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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

カオスについて

カオスについて

ノクターンで一番好きなキャラ、カオスを語ります。



・印象の変遷
初登場:「スカしてる、キザっぽい」
レヴィエルの友人という時点で怪しさ満点のはずが、意外と常識的で面食らった。
中盤:「何か影薄い気がする」
まだ気に入っているキャラの一人でした。
終盤:焼き討ちあたりから変化
ここから具体的に見ていきます。
・レヴィエル&ルナへの指摘に頷く
「殺戮を繰り返してきたことについて軽く片づけすぎなんじゃ……」「正体隠してもそのうちバレるだろ」と思っていたので、モヤモヤが解消されました。
ここで好感度がかなり上昇。
スタッフルームのコメントから、無印で触れられなかった問題点を指摘する役割を担ったことが窺えます。
・戦闘で一気に好きになる
口上、BGM、背景などがクリティカルヒット。
全滅してもまた挑戦して勝ちたいと思った。
・最後の笑顔
ここで完全に持っていかれた。

・カオスの技
それぞれ軽く感想を。
ラプラスの悪魔:最強にカッコいい。
背景の素晴らしさだけでカオスにどれほど偉そうなことを言われても納得できる。
動く歯車も魔法陣もロマンの塊。
BGMと相まってラスボス感をこれでもかと醸し出す!
全滅してもいいと思った。
今でもカオスとシルフィールになら倒されてもかまわないと思える。
初見では全く攻撃が通じず焦った。
しかし、破れる技は意外とたくさんある。
メテオスォーム:詠唱が長めだと思ったらいきなり隕石が降ってきてビビりました。
カラミティ:残り体力が中途半端だと防御していても壊滅しかけた。
耐性つけたり防御したりせずにくらったらほぼ全滅。
イニシャライズ:効果は地味ですが、エフェクトと時を操るという要素が好みです。
詠唱が破棄されるのもほどよく鬱陶しい。
クロックオーバー:甘く見ていたら崩される。発動してからの魔術連発に震えた。
エレメンタルレイド:他の魔術が来ると思ってビクビクしていてこれがくるとホッとします。
影喰の邪眼:うっかり耐性をつけ忘れているとあっさりもっていかれる。
これらの中では刻魔法とメテオスォームのエフェクトが好きです。
エレメンタルレイドも大がかりで好きだ。

この辺は見た目も派手で強い。
特にエフェクトが好きなのはレーヴァテインです。
レーヴァテイン:派手! 強い! 範囲広い!
カラドボルグとクラウ・ソラスもカッコいい!
以下の技は追加効果がいやらしい。
ティルフュング:HP半減の呪いがついてくる。これの後に強力な技が来るとあっけなく死ぬ。
コールブランド:回復役が沈黙して「うわあああ」となったのもいい思い出。
ストームブリンガー:直線で二人がザックリやられた記憶が蘇る。ゲイルクローへの派生確率も高くて困る。
これらはそれほどいやらしくありませんが、他の魔法が凶悪なだけで十分強力です。
ルミナスアクス:煌びやかで好み。
ブラッドジャベリン、フロストアロー、フレアシュート、ゲイルクロー、サンダーブレード、これらの基本的な魔法も侮れない。

・ストームブリンガー
カオスが使う風属性の上位魔術、ストームブリンガー。
武器の名前ということ以外詳しく知らなかったので見てみると、混沌の力を持つ剣だとか。
法と混沌のバランスをとるために、法によって鍛えられたらしい。
混沌と法……何というカオス×シルフィール。
ストームブリンガーは他の魔術よりデュアルキャスト発動率が高く、詠唱も短く、カオスの使う魔術の中でも強力なんですよね。
風の魔術が強いのは、シルフィールの属性ゆえに、風を知悉しているからだと思っていました。
元のシルフィールの信念ともつながっていれば、そりゃ強いはずだ。

