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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

大神感想 第三章

大神感想 第三章

三章はカムイ編です。


・双魔神戦
双魔神戦は二回あります。
コタネチクを生贄に大先生の強さが拝める一戦目。
モシレチクも加わった二体にオキクルミと挑む二戦目。
どちらも燃える。
一戦目は全盛期の大神、白野威の強さに刮目せよッ!
筆神を全て取り戻し、筆しらべの操作にも慣れてきて、ある程度は近づいているだろうと思っていたら足元にも及びませんでした。
筆さばきは目で追えず、威力も範囲も桁違い。アマテラスが何式を会得しようと届く気がしない。
一閃は一太刀どころか無数の斬撃、疾風はもはや自然災害、輝玉は巨大爆弾と化す。
この三つ以外も見たかった。
白野威が霧隠を使ったら、「時の狭間に惑わす」を通り越して時を止めてしまいそうです。
白野威の強さでプレイしてみたいとも思いましたが、蹂躙になりかねない。

・カムイの危機
極北の國、カムイは魔神の起こす吹雪などにより危機に晒されている。
オキクルミは宝剣クトネシリカを持ち出し、立ち向かおうとしている。
クトネシリカが青鈍色に光ればどんな妖怪も容易く滅ぼし、脅威を祓うことができる。
オキクルミは妖怪を退治すれば剣が光るだろうと考えます。
国を護ろうとする意気込みや責任感の強さゆえに目が曇り、大切なものを見失うことに。

三章後半の流れは時々混乱するので自分なりに整理してみます。
・アマテラスが幽門扉で百年前の神木村へ。白野威の姿は見当たらない。
・白野威不在のまま真・ヤマタノオロチに挑む。イザナギとともに戦ったのは白野威ではなくアマテラスだった。
そのためオロチの強さは「全盛期の大神でも刺し違えるのがやっとだった」わけではない。
ここで神話の真実が明らかになった。
この時、白野威は現代……つまり百年後のイリワク神殿に行っていた。
・イザナギが油断してピンチになったところに白野威登場。
大岩を受け止めて息も絶え絶えだったのは、致命傷を負った状態で百年後から戻ってきたから。
万全ならば他に対処のしようもあったが、限界だったため自分の身を盾とするだけで精一杯だったのかもしれない。
・白野威は死に、アマテラスが現在に戻る。
実際の戦いと冒頭で語られている神話の内容が違うのは、そのまま伝えると聞き手に混乱を招くためか?
・イリワク神殿を進みコタネチクと対峙。ここで百年前からやってきた白野威が登場。
・白野威と共闘。全盛期の力を見せつけるが、オキクルミを庇って致命傷を負う。
・オキクルミとアマテラスが双魔神を撃破。白野威がボロボロの状態で百年前、真オロチ退治後に戻る。
白野威が死ぬことになったのはオロチと戦ったからではなく、双魔神の攻撃+大岩を受け止めたためだった。
こんな感じでしょうか。

・オキクルミ
彼には迷台詞も名台詞も多い。
まずは迷台詞から。
どこが英雄だ。
「それがどうした?」
小さな女の子が危ない目に遭っている時の台詞がこれ。
「そこで凡人と英雄が別れるのだ」
追撃しようとした時、反撃を警戒したイッスンから制止されての返答。
一見勇敢で格好いいが、見事に敵の奥義をくらいました。
白野威が警告したのを無視して突っ走って敵の術中に嵌りはねのけた相手から庇われその相手は致命傷を負う。
あの……。

そもそも彼は目的と手段を取り違えている。
クトネシリカを光らせようとしたのは、光った剣の力で魔神を倒して平和を取り戻すため。
それなのに、「魔神を倒して剣を光らせる」と逆のことを言うようになっています。
いつの間に手段と目的が入れ替わったんだ。

・百年前の神木村
どの家の中にも神棚があり、現在のナカツクニと違って信仰心が篤いことがわかります。
百年前、当時のアマテラス――白野威はオロチの手下だと勘違いされ、村中の者から忌み嫌われておりました。
神に対する信仰があるため、隈取りが見える=ただの獣ではないと見なされ、妖怪扱いされたのかもしれません。
人々から恐怖され、怒りをぶつけられるのが悲しい。現在ののどかな神木村の住人の態度と比べるとなおさら。
白野威が誤解を解こうとしなかったのは、予言の者を待つしかなく、生贄の風習を止められなかったことへのけじめでしょうか?
アマテラス達が村の中を見て回っても白野威の姿は無く、オロチ退治に行くことに。
オキクルミは真・ヤマタノオロチを前に絶好の獲物だと斬りかかります。
妖怪にかどわかされた女の子の安全を後回しにして。
赤の他人ではなく知り合い。しかも国を救うために必要な存在。それなのに「それがどうした?」はないだろ。
焦りや余裕のなさが伝わってくる。もう完全に周りが見えなくなってる。

