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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

キャラクターについて 5

キャラクターについて 5

今回はダイ以外の使徒について。



・レオナ
「神々が作り出した最強の戦闘生物である歴代の竜の騎士を遥かに上回る力を持つ双竜紋ダイを圧倒する神々に近い力を持つ」真大魔王バーン相手にナイフ一本で切りかかり傷つけた度胸は素晴らしい。啖呵には痺れた。
疑問なのは、それだけ勇敢なのに何故魔力炉に捕まった時「助けて」なんて言ったんですか?
「全ての戦いを勇者のためにせよ」と少し前に発言したばかりなのに、あっさり捕まってそれはないだろ……。「私にかまわず先へ行きなさい!」くらい言ってほしかった。
上記の「助けて」を除けば好ましいキャラです。
恋愛要素もほどよいバランスでよかった。
ダイと再会してぜひ幸せになってほしい。
苦難を乗り越えて勇者と姫は幸せになりました、で終わっていいだろ。
できれば異種族への意識や魔界との関係も含めて「めでたしめでたし」で。

・ヒュンケル
犯した罪を償うかのように戦い続ける、クールな外見とは裏腹に不器用で熱い男。
地獄で生きる決意をした彼の背負うものは重い……はずだが
・ギャグに片足どころか両足突っ込んだ不死身っぷり
・タイミングを見計らっていたとしか思えない登場の仕方
・マァムを「聖母」「光をくれた慈愛の天使」と表現する詩人っぷり
・一か八かと言いつつ必ず成功する賭け
など思わずツッコミを入れたくなるキャラ。
歩く理不尽、生ける奇跡。
ハートはガラスのように繊細だが生命力は防弾ガラスを凌駕する。
脱いだらすごいの体現者。
そんなところまで闇の師に似なくても。

後半は傷つき倒れたヒムに手を差し伸べる慈愛、奇跡モードに突入して素手でオリハルコンを砕きまくる無敵っぷりでマァムの立場を奪う。
溶岩に浸かっても平気、ヘルズクロー貫通にメラゾーマを流し込まれベギラゴン食らって生命エネルギー大放出のグランドクルスぶっ放しても少し仮眠取っただけで復活、真っ白に燃え尽きても爽やかにお目ざめ。
ミストが彼を器にしようとしたのはこの不死身っぷりを見抜いていたためかもしれない。
光の師アバンはハドラーの助けもあったとはいえメガンテ+バーニングクリメイションを食らって生き残る生命力、さらに彼を上回る登場タイミングの良さを誇る。
この師にしてこの弟子あり。

今振り返ると過剰に半裸要素を取り上げるなど、ネタキャラ扱いしていました。
誠に申し訳ありませんでした。
自分の好きなキャラをそういう扱いされたらどう感じるか、考えが足りませんでした。

真面目な話題に移ります。
彼の考え方に引っかかるのは、光・闇を善悪正義と結び付けているところですね。
力の属性や体質と善悪は別物でしょう。光の力だろうとやみくもに振るえば悪となりえますし、邪悪な生命体とされる存在も世界滅亡を阻止するために戦えば善と呼べるのでは?
ずっと人間側のキャラなら「人間=光=善・正義」でも違和感ありませんが、ヒュンケルは魔物が親代わりでした。
安易に「闇=悪=退治すべきもの」と断定して刃を振るう危険性は誰よりも知っているはずなのに。
また、闇の師を倒すことが悪しき過去への清算になるというのは理解しづらい。
単に技を知ってるから倒すというなら何の疑問もありませんが、けじめをつけるかのように言われると……。
ミストがそそのかしたり洗脳したりした元凶で闇の道の出発点なら分かるけど、出会った時から自分の意思で復讐の道を歩んでいましたよね。
宿命の相手という構図にピンと来ないのはヒュンケルからミストだけでなく逆もです。
鬼岩城であっさりポイ捨てしたり、処刑場で死んだと思った時の反応などから、何度か殺そうとしたけど結果的に生き延びただけ。
最期に名前を叫ぶ相手とは思えませんでした。
そもそも人間の体だと長期間もたないので理想の器と言われても……。
 
戦闘不能になりましたが、続編があれば回復しそう。

・マァム
読み返してみると、村を守るためにすごく頑張ってる。
あの行動はいただけないこの台詞が引っかかると言いまくったのが申し訳ない。
冷酷な悪役がちょっと情を見せただけで称賛するのに優しいキャラが少しまずいこと言っただけで批判しまくるのは理不尽ですよね……。すみません。
 
