のベルトは独自のデザイン
・他人のベルトを使ってもいつもの姿になり、相手の姿に変身するわけではない
・政府と民間の違いは時間制限・入金による隙の有無
くらい?
他にもあるのでしょうか。

ダッケナルディの無数の弾丸を、刃の放出した刃が迎え撃つ。
ダッケナルディに勝利!
レート10ヒーローを十人以上倒しているのなら、本来刃一人だと厳しい相手のはず。
ベルトの力だけでなく、千の存在が大きいこと、刃が強くなっていることが合わさっているといいな。
怪人をも駒扱いする謎の男の顔に傷をつけたことで溜飲が下がった。

敗れたダッケナルディは目のついた部分だけ飛び出ているのがシュール。
煮るなり焼くなりではなく「ゆでるなり焼くなり」なのが細かい。
刃は敵にとどめを刺さず、背を向ける。
刃、君って奴は……。
他の人間も襲おうとした相手にまで情けをかけるのか。椿と違ってやむを得ない行動というわけでもないのに。
悪意で応える悪辣な者もいるかもしれないのに。
ダッケナルディの心に届いてよかったと言いたいところですが、謎の男が邪魔をする。
もー、余計なことしやがって。
謎の男の攻撃から刃を庇い、ダッケナルディは死亡。
野次馬を狙ったばかりなので、情けに触れて改心するまでの流れがちょっと唐突に感じられました。
内面が掘り下げられていればもっと心を打っただろうな。
人間だった頃の性格や、怪人になってからの言動を知りたい。

謎の男が炎を使うなら、千の宿敵になりそうです。

第28話 寒風と本命

自分を庇った怪人の死に拳を握りしめる刃。
彼の甘さが届くキャラがいるから、パラサイトヴァンパイアみたいな奴が映える。

麗華の過去話を詳しく見たい。
なるべく麻衣の体を傷つけまいとする麗華はレディブレイズの称号だけでなく魂を受け継いでますよ。
麻衣を殺そうとした時は正義のためならどこまでも非情になれるキャラに見えましたが、そこまで突き抜けてはいません。

改めて思いましたが、乗っ取られた麗華にはミストマァム的な魅力を感じる。
いい表情しますね。

第29話 原因と懐柔

愕然とするマッハマンを見て楽しそうなパラサイトヴァンパイア。
コイツには改心してほしくない。
レート1ヒーローの家族に寄生して、何もできない相手を殺す「遊び」に興じる奴だからな。
ここでも謎の男の暗躍が。
コイツにも改心してほしくない。
過去が明かされるとしても、思想が形成された経緯の説明に留めてほしい感がある。同情するようなものであってほしくないなぁ。
レディフロストを狙った一連の行動の非道さに憤りつつ、どうしてもツッコみたいことが。
顔立ちはともかく、胸の大きさは重視してるだろお前!

怪人はレディフロストに寄生して人間を殺害し、ヒーローの立場を落とすつもりです。
駆け付けた千にマッハマンが真相を話そうとすると、彼こそが寄生されていると偽る。
うわー、あくどい。

第30話 転落と開花

あまり千が騙される気はしませんでした。
千がヒーローだと知らない彼女が問い質さないのは不自然ですから。
予想通り、千はあっさり見抜いてベルトを破壊。
麗華からもらうはずだった情報代を使って再度変身しようとするも、麗華の体を盾にされたら手出しできない。
甘くて歯がゆさを覚えることもありますが、そこが好きでもあり……。

寄生怪人の弱点『女性にしか寄生できない』が発覚。
最初からそういう体質なら何も思いませんが、理由が「しがみつけないから」なのが残念。
もうちょっとこう、何かないのか?

謎の男が千のベルトの奪取を条件に保護を申し出ますが、本当に実行する気はあったんでしょうか。用済みと見なして消しそう。
「常識で考えろ」と言われるマッハマン……。腐れ外道には言われたくないだろうな。
目が覚めた麻衣にベルトを運ばせるが、彼女はヒーローになると宣言し、ベルトを身に着ける!
必要なお金もありました。
麗華に缶コーヒーを買ってもらったのがここでつながった。
ベルトがあっても適性が無ければ変身は不可能。
彼女は、変身できました。

第31話 発見と名前

身近なヒーローの姿によって思い描く正義の在り方が影響するでしょうから、変身する姿が似るのは納得。
以前感想で書いた通り、ここで引っかかるのは寄生方法ととどめを刺さなかった結末です。
特に前者。

麻衣の手によってとうとう寄生怪人の本体が白日の下に晒されました。
見ないようにしつつチラ見する千に笑った。状況を把握しないといけないから仕方ない。
ゲスさは悪役として好感度高いのですが、寄生方法には正直落胆している。
正義がどうとか偉そうなこと言ってる間も胸にしがみついていたと思うとガッカリだよ。
「素晴らしく良い怪人」認定した謎の男もその点は除外している。

寄生方法と違って、怪人にとどめを刺さなかったことへの引っかかりは軽めです。
散々えげつない真似をした怪人をブッ飛ばしてほしい気持ちは強いけど、容赦なくとどめを刺す世界観ではない。
そういう展開を求めるなら他の作品を読んだ方がいいと分かっています。
後で脱獄して悪さしなければそれでいいや。

麻衣を甘いと言いながらも尊重するマッハマン、漢だ。
彼も非情にはなりきれない。刃に対してその片鱗を見せていましたし、彼の正義を受け継いだ麻衣の姿を考えれば頷ける。
謎の男の攻撃を止めきれず、諦めかけた麗華を千が支える。
その姿に憧れのヒーロー、レディブレイズが重なり、麗華は千に何者か問いかける。
千の名乗りで3巻は〆。

おまけページはつなぎマン・マジックテープ仮面・マッハマン・レディフロストについて載っています。
レート1のヒーローの給料は高くないのか。
それでも変身してばかりだとキツいな……。
前巻でもバイトしていましたからね。
つなぎマン、地味に強い。
レート1はやられ役になりがちですが、一般人よりははるかに強いんですよね。

確かに、マジックテープ仮面が先に動く場面が見受けられましたね。
つなぎマンにばかり千の功績が被せられているので、たまにはマジックテープ仮面にもあげてほしい。
それにしてもマッスルアイスって、食べたらムキムキになりそうだな……。
この二人組もいい味出してるので、今後も地道に活動&活躍してほしい。

マッハマンの顔に傷がある理由が切ない。
ヒーローとして戦って怪我して怖がられるって……やってられない。
22歳?
二度も言わなくても……22歳に見えん。
能力がシンプルであるほどスーツの性能が高い傾向にありますが、マッハマンはスーツの耐久力は低めです。
便利なギミックがあってスーツも強かったらずるいもんな。

レディフロストはアイドルとして持ち上げられているとのことですが、それなら後に一斉に批判されるのが少々不自然な気がしなくもない。
ちやほやしていたのに掌返して叩いてよかったのか?
また持ち上げるようなら「どの面下げて……」とツッコみたくなる。
麻衣についても載っています。
強い子だな。
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