・戦闘スタイル
カオスの攻撃はほぼ魔術オンリーと言っていい状態です。
武器は長い杖で、ひたすら詠唱しては発動を繰り返す。
魔術の印象が強くて接近戦をこなすカオスが上手くイメージできませんが、レヴィエルを挑発した時の様子を見るとかなりの身ごなし。
どれほどのレベルなんでしょうか。
もちろんそこらの戦士や魔獣より強いのは確かです。
一流の戦士が至近距離で剣を振るった時どうなるか。
詠唱速度ほぼゼロの小さな魔術などで対処するのか?
ひたすら防御と回避に徹し、逆転の機会を狙うのか?
そもそもカオスは「接近戦に長けた相手と真っ向勝負し、距離もとれないような状況」は作らないでしょうから、想像しづらいことこの上ない。
己に有利な状況を作って相手を乗せるタイプです。
カオスの強みは技術と発想力。魔力自体はリスティルと同程度の大きさと語られています。
それを上手くやりくりして戦うのが好きだ。
個人的には、三人の中で最も戦闘向きでないのを工夫で補っている設定だとワクワクします。

攻撃くらって後退するたびにワープして元の位置に戻るのは笑ってしまう。
そんなところでも魔術使うのか。
どれだけ魔力あるんだ。
普通に走ったり宙返りしたりではだめなのか?
謎のこだわりです。

・カオスの領域
何故力を減衰させる結界を張った、という質問に対し、自分の住処周辺の結界について答えてはぐらかしたカオス。
その時の台詞を振り返ってみます。
・俗世との関わりを絶つため
・趣味
前者はわかりますが、後者は謎です。
カオスの領域について改めて考えてみるとわけがわからない。
ただの幻術ではない。
空間転送でもない。
森に流れるのと全く同じ魔力で、空間は同一でありながら位相のみが異なっているとか何とか。
俗世との関わりを絶つためとはいえ、そこまでする必要があるのか。
 
・訪問
レヴィエルが訪れた時に虚空から椅子を出したのは、別の場所にあったのを移したのでしょうか。
紅茶も指パッチンで注ぎますし、便利。
リスティルよりも自分を楽しませることができる、とレヴィエルは発言しましたが、そういう比較する言い方はやめてくださいよ。彼女のプライドはどうなる。
カオスの返答もスカしている。
ただ少々魔術の扱いが巧いだけ?
全力のあなたには到底及びません?
己の領域で待ちかまえ準備を整えた上での強さですから嘘をついてはいないのかもしれませんが、謙遜しすぎでしょう。
それほどの力があってもただ一つの望みをかなえられなかったのが悲しい。
時間が永遠にありながら決して満たされることが無いなんて想像したくない。

・魔導書
カオスが読み漁っている魔導書の内容が気になります。
暇つぶしのようなものと言っていましたが、実は真剣だったのでは?
奇抜な発想の中に彼女を蘇らせる手がかりがあるかもしれないと考え、藁にも縋る思いで読み続けたのではないかと疑ってしまう。
シルフィールを取り戻すため、時間や空間を操る能力を得るという、個の技や力を伸ばす方向に行ったのが悪魔らしいと思ってしまった。
優れた頭脳や技を持っていたからこそ、そういう方法に走ったのかなぁ。

・食事
カオスは普段何を食べているのでしょうか。
カオスやシルフィールは霞を食んで生きているイメージがあります。
レヴィエルはルナの家で朝飯モリモリ食べていましたが、戦闘兵器なのであまり食べずとも平気かもしれません。
カオスならば一日三食紅茶でも驚かない。
一に紅茶、二にエアー! 三、四が無くて五にウォーター!
領域の一角に農園を作り野菜を収穫したり、シルフィールが買い物に行ったりして、二人で調理して仲良く食べてると微笑ましい。
 