オキクルミがオロチに攻撃を仕掛けるも、結界に阻まれ手も足も出ず。
強大な敵にも持ち主の危機にも剣は一切反応なし。
混乱し、途方に暮れて殺されそうになったところに響いたのはイザナギの声!
「か弱き者を虐げようという不埒なる輩は――我が御佩刀を以って退治てくれようぞ!」
さすが伝説の英雄として後世に語り継がれるだけはある。性格はスサノオそっくりですが、普段の鍛え方や実力は彼の方が高いようです。
オキクルミ、弱い者扱いされてます。完全に立場無し。
オロチに全く歯が立たなかった彼の眼前でイザナギの剣が金色に光り出す。
七字の印契によって首を切り落とし、最後に衝天七生で切り裂く。
自分にできなかったことを容易くやってのけた英雄の姿にオキクルミは愕然とする。
衝撃を受け、ますます精神的に追い詰められた彼はさらなる暴走へ。

・白野威との共闘
現在に戻ったアマテラスはイリワク神殿を進み、コタネチクと対峙。
そこに現れたのは百年前からやってきた白野威でした。
アマテラスは可愛く格好いい。白野威は凛々しく神々しい。
白野威、アマテラス、そして両者が揃って遠吠えする様に燃えます。
協力してコタネチクをボコボコにするのですが、見てて可哀想になるくらい一方的な戦いです。
形の上では二対一でも実質的には一対一。白野威に任せているだけでかたがつく。アマテラスは見ているだけで大丈夫。半ば置いてけぼりです。
終盤に登場するボスが手も足も出ないって……とんでもない。
結界さえなければオロチも秒殺されていたであろう強さです。
追いつめたと思ったらオキクルミが乱入。警告を振り払って飛びかかったところにザ・ワールド発動。
時間停止で動きを止められ、無防備になったオキクルミに攻撃が迫る。それを白野威が身を挺して庇い、杖が完全に胴を貫通。痛々しい。
ここは本当に「うわあああ白野威ィィ!」「オキクルミてめえええ!」と叫びたくなりました。
白野威が転落しかかっているのに、「今なら殺れる」と逃げていく双魔神を見つめた時にはもう……。
双魔神を仕留めるか、白野威を助けるか――彼が選んだのは後者だった。
その行動が凡人と英雄を分けたのでしょう。
白野威を救うために剣を振るった直後、クトネシリカが青く輝きます。
英雄になった瞬間です。

・本当の強さ
青鈍色に光る剣を見て、ようやくオキクルミは己の過ちと本当の強さに気づくのでした。
「剣を振るう己の心が曇っていては、カムイの守護神たる宝剣クトネシリカが光ろうはずもない」
「俺はこの剣で国を護るどころか、身近な命さえ守ろうとしていなかった……!」
己のなすべきことを悟った彼は格好いい。
状況を把握し、適切な行動をとってみせる。頼もしい存在です。
カイポクの言葉やサマイクルの態度からすると、彼の性格や行動は元々このような感じだったのでしょう。
国を護ろうとする想いが暴走しただけで、本来は英雄に相応しい器だった。
BGMが『勇者オキクルミ』に切り替わるのが熱い。
オキクルミとアマテラスのツイン咆哮にも燃える! 想いが共鳴している。
「今度こそ奴らを仕留めてやる。我々の力を合わせてな!」
よく言った。それでこそ勇者。
神殿を進み、とうとう双魔神対オキクルミとアマテラス。
オキクルミとの共闘、時間を操る強敵、白野威の敵討ち、と燃える要素がてんこ盛り。
しかし、戦いの後は白野威の痛々しい姿に胸が詰まります。普段の画面では流血はありませんが、絵巻で紅い血が描かれています。
神であっても、奇跡的な力を持っていても、どうにもならない局面がある。
こんな状態で過去に戻ってイザナギを助けた……慈母たる強さや優しさを行動で示しています。

いよいよ最終決戦への道が開かれる。

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