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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

柔道部物語 3巻

柔道部物語 3巻


・初勝利の後
三五の勝利にはしゃぐゆりが可愛い。
むさくるしい男達も頬を赤らめるレベル。
皆が手荒く祝福する中、本気でどつく名古屋。
そこで悔しいと思うなら、自分も勝利を……とは思わないのか。

下山田農へのリベンジを成功させて上機嫌の岬商。
ただし敗れた鷲尾は除く。
二回戦の相手に一本決めた後、もう一度ブン投げる。
やめてください、反則になったらどうするんですか。
「ワハハハハ、二本取ってやったぜ」
その発想はなかった。
鷲尾の放屁をくらったゆりが気の毒です。
これから先も彼女は巻き込まれるんだよな、五十嵐の露出とかに。
決勝でも勝つことができ、規模が小さい大会とはいえ優勝できました。
平尾の言う通り、綱のぼりなどの地道な鍛錬も効いているでしょうけど、一番は五十嵐との乱取りですね。

教員部門では五十嵐が圧倒的な強さを見せつけます。
普段対抗心燃やしまくりな山崎はこういう時に出てこないんですよね。
生徒達に押しつけず、自分の手で倒そうという気概を見せてほしい。
現役時代、五十嵐は五輪候補どころか本命でした。
何故なれなかったというと……他人より少ない練習で遥かに強くなる天才の最大の欠点は、根性がないこと。
史村に負けてそのまま引退してしまった。初めて負けたら即引退って諦めよすぎ。
教員部門決勝でも、なまりきっている五十嵐と密かにトレーニングしてきた史村、体力の差が勝敗を分けました。
現役時代もこんな感じで、地道な練習の差で負けたんだろうなあ。

史村の言うことは頷ける。
五十嵐の練習方法は真似しない方がいい。真似して何人もの柔道家がダメになっている。
そうだろうな。
技は本物だから盗み取れ。
ですね。
五十嵐が練習大好きだったらどれくらい強くなったんだろう。

・成長
史村に負けた五十嵐もちょっとだけ燃え始めた様子。
三五はさらに燃えてます。
自転車通学で足腰が鍛えられた様子が描かれる。
背負いの餌食になっていなかった鷲尾、平尾、小柴の三人のうち、小柴も投げることに成功。
初めての大会でタイミングを掴みました。
帰宅後は丸太にタイヤを括りつけて、こらえてから投げる練習。
さらに、インターハイ決勝――樋口の試合のビデオを見る。全国大会でよく見る池谷学園の名前がすでに出てきてる。
何度も何度も見ているらしい。
樋口は散々試合してきたんですから、昔から柔道やっている仲間なら他の映像も持ってそうですが……手に入らなかったんだろうか。
数々の鍛錬のかいあって、入学した頃は細かった三五の体はたくましくなりました。
こうやって変化が描かれると、主人公も努力していると感じられ、才能に頼りきりという印象は受けません。

・新人戦
今度は宿敵・江南も出場します。
まずは団体戦から。
一回戦、二回戦は完勝。
元々普通の学校には余裕で勝てますから、夏を乗り越えた岬商の敵じゃない。
「内田が笑った~!」が好きです。
三五の口と違って、内田の笑い顔は次第になくなっていきましたが。
重量級を一回転させるパワーの鷲尾と当たるが大丈夫かと問われた樋口の反応。
「気をつけます」
さりげなく勝つ自信満々じゃないか? 厳しいと言わないあたりが。

江南の一人目と二人目は下山田農に手こずっている。
岬商は少し前に下山田農に勝ったばかりなのでこれなら楽勝……と思いきや、実は江南は利き手の逆、苦手な組手で試合していました。
強豪相手にわざわざハンデつけて戦うとは。
大将戦は江南・樋口対下山田農・清水。
どちらもインターハイ選手ですが、階級が違います。さすがにこの相手にはハンデをつけずに勝負する。
えりを取られたら跳ね上げられてしまうから、いいところを持たせないよう樋口は立ち回る。
しかし、とうとうおくえりを取られ……。
おくえりを取った時の清水があまりにも悪人顔で噴きました。
まるで捕らえたヒーローに攻撃をしかける悪の怪人みたいな顔してる。
散々な言いようですが、清水を悪い奴と思ってるわけではありません。
親しみやすい性格だと思ってます。

話を樋口対清水に戻して……。
勝敗は決したと思われましたが、そこで終わる樋口じゃなかった。
袖釣込腰を決め、一本。
絶体絶命からの鮮やかな逆転劇。
ヒーローかよ。
観戦していた三五が震えるほどの技の冴えでした。
樋口が袖釣り込みを披露するシーンはここが一番好きかもしれない。
でも、最後の戦いで何度も袖釣りを仕掛けるのも好きなんですよね。

・VS江南
目の前で劇的な勝利を披露され、打ちひしがれる岬商。
彼らに「お前らの方が少し実力が上だ」と告げて自信を復活させる五十嵐。
おお、頼もしい!
……と思ったら、江南が苦手な組手で戦っていたことに気づいてませんでした。
柔道以外はダメと思っていたら、肝心の柔道に関してもわりと節穴。ダメダメじゃないか。

いよいよ決勝・江南戦。
五十嵐から少し上と断言されたものの、前提が間違っているので勝てるはずもなく、今まではサックリ勝ってきた岬商がズタボロに負ける。
『全国のレベルはあまりに高かった』というナレーションが残酷。
鷲尾が樋口に綺麗に投げられている。