彼女の優しい性格と華やかな姿、ポップとの漫才のようなやり取りは空気を和ませてくれました。
後半は慈愛が妙な方向へ……と思っていましたが、改めて考えてみました。
アルビナスへの「どんな説得も同情も効果が無い」発言はおっさんの「悪い心と戦うのだ!」に近いかもしれません。
もう少し言い方を変えれば引っかからなくなりそうです。どういうものが望ましいだろう。「何を言っても届かない……!」とかかなぁ。
やっぱりハドラー延命の策が無い状態で説得しようとするのは無茶です。

ミストバーンがダメージ受けて動けなくなった時、「もう動けないなら放っといて先に進みましょう」と発言したのは、「秘密を暴いて有利に」の流れが無ければ普通に倒して終わるはずだった。
そうこうしているうちにダイvsバーンがヤバそう、ならばそちらを優先しなければ、というのはわかる。
ただ、とどめをさすのに数十発ぶん殴らないといけなくて時間がかかるのではなく、あと一発で決まりそうだったからなぁ。
「どうする?」「確実に倒そう」「わかった(ボカッ)」で済みそうだから「わざわざとどめささなくても、それよりダイの方へ」と考えにくく、「そう言う間に倒せるんじゃないか?」という考えが浮かびます。
ミストバーンが微妙なタイミングで立ち上がったから「こんな奴野放しにしろなんてとんでもない!」という空気がいっそう強まってしまった。
相手も悪い。改心の可能性ゼロ、大魔王に対する忠誠心は誰よりも厚く、実力もトップクラス。相性の関係から倒せる人物はダイ、ヒム、アバン、ヒュンケルのみ。
確実にとどめをさしたい強敵ですね。
状況が悪すぎるというか、ヒュンケル以外は慈愛が通じそうにない敵ばかりだったのが不運でした。

バトル漫画で優しさを描くのは難しいと思います。
特に「慈愛」という語だと求められるハードルも高くなるのではないでしょうか。
超人や聖人に近いイメージがあるので、優等生とはいえまだまだ伸びしろある女の子に背負わせると無理が出る。
「慈愛」ではなく「肝っ玉母ちゃん」ならしっくりきます。短くするなら「オカン」で。
情けない姿を見せたら叱咤して、傷つき苦しんでいるなら包み込む。等身大の言葉なので、たまに間違った判断を下しても違和感がありません。
自身のどす黒い感情に気づいて苦しんだり、世界の闇に直面して悩んだり、追い込まれながらも立ち直る過程が描かれれば言葉に重みが出そうです。
優しさというより甘さなんじゃないかと思う部分はありますが、綺麗事、偽善と言って切り捨てるのも抵抗があります。主人公側にはそういう考えのキャラも必要ですから。
甘ちゃんだと言われ笑われても己の全てをかけて貫き通す姿が見たい。
綺麗事と言われた先、どう答えるか、行動するかがきっちり描かれると盛り上がると思います。
批判しつつも使徒は皆好きなので、バランス良く活躍してほしいです。

・ポップ
魅力的なキャラであることに異論はありませんが、作中・作品の外の肯定され方についていけないことも。
終盤は強化や称賛など詰め込みすぎじゃないかと思いました。
生まれこそ平凡だが師と才能に極めて恵まれているため、特別な血筋を持たないという劣等感やそこから上り詰めたという称賛には共感しづらい。
「ポップの大冒険」「ポップこそ真の勇者・真の主人公」と他のキャラクターの奮闘をないがしろにしたり「〇〇よりポップの方が~」と比較して持ち上げたりされると引っかかる。

・アバン
復活は最初から決められていたのではなく、キルバーンとの対決のためだったらしい。
途中で予定変更したんだろうなと思わせるような復活の仕方だったのはそのためか。
お空の先生に語りかけていた使徒達の意気込みや、会ってみたかったと語ったクロコダイン、今さら味方につけないと対決を選んだハドラー、祖国を踏みにじられて黙っているはずがないと信じていたフローラの想いがことごとく台無しに。
ヒュンケル以上の登場タイミングを誇るが、わざとらしさをほとんど感じさせない領域にまで達している。ヒュンケルも頑張れ。
他にも死んだと思っていたら生きていたを繰り返したり、奇跡に助けられたり、この師だから弟子もああなったのだと変に納得させる。
風格があるので作中で高く評価、肯定されても自然に思えるが、行動を見るとちょっと待てと言いたくなるところがある。
手段を選ばない一面もあり、結構したたか。高潔で非の打ちどころのない聖人君子であるかのように語られると違和感がある。
「実はバルトスの仇だったハドラー」「やられ役アピールをするかのようにいきなりテンション高くなるミスト」あたりの展開は、光の師弟関係を美しく描きたいんだな……と思いました。
相手を悪者にしたことでスッキリどころか逆効果になっているような。
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