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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ミストとハドラー 中編

ミストとハドラー 中編

10巻

素顔見られて逆上したり鬼岩城ぶっ壊されて狂乱したりするミストバーンの姿をハドラーが見たらどう思うんだろう。
熱い魂ではなく暑苦しい魂認定するかもしれない。
それと、ハドラー関連ではありませんが、キルバーンの台詞で一つだけ。
「いくら親友のキミでも」
ミストバーンの方は親友と表現していなかったような……。
軽い冗談みたいなものであってもキルバーンが言い出したなら、一方通行じゃなかったと希望が持てるかもしれない。

87
「やはりハドラーがにらんだとおり」
保身に汲々としていた印象が強いため忘れがちですが、司令としての能力は低くないんですよね。
他の軍団長が個性豊かな面々をまとめられるかと言うと怪しいですし。

11巻

35
・ハドラー登場
落雷と共に現れ、鋭い眼差しで一同を睨む。
「待たせたなミストバーン。オレのパワーアップは完了した……!」
仲間の危機を助ける主人公側のキャラみたいな台詞吐きやがって……熱いじゃないか!
「今度はオレがおまえを助ける!!」
今度はオレが、ということはミストバーンに「助けられた」と認識しているんですね。
ただの貸し借りではなかったと。
悪役同士の助け合いに燃えます。
助ける宣言に「……ハドラー!」と呟くミストバーン。
この時の心境を知りたい。
以前の関係なら「おまえが私を助けるだと? ……何を言ってるんだ?」で片付けそうですが、もはや違うはず。
あとキルバーンはスルーか。
助けられるどころか散々脅かされましたから、それも当然ですね。

82
・解説役
「……魔炎気!!」といい、「……超魔爆炎覇!!」といい、リアクションが簡潔。

101
・フォロー
ハドラーの勝利を口にするキルバーンに対し、一足先に状況に気づいたのかピクッと反応するミストバーン。
「……ミスト、キミはハドラー君の方を見てやりたまえ」
一番の理由は自分が獲物を狩るためでしょうけど、ミストへの配慮も兼ねてるように見えます。

119
・浮上
水から上がってきたハドラーと、彼を見つめるミストバーン。
見にきた理由は状況確認だけではないんだろうな。
本格的に心配したり動揺したりするのは魂を認められてからでしょうけど、それ以前から身を案じていたのかもしれない。
体を捨てたのにすぐに終わってしまってはむごすぎると思いそうですから。
「ミストバーン……!」と呟くハドラーは、相手が見にきた意図に気づいたかどうか……。

140
・勢揃い
バーン様のシルエットにミストバーン、キルバーン、ハドラーが並んでいるイメージ映像がカッコいい。

148
・謁見前の会話
ミストバーンとハドラー関連で一番好きなシーンが来ました。
「もしかすると、その場でオレは処刑されるかもしれん……」
死が迫っているのに、この落ち着きよう。
処刑をほのめかされて怯えていた頃とは違います。
「だから今のうちに言っておこう。オレは当初、おまえを底の知れない奴としてうとんでいたが……今では感謝している……!」
素直に感謝を口にできるのは大物だと感じられる。
自分の命が危ない時なのだから、なおさらです。
最後になるかもしれない会話の内容にミストバーンへの感謝を選んだと思うと、熱いものがこみ上げてきます。
本当によかったな、ミストバーン。

「六大団長の中でオレへの誠意を一番見せてくれたのは、あるいはおまえだったのかも知れん」
改造に貢献したのはザボエラもですが、誠意の欠片も無かったから礼を述べる対象にはならなかったんだろうな。
罵りながら見捨てようとしたのを脅して言うことを聞かせたザボエラと、立場が上なのに時間稼ぎを引き受け、必ず強くなれると熱い言葉を贈ったミストバーンでは、対応も変わりますよね。
「おまえには、その沈黙の仮面の下に流れる熱い魂を感じずにはいられん……」
どのように熱さを感じたのか、具体的に訊くのは無粋だとわかっていても、つい望んでしまう。
その答えによって正体を知った時の反応がわかりそうですから。
こういう光景をミスト本体でも見たかった……!
「ハ……ハドラー……」
ミストバーンの声音を知りたい。
感情が溢れるのを抑えているような響きだと勝手に決めつけています。
「おかげで最後に格好がついた……ありがとう!」
再び「……」と沈黙するミストバーン。
魂を認め真摯に礼を述べてくれた相手なんて、何千年も生きてきて初めてではないでしょうか。
死を覚悟していて最後の会話になりかねない状況で出てきた台詞ですから、さらに重い。
ミストの正体を知った後で読み返すと、いっそう心を揺さぶられるシーンです。

