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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ダイ大感想修正版 2

ダイ大感想修正版 2



3巻

・船旅
ブラスも兵士もいい人です。
聖水垂れ流しですが、どれくらいの量を使用するんだろう。
ダイ大ワールドの検証番組を見てみたい。

・軍団長集結
悪役勢ぞろいで好きな場面です。鬼岩城だよ全員集合!
全てを焼き払うよう命じるフレイザードが輝いています。眩しく燃えて生き切った悪役の鑑。
フレイザードはヒュンケルを人間の分際でと見下しているんですよね。
魔王軍においても、力があれば受け入れるというわけでもない。
フレイザードの場合は人一倍手柄を求めているから、競争相手がいっそう目障りなのでしょう。
ハドラーに「どの」付けしているバランが新鮮。
ハドラーがせっかく総力を挙げてダイを叩くつもりだったのに、バーン様がヒュンケルに勅命を与えたせいで失敗。もう少し部下の意見を聞いてあげてください。

・ミストバーン登場
この作品において現在最も好きなキャラが登場しました。
興奮します。
「フッフッフッフッ」と偉そうに笑っていますが、後に「ええっ!?」とか「はっ?」とか「ワハハハハッ!」とか言い出すので、「精一杯格好つけてたんだな……」と思わせる。
「いつもながら無愛想」「一度口を閉ざしたら数十年は開かぬ」らしい。
え、そうなの?
後に感情見せまくるとは思えない評価。
「大魔王さまのお言葉はすべてに優先する……」も登場。

・ヒュンケル登場
ヒュンケルは、敵の頃は表情豊かで面白い。ずっと鎧の魔剣を装備してほしかった。
「あいつには同情するけど……いくらひどい目にあったからって悪いことをしていいわけがねえ……! 悪いことはやっぱり悪いんだよ!」という言葉に同感。
ヒュンケルのアバンやバルトス関連のエピソードは、いい話風に語られているけどついていけないところがちらほらあります。
・赤子が親に見捨てられたと解釈し、哀れむバルトス
旧魔王軍が町を焼いて大勢死傷者出した状況です。
見捨てたわけじゃなく死んだ、あるいは殺された可能性も高いんじゃないの?
自分達がついさっき手にかけたかもしれないとは思わないのか。
・最強の騎士であり門番なのに門を通す
バルトスはハドラーの怒りに唖然としましたが、敵を通した失態は自覚していないのか。いくら相手を認めたからって、職務を放り投げて終わり?
敵対する相手に魅力を感じるのはよいのですが、通すなら通すで責任を負う覚悟を見せてほしかった。
人間の子供を育てるのをハドラーが許したのも、実力が高く重要な役目を任せていたから。
そんな部下が敵を通してしまい、自分は瀕死。部下はろくに傷もなく、まともに戦ってないように見える。
ハドラーの怒りも尤もじゃないかな……。
感情に任せた理不尽な処分だったから駄目だったものの、罰すること自体は責められない。
・「仇はハドラーだった!」というオチについて
バルトス以外にも仲良くしていた魔物はロカやレイラに殺されたはず。
仇がアバンのまま、父の遺志やアバンの優しさ、ダイ達の絆によって正義の素晴らしさに気づいたなら、「仇である『正義』を受け入れたんだな」と思えますし、他の魔物についても同様なのだと納得できますが、ハドラーが仇で終わると「他の魔物は?」「灰になったのはアバンが追い詰めた結果の魔力切れが原因じゃないの?」と疑問を抱かずにはいられない。
心を改めたのは父の遺言やアバンの優しさ、ダイ達の絆が大きいはずなのに、仇の情報に釣られたように見えてしまう。
「正義の刃に苦しむ者もいる」という掘り下げることが可能だったテーマがうやむやになり、正義の危うさはどこへ。