・封印結界
レヴィエルは早い段階でカオスが結界を張ったことに気づいていた。
一回質問しただけで追及しなかったのは何故。
手を尽くして挑んでくるリスティルならばともかく、敵にも味方にもならないはずのカオスが裏で動いていたら気になりはしないのか。
初期は「奴も仕掛けてくるならば面白い、受けて立ってやろう」という遊び心でしょうけど……。
心境の変化があって精神的に忙しかったのか。
カオスはレヴィエルに結界を張ったことを見抜かれ、「やはり貴方は侮れない」と呟いていました。
しかし、術者を絞ろうとすれば真っ先に疑われる気がしてならない。
レヴィエルを対象とした、驚くほど手の込んだ結界を、森全体に巧妙に張り巡らせる。
そんなことができる術者は限られています。
関わりの無い人間や悪魔にそれほどの実力者がいたとしても、レヴィエルがここに眠っているのは知らないはず。
仮に知ったとして、彼の力を落とそうと考えるか?
居場所や状態を知るのは始祖二名くらい。
リスティルは力を奪う真似はしませんから、怪しいのはカオスということに。
以前からあの森に隠遁していますから、なおさら。
レヴィエルが早い段階で知り合いを犯人だと見なすわけだ。

・極上の獲物
カオスの事情を考えれば考えるほど、味わう気無いのに何言ってんだとツッコみたくなる。
レヴィエルとルナに自分達を重ねていたであろうカオスが、ルナの血を吸うわけがない。
刺激して本音を引き出そうとしたのか?
実に楽しそうな表情してました。演技派だな。
まるで人間のようだという台詞は、レヴィエルからはつまらぬ冗談扱いされますが、本気で言っていたのではと思うようになりました。
後に、冗談でものを言わないと語られていますから。
人間を獲物としか見ない悪魔が言うならともかく、人と関わり人を愛したカオスが言うならばただの侮辱ではない。
自分と同じ道を歩んでいる相手への関心、もしかしたら羨望も含まれているかもしれません。
渇きを訴えるレヴィエルに、
「それはきっと、永遠を生きる我等に課せられた……」
の後は何と言おうとしたのか。
何故言うのをやめて「疲れているだけ」なんて言葉でごまかしたのか。
自分の虚無や渇きを曝け出しそうになったから踏みとどまったのかもしれない。

・ルナとカオス
呪いを解く薬草をもらいにいった時、指パッチンで椅子とお茶を用意するカオスが笑える。
ルナは彼の素性を知らない状態で「賢者様」と呼んだんですよね。無意識に彼の過去を刺激しまくりです。
ルナの観察眼が優れているのか、よほど賢者オーラが出ているのか。
我々と人間は違う、分かり合うことなどできないと語るカオスが悲しい。
仲間として活動していた時はきっと希望を抱いていたんだろうな。
世界樹の新芽をすぐに出せたのは、ここ数年死者蘇生に関して研究していたからでしょうか。
遥か昔に調査したものならいつまでも持っていないと思いますから。

普段穏やかな彼がルナに対しては冷たいのは、彼女への心配もあるはず。ちょっと言われたくらいで引っ込むような軽い気持ちで関わっては、後悔することになるでしょうから。
たとえ受け入れよう、歩み寄ろうとする人間がいても、周囲も同じ考えでないとうまくはいかない。
あの世界では「悪魔=人に害なすことを喜びとする天敵」という前提があり、レヴィエル達みたいなのはあくまで例外。
受け入れようとした人間ごと異端視されてもおかしくはない。
下手すればルナも「村に悪魔を引き入れた」と責められかねないんですよね。
幸い、温かく迎えてくれる人が多かったので排斥されずに済みましたが。
一歩間違えれば、ルナの自我が戻ってもハッピーエンドに辿りつかずに終わったかもしれません。
カオスはルナに「必ず自分の選択を後悔する」と言いました。
カオス自身が強く深く後悔しているからこそ、言わずにはいられなかったのかもしれない。
「私と関わらなければ殺されなかった」と考えてそうです。

ルナのことを厄介な人間と評したカオス。
カオスにとっては「人も悪魔も変わらない、分かり合える」と力説する相手の方がやりにくいかもしれません。
くだらない、どこにでもいる人間と言いますが、本当は違うとリスティルからツッコまれて怖い顔に。
カオスが怖い顔になるのは珍しいな。
シルフィールを護衛に付けるあたり優しい。