150
・再びフォロー
「なあに心配ないって」
この言葉が、ミストバーンがハドラーの身を案じていると証明していますね。
「ちょっとつまんないけど、まあおほめの言葉をもらって終りだよ」
つまんないということは、本当は殺されるところが見たかったんでしょうけど、ミストの心情に配慮しています。
水中に落下したハドラーを見に行かせたことといい、安心させる台詞を吐くことといい、ちょくちょくフォローしていますね。
だからハドラーを馬鹿にしてもキレられなかったのかもしれない。
ミストも心を踏みにじってばかりの相手に友情感じるほどドMじゃないでしょうし。

165
・指揮官
ミストバーンが指揮をとるよう命じられましたが、できるのか……?

227
・新生親衛隊のお披露目
バーン様、ミストバーン、キルバーンが揃うと絵になるように、ハドラーと親衛騎団が揃った姿も様になる。

12巻

201
・映像
魔力によって映像を送れるって便利ですね。
試しにそれでミストバーンとハドラーが会話してみたら……沈黙してばかりだから魔力の無駄か。

13巻

ハドラーの戦いを心配そうに見守るミストの姿とそこからの行動、ハドラーの反応に致命傷を受ける。
ど、どなたか二人の会話というベホマを……!

91
・ハドラーの決意
吐血し、長くはないと語るハドラー。
この姿をミストバーンが見たら心配したことだろう。
……心配するけど直接告げず、バーン様やキルは知っているのにハドラー本人は気づかない展開しか浮かばない。

130
・恐怖
神の作った最強の生物、竜の騎士が自分の部下だと知って怯えていた。
いつ自分の権力の座を上回るのかと。
一皮むけたハドラーは功名心や虚栄心を否定しますが、過度でなければ抱いても問題ないと思うんですよね。
適度にあれば行動を起こす原動力になりますから。
ザボエラみたいに露骨すぎて周囲との軋轢を生んだり、かつてのハドラーみたいにこだわりすぎて動揺して敗北へとつながってしまうから問題なのであって。
一切の名声を求めず己の未来をも捨てて全力をぶつけることだけを望む人物ばかりだと、組織が崩壊してしまう。
あくまで、欲に目が曇って追いつめられて覚悟を決めて一人の戦士として生きることにしたハドラーの意見ということで。

136
・勝ち目
どちらか有利か尋ねられ、答えるミストバーンの表情が……心を痛めているとわかる。
「いかにハドラーが強大になったとはいえ、ダイとバランが本気で結束したら九分九厘勝ち目はありますまい。親衛騎団を別行動にしたのは自殺行為としか思えません……!」
眼の光が小さい。
そのままハドラーが親子に倒されていたら、ミストバーンはどんな反応を示したんだろう。
主の言葉に「……はっ?」と呆気にとられるのが何か間が抜けてる。

158
・驚愕、動揺
「あっ……あああ……!? あれはっ……! 黒の核晶!!」
凄まじい驚愕を見せる。省略していますが、「!」の数が多い。
封印解除時の姿で見たかった、この反応。
「ハドラーの身体にあのようなものを仕掛けておられたのですかっ!?」
単純な驚愕や確認ではなく、非難めいた響きが混ざっているように感じられる。
ザボエラあたりが勝手にやったことなら「ふざけるなッ!」と激怒しただろうな。
おまえにあんな物騒なものはついていないと言われますが、心配してるのはそこじゃない。
バーン様、わかってて言ってますよね?
読み返した時に「そういうことか!」と思わせる効果を狙った発言でしょうけど、作中のキャラにとってはどんな意味があったんだろう。
真面目な部下をからかって楽しんでいるんでしょうか。
いつ火がついてもおかしくないと聞いて「ええっ!?」と叫ぶミストバーン。
ことごとく魔王軍最強の男とは思えないリアクションを披露するな。
「ううっ……ハ……ハドラーよ……! 真の戦士として覚醒したがゆえに逆に生命を縮めようとは、なんたる皮肉な……!」
封印解除時の気取っている態度の彼に、この時の言動を再現してほしい。
あの姿で「あっ……あああ……!?」「ええっ!?」「ううっ……」と言っている光景を想像すると何とも言えない気分になる。
本体でも見たい。
「できることなら勝って生き残ってもらいたいが……敗れし時はせめて華々しく散れっ! この偉大なるバーンさまのために死ねることを光栄と思いながら……!」
無茶言うなよ……。
一連の言動をハドラーに見せたい。