団体戦では江南に完敗した岬商。
個人戦も江南の独壇場という予想は覆されることになります。
一人の白帯、三五十五によって。

・個人戦
三五の一回戦の相手は江南の石川。
もちろん実力者です。
小柴や平尾が乾いた笑いを漏らしてる。
「どうせ負けるんなら樋口とやりたかったな」
他の相手と戦うのもいい経験になるじゃないですか。
この時点では三五が一方的に対抗心燃やしてるだけなんですよね。

試合前に「ファイト、石川さん」と声をかける樋口が後輩してる。
山崎は決勝で戦うんだから仲良く話してるんじゃないと注意しますが、いいじゃないか声援くらい。
仲が良さそうで何よりです。
石川に秒殺されるという大方の予想を覆し、粘る三五。
小柴が一瞬目を離した隙に、なんと三五は背負いで一本を取った!

岬商の一年、しかも白帯に敗れた石川に山崎が怒る。
石川の反応は――
「どうしてしらべておいてくれなかったんですか!!」
石川の貴重な逆ギレシーン!
普段は山崎に理不尽だと感じることが多いのですが、この時ばかりは石川のキレ方の方が理不尽だと思いました。
他校の白帯の一年まで調べていられませんよ。
呆然とする山崎に少し同情した。
樋口の表情が険しい。石川が敗れるとは思ってなかったんだろうな。

岬商の面々も信じられず、五十嵐まで「どんなインチキしたんだ?」と質問する始末。ひでえ。
三五に刺激されて鷲尾、平尾、小柴、村井、デビュー戦の秋山まで綺麗に勝利。
名古屋はわざと負けようとしたせいで反則負け。
何かなあ。
「絶対優勝だ!」と燃えるキャラばかりじゃないのは当たり前ですし、ほどほどにやっていこうという姿勢はありだと思います。
ただ、露骨に自分から負けようとするのはさすがに……対戦相手の清水も困惑してます。

・二回戦・三回戦
三五の二回戦を樋口も見ている。
石川に勝ったのはまぐれか否か注目が集まる中、三五の顔に異変が。
彼は本気で集中した時表情が変わり、ひょっとこのようになってしまうという癖があった。
正直「主人公としてどうなんだ?」と思う変化です。
本人も言う通り、タコのように口を尖らせるって、カッコいいとは思えない。
真面目に戦ってる中でひょっとこ顔を見たら笑ってしまう。
「まだ一年の、大会に出始めて間もない時期だからいいけど、重要な大会の決勝等で披露されたら真剣な空気ぶち壊しじゃないか?」などと心配になります。
……この段階ではそう思っていました。

・準決勝
準決勝は県内でもトップクラスに強い飛崎と当たる。
いくら三五の背負いが強力でも、大人しくくらってくれるほど甘くない。
「せめて樋口とやりたかったなあ……」
石川の時も思いましたが、違う相手と戦うのもいい経験になるでしょう。
目標に向かって一直線ですね、良くも悪くも。
三五の快進撃もここまで……のはずが、飛崎は怪我をしたため棄権。
決勝進出を決めた三五に樋口が視線を向ける。
今まで全く相手にされず、三五が一方的に目標扱いしてきただけだが、変化の兆しが。
三五がますます燃え出した。

・決勝
試合前なのに記者に話しかけられて「いえ……まだ決勝が……」「え……まだそんなこと……」と困惑気味の樋口。
この辺の受け答えのスムーズさは西野の方が上だろうな。
調子に乗った西野なら適当にウケのいい模範解答を並べた後、裏で「まったくバカだぜアイツら、ギャハハハ!」と笑い転げる。
……比較対象が悪すぎるな。
そんな樋口は見たくない。
記者を散らして「まわりにちやほやされていい気になるんじゃないぞ!」と樋口を叱る山崎。
それはその通り。
戒めるのは必要だと言いたいところですが、「相手はまぐれで勝ちあがってきた白帯だ」「1分以内に決めてこい!」に引っかかった。
あなたも慢心してるじゃないですか。
三五が運に恵まれているのは事実でも、まぐれだけの奴に石川が負けたと言うつもりか?
ここで気を引き締めるよう注意しておけば、結果は違ったかな。

気分を落ち着ける樋口に石川が声をかける。
「これが終わればしばらく大きな試合はねえ。そしたらどこか遊びに行こうぜ」
先輩してるなあ。
無言で応じる樋口もいい顔してます。
珍しく穏やかな笑顔だ……。
こんな時、高校一年生なんだと実感しますね。
チームメイトと仲が良さそうで安心しました。
一人だけレベルが違うことで孤立することもない。
江南もいいチームです。彼らの柔道部生活も見たかった。

とても心温まるシーンですが、気になったことが幾つか。
遊びに行くことを山崎が許してくれるのか?
「そんな暇があったら練習しろ、バカモン! そういう気の緩みが敗北につながるんだ!」
などと叱り飛ばしそうなんですが。
仮に休息や気分転換の重要性を認めて、山崎が許可したとしよう。
江南の生徒達――特に樋口が、どこで、どうやって遊ぶのか全く想像できない。
体を休める時間があったらスポーツ関連の本を読んだり、寺で座禅組んだりしそうです。
カラオケで熱唱したり遊園地で絶叫マシーンに乗ったりしようものなら隕石が降り注ぎ町が滅びそうな気がする。
……私は樋口を何だと思ってるんだ。

秋山がゆりに声をかける。
ここで関わってるんだな。
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