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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

流れ落ちる調べに乗せて 終章

『流れ落ちる調べに乗せて』終章の感想

※ネタバレが含まれます。
また、初見~振り返りプレイ時点での感想なので、設定資料集の情報は含まれていません。


終章前編
「蘇芳に登場してほしいけど死なないか不安……」と思っていたら出てきた。
嬉しいけど敵対するのはやめてください。

蘇芳と聖のつながりに皐月達が気づく。
片倉家を訪れて彼女と会話することにしました。
やっと蘇芳に異能を与えたことを明言。
聖はすべての異能について詳細が記された目録がほしい。その先で絶対的な力を欲している。
アイニードモアパワー系女子か。DMC3のバージルみたいな。
ただし、斎木の力だけは取らないという約束がある。
……蘇芳か。
それがお互いのためだと思います。聖が使おうとしたら発狂するでしょう。
この場で全員から奪い取らないのは多勢に無勢、特に斎木がいるから。
一人じゃ斎木に勝てない。斎木の力は凶悪さが飛びぬけていますね。

対話の後、聖の前に寿里が現れる。
四章に出てきた露店の老人はやはり重蔵だったか。
思い出を投げ売りしていて、腑抜けている。
そんなの聞きたくなかった!
寿里の絡繰人形に苦戦しながらも聖は微笑む。
「私にも騎士はおりますの」
騎士とはもちろん蘇芳のことですね。
確かに姫と騎士みたいな組み合わせだと思ったけど、自分の家に強盗に入るよう頼む少女を姫扱いしていいものか……。
騎士と呼ぶなら強盗なんかさせるなと言いたい。
砲撃じみた不可視の攻撃が人形を破壊した。
蘇芳さん、どんどん大気の扱い方上手くなってない?
煙が風に吹き払われ黒い影が聖の隣に立つシーンは、とても絵になりそうだ。

聖が歌奈の持つ力を奪おうとする。
人形の彼女が力を奪われたら壊れかねない。
迷う心を押し殺して実行しようとした聖に対し、皐月達が止めに入った。
薙沙も加勢に来てくれた。
さらに蘇芳も参戦。大変なことになったぞ……。
「隊長殿。私は期待しています。貴方なら説明せずとも私の意思を理解してくれると」
理解って、一度決めたら曲げない姿勢を指してるのかな?
融通利かないって言ってるし。
蘇芳は空気を掴んでボールのように投擲する。
木々の幹を抉ったり石畳に穴を開けたりする威力。
さらに空中の聖に投げて足場にもできる。何つー連携だよ。息ぴったりですね。
連城まで戦いに加わったため、聖と蘇芳は撤退。

終章後編

正吾は聖の説得のために正面から乗り込むつもりです。
そのためには蘇芳を倒さねばならない。
斎木は蘇芳の斥候としての技量に何度も助けられたらしい。
連城からも
「敵陣の要人を暗殺した上で生還しかねない」
「あんな厄介な武闘派、十統の中にだってそうそういない」
「意志が強靭過ぎて、真実言葉を使ったとしても通用するかどうか」
と高評価。
味方してくれたらすごく頼もしいのに。
斎木達との共闘を見たかったな。

聖への説得開始。
正吾は聖をいい奴だと思っている。それなのに力に執着する姿勢に違和感を抱いている。
いい人認定をくらった聖は人を斬り殺したと主張。※できません。
目的のために他人を犠牲にする非情な女アピールに必死です。
優しくビンタする正吾がかっけえ。
歌奈達も到着した。
肩に担がれていた蘇芳は地面に横たえられました。扱いが丁寧でありがたい。乱暴に落とされても文句言えない立場だと思うので。
さすがに斎木と薙沙と連城の組み合わせ相手だと負けてしまったか……。
当たり前だよ! その三人を蹴散らしていいのはラスボスくらいだよ。
とはいえ、受けに専念すれば斎木と薙沙を同時に相手できるらしい。その二人に邪眼持ちの連城が加わっても手こずるってとんでもない強さだ。

