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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

キャラクターについて 2

キャラクターについて 2

今回はミストバーンについて。



・ミストバーン
現在一番好きで偏った目で見てしまうため、気をつけねばならないキャラ。
関わりの深いキャラクターに対してモヤモヤした気持ちをぶつけたくなることもありますが、ミストにとって存在が大きいからこそ尊重し、慎重に扱うべきですよね。

本体になってからも好きです。
元々魅力を感じていましたが、いっそう好きになったのは敬意や忠誠心の理由が明らかになった時なので、「正体を現してから小物化してガッカリ」と言われると落ち込みます。

ザボエラの理想のタイプその1。ちなみにその2はキルバーン。
怪しげな外見を裏切る魂の持ち主。
無口で冷血で冷静かと思いきや全然そんなことはなかったぜ!
バーン様への深い深い忠誠心が魅力的ですが、思考停止しているわけではありません。
他の人物にも心を向け、関係を築いています。
「心酔している対象以外は鼻くそ同然!」の狂信者タイプも異なる方向で好きですが、友情や敬意を抱きつつ忠誠を貫くといっそう重く感じられる。
忠誠も敬意も友情もいちいち重い。そこがいい。
一度好意を抱いた相手には好感度がギュンギュン上昇してないか?
バーン様やキルバーン、ハドラーへの態度を見ると、ある程度好感度が上がった相手ならめったなことがない限り下がらない印象がある。
そう書くとちょろく見えますが、孤独とコンプレックスの深さの裏返しでしょうね。

意外とリアクションが激しい。
ゴメちゃんに体当たりされた時の「がぼふっ」という効果音やビックリして目を丸くしたり、「……はっ?」ときょとんとしたり、ビクッと怯えたり、「えっ!?」と驚くところが可愛い。
無口と言われつつも後半は普通に喋る。それどころか大笑いまで披露する。元は口数が多かったのに命令だから我慢していたのかもしれません。
ダイの挑発やヒュンケルの態度にムキになっているあたり、本来は感情の起伏が激しいのを抑え込んでいたように感じられます。
服装も好みです。細かいところでは袖のダボダボ感と裾のゆったり感、そして腰の部分のしわがいい。
闇の衣では腰、封印解除ではふくらはぎが気になります。
闇の衣状態では表情が見えないはずなのに、怒りや悲しみが伝わってくるのが素晴らしい。
封印解除時はもしやラスボスかと疑ってしまう雰囲気を醸し出しています。
正体を現してからはただただ悲しい。

どす黒い思念から生まれたわりにはバーン様への忠誠、ハドラーへの敬意など一概に否定できない面も多い。涙に動揺するなど情も持ち合わせている。
だからといって安易にいい人だの優しいだの言うべきではないでしょうね。
それで片付くなら、敵に降伏すら許さなかったり元弟子を壊れた玩具のように投げ捨てたりしない。
バーン様やキルバーンに比べれば確かに優しいですが、その二人と比較したら大半のキャラは優しいと言えます。
彼を優しい人と呼ぶなら天使や聖人だらけになってしまいかねない。
あくまで基本は冷酷であってこそ、たまに見せるそうでない部分が光る。
そう言いつつ持ち上げ気味なので説得力がありませんね。
 
堂々たる武人に敬意を抱くものの、本人はそうでもない。
敵に対して結構えげつない殺し方しようとしますから。苦しみを味わわせるなんていちいち言うな、一思いにやれ。
武人になれないからこそ憧れ、尊敬するのでしょう。
ミストの場合、己の体への嫌悪が強すぎて裏返り、あの性格になった気がします。
私が憑依キャラを考えろと言われたら「お前の力は俺のもの! 我が体は不滅なのだヒャーッハッハッハァ!!」な小物臭全開のキャラしか思い浮かびませんが、ミストは「鍛え強くなれる者は尊敬に値した、羨ましかった」ですから素晴らしい。

ダイ大の悪役は考え方の違いが現れていて面白いです。
バーン様:強くなって敵を圧倒するのが面白い
ミスト:鍛えられる者が羨ましい
キルバーン:鍛えるのなんかつまらない
強者に対する敬意も同様。
バーン様:余の部下になれと上から目線
ミスト:尊敬
キルバーン:からかって遊ぶ、玩具扱い
三者三様。