バルトスの仇関連は、ヒュンケルの改心や仲間化を容易にしようという意図が感じられます。
しかし、ハドラーを犯人にしたことでかえって引っかかる。
個人的には、バルトスの仇はアバンの方が良かったと思います。
父を奪われた怒りは簡単には消えないが、父の遺志、ダイ達の絆やアバンの心に触れたことで正義を選ぶ……的な展開が見たかった。
友人いわく「ヒュンケルは味方になるのが早すぎた」とのこと。
確かに、クロコダインヒュンケルと続けて仲間になったので魔道に堕ちた者としてもっと粘ってほしかったかもしれない。

他には、
・「女を殺すなど性に合わん」「敵でも女は殺すな、それが武人として最低の礼儀」
パプニカを壊滅させておいて今更?
・アバンの対処
ヒュンケルの恨みや負の感情を察していたならば対処を。
大切な弟子だと思うのならばもっと早く向き合ってほしかった。
後の展開を知っている読者と登場人物では持ってる情報量が全然違うので、「ああすべきだった」「こうしたのはダメだった」と過剰に責めるべきではないと分かっています。それでも他にやりようはあったんじゃないかと思ってしまう。
引っかかるのは、再会後のアバンにそういった葛藤が見られないことです。
「自分の行動によってはヒュンケルは罪を犯さずに済み、贖罪のために身を捧げ命を削る必要も生じなかったかもしれない」と悔やむ気持ちが描かれず、ヒュンケルが申し訳なく思ってばかりなので、アンバランスに感じられます。
・マグマに沈んでも生きてる
ヒュンケルの不死身伝説はここから始まった。
ドラクエ的に考えれば、その場から動かずにいればダメージはたいしたことないから……やっぱり無理があるよ。
・闇の師に対する姿勢
利用するためだったとはいえ、命を救い技を教えた相手の扱いが……。
ここまで強くなり、今まで生き延びられたのはミストバーンの教えも大きかったのでは。
利用と言うなら、自分も復讐や覚醒などのパワーアップのために相手の力を利用しているでしょう。
ミストバーンと出会ったせいで闇の道に叩き落とされたならともかく、アバンを殺す気で襲いかかって返り討ちに遭った。
すでに復讐の道を歩んでいて、自分の意思で力を求めたわけです。
それなのに闇に染まった元凶であるかのように言うのはおかしくないか?

再びストーリーを追っていきます。

・純真
ヒュンケルの境遇に共感し、怒り切れないダイ。
敵であっても闇雲に否定しない姿勢に魂の力を感じます。
怒れ、戦えと要求するポップが間違っているとも言えない。

ヒュンケルからザボエラへ、記念すべき初ダニ呼ばわりいただきました。
ザボエラの致命的に空気読めない発言もこの時点で始まっていたんですね。
マァムを恋の虜にしてやると言われてキレたヒュンケル、ハドラーを侮辱されてキレたミストバーン。
闇の師弟の怒りのツボを的確に刺激する……と思いかけたけど大体の相手を怒らせてるか。

・闘技場
ハドラーは捕らえた人間と魔物を戦わせたらしい。
結構エグい。
覚悟を決めた後のハドラーにこの所業をどう思うか問い詰めたい。
聖母発言は、母性に触れたことのない若者がぬくもりを感じたわけですから、そう表現してもなんらおかしくはないのですが、やっぱりツッコみたくなる。

ヒュンケルが溶岩に呑まれたと聞いたミストバーンは何を思ったのか。その程度で死ぬなら別に要らないという感じでしょうか。
バランが栄光に狂ったフレイザードを恐ろしいと評していますが、激怒して国を消し飛ばしたあんたが言うなと言いたい。

4巻

この頃ダイはまだ熱血で単純な少年でした。
張り切って魔法剣を披露したり、それで大失敗して小さくなったり。
だからこそベンガーナでの出来事や大魔王との会話に切なくなります。

・人間として
魔物と同じ道を歩むぐらいならと言うけど、仲良くするのも欲のために傷つけあったりするのも人間と魔物の両方に当てはまるんじゃないか。
今回指しているのは、「邪悪な意志で人間を襲う魔物」という限定的なものなんでしょうけど。