正吾は聖に皐月への謝罪を要求。
やり直せないと叫ぶ彼女へ正吾が熱く叫ぶ。
歌奈だけは聖を見捨てない。
その通りだよ! 素直になっちゃえよ。
友情に満ちた言葉を聖は頑なに否定する。
彼女は自分が捻くれた理由を明かすべく、蘇芳に起きるよう呼びかける。
無茶言うなや。三人相手に戦ってやられたってわかってる?
薙沙からも「無理だ」「あれだけ食らって立ち上がれる道理が」のお墨付きだぞ。
……立ちやがった。
ほんとに人間?
薙沙の攻撃何発も食らったのに。回復系の異能も無いのに。
薙沙が引いてるじゃん。
満身創痍っつってるけど何このバケモン。
いざという時に聖を担いで逃げるだけの体力は残していた。
えぇ……。

正直、ここで嫌な予想が浮かびました。
もう十分に戦える力はない→敵の攻撃をくらってやられるパターンではないかと。
敵の脅威を示しつつ、「万全であれば……」という想いを抱かせる展開になるのではないかと不安を抱えながら読んでいきました。

聖は蘇芳にあることを思い出すように願う。
蘇芳が躊躇うって相当だぞ。やめた方がいいって。
聖は祖父から厳しい教育を受けた。
同じ年頃の子供と遊ぶことも許されず、誰一人信用するなと言われた。
闇奔をプレイした後だと理解できる。肯定はできなくても。
実際、金や地位を目当てに近寄ってくる連中も多いし、聖はそれを見抜けてしまう。
途中までは聖も祖父を信じ、彼の言葉に従って耐えてきた。
聖が深い人間不信に陥ったきっかけは……祖父から女として見られたこと。
違う!
重蔵は人間不信拗らせまくって孫に孤独を味わわせるような教育を施したけど、そんな風に思っちゃいない。
闇奔をプレイしているとすごくもどかしい。

聖は蘇芳に思い出すよう再度要求。
よしなよ……。
蘇芳もさすがに止める。「傷つくのは、貴女自身だ」がその通り過ぎて。
聖は過去を覗く力を持っている。相手が回想中のことしか見られないし、周りの人々と共有してしまう使いづらいものです。
それによって聖は蘇芳の記憶を皆と共有。
祖父から欲望の対象にされるのが耐えがたい彼女は、蘇芳に強盗として自分の屋敷と体を荒らすよう要求した。
憎い祖父の目の前で。
他の男のものになる姿を見せれば、執着も冷めるだろうと考えて。
んなこと命令すんなよ! 蘇芳も断れ!
金と女目当てで強盗を働く最低のクズになれって言ってるんだぞ……。
説得は? 拒否は?
他の方法はなかったんですか……?
何してんだと責めたくなるけど、仕方ない理由があったのでしょう。
精神的に追い詰められていた彼女に説得は通用しないし、断ったら別の過激な手段を取りかねないし、穏便な方法を提案しても黒幕の誘導で却下されるだろうし。
しかし無茶苦茶な要求だな。
人間不信に陥っている富豪の屋敷なんて警備も盤石だろうに。聖がこっそり手引きしたって相当難易度高いだろ。それを蘇芳一人でやれと言うのは……。
できてしまったんですねー! 実力の高さが仇になってる。
過去の蘇芳は重蔵を倒して聖に近づいていく。
それでも、本当にいいのか、こっそり彼女に確認する。
聖の答えは肯定。
「貴女は恩人です」
蘇芳の声には敬意が込められている。
どういうこと?

初見では、途中まで彼と聖の関係は対等な取引相手かと思っていました。
「異能を貸すから、この時期まで護衛して頂戴」→「分かりました。契約期間中は全力で守ります」という感じの。
違いました。
力を貸し借りするだけのドライな付き合いではなかった。

恩人から請われれば蘇芳は実行する。
斎木の解呪計画といい、恩人のためなら自分が悪党になることを厭わないんですよね。
自分の人生を軽く扱いすぎだろ……。
蘇芳は聖の服を引き裂き、孫が賊に襲われる光景を重蔵に見せつけた。
うぉああ……。
一番辛いのは重蔵だけど、蘇芳もキツいだろこれ……。
聖から蘇芳への感情によってこの件の印象はかなり変わりそうです。
「嫌だけど仕方ない」のか、「蘇芳なら受け入れられる」のか。
後者であってほしい。