想いの一方通行が多く見える。
・数千年尽くし続けた主は己の消滅に一言も触れない
・魂を認めてくれた尊敬する戦士を忠誠のために自分の手で殺そうとして敵対、決闘も死に様も見届けることができない
・気の合う友人だと思って話しかけていた相手が腹話術の人形だと気づいていない
・利用するつもりだったとはいえ命を救い技を教えた弟子は、悪しき過去の清算として倒しに来る
・残った部下はコンプレックスを刺激する言動の数々を披露しいつでも上司を裏切る気満々、権力目当てでこびへつらい尊敬する男を侮辱
同情したくなりますが、相手にああしろこうしてやれと要求ばかりするわけにもいかない。
ミストの望みを叶えるためだけに都合よく動く存在ではありません。
「これだけしてあげたんだから相手も返すべき」と押し付けるフェイスレスみたいなキャラじゃないからなあ。
特にバーン様は王と部下ですから立場が違います。
不利になると分かっていても肉体返還を求められれば即応じる。その覚悟や関係に今更言葉を求める必要はないのでしょう。
信念持って立派に悪役やってるキャラを過剰に可哀想な奴扱いするのも違和感ありますし。

カッコいいところや可愛いところを語ってきたわけですが、もちろんツッコミどころも多々あります。
体を返還する時服が脱げた理由は? そのまま返せなかったの?

主のために少しでも敵の戦力を削りたいはずなのに何故マァムの魂を砕かなかったのか。
話の都合以外の理由を描いてほしかった。
完全に破壊する時は隙が生じてしまうため、空の技を弾ける暗黒闘気ボディでないと危険だったなどの理由があるのか?

ネズミ呼ばわりしたチウとクロコダインを同列に語るのはいかがなものかと思う。
鍛え強くなる者は尊敬するんじゃなかったのか。
そもそもチウだって上を目指して頑張っているぞ。
実際の強さより向上の姿勢を評価しているように見えるのに。
処刑場で魔物と戦った兵士達の力などたかがしれているでしょうが、目的のために力を尽くす彼らの姿を認めたはず。
ハドラーを尊敬した理由も、戦闘力の上昇より心のあり方の変化が大きかったでしょうから。
単に超魔生物化しただけならば、他者に改造・強化させたという要素が強いですし、あれほど認めることもなかったと思います。
自らの身体を捨ててでも、という決意が捨てる体を持たないミストには眩しく見えたのかもしれません。

それと、側近という立場や参謀という肩書には正直疑問が。
敵を甘く見て叱られたりすぐ逆上したり闘い方が基本的にごり押しだったり、激しく向いていない気がする。
バーン様が余裕ぶっこくのはわかる。それだけの実力がありますし、余裕を見せないと大魔王として格好がつかない。
その代わりミストバーンが側近として軌道修正すべきですが、こなせていたかというと……。服従する気持ちが強いのも主君に意見しづらくて問題かもしれない。

立場や肩書に疑問を呈したけど大魔王初戦で一斉攻撃を進言したのは相応しかった。黒の核晶爆破において自らの手を汚そうとしたのも良し。
後者の際に一切言い訳しなかったことに男気を感じた。ミストについて熱いと思うシーンは多々あれど、「男気あるな……!」と思ったのはあの場面です。
ハドラー関連だと熱い魂を見せまくる。

最後に退場について。
友人によるとミストの最期は「フハハガシッジュッウギャアアヒュンケル~ッ! ってコントかと思った」らしい。「ギャグとしては面白い」とのこと。
反論できない。
トップクラスに好きなキャラ、最期まで信念貫いて戦った悪役の死にざまを、コントやギャグと言われても反論する気になれないという貴重な体験をしました。
シリアスなシーンなのにギャグに見えるのは弟子との共通点かもしれない。
光の師はメガンテから二度も生き残り、闇の師はトンデモ体質。双方から影響を受けたと考えればヒュンケルの不死身っぷりにも納得です。

ヒュンケルに倒される終わり方自体はいいのですが、描写が……。散々逆転劇を見せてきた不屈の闘志の持ち主相手に油断してやられたように見えてしまい、余韻が感じられません。
引き立て役にするにしても、あまりにもやられっぷりが酷いので引き立て役にすらなってない。
改心しない冷酷な敵ですから、感動やカッコよさを求めてはいません。
ただ、もう少し意地を見せてほしかった。
立派な戦士であるヒュンケルに対する敬意が見られないのは別にいい。自分の器候補と認識していて悪い意味で特別扱いしており、バーン様のための行動中と思えば気にならない。
問題は何度も目論見うち砕いてきた使徒達を相手に勝利確信するのが早すぎることだ。
何浮かれてるの?
それであっさりやられてるの?
追い詰められて忌まわしい姿晒して能力使ってるんだから必死になれよ。
乱暴な言い方するなら見苦しいくらいあがいてからくたばれよ!
表面的なカッコよさは下がっても、なりふり構わず勝利を掴みに行って忠誠を貫いたならカッコよく見えますから。
尺が短くても、今まで描かれた姿や歩んできた道のりに相応しい退場ならば余韻を感じられたでしょうね。
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