人間に対して冷めたことばかり言い、決めつけるような口調だったカオスですが、内心は違うだろう。
シルフィール以外の人間はくだらない存在で世界も変わらないと本当に思っているなら、何も言わずに発動させるだけです。
「貴方は世界を愛している」という台詞と合わせて考えると、肯定と否定が混ざり合って揺れていた印象を受けます。
人間を攻撃する方向に向かわなくてよかった。
カオスが本気で企んだら、えげつないほど巧妙に作戦立てて徹底的にやりそうです。
彼女の望みや傷つけることをよしとしない性格もありますが、気力がなくなっていたからじゃないかと思います。
シルフィールが死んだ時点で怒りや憎しみといった激しい感情を抱けなくなっているのではないか。

彼が絶望した理由は、八年前の事件だけが原因だったのでしょうか。
「何度も人と関わってきたが相容れずシルフィールの件がとどめになった」のか、「人と関わったのは八年前が最初で最後」なのか、どちらなんでしょう。
他に人と関わったことがあり、それも影響しているならば詳しく知りたい。
 
・焼き討ち
カオスの台詞に全面的に同意しますが、一つだけツッコみたい。
「この程度の破壊。貴方がかつてしてきたことに比べれば、あまりにも生ぬるい」
だからといって、やったことが変わるわけでも、責められる理由が無くなるわけでもない。
免罪符にならないことはカオスもわかっていると思います。
カオスが好きですが、村を危機に晒した件と、使い魔のシルフィールを悲しませた件は忘れない。
世界破壊については阻止され叩きのめされましたし、レヴィエルの力を奪った件やリスティルを追い詰めた件は本人達が気にしていないのでノーカウントで。
混沌型の吸血鬼を生んだ事実については、どういった状況かわからないので保留。

一周目は「二人の正体を明かすなんてひどいことするなぁ」と思いましたが、ルナの方はいつかはバレることだったので、あのタイミングならまだマシだったかもしれない。
守るために戦う姿を見せたからこそ、受け入れやすくなった部分はあると思います。
じわじわ疑惑をもたれて露見する流れだと居づらかったかもしれない。
いい方に捉えようとしすぎだと言われれば反論できません。
あのまま拒絶される結末もありえたわけですし。
あのタイミングだったのはカオスなりの考えがあったんだろうなと、ぼんやりと思います。
問題を突き付ける意図があったのは間違いないとして、その先をどう考えていたのか。

レヴィエルやルナの抱えている問題を指摘するのがカオスというのはピッタリですね。
今まで暴れてこなかった彼だからこそ、レヴィエルの所業について「散々殺戮を繰り返しておきながら」などと言われても引っかからない。
同じように殺戮に耽っていた相手だったら、「そっちも好き勝手してきたくせに。自分のやったことは棚上げか?」と思ってそこで終わってしまいそうです。
あまり登場人物の業やら罪やらを追及しすぎると楽しめなくなりますが、しっかり答えを出すか否かで印象が全然違います。
主人公なら物語全体の感じ方までも変わります。
何と言っても、「人の命を踏みにじってきた冷酷な悪魔が人間の少女と出会って変わっていく」話ですし。
考えが変わったならば、これまでのことはどう考えるのか。今後どうするか。
カオスが突きつけて、レヴィエルが答えてくれてよかった。

ルナに対しての指摘は、かつて正体を隠したままで取り返しのつかない事態を招いたゆえの言葉でしょうね。
こちらは「あなたにも当てはまるじゃないですか」と言える。
カオスとて自分に返ってくることは承知でしょう。
過去の己に言っているように思えます。
レヴィエルへの言葉には同じことをしなかったゆえの、ルナには同じ過ちを犯したゆえの、それぞれ重みがあります。

