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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ダイ大感想修正版 3

ダイ大感想修正版3



6巻

バーン様との戦いを除いて一番緊張感があったのはバラン編だと思います。
それまではピンチになってもダイの紋章パワーで何とかなる感じでしたが、バランも同じ竜の騎士。さらに実力・経験値は絶対的に上。
絶望的な状況の中でメンバー全員がボロボロになり、力を振り絞ってようやく勝利をつかむので盛り上がります。

・正体
「ただの使い魔」発言やドラゴンキラーの腐食を考えると、キルバーンの正体はこの時点である程度決まっていたのでしょう。

・予兆
助けてもらった女の子が「こわあいっ! お兄ちゃんこわいよおっ!」と怯えて泣き、町を守ってもらった大人たちが白眼視するシーンが頭から離れない。自分がその場にいたら同じように恐怖したと思いますが、やるせない。
種族の差に関わらず、秀でた力を持つアバンは道化のふりをして実力を隠し周囲を安心させ、マトリフは遁世する。おそらくロカやレイラも。マトリフの場合はセクハラも原因と思いますが。
「人は異質な存在を受け入れられるのか」という問いはこの作品のテーマの一つだと思います。その可能性を示すのはノヴァとロン・ベルクやクロコダインとバダックなどですね。エンディングを見る限り前進したとは言えず、残念です。
怪物ばかり住むデルムリン島では一人だけ人間でも差別されなかった。しかし、人間の世界では人間でない者は仲良くはなれない。
ポップやレオナに嫌われなくないと言って湖に飛び込むダイと、正体が化物でもかまわない、関係ないと叫ぶポップ。二人の友情に胸が熱くなる。

神は三種族の争いを調停するために竜の騎士を作ったわけですが、関わるなら責任持ってしっかり関わる、手を出さないなら一切手を出さないではっきりしてください。
色々やっているけど逆効果になったんじゃないかと思わなくもない。
現に竜の騎士バランは人間滅ぼそうとしていて、世界のバランスを保つどころか思いっきり破壊してます。

・バラン戦
ダイの素性がバレて追い詰められていくハドラー。
ダイの勝利を望んでしまう小心者具合が情けないけど、失敗を望んでしまう気持ちは分からなくもない。
バランはクロコダインを一番買っていたのか。
バーンやハドラーのためなら死んでもいいと思っていた、主のために生命を捨てるのが真の武人と言っていますが、じゃあロモスの時に手を抜いて昼寝していたのは何だったんだ? けじめもつけずに離反したのに?
あの経緯でそんなこと言われても説得力が……。
「生きとし生けるものにはすべて太陽が必要なのだ。それを奪おうとする者は断じて許せんっ!」
台詞だけ聞くと神を批判しているようだ。
記憶喪失のダイの「ぼくの友達になってよ」発言に胸が痛みます。ゴメちゃんも泣くわ、二重の意味で。

7巻

・竜騎衆
どんな基準で選ばれたのか気になります。ラーハルトが飛びぬけて強すぎる。
ヒュンケル、「物陰から見ていたかのごとく登場」の回数を一人で稼がないでください。「オレの弟弟子をいたぶってくれた礼~」などの台詞、ポップに向ける表情などの熱く光る要素が霞んでしまう。
キザでスカしているように見えるが、実は熱い心の不器用な男なのに。

・バランの過去
ヴェルザーとの戦いが気になります。
一族を滅ぼし瀕死の重傷を負ったという説明の場面では竜魔人化した様子はない。これは竜魔人化せずとも倒せたのか、それとも単にネタバレを避けたのか。
バランの過去は「あれっ?」となる点が多い。
アルキード王国側がただただ悪者だったように描かれていますが、語られ方に違和感も。
バランから聞かされたラーハルト視点だからある程度偏っているんでしょうね。
家臣も王も臆病で愚かなのが前提となりますが、それでもバランとソアラももう少し何かできたんじゃないか?