聖は己の孤独や人間の醜い本性を声高に主張し、力を求める。
蘇芳は?
恩人のために汚れ役を引き受けた彼は見えていないのか?
狂ったように笑う彼女に皐月が冷静な指摘を浴びせる。
聖は人の本質が見えるし、一部とはいえ過去も覗ける。しかし、心が読めるわけではない。
そして、祖父の過去を覗き見た中に、孫を劣情の対象にする根拠はなかった。
それなのに彼女が重蔵を最低だと思い込んでしまったのは、誘導した者がいるから。

声を発する人形に聖は縋るように語りかける。
蘇芳も人形の事は知らなかったのか。
もし知っていたら何か変わったかな。もっと早く、人形よりも先に出会っていれば。
人形が破裂し、宿っていた禍々しいモノが聖に入り込む。至近距離で衝撃をくらった蘇芳は大丈夫か?
乗っ取られた彼女はもう助からない。
その正体は生霊。過去に生贄となり、生きたまま食われ、死ぬこともできずに存在する者達。
歌奈が必死に聖に呼びかけるが、状況を覆すことはできない。
聖の唇が動き、自分を殺すよう懇願する。
え……嫌なんだけど……。

プレイヤーの気持ちを置いてけぼりにして蘇芳が飛び出した!
ここで私は「介錯するんだな!」と確信しました。
恩人の頼みだからな。手を汚すことも躊躇わないでしょう。
蘇芳は聖へと勢いよく手を伸ばし……抱きしめた。
……マジかよ。
プレイヤーだけじゃなく登場人物も全員驚いてる。
これ以上苦しまぬようにという方向で優しさを発揮するのかと思ったら全然違った。

一緒に喰われると警告されても蘇芳は離さない。
「全く、本当に手のかかる人ですよ、貴女は」
いつもより優しい声音で囁いているんだろうな。
彼女のお陰で仲間を弔うことができたと蘇芳は言う。
確か、蘇芳にとっては仲間の弔い=斎木の復活なんですよね。
「受けた恩は必ず返す」
それなのに彼女が逝こうとするから、死出の旅の供をするつもりです。
義理堅いところは嫌いじゃないけど、体張りすぎ。
斎木の呪いを解くために自分が殺される計画を立てるし、聖の味方であり続けて死のうとするし、勘弁してくれよ。
敵の攻撃を受け続けて彼の体は傷ついていく。
ただでさえ戦えないほど消耗していたのに……!
読んでる最中に「あっ、これ死ぬな」と諦めました。肉体的にも物語的にも死ぬ流れです。
「ああ、気にする必要など何もありません。なに、私は悪趣味でしてね。貴女のような、不器用に過ぎる人間は、決して嫌いではないのですよ――」
斎木も一人で抱え込んで迷走していたし、そういう人間を支えるのが蘇芳の生き方なんだろうな。
色々悩んできた聖だけど、蘇芳が最後まで味方だったことは救いだったと思いたい。

歌奈は聖の中にいる者に、自分の体を狙うよう挑発する。
聖が聖として死ねるように。
飛び出してきた者達が歌奈の片足を食いちぎったものの、彼らを一時的に封印することに成功。
聖が自我を取り戻しました。
「すおう、さまは」
彼は地面に横たわり、動かない。
そうだよな。満身創痍だったのに無防備な体勢で攻撃を受け続けたんだから、もう……。
え? 生きてる?
「この黒服の肉体の強さは比類ない」
体鍛えてどうにかなるもんなの?
一瞬、「実は命を落としているが、聖を安心させるために嘘を吐いたのでは?」という考えが頭をよぎりました。後で抱えて帰ったのを見て安心しました。

蘇芳がずっと聖を抱きしめていたから、歌奈を狙う者達が飛び出して解放されたとのこと。
聖が戻れたのは、挑発した歌奈と離さなかった蘇芳のおかげか。
彼の言葉は聖に届いていた。よかった……。
「すおうさま……あなたに、だきしめて頂いた……三途を渡ったとて……けっして……」
彼女は蘇芳に対して異性として好きとか愛しているとは言っていませんでしたが、種類はどうあれ好意を抱いているのは間違いない。
聖は皐月に真澄を救わなかったことを詫び、皐月は許せないと答える。
それも一つの答えです。無理に許すわけにもいきません。
それでも謝罪はきちんと受け取った。