・露見
カオスの正体がバレた状況が気になります。
・英雄の一人になるはずだった
・知識と洞察力が評価されていた
力を隠して人とともに生きたと言っていましたし、彼は魔術を使わずにいた様子。
外見は人間そのもので、カオスの頭脳ならば人の社会に溶け込むことはできるはず。
性格を考えても調子に乗ってひけらかす真似はせず、慎重に振る舞うでしょう。
それなのにどうして悪魔だとバレたのでしょうか。
レヴィエルとルナへの台詞からすると、護ろうとして力を使って疎まれたのかな。
見たいけど見たら間違いなく凹む。
殺戮兵器という出生を知っても希望を掴み、無意味ではないと思えたのに……。
カオスが復讐に走らなかったからいいものの、下手に刺激してはまずいとは思わなかったんでしょうか。
力を隠していた頃でさえ英雄クラスの活躍をしている相手が、力を全開にして攻撃してきたら危ないだろう。

・カオスの世界
突入前、レヴィエルがカオスのことを一番甘いと評する場面で、「衝動を抑えるため一人森で暮らしていた」で終わらず「(そのことを)私は知っている」と言ったのがいい。
理解者なんだと感じられます。
入ってみると美しい風景が広がっており、BGMも穏やかで、いい意味でラスダンらしくありません。
ブレイブレベル表示で隠れて見えませんでしたが、場所の名前も細かく示されます。
「入口」「結界」「古代遺跡」 などはわりとそのままですが、「次元の狭間」や「水晶洞」など洒落たものも。
特に気に入っているのは「空中庭園」と、カオス戦前の場所の「刻の墓所」です。
最初のダンジョンがカオスの領域で、最後のダンジョンがカオスの世界。
対比になっていておいしい。
カオスの世界にある複数の墓は知り合いのものでしょうか。
あるいは、シルフィールを再現しようとした結果か。
亡骸を丁重に弔ったのだとしたら、始祖の中でも人間に近い思考だと思えます。レヴィエルは「死は死だ、他に意味は無い」と言い、弔う行動が理解できていませんでしたから。
元から近かったのか、シルフィールの影響か。

・木偶
シルフィールを再現しようとしても、できるのは見せかけだけの木偶だったらしい。
・そもそも動かない
・動くが知能を持たない
・知能はあるが精神のありようが全く異なる
このうちどれだったのか。
シルフィールの姿をした者がそんな状態なのは、辛いのではないでしょうか。
彼の世界にあった墓は人形達のものか?
そう考えると、方向は違いますが、カオスのやってきたことも相当エグいかもしれません。
日誌の中の、気づかなかった普遍的かつ特殊な元素というのは「時間」のことだったのでしょうか。
身体を構成する元素や魂を構成する魔力に直接含まれているわけではありませんが、存在するからには欠かせないものですから。

・カオスvsリスティル
イディスの邪魔が入ったといっても、カオスの領域内で逃げられるのでしょうか。
本当はとどめを刺す気は薄かったと考えてます。
しばらく動けなくさせて、計画を阻止されなければよいということで。
何しろ三人の中で一番甘いと言われてるし、実際甘さがある。
そもそも、
計画の大きな障害となるであろうレヴィエルの
・放っておいても数日で治る呪いを
・希少な世界樹の新芽を提供して
治させた人、いえ悪魔ですから。
エンディングで語られた通り、よっぽど止めてほしかったんだな。

リスティルを追い詰めた時や消耗しているシルフィールへの態度は見事な悪役っぷりでした。
初見では「まさか散々尽くしてきたシルフィールまで役立たずとか言って切り捨てたりしないだろうな、このメガネ!」とハラハラしていました。
今思うとカオスが彼女を葬るなんてありえないな。
ごめんカオス。
次元の狭間に行ってからカオスと対峙した時、シルフィールは消耗している様子はなかった。
初回プレイでは「最悪の魔剣使ったわりに回復速くないか? 存在が消滅するとまで言われたのに」と引っかかりました。
今となってはカオスが手を打ったとしか考えられない。
彼女の身を心配しながらもカオスは素直に表現できず、冷たい言い方されて落ち込むシルフィールの姿が見える。