・フレイザードの輝き
「女ぁ? 笑わせるなッ! ここは戦場だ! 殺し合いをするところだぜ。男も女も関係ねェ。強い奴が生きて弱い奴は死ぬんだよ! 傷つくのが嫌なら戦場に出てくるんじゃねぇ!」
「オレは戦うのが好きなんじゃねぇんだ、勝つのが好きなんだよォォッ!」
フィンガー・フレア・ボムズや名台詞の数々で、フレイザードが輝いてる。
戦場に出るも何も、やってきて戦場にしたのはフレイザードですが、アポロの台詞がズレているから正しく感じられるんですよね。
それなりの実力者が戦う気でいるわけですし、叩き潰すのは間違ってはいない。
マァムの判断が冴えている。
前半のキャラ付けと後半背負うことになった役割が食い違ってしまったんだろうか。

・マトリフ登場
「魔王軍に襲われている時には一生懸命ごきげんとってオレを戦わせたくせに、勝って平和になったとたんコロッと掌を返しやがった」という台詞が重い。
ダイ達もそうならないとは限らないんですよね。
神の涙のおかげで世界が一つになったから、いい方向に向かうと思いたい。

・総力結集?
ダイが強敵と悟ると魔王軍の総力を挙げて殺そうとするのは好印象。ただ、保身のためにバランを外したのは痛い。
ミストバーンが指を指すと鎧の兵士達の目に光がともる。
おお、喋らずに部下を動かしてる。
無口な男のはずなのに喋らずにいるのが新鮮ってのも奇妙な話です。
「ああっ! フ……フレイムA!」
「きっ、貴様らぁっ、よくもフレイムAを!」
が何気に好きです。微笑ましい。

・力の片鱗
「幽霊みたいにフワフワしてるくせにものすごいパワー」ということは、正体も決まっていたんだろうな。
それにしてもミストバーンは手を抜きすぎです。
バーン様から観察を指示されていたのでしょうが、もう少し取り繕いましょうよ。ハドラーが気の毒だ。
ここで本気を出されたら「ダイの大冒険 完」になりますが。
ゴメちゃんにぶつかられ、がぼふっとなったミストバーンが目の光まんまるで可愛い。
スライムを全力でぶつけたい。

・ヒュンケル再登場
彼に対するクロコダインの台詞は、いい台詞だと思いつつ「それまでの忠義は?」とツッコみたくなる。
冷遇されたとか一方的に切り捨てられたわけでもないなら、清々しい顔する前にやることあるんじゃないのか。捨てなくてもいいこだわりまで捨ててない?

ヒュンケルの不死身っぷりはもはやギャグの域に達しています。爪で胸部貫通+メラゾーマ、追加でベギラゴン、さらに生命エネルギーの闘気全開グランドクルスぶっ放してちょっと寝たら戦闘に参加。
人間じゃないダイの方がまだ常識的な体してるぞ。
心臓が一つ潰れただけと言えるハドラーもとんでもないけど、魔族だからな。
勝つために自分の身を削る戦い方を選ぶので、この時期のハドラーも度胸はあるんですよね。フレイザードもそうです。
命を懸けたヒュンケルに心の中で「お礼になんでもするよっ!」と言うダイが純粋で心配になる。

5巻

心臓を貫かれ、ヒュンケルを真の戦士だと認めるハドラー。この時点で武人的な精神は持っています。
部下を盾にする卑劣さと敵を認めるカッコよさの間で高速反復横跳びしてる。

・栄光と勝利
六大団長勢ぞろいの場面が大好きです。嬉しくなって暴魔のメダルを授けたくなるバーン様の気持ちがわかる。包んでいたのはメラでしょうか。
「もう過去の栄光はいらねえ。新たな勝利をつかむためにオレは生命をかけるのだあッ!」
重みこそ少ないものの、勝利のために全てを捨てるのはダイやバーン、ハドラーに似ています。
情けない姿を晒し、自らの生命を消耗してでも勝ちに行く。
手柄を求めたり、捨て身になったり、良くも悪くもハドラーの精神を反映しているな。
戦い以外に自分の存在を証明できるものがないと同情するマァムの姿にアルビナスへの言葉を思い出します。
何を言おうと相手にとってはそれしか道がない。アルビナスと違い、フレイザード本人はやり方で満足していますから言葉が届くことはない。