181
・人心掌握
「良かったなミストバーン。これでハドラーにも勝機が出てきた」
「えっ!?」
さすがバーン様、腹心の部下の心境を正確に把握していますね。
……よく知っているとすると、先ほど口にした台詞は焦らしていたのか。
一喜一憂する様を眺めて楽しんでいませんか?
ミストバーンも残酷なはずなのに、主がバーン様で友人がキルバーンだから霞みがちです。
鬼岩城を壊されたことに関してバーン様はたいして気にしなかったでしょうけど、部下のリアクションを楽しむためにあえて心を痛めている様子を見せたかも……と思えてきた。
たわけと言われただけでビクッとなるくらいですから、いい反応しそうです。

262
「強い……! あのハドラーが手も足も出ないとは……!?」
「あの」という言い方が認めている証に感じられる。
核晶を爆発させようとするのを見て「!!」と反応するだけでなく、やめてほしいと言いたげな台詞を吐く。
「く……黒の核晶を爆発させるのですか……?」
他のケースならいちいち確認しないでしょう。
あのミストに、バーン様に対してこんな台詞を言わせたのはハドラーが初めてな気がしてならない。
勝ちが無い以上そうしてやるのが情けと答える主に対し、何も言わないミストバーン。
黙っていますが、違うと言いたげに見える。
普段なら肯定しそうなのに。
黒の核晶を爆破しようとする時の表情。
腕を折られても超魔爆炎覇を放つハドラーを見守る表情。
また爆破しようとする時の表情。
ハドラー相手だと身を案じる印象が強い。

275
・決断の時
バランが抑えこみ、「……!」と反応するミストバーンが何を考えていたか気になる。
全てを捨てて臨んだ戦いを穢され涙を流すハドラーの姿が痛々しい。
見守るミストの表情もなぁ……。
「ハ……ハドラー!」という言葉といい、悲痛な表情といい、邪悪な存在ならありえない。
二人の心境を考えると、みっともないと評するキルバーンに憤りを感じる。
そこが素晴らしいとも思う。憎まれ役を貫き通す悪役の鑑。

・天秤
大魔王が赴く前に、ミストバーンはすでに行動していた。
「ハドラー君にはかなりご執心だったようだけど、さすがに天秤にかける相手がバーン様だと動きが早いね……!」
普通なら天秤にかけるまでもなく切り捨てて終わりでしょう。
バーン様が比較対象になる時点でただ事ではありません。
この時のバーン様の余裕の笑みに感情がこみ上げてきて整理がつかない。
ミストバーンが忠誠を貫くと確信しているんだろうな。
バーン様が黒の核晶を埋め込んだ行為について、悪役・ラスボスとして素敵だと感じる気持ちと、二人の関係が潰えたやりきれなさの両方が湧き上がってきます。
大魔王に相応しく、相容れない敵だと証明する冷酷さ。単純に己の力で叩き潰すのではなく、合理的な手段も用いる恐ろしさ。
倒すべき強敵だと感じられる行いに惹かれます。
同時に、「もしかしたら二人が戦友になれたかもしれないのに……!」と思ってしまう。
切り捨てることを選んだのはミスト本人ですから、バーン様を恨めしく思うのは筋違いだとわかっているのに。
第一、埋め込んだ時点ではあんな立派な戦士になるなんて誰にも予想できなかったわけで……。

黒の核晶が埋まってなくても、いずれバーン様がハドラーを切り捨てる時が訪れたでしょうね。
ミストも当然それに倣いますし、遅いか早いかの違いにすぎない。
友情の芽が開花する前だからこそ、傷が浅くて済んだのかもしれない。
本格的に友情が育ってから決別するとなると、どちらももっと苦しんだでしょうから。
それでも、二人が戦友となる光景を見たかった……!

282
・訣別
このシーンを何度も見て何度も語っているのに、動揺してしまいます。
ミストバーンの出現に「!!」と驚くハドラー。
「ミ……ミストバーンよ……!」
呼びかける時の辛そうな表情に心を打たれる。
「おまえも……おまえもバーン様と同じなのか!? オレを道具として始末しに来たのかッ!? おまえにとっても……オレはやはり駒にすぎなかったのかッ!?」
すぐに答えず目の光が小さい表情が入ったため、ミストバーンの方も辛そうに見える。
身を案じていたことも、勝って生き残ってほしいと願ったことも、涙に動揺したことも言わない。
言えるわけがない。
「……ハドラー。その質問に対する私の答えはつねにひとつだ」
ただ「そうだ」と言わずに何よりも重い信条で答えたことが、複雑な内心を表しているように思える。
「大魔王さまのお言葉はすべてに優先する……!!」
何度も出てくる中で最も重い。
表情や、身を震わせる様子から、ハドラーの衝撃はかなり大きかった様子。
「そうか……それがおまえの答えか……」
という台詞も重い。
相手の信念を感じたからこそ、非難せずに受け止めたのかもしれない。
ミストバーンが心の底から尊敬していたことは伝わらないままでした。
一方的にもほどがあるミストバーンの所業を許して仲良くしろなどとは言えませんが、せめて知るだけでも……!
ザボエラみたいにホイホイ売り渡したとは思っていないでしょうけど、どれほど重い選択だったかも予想しきれないでしょうから。

