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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

うしおととら感想 4

うしおととら感想 4



第三十一章 ブランコをこいだ日

十郎とは違った悲しい話。
十郎は憎悪に狂い苦しみながら人間を殺めていましたが、さとりはミノルさえ喜ぶなら他の人間はどうなってもいい、いくらでも殺していいと思っていました。
もしさとりが自分がミノルを大切に思っているように「殺した人間も誰かを大切に思っている」「殺した人間のことを大切だと思う者がいる」ということに気づけば、この結末を迎えることはなかったかもしれません。

第三十二章 うしおととらの一年事始め

前章と全然雰囲気が違う!
紫暮、法武具のノリで駒を回すなよ。

第三十三章 外堂の印

「うしおは心がきれいでどす黒い感情は無いので、心の闇に棲みつく妖怪が入り込んでも大丈夫でした」なんて展開にならなくてよかったです。
大妖を解放した責任。槍に選ばれ、白面の者と戦うことになった重圧・孤独。
いくらうしおがまっすぐといえども、負担にならないと嘘くさい。
だからこそ、そういった重いものを背負って戦うのが胸にきます。
そして、「何でオレばかりこんな目に」と今まで言わずにきたうしおに危うさのようなものを感じました。
それが後に爆発することに。

第三十四章 西の国・妖大戦

西の妖怪が結界をこじ開け白面に攻撃を加えようとするのを止めねばならない。
最終決戦の様子を考えるに、獣の槍無し、人間の協力も無く、西国の妖怪だけで挑むのは無謀にもほどがあります。
西の妖の長、神野は剣を使うので「おおっ!」と思ったら何か情けない。
ツンツンしている威吹は好きなタイプのキャラです。
真面目で、忠誠心たっぷりで、男気あって、「好きだから助ける」ことについて疑問を抱いてうしおに訊ねる。こういうキャラは好きだ。
敵として登場する鎌鼬三姉弟仍、梟、杳は清々しい外道です。人間の姿をするのも、楽しみのためだけに大勢人を殺すため。
杳が十郎を侮辱して二人が切れそうになるのを抑えるとらが大人。

雷信もカッコいい。
重傷を負いながらも一騎打ちに挑む前に、
「十郎の時…兄さんは自分が代わりに死ねばよかったと思ったよ……ダメな…兄だよなァ。でもな…もう誰も死なせない……」
直後に神速で敵の首を切り裂き、その口に煙草を入れ、火をつけながら
「タバコが好きだっていったな……。吸ってろよ。たった一人で、ずっとな…」
強いしカッコいいよ。「ジキイイイイイン」という音も最高です。
昔雷獣と呼ばれていたとらに、
「私の名は雷信。雷を信じております」
というのも上手い。
威吹の「命令だからうしおを守る」→「自分がやりたいからやる」という変化にグッときました。こういうのが好きだ。

結局戦端を開いた神野は、攻撃が全く通じないため心の底からビビる。
だからあれだけ長やうしおが止めたじゃねーか!
ピンチになったところをうしおに助けられ、あんな仕打ちをした自分達を守ろうとする心意気に心を打たれます。
うしおの母、須磨子の顔がアップで描かれ、根性ある眉毛にびっくり。
最終的に東西の妖怪の結託が決定し、人間と協力し合う可能性を示唆して終わりました。
東の長の山ン本の対応が大人だなあ。神野が孫のように思えてきた。

第三十五章 満月

だぶだぶの服を着ているうしおが面白い。

第三十六章 かがりととらおつかいに

とらに照り焼きバーガーを買ってくるように言われて「てろやけばっがですね!」って言うのが可愛い。
そしてオチが。
雷信、責任はどうやってとるんだ。

第三十七章 TATARI BREAKER

ハマーの三人が見事に悪人面です。
この時点だとただのマッドサイエンティストに見えますね。
真摯に頭を下げて槍も丁重に扱ったら、うしおも快く協力しただろうに。
槍の誕生を目にした彼には、ただの道具ではなく相棒みたいなものなんですから。

