シルフィールについて
カオスを考える際に外せないシルフィールについて語ります。
スピンオフで『カオスの使い魔』が見たい。
穏やかに過ごすカオスと従順な使い魔シルフィールが綴るまったりストーリー。
『メガネの錬金術師』でも可。
・登場
初プレイでは意味ありげな登場の仕方に「敵か!?」と警戒しました。
レヴィエルも距離を詰めて怖い顔で睨みつけるし。今思うと過剰反応してないか?
隠遁しているカオスからの招待状を届けに来たとのこと。
カオスは外界と関わりを絶っているから彼女が来たわけですが、買い物とかも彼女がするんでしょうか。
主と対等な友人であるレヴィエルに対して丁重な態度です。
・屋敷訪問
ルナに対しても様づけ。
窓から覗こうとするルナに困る姿が可愛い。この表情は滅多にみられない。
レヴィエルとカオスがお茶を飲む間、ルナとシルフィールは親睦を深めていたんだろうな。
そっちも見たかった。
シルフィールの聞いている言葉はカオスにも伝わっているということは、ルナの覗きもバレた?
仙草をもらいに行った時に冷たい言い方されたのも、それが原因じゃないかと一瞬思ってしまった。
・チェス
先の先を考えることも大事だが目先のことを考えるのも怠ってはならない、というのは元のシルフィールにも言えるかもしれません。
多くの人間の未来を見据えていたら自分の未来が奪われたわけですから。
カオスは十二手先のことを言って、もっと読める感じでしたが、どれくらい読めるものなんでしょうか?
チェス等には疎いので見当がつきません。
注目したいのはこの台詞。
「まさか貴方の方から誘ってくるとは思いませんでしたが……。成る程、随分と成長したものです」
つまり今まではカオスの方がチェスをやろうと誘い、シルフィールはそれに応じていたと。
シルフィールが腕前を上げたのは、カオスを楽しませることができるようにと頑張ったからでしょうね。
・ルナ救援
ルナを助けに来たシルフィール。
剣術はカオスから教わったのでしょうか?
使い魔に最悪の魔剣持たせるのはどうかと思います。
どうやって入手したんですか?
他に扱いやすい武器は無かったんですか?
シルフィールが契約するかもしれないとは思わないんですか?
疑問は尽きない。
戦闘後、レヴィエルを助けたいと言うルナを驕りだと切って捨てる。
酷いことを言ってまで試したかったのは、次元が違うと思い知らされてもなお力になろうとするか、見極めたかったのか?
似ている気がすると言ったのは、戦闘力も生命力も全く違う相手に近づこうとしているからでしょうか。
心に寄り添いたいのに上手くいかず、もどかしいあたりが似ていると思います。
レヴィエルは四肢を引きちぎられても死なないらしい。
やっぱりカオスも?
ルナとシルフィールの共闘もいいですね。
二人とも鍛えた人間の範囲内で頑張って戦ってる。
それにしてもカオスさん、あなたの使い魔が一生懸命戦ってるんだから助けてくださいよ。
一度油断して片方倒されて即ゲームオーバーになり愕然としたのはいい思い出。
同行時に村に入ろうとしなかったのは、ロシュールに会ってはまずいからでしょうね。
ロシュールは革命軍の面々と関わりがありましたから、当然カオスもシルフィールも知っている。
彼がシルフィール誕生の経緯を知ればいっそう悔やみそうだ。
・リスティルとの対峙
ルナを助けるために寄生前のマクスウェルをさっくり倒しました。マクスウェル自体は簡単に斬れるんでしょうか。
「私に何かがあれば我が主が黙ってはいない」
いいなあ。こういう信頼は見ててむずむずする。
リスティルが退かずにシルフィールを排除しようとしてカオスが参戦するパターンも見たかった。
己の世界内ではリスティルを追い詰め殺す寸前までいきましたが、領域外でリスティルと戦えば苦戦は免れない。魔法使い系キャラですから、接近戦でも最強クラスの実力者と真っ向勝負だと厳しくて当然。
・自分も二人の結末を見届けたい
・シルフィールもルナを守りたいと思っている
以上の理由から退かずにズタボロにされるとなおよし。
最後は異変を察知したレヴィエルがやってきて終わりそうです。
・譲れぬ戦い
最強の悪魔の一人であるレヴィエルと、それに近い力を持つルナ相手に一歩も退かない。
カオス以外の命令は聞けない、と言い切った!