「どうかな? 私は指一本ふれずにおまえたちをこの世から消すことができるのだぞ……!」
偉そうにしやがって!
この台詞だけ聞くと、ハドラーへのこだわりを捨て去ったように聞こえます。
実際はそんなことはなく、全然捨てきれてない。捨てるつもりもありませんよね、多分。
許可を得てミストバーンの封印が解除される。
素顔を見て「おおっ!!」と反応するハドラーとバラン。
不気味な人物だと思っていたら人間のような青年が出てきた感想を聞きたい。

296
右手を伸ばしているミストバーンの姿がカッコいい。
「詮索はムダだ。すぐさまおまえたちはこの世から消える……! この顔を見てしまったからには、なおさら生かしておけなくなった……!」
この後生き延びたハドラーをそのまま放置してませんでしたか?
「さらばハドラー……そしてバランよ……バーン様が一目置かれた男たち……! 私はおまえたちの名を忘れはしないだろう……永遠に……!」
絶対に忘れないだろうな。特にハドラー。

14巻

8
・カッコいい二連発
キル達は素顔の方がカッコいいと言う。
ミストバーンが無言なのは「バーン様のお顔だからな……」と思っているからでしょうか。

229
・ミストとヒム
主を助けに行こうとする親衛騎団を闘魔滅砕陣で捕らえるミストバーン。
「なっ……なぜなんだミストバーンさんよぉッ!」
「加勢はならぬ……。主の最期……しかと見とどけよ……!」
この時彼はおそらく沈痛な表情をしている。
普通なら「バーンさまの邪魔をする不届き者め」で片付けそうですが、相手がハドラーですからね。
本当に、ハドラーに対しては直接語らないな。
直接語らないといえば、本人のいないところで口にする、表情で語るなどありますが、ミストはどちらもです。
沈黙を命じられていても、普通に喋ればよかったのにと言いたくなってしまう。
覚悟を決めて殺しに行って別れを告げたはずの相手が生きていて、今度は主の手で殺されようとしているミストバーンの心境やいかに。

ハドラーが大魔王の刃を受け止め吹き飛ばすと、動揺を露に。
「まっ……待てっ! ハドラー! それ以上大魔王さまへの無礼は許さん!」
気圧されてませんか?
何よりも大事な主に刃を向けているんだから、もっと傲然と振る舞ってもよさそうなものなのに。「許さん……死ね」とか「地獄を味わいながら死んでゆけ……!」とかそんな感じで。
「ううっ……! す、すごい! 流星がその燃え尽きる瞬間に最も明るく輝くようにっ……今死期を悟ったハドラーの力はとてつもない勢いだ!」
すごいて。シンプルな言葉に感嘆の大きさが窺える。
比喩がいちいち詩的です。
一つ疑問に思ったんですが、親衛騎団は空の技や光の闘気といったミストの弱点を突く攻撃はできないはずですよね。
ならば無視してバーン様を守りに行けたのでは?
ハドラーの勢いに圧倒されて判断力が鈍ったか?
妄想激しいと言われればそれまでですが、バーン様を守り抜いてきたプライドと実績があるミストが、手出しを禁じられていない状況で割って入らなかったことに理由があればいいなあと思ったので。

・拘束
ハドラーを拘束するザボエラは軍団長なだけはあると思いましたが、制御装置か何かを埋め込んでの限定技かもしれない。
ザボエラに裏切られたハドラーは特に反応無し。「ザボエラだからな」で終わるか。
もしここでバーン様が殺されたら、ミストはどうなったんだろう。
ハドラーに復讐するのか、それとも抜け殻になるか。
後はハドラーの捨て鉢な反抗にだけ気をつければ良い、とのことですが、よかったなミストバーン。
「おまえの素顔を見られたからには生かしておけんな。……追跡して、殺せ」などと命じられなくて。
完全に駒扱いしてると思われ、ますますすれ違いそうです。
バーン様やキルバーンみたいにすぐに背を向けずに佇んでいたのは、ハドラーのことを考えていたからだと思えてきた。妄想しすぎか。