 ・やり直し
時を戻ってやり直す系の話で気になるのは、それで本当に回避できるのかという点です。
都合の悪い出来事だけを変えて、めでたしめでたしとはいかないんじゃないかと思います。
カオスの場合、直接の出来事を消しても別の形で噴き出すのではないかと思います。
カオスが身を案じて相手を遠ざけても、正体がばれないように慎重に立ち回っても、似たような事態が起こるかもしれない。
異種族と人間の関係が変わらなければ、結局いなくなってしまうのでは……。
他にも、彼女は未来の世界を捨ててまで助けられることをよしとするのか。
改変したせいでさらなる悲劇が起こった場合またやり直すか、放置するのか。
このように色々気になってしまいます。

もっとも、カオスの術は単に彼一人が時間を遡るのではない特別なもの。
世界全体が再構築され好きなように操作できるようなので、都合の悪い部分だけを修正することも不可能ではないのか。
作り直された後の世界の住人は本物と同じように考え、感じ、行動するでしょうし、カオスにとってはコピーとオリジナルの差は無い。
……ややこしいことになってきました。語っているうちに混乱しそうだ。
主人公達が「どんなに辛いことがあっても今を生きるしかない」というわかりやすい答えを出してくれてよかったです。
カオスも今の世界を捨てきれず、あえて止めに来るよう誘ったわけですし。
かつてカオスやシルフィールは大勢の人間の未来を掴むために力を合わせて戦い、勝ち取った。
その彼が未来を捨てて世界中の人間を巻き込んでしまっては、相手の意思を踏みにじることにつながりかねない。

「絶対に、もう一度……」
この後に何と続くのか考えると切ない。
日誌でも「全てが消え去ろうとも、この意志だけは決して忘れない」と言っていた。
「今度こそ、何があろうとも絶対に……」
絶対にもう一度「会って」、今度こそ何があろうと「奪わせない」ということか。

・ラプラスの悪魔
カオスの使う反則結界。奥義以外は全く当たらなくなる反則技。
相手の技、行動、思考にいたるまで全て掌の上。
レヴィエルの思考が筒抜けになったらそれはそれで怖い気もする。
気になったので 元になった考えを調べてみました。
世界の全ての原子の位置と運動量を知りそれらを計算することで、未来がどうなるか完全に知ることができる、という考えらしい。
要するに「現在の全てを知ることで未来をも知る」能力、ということか。
「今の私に知りえないことはなく、今の私に予測できないものは存在しない」
カオスさん全部計算してるんですか?
知性派なカオスが使うから説得力のある技。
世界の分解・再構築を行おうとするのだから、戦っている相手の全てを把握するぐらい容易いことなのか。
シルフィールを再構成しようとする過程で身に付けたのでしょうね。
これだけの能力魔力知力があっても、たった一人の人を取り戻すことはできなかった。
関連項目に「マクスウェルの悪魔」があったので、リスティルの使い魔もここからとられているのでしょうね。
永久機関がどうとかもゲーム中の説明に合っています。

・エンディング
レヴィエルがカオスの強さを認める。
意志の強さが力を何倍にも高めたとのこと。
カオスには、ルナが村人に受け入れられるところまで見てほしかった。
何年も前から世界が変わらないと憂いていたわけですから、変化した様を目にすれば少しは希望が持てるかもしれない。
彼にも変化が訪れてほしい。
シルフィールのことを忘れろとか他の相手を最優先にしろとかではなく、彼女が守ろうとしたものを守るとか、彼女がやろうとして果たせなかったことを成し遂げるとか、そういう方向で。