混沌主従は、想いの強さだけなら主人公達にも劣りません。
「この身、この魂は創られし存在。全てはあの方によって与えられ、育てられたもの」
「私では、代わりにもなれやしない。ならばせめて、あの方の『願い』を叶えようと」
「あの方」という呼び方もいいな。もどかしい距離を感じさせる。
正直、冷たい言葉とともに剣を抜くレヴィエルの方が悪役に見えました。
契約する瞬間、震えました。
今まであたたかい表情を浮かべていた彼女が危うい笑みを覗かせる。
同時に『The last sacrifice』が流れ出すのが反則です。
冷たい風を思わせる、シルフィールにピッタリの曲です。
カオスのためなら親しい相手だろうと最強の悪魔だろうと敵に回し、戦い抜く。
アルハザードは完成された始祖のような存在を殺すための魔剣らしい。
カオスが持っていたのは、いざという時に己を殺しうるかもしれないと思ったからか?
それならシルフィールに持たせなくても……いくらでもいい武器はあるはずなのに。
一度契約すればいずれ存在が消滅する魔剣に、躊躇いなく身を捧げられるシルフィールが恐ろしい。
「貴方達の物語(みち)も、ここで終わり。この存在(み)と共に、終わらせて差し上げましょう」
カオスの最後の台詞でも物語という単語は使われていました。終わらせて「差し上げる」という表現も、カオスは使っていました。似ているなー。
カオスが世界の破滅をもたらそうとしていると知っていても、戦おうとする。
「我が身、我が魂は全てマスターの為に……。私にとっての世界とは、あの方を指すのだから……」
どんな時もカオスの味方になる人物が一人でもいたんだな。
・戦闘後
消耗しきっているのにまだ戦えると言えるのはさすが。
忠誠心の塊みたいな人だ。
カオスの「興が冷めました」は、一周目は「魔剣使ってボロボロになっているのになんて言い草だ、散々尽くしてきたのに切り捨てたら許さんぞこの野郎!」と一人で熱くなってました。
今思うと、レヴィエル達への「私はこんなに冷酷なんですよ」アピールかもしれない。ルナには全く効果がありませんが。
戦いを終えるまでは悪役らしい態度をとり、ラスボスとしての務めを果たしてくれたことに感謝したい。
手に入る名槍『風の精霊』はおそらく元のシルフィールに贈られたもの。
彼女の死後カオスが持っていて、使い魔に譲ったんだろうな。
・カオス戦
下がりなさいと言われてしょんぼりするシルフィールが可愛すぎる。
カオスが追い詰められ、命令を無視して参戦する。
ここでカオスが
「ッ! シルフィールッ!」
と叫ぶのが熱い。
普段冷静な、劣勢になっている時でさえ口調は静かな彼にしては珍しい。
シルフィールが危険な目に遭ってほしくないと思っているんだろうな。
どれほど大切に想っているかわかります。
そんな存在がいても止められないくらい、彼の絶望が深いことも。
一周目だと「貴方まで加わるんですかカオス一人でも苦しいのに勘弁してください」と言いたくなった。
彼らを倒せと命令するよう、シルフィールは願う。
「私では、あの方の代わりになることはできない。ならばせめて、貴方の夢だけは叶えてみせるッ!」
彼女がここまで意思や感情を露にしてカオスにぶつけたのは、多分初めてなんだろうな。
「私の願いが叶った先に、シルフィール、貴方は……」
カオスの望みが叶えば元のシルフィールが死なないため、使い魔のシルフィールは誕生しない。
自分が存在すらしなくなる。
それでも、カオスのために戦おうとするシルフィールが見ていて辛かった。
この二人を倒さねばならないのが重い。
カオスもシルフィールも幸せになってほしかった……。
「誰に似てしまったのやら」とカオスが語った時に、「お前だろ!」とツッコみたくなった人は多いはず。
大切な相手のために全てをかける覚悟。
一度決めたら己を愚者と呼びながらも貫く姿勢。
よく似ています。
「ならばもはや遠慮はしない。貴方に授けたその命、存分に発揮してもらいます」
この台詞に対して
「ありがとうございます、マスター」
なのが……。
「これで私も、あの方も、きっと救われる……」
元の彼女の記憶の欠片があるからこそ、そう思えるのでしょうか。
大勢の人間を巻き込むことは避けたいでしょうけど、彼とともに過ごすことは望んでいると思いたい。
・命令
最初で最後の命令が「貴方は生きなさい」なのを彼女はどう思ったか。
シルフィールはカオスと生死を共にしたかったはず。
それどころか、仮に彼女一人に死ねと命じても喜んで死ぬでしょう。
そんな彼女にとってカオスだけが死ぬのは一番辛いはず。
風の色を考えれば生きている可能性は高いですが、戻ってこないのは確かです。
彼女の性格を考えれば「では主人替えて魔力もらいます」なんて言わないとわかっているはず。
・エンディング
主のいない、帰ってこない家を守り続ける。
屋敷から出ようと言うルナの誘いも断る。