284
・魔軍司令と補佐
ザボエラのおべっかに笑いがこみ上げてくる。
一応対等の立場だったはずの相手が上司になった途端、滑らかにごまをする。
「まったく、あのハドラーの馬鹿めに逆らってまで大魔王様の手助けをしたかいがありましたわ……!」
言わなくてもいい台詞をわざわざ口にするのがザボエラのザボエラたるゆえん。
後半だけなら何も言われなかっただろうに。
「……ザボエラよ。おまえはハドラーを超魔生物へと改造した男……“黒の核晶”が埋まっている事に気づかなかったのか?」
言葉の奥で「気づけよ! 気づいてたなら外せ!」とツッコんでいる気がする。
もし外していたら、ミストバーンはどう反応したのでしょうか。
バーン様の行いを邪魔するわけですから、怒らねばならない立場です。
「ハドラーに恩を売って出世するためです」などと言おうものなら間違いなくアウト。
「ハドラーのような立派な戦士を死なせるのは惜しい。もっと強くなるから、長期的に見れば外した方がバーン様のためになるのではないかと思った」的な答えを返せば好感度が上がる……かも。
そんな台詞を考え出せたらザボエラじゃないな。
それにしても、バーン様のやったことに関してわざわざ掘り返すなんて、ミストにしては相当珍しいことなんじゃないか?
普通なら「大魔王さまの御意思だから」と割り切りそうなものです。
一斉攻撃を進言した時みたいに遊んでいるわけではなく、合理的なやり方を用いてるわけですから、口を挟む必要は一切無い。ましてや、後から言及するなんて。

気づいたが放っておいたこととその理由を語り、得意げに笑うザボエラ。
ミストバーンは眼を光らせ、指をつきつける。
「カスがっ! おまえごときにハドラーを卑下する資格はない……!!」
この台詞をハドラーに聞かせたかった。
単に侮辱されて怒ったというだけでも熱いですが、背景に注目するともっと熱くなる。
何がすごいって、「大魔王さまのお言葉は全てに優先する」と主張し、実際その通りに生きているミストバーンに対して、「大魔王の命を救った功績がある男」が、「大魔王に刃向かった者」を貶したのに、ここまで憤るわけですから。
かつてハドラーから告げられた言葉を自らの行動で証明していますね。
自分ではなく誰かのことを卑下されて怒る者の魂が、熱くないわけない。
……黒の核晶を爆発させて殺そうとしたのは、他ならぬ彼ですが。
信頼を裏切り戦いを穢したことを考えると、放置しただけのザボエラより罪が重いと言えるのでは?
ハドラーに与えた精神的ダメージは明らかに上回っていた彼に、ザボエラを責める資格はあるのだろうか。
そんな疑問が浮かんだものの、黒の核晶に関する行動自体はミストバーンも責めていないんですよね。
問題視しているのは行動の背景で、忠誠心や覚悟を見せれば普通に受け入れたでしょうから、自分を棚に上げてはいないか。

「バーン様を救った功績だけは認めてやるが、人から人へ自分の成り上がりだけを目当てにうろつくドブネズミなど私は絶対に信じぬ! いずれまた必ず己の欲のために主を裏切るからだ!」
この台詞にザボエラが評価されない理由が表れている気がします。
正面から自分の力でねじ伏せない者に厳しい空気があるのは確かですが、一番まずいのは味方まで踏みにじる気満々の姿勢でしょうね。
汚い手や卑怯な作戦に理解があろうと、自分にまで被害が及ぶなら話は別です。
信用できない相手を重用する人物は限られています。
そもそも、六大団長以上の地位を欲しても、上にはもうハドラーやミストバーンくらいしかいない。
……十分じゃないか?
彼らに並ぶとなると、要求されるものも大きくなるぞ。
能力や成果に関する評価は妥当だったのかもしれない。
「その時は……容赦なく殺すぞ……!」
仮にもバーン様を救った恩人だというのにこの扱い。
自分の価値観を押し付けてると言われれば反論できない。
同じことはザボエラにも言えます。
他人を利用し、侮辱までして平気な自分と同じだと決めつけて行動した結果、盛大に自爆している。

317
・味気ない
バーン様の味気ない発言に同意するザボエラと、沈黙するミストバーン。
視線からすると、ザボエラの態度に思うところがある様子。
ハドラーが魔軍司令していた頃はバーン様の命令で部下になっていましたが、仮にザボエラの部下になれと言われたら従いつつもストレス溜まっていただろうな。
ハドラーはヘタれていたとはいえ、危険を冒して戦おうとしていましたから。
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