・!
カオスの「!」がついている台詞をチェックしてみました。
「我が力、我が魔道全てを以って! この……虚ろな世界に終止符を。私の手で。……全てを、終わらせてみせるッ!」
「三人まとめて、冥府へと送ってくれようッ!」
「ッ! シルフィールッ!」
台詞の量は多めですが、多分これだけです。
冷静さを失うことは滅多にありません。
そして、上二つの勇ましい台詞と違い、最後の一つだけ動揺が。
三つ目は絶対素で反応してるだろ。
「!」の登場場面を考えると、理性的な性格であることや、彼の中での使い魔の存在の大きさが窺えます。
そんな彼が、使い魔を犠牲にして世界全てを巻き込んででもと思いつめる……想いの深さがわかります。カオスはこれから先、永遠に満たされないまま彷徨い続けるのがわかりきっていたため身を投げた。
永遠の命を持つ苦悩は他の二人と共有できますが、ようやく掴んだ望みを絶たれた苦しみは彼一人のもの。
レヴィエルの想いは届きカオスの想いは届かなかったのも、ルナが蘇ってシルフィールが蘇らなかったのも、誰かが弱いとか間違っていたとかではなく、巡り合わせだと思います。
二人とも心は強かった。
意思が強くなければ助けを拒絶して信念に殉じるなんてできないし、彼女の言葉に従って手を出さずにいることもできない。
カオスとて、眠らせたり動きを封じたりして、被害を出さず簡単に助けられると告げたはず。
頭のいい彼でも逃げるよう説得できなかった。
力は十分すぎるほどあったのに守れなかった。
笑顔で退場するキャラは、たとえ敗れても守りたいものを守れたという満足感がある場合が多いのに、カオスは正反対です。

・救う
レヴィエルは戦闘時にカオスを救ってみせると言い、止めることに成功しましたが、結局目の前でいなくなってしまったんですよね。
止めてほしがっていたから、計画を阻止したことで救ったと言えますが、その後のカオスの言動を見るとまだ終わってないと思ってしまいます。
絶望して死のうとしたけどそれもできず彷徨っている。救われたと言うにはあまりにも……。
Rebirthの後でレヴィエルがカオスと再会したら、親友と呼び「必ず救ってみせる」と断言したのですから、世界を巻き込まない方向で何とかしてほしいです。
シャロンは決意を変えないだろうと諦めましたが、何千年も付き合いがあって親友とまで呼んだ相手に対して、言っても聞かないからスルーというのも何ですし。
考えが変化したレヴィエルならば今までとは違う関係を築けるでしょうが、カオスにとっては想いが届いた二人を傍で見るのは辛いかもしれない。

カオスは世界を壊そうとしましたが、狂気や衝動からではない。
成功寸前でも劣勢になっても冷静なままでした。
世界を壊すのは最終目的ではなく過程にすぎない。滅ぼすのではなく、分解、逆流、再構成で世界を作り直すのが目的ですから。
自分一人の望みのために世界を巻き込むという自覚もあった。
いっそ狂気に呑まれ自分のやり方が正しいと確信できれば楽だったかもしれませんが、止めてほしがっていたからそれはない。
頭よくて理知的だから色々見通せるけど、その分先が絶望的なことも知ってしまう。 静かかつ確かな意思のもとに実行に移そうとしたゆえの魅力を感じます。
最後まで己のやり方が正しい、夢を叶えると信じ切って散っていくのも強烈ですが、理性を保ったままだと違う味わいが。
頭よくて穏やかで色々見えていながら無茶な行動をするのが悲しい。
「停滞する世界ならばいっそ壊してしまえ」という主張はカオス本人に当てはまる。
だから彼も、最後に自分という世界を壊すことを選んだのでしょう。
穏やかに暮らしていたのに命を奪われた、志半ばで戦いに敗れ命を落としたなどのケースならば「生き延びてくれ!」と言いたくなりますが、カオスは自ら命を絶とうとしたので言いにくい。
「生きろ!」より「少しでも満たされてくれ!」という心境です。
あの笑顔はずるい。
異なる状況で見たかった。

無印では「死んだよ」「助からない」→「実は生きてるけどレヴィエルは知らない」ですが、Rebirthは死んだという言葉すら出てこず「いなくなった、帰ってこない」という曖昧な言い回し。
風の色につながるからこそバルムフェリアーデという単語が出てきたと思うので、Rebirthも風の色につながると思いたい。
そしてレヴィエルと再会して何らかの希望が生まれるよう願っています。
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