漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。
Ib
kouri様制作『Ib』の感想です。
※私がプレイしたバージョンはEND数が5個のものです。
世界観にどっぷり浸ることのできるホラーアドベンチャー。
オブジェクトやギミックなど美術館という舞台設定が活かされ、一つの世界を構成しています。
・とりあえずクリアを目指そう、何か一つエンディング見て一旦やめよう
・クリアした……
・よし他のエンディング回収しよう!
と綺麗に方針を変えました。
ホラーは得意ではないのですが、キツイ描写は少ないので楽しめました。
人体が直接どうこうではなく、人形や絵の具といった方向で怖がらせてきます。
本気で驚いたのは赤い服の女がいきなり……のところです。大勢の敵に襲われるところも焦った。
操作が下手くそなのでうっかり逃げ損ねて削られたり。ごめんイヴ。
敵意をもって襲ってくる相手ばかりじゃないのが、いい意味でペースを乱して和ませてくれます。
好きなのは目を閉じてくれる板、目玉、花嫁。
特に最後は○○○を投げる演出がにくい。
音楽ではギャリーのテーマが印象に残っています。
・ゲルテナ
興味が湧きます。
彼の作品群が世界を作り出し、その中で住人が動く。
さらにはメアリーという自我が芽生えた存在まで誕生した。
芸術家としてある種の領域にまで達していたんだろうな。
最後にメアリーを描いた彼はどういった心境だったのか気になります。
・好きなシーン
・ギャリーが○○した後のイヴの○○○○
痛ましい姿を目にした少女が必死で正気に戻そうとした行動なのだと思うとしんみりする。
もう一発入れると熱血系に思えてくる。
・ギャリーが自分の○○を渡しイヴの○○を手渡すシーン
薔薇を持っていろと念を押していた彼が、むしられる苦痛も恐怖も知っているのに、渡した。
イヴに手渡す時にしゃがむのもいい。
後味の良さはトゥルーエンド目指す方向がいいのですが、グッとくるシーンはバッドエンドの方向に多い気がします。
・エンディング
『ひとりぼっちのイヴ』はギャリーについていくパターンならば、悲しいけれどいいかもしれない。
逆に、母親が現れた時、彼女についていこうという考えは浮かびませんでした。
『いつまでも一緒』は一瞬入れ替わりかと思って焦りました。
他人、それも善人の命を平気で奪っていなければハッピーエンドと思ったかもしれない。
悪役が野望を成就させたある種の爽快感を感じます。あくまで可能性の一つとしてならば、こういう終わり方もいいかもしれません。
『片隅の記憶』はほろ苦いですが、綺麗なエンドだと思います。
『忘れられた肖像』&『再会の約束』の二つは同じくらい好きです。
前者は真っ先に辿りついたエンド。
ギャリーもメアリーも……というやりきれなさが好きです。
後者はキャンディとマカロン食べたくなった。
お互い渡したもので思い出すのがうまい。
ホラーゲームですが、怖さも後味もほどよい感じです。
恋愛要素が無いことも楽しめる要因になったと思います。
ギャリーがオネエ口調なのは、緊迫感を和らげるためと、ロリコンと言われないようにするための配慮かもしれない。
オネエでなかったら、イヴへの優しさや思いやりをロリコン扱いする意見が出てきそうですし……。
それと、両親と離れてしまい頼る相手がギャリーだけになったから、父親と母親の要素を兼ねさせてのことかもしれません。
彼の台詞によると自然にあの口調になったらしい。どんな時でもオネエ口調なのが味になってます。
メアリーが改心して三人そろって外に出る展開が無かったから印象に残ったのかもしれません。
イヴとギャリーがマカロンを食べに行く場面など見たいと言えば見たいですが、綺麗に終わっているので十分満足です。
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