・邪悪な怪物
神からさずかった以外の生命の持ち主についての説明に、ミストを考えずにはいられない。
エネルギー生命体や岩石生命体、暗黒闘気やガスの塊。
悪の魔力によって生み出された邪悪な怪物と言うけど、丸ごと邪悪認定されるとなんだかなあ。彼らとて仲間意識があったり情があったりするんじゃないの?
それらが人間に向けられなければ、認識されないということでしょうか。
直後にミストバーンがハドラーを復活させる場面に移るんですよね。
フレイザードだけでなくミストバーンも邪悪な怪物と思わせる効果を狙ったのでしょうか。

・復活
出ていけって言うけどどんな感じで復活させるのか見たかった。
心臓マッサージしたのかな。貫かれてるけど。
後の展開を思うと、空気全然違うなあ。
ここでハドラーに生死を選ぶ権利もないと告げているんですよね。
だからバーン様がハドラーをどう扱おうとミストバーンは動揺しない、はずだった。
「再び……戦場へ!」
という言い回しは格好いい。
カッコいいから可愛い、恐ろしいから切ないまでこなす……恐るべし。

・フレイザードの最期
「やってくれ!」と言う時、瞳の中にミストバーンが映ってる。
鎧を与えたミストバーンの寝首かく気満々。
もう用無しって……。
「ひどい! 貢がせて捨てる気なのね!」とドロドロしたドラマみたいに問い詰めたくなる。
ダイに敗れたフレイザードの顔面をグリグリと踏みにじるミストバーン。
昔は、似たような体質の持ち主が気に食わなかったためかと思ったんですが、今振り返るとフレイザードはミストバーンの地雷をことごとく踏み抜いてる。
・自分と同じ邪悪な生命体質
・もらいものの力で暴れて調子に乗る
・力を与えた相手への感謝も何もない
力を貸したミストバーンを助けに来て、感謝を告げたハドラーとの対比になるな。
また、ハドラーは改造お披露目時も慢心せず勝ちに行こうとしましたし、高みへ行くことを望んでいました。
与えられた力でも、上を目指したから認めたんでしょうね。
ダイを見てすばらしいと呟いたのも、腕を認め戦力として欲しただけでなく、己の嫌な部分を凝縮したような相手に勝ってみせたことへの賞賛が含まれていたのかもしれません。

栄光の象徴であるメダルが墓標となる。「らしい」最期です。
クロコダインとバダックが酒を酌み交わすシーンで、異種族との共存にわずかな光が差した気がしたけどそういうわけでもない。
裁きを受けようとしたヒュンケルと、答えを出したレオナに好感が持てる。
改心したからといって今までの行いがなあなあで済まされなくてよかった。

・キルバーン登場
演技力半端ない死神のエントリー!
「いい子だねピロロ」のコマはマジでカッコいい。しかし正体と最期は……。
改めて考えると本体の度胸がすごいんですよね。
小馬鹿にした態度は、一歩間違えれば攻撃されるかもしれないのですが、本気の攻撃が本体に向かない程度に抑えています。
上手くいきすぎて驕ったのか、最終的にわざわざ挑発しに行ってやられる。
煽りに命を懸けたと書くとアレですが、相当な度胸の持ち主なのは確かです。
自身が貧弱で普段警戒されないよう立ち回っているからこそ、弱っちい者のいざという時の危険さを理解しているのかもしれない。

ミスト、キルと呼び合う彼らの会話は面白い。
「君が話してるのを見るなんて何十年ぶりだろうね。まったくキミときたら必要がないと百年でも二百年でもだんまりなんだからなァ」
え、嘘。
ピロロはバランを英雄と呼びかっこいーとはしゃぎ、キルバーンはかの竜騎将だの切り札だの言っている。しかし、キルバーンの真の主とその境遇を考えると不穏なものを感じます。
「みんなで楽しい世界旅行としゃれこもうよ」はキザだ。
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