聖の人生が辛すぎる。
資産家の片倉家には地位や金目当てで近づく輩が大勢いて、聖にはそれが見える目があるんですから、ただでさえ孤独を味わったり人間不信になりますよ。
さらに祖父は彼女をガッチガチに守ろうとして誰も信じないよう言い聞かせて、聖は自分の特殊な力を相談することもできずに悩み苦しんで、怨霊に付け込まれてしまった。
悲惨ですが、救いが皆無だったわけじゃない。
「みんなに……すおうさまに……かなに、であえて」
歌奈は魂が見えず分からないことだらけでもっと知りたくなる親友として、蘇芳は味方であり続けた存在として、彼女の心の支えになっていたと思います。
最期に聖は感謝の言葉を述べ、笑った。

もう感情が揺り動かされて疲労すら感じますが、まだ物語は終わらない。
歌奈の足を喰らい肉体を得た怨霊が間もなく復活する。
そして、歌奈は自分がもうすぐ死ぬと告げる。
笑顔も冷静さも保っているのがすごい。
彼女は皐月に最期を看取ってもらうことに。
やがて、「その時」が訪れた。

寿里は蘇芳を抱えて去っていった。
長身で筋肉質の男を……力あるな。
蘇芳が参戦できないのは残念ですが、ボロボロの状態で残っていると誰かの盾になって命を落としそうなので、よかったと思います。
怨霊の復活が迫る中、皐月は震えて駄々をこねる。
これは責められない。
戦闘経験の乏しい少女が、大切な仲間が次々に命を落として打ちのめされている時に、恐ろしい化物と戦えと言われて、すぐに覚悟を決められるはずもない。
皐月は立ち去ってしまう。

とうとう復活した怨霊はまだらの姿を象っている。
皆のカットインがカッコいい!
戦闘の最中、立ち去ったはずの皐月が重傷を負い、斎木が憎悪に呑まれる。
まずい。
ただでさえラスボスみたいな能力なのに、術者が闇に堕ちたらラスボス以外の何者でもありません。
怨霊になりかけている彼を止めたのは皐月だった。
おぉ! 皐月のカットイン、すごくいい!
傷が癒えている!
「光る球に一つだけ好きな性質を与えられる」と書くと便利と言えば便利だけど地味な能力が、真の力を発揮した。
歌奈を看取る時、彼女から説明を受けていました。
玉のように見える空間を大きく広げて、その中に含まれたものを治したり壊したり意のままにできる。
とんでもねえ能力だ。斎木は闇属性のヤベー異能、皐月は光属性のヤベー異能で対になりますね。
ただし、代償も大きい。
行使する際、覚悟が足りなければ命を落とす。
歌奈は怨霊を倒すため、皐月に命を懸けることを求めている。
その代わり、彼女は残された時間を手放す。
すぐに死ぬというのは嘘で、数か月はあった猶予を捨て去った。
皐月が負けたら自分は無駄死にという言葉を撃ち込んで。
えぐい。
そこまでして一番大事な存在である正吾を守ろうとしている。
謝りながら死んでいくのが辛かったです。
歌奈の退場自体は予想していたんです。
しかし、「今までありがとう、幸せだったよ」という雰囲気で終わると思っていました。
死にたくないけど笑顔で逝くんだろうと思っていたら謝り続けて死んでいくとは。
皐月が憔悴しきって一度は逃げたのもこのためです。いきなり重い物背負わされたら逃げたくもなるわ。
それでも戻ってきた。
死ぬのが怖い、まだ生きていたい、そんな当たり前の気持ちがあるからこそ、手放した歌奈の覚悟の重さが伝わってくる。

奇跡ではなく当然の結末と言い切った皐月が凛々しい。
皐月の異能で消滅ではなく鎮めることを選んだのが予想外で、印象的でした。
そのまま滅ぼすことばかり考えていた。
戦いは終わった。
エンディングでは皆の元気な姿が見られる。
聖と歌奈がいないことが悲しいですが、タイトル回収が爽やかで後味良かった!
闇奔のタイトル回収は「見たくなかった……!」と感じるものでしたから。

それでも聖にはやることがあるだろうと言いたくなる。
蘇芳と一緒に、重蔵にしっかり説明と謝罪をしてほしかった……!
聖は「全ての咎は考え命じた私にあります」、蘇芳は「自らの意思に基づき実行した私の責任です」、重蔵は「孤独を味わわせて追い詰めた私が悪い」と三人とも「私のせいだ」で譲らないところに正吾が「悪いのはでたらめ吹き込んだ奴だろうが!」と一喝してくれ。
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