暴走している彼らも、白面を倒すという目的は同じ。
妖怪の出てくる漫画では、科学者達は皆マッドサイエンティストで不可思議現象のかませにされるイメージが強いのですが、最終決戦において彼らは多大なる貢献をします。
キルリアン反応とかいう数値が出てきてインフレするんじゃないかと不安になりましたが、杞憂に終わりました。
単に「科学は万能素晴らしい」や「科学はおぞましい自然に還れ」のようなどちらか一方に偏った見方ではないため面白いです。
ヘレナ博士の犠牲は自らの行いが招いたことではありますが、単に「自分達の起こした問題を自分で片付けた」で済ませるには抵抗があります。
重傷を負って死を覚悟しながらもデータを取って、後につなげますから。
他人を切り捨てるキャラはよくいますが、いざという時に自分をも目的のために捧げられるかどうかで印象がグッと変わります。
他の二人も熱かった。
悪の科学者が改心したというより、熱意のあまり道から逸れた彼らを戻したという感じです。
ただの悪者ではなく彼らなりの信念や考えがあったという描かれ方なので、お互いの魅力を引き出し合って、いっそう好きになれます。

第三十八章 あの眸は空を映していた

キリオが斗和子の呪縛から解放され、真由子がいろいろ頑張る。
あの狒々強すぎじゃね? と思わずにはいられません。
いくら絶不調だったとはいえ。キリオが立ち直ってもギリギリまで追い詰めるなんて。

第三十九章 業鬼

大切な者の幻を見せる妖怪がうしおを追い詰めますが、ヒョウさんは素敵な笑顔とともに娘の背に刃を突き立て、妻の額を刺して一蹴。
「ヒョウさんの心の一番つらい傷をよォ、ぜったいにゆるせねええ!」
と激昂したうしおが完全に凍りつく凄味があります。
自分は人間ではなく鬼だと言い切る彼ですが、元は平凡な男だっただけに哀しい。

第四十章 記録者の独白

ここまでのまとめと最終決戦の予感、そして風の予兆が語られます。最初は軽く流したのですが、後から読み返すといろいろつながってきます。

第四十一章 獣群復活

とうとうとら以外の字伏も登場。
その正体が獣の槍に魂を吸い取られた者であり、とらも昔人間だったと明かされる。
さらにヒョウの仇、黒い字伏……紅煉が出てきました。
ある意味白面の者より凶悪。
私の中ではうしおととらの敵でベスト3に入るくらい好きです。
「笑ってるのか…」
「死ぬほど会いたくてたまらなかった奴にやっと会えたんだからな」
というやりとりはとらを殺しかけた時と同じですね。
髪を口の中からしゅっと抜くシーンが最凶。きっと魚の小骨を出すのと同じ感覚なのでしょう。
ヒョウさんの鬼気迫る笑顔が強烈ですが、紅煉も負けていない。
「骨まで美味かったぜぇ」と言い放つ様は実に憎らしい。悪役として素晴らしい。
割って入ろうとするとらを止めるうしおの表情もいい。
ヒョウさんの傷だらけの手を見て、敵討ちを邪魔させまいとする。
同じ「食ってやる」でも、とらがうしおに言うのと紅煉がヒョウさんに告げるのとでは全然印象が違いますね。
紅煉に言われると「悪を貫いて無様にやられてほしい」と願いたくなる。
決着はつきませんでしたが、どちらも強い。

第四十二章 三日月の夜

酒を飲むヒョウと一口だけなめたうしおが再び飲む約束を交わす。
「ああ…楽しみだな…」と呟くヒョウの顔が穏やかで、紅煉と対峙した時の笑顔とは正反対。
復讐にしか興味がなかったはずなのに、敵討の後は白面の者との戦いを見たいと告げるヒョウと、ドジるなよと返すとら。
両方とも初期からは考えられない変わりようです。これもうしおとの出会いがきっかけだったのでしょう。
憎悪の闇の中を彷徨い続けてきたヒョウが、最後にたどり着くのは果たして……?

第四十三章 風が吹く前

いつものように麻子と口げんかをしたうしおは、いつまでもこんな日々が続くとは限らないことに気づく。
風とともに散りゆく桜を背にして笑った彼女の姿に見とれるうしお。
二人の距離が近づいた瞬間、風が吹いた。
麻子の中からうしおの記憶が消え、平穏な日常は風の到来とともに去ってしまった。
ここから怒涛の勢いで展開が動きます。一気に最終巻まで読むことをお勧めします。
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