魔力の供給がなくなれば消滅してしまうけど、主を変えることもしない。
人の死骸からできていて、人間として生きていた頃の記憶はない。
意思や記憶はなくても、幸せだった頃の記憶の残滓を思い出すそうです。
躰が覚えているとのこと。
死骸がについてふと気になったんですが、彼女は魔女狩りで処刑されたんですよね。
丁重に葬られたのか、それとも打ち捨てられたのか。
亡骸を目にした時のカオスの心境を想像すると……。
この墓所を守り続けるのが使命だと彼女は言っていましたが、自分が死んでいく場所だからそう言っているのか、元のシルフィールが葬られた場所なのか。
シルフィールにとってはカオスの存在こそが世界だった。
死者は蘇らないと繰り返し強調されている以上、そのまま復活はあり得ない。
安易に生き返られたらこっちも興ざめです。
課題は多いけど解決していこう的な希望はあるよエンドだったらなぁ。
犠牲者が出ていたら「可哀想な過去を語られても……」と思いますが、焼き討ちの件を除けば未遂に終わりましたし、何とか。
ルナが治したとはいえ一度は重傷を負った衛兵に詫びるべきとは思いますが。
主は人を信じ、人のために戦い、人に裏切られた。だからこそ自分だけは最後まで仕える。
それが彼女の生き方。
カオスがシルフィールにレヴィエル達のことを嬉しそうかつ誇らしげに話す光景が見たかった。
「マスターは皆さんのことがとても……好きだったんですよ」
ますますやりきれない気分になるのでやめてください。
カオスを恨んではいないと言われ、温かい言葉をかけられ、礼を述べた後「これで、漸く……」と呟いたのはどういう意味なのでしょう。
・人間だった頃
どんな心の持ち主だったか謎に包まれています。
使い魔のシルフィールの物腰から穏やかな印象を受けますが、意識や魂は別と語られているのであまり参考にできません。
カオスがどんな風に接していたかも不明。
馴れ初めが知りたい。
「人間などどこにでもいるくだらない存在」と考えていたカオスがいつ彼女への気持ちを自覚したのか、そのきっかけは何だったのか、気になってたまりません。
それ以前に、カオスがどのようにして人間社会に入っていったか気になります。
一例として、レヴィエルは死は死、蘇るわけでもないと考えて葬儀に何の意味があるのかと言っていました。
基本的にこんな感じの思考回路な始祖が、どうやって人の中で生きてきたのでしょうか。
レヴィエルは溶け込む気はなかったから、疑問に思ったことをストレートすぎる言い方でぶつけましたが、カオスはそういうわけにもいかないでしょう。
風の色ではカオスのナチュラル上から目線を指摘したことが明らかに。
豪胆。
自分の命より大勢の人間を優先した、心の強い人というイメージでした。
彼女は弱さを見せたことがあったのか。
常に超人的な心の持ち主が真っ直ぐ死へと歩んでいったのか、弱さや迷いに翻弄されながらも進んできてカオスの助けを拒んだのか、それによって印象が変わります。
個人的には弱さもあってほしいです。弱さを見せるからこそ、乗り越えた強さが光ると思いますので。
天才軍師と呼ばれるほどに頭が切れて、法の支配を打ちたてようと尽力する。
そんな彼女ならば、悪魔の仲間と見なされる危険性や、認定された場合覆す困難さも充分承知していたはず。
それでもカオスと関わった。
カオスはルナに自分の選択を後悔すると言いましたが、シルフィール本人は果たして悔いたのでしょうか?
カオスが後悔しているから、彼女もそうだったと考えてしまうのでは。
事件が起こったのは八年前で、それから実験を繰り返し、今の彼女ができたのも数年以内。
それならば今後、中で蘇ることもあるかもしれない。
ルナがリスティル戦後に自我を取り戻したように、きっかけがあればいけるかも。
今の彼女が完全に消えるのも可哀想ですから上手く融合・共存すれば……。
自我が戻ったとして、果たして彼女はそれを受け入れるのかという問題もあるか。
何とかならないかなぁ。
・罪人として裁かれた
きちんと従った以上、決着はついてるんじゃないでしょうか。
彼女の望み通り、法を守る姿を見せて混乱を避けることができたんですから。
・習わしはすでに無くなっている
もはや存在しなくなった決まりが、復活したからといって適用されるのかという疑問が。
・人間のシルフィールは死んでいる
そもそも彼女が復活するとしたら、カオスの魔力によって命を与えられた存在としてです。
人間としての彼女は死んでいるので再び裁くも何も……。
皆から「軍師シルフィールは処刑された」と認識されていますから、下手に表に出て裁きを受けようとするとカオスな事態になります。
アルギズの森で隠遁するなら大丈夫じゃないでしょうか。
現に使い魔の方は村人に姿を目撃されていますが、有名人らしい反応はされませんでした。
ロシュールみたいに革命に直接関わった人間でない限り問題無さそうです。