王は最初は歓迎していたんですよね。
魔王ハドラーの影響で異種族への目が厳しくなっている中で人間でない疑惑が浮上したら、疎ましくなるでしょう。実際、人間ではありません。
孫が魔物の血を引いていると思いこんでも安全は保障しようとした。「恥さらし」は酷い言葉ですが、「娘が魔物を庇って死んだ」状況です。
遠ざけようとした家臣達はただの権力目当てだったとされていますが、いきなりやってきた男が次期国王となるのは誰でも不安でしょう。
神様の遣いのお偉い騎士様だと証明する方向に持っていけなかったんでしょうか。
できれば素性や種族について攻撃の材料にされる前に功績を発表するのが望ましいけど、それが厳しいなら排斥されそうになった時にでも。
戦闘兵器やお嬢様に権力闘争に対処する手腕を求めても仕方ありませんが、手を取り合って逃避行って無責任じゃないか?
アルキード王国を消し飛ばした攻撃は多分ドルオーラでしょうが、竜魔人化していません。やはりネタバレを避けたのでしょうか。
※この映像はイメージです。実物とは異なる可能性があります。
で済ませればいいのか。

女は殺したくないとバランが言ってますが、アルキード王国を消し飛ばしカールやリンガイアを滅亡させた人に言われても。
バーン様が苦労したと言っている、引き込むまでの流れも気になりました。
追放に裏で関わっていたというのは嫌だな。恐怖され人間の心の狭さを知りながらも勧誘を断ったダイの答えが軽くなる。
勝手に自分の首を絞める人間を笑っている姿が似合います。
このような感じだったと思っています。
・アルキード王国を滅ぼした後、「人間が憎いが、竜の騎士の使命を考えると……」などと思いながらダイを探す
・見つからず落ち込んでいるところを狙ってバーン様がはりきって勧誘、「むしろ人間を滅ぼすことこそ竜の騎士の使命なのだ」等散々煽る、苦労したのはこの部分
・「よし! 人間を滅ぼしてやるぞ!」という結論に

「バラン! ギガブレイクでこい!」は凄くカッコいい。
竜魔人バランへ怪物みたいだと告げるダイ。後にダイも竜魔人化することを考えると……。
「おれの冒険は……ここまでだぜ……! メガンテ!!」
そして、泣きながら親友の名を叫ぶダイの姿!

メガンテとダイの涙に感動しただけに、その後生き返ったのは「おいおい」と思いました。
魔族に比べればすぐに死んでしまう人間、それも前途ある少年が、己を忘れた親友のために勇気を振り絞り、生命と引き換えの呪文を唱える。その覚悟が深く心を打った分、生き返られると力が抜けます。生き延びることを知らないのだから覚悟や決意の重さは変わらないと、頭ではわかっているのですが……。
ザオラルや竜の血など複数の条件が合わさったため幾分抵抗は和らぐものの、ゲームのようにホイホイ復活できる世界観ではないですし。
おまけにパワーアップまでするのは都合よすぎやしませんか。身体的、あるいは精神的に人間離れしたため葛藤するなどの展開があれば違ったかもしれません。

額に紋章→拳に移る→双竜紋→額で合致し竜魔人の流れは上手いと思いました。
拳に紋章が移ったことが奇跡と言われるのは、奇跡の多いダイの大冒険でもすんなり認められます。
「図にのるなァァァ! このガキめがあぁぁッ!」
「ほざくなッ小僧ー!」
「ガハハッ!」
「グワーハッハ!」
大人げないよバラン。息子相手にムキになって最大呪文ぶっ放して高笑いって……。

・竜は去った
バランが退き、それを観ていたミストバーンとキルバーン。
そうしない事情があると分かっていても、つい「追い打ちかけろよ」とツッコみたくなる。
ハドラーがバーン様の首切り発言にガタガタ震えてる。
始末をほのめかすキルバーンと沈黙しているミストバーン。
ミストの心境を知りたい。
素質はあるのに精神面が足引っ張ってるからじれったいと思ってそうだ。
自分の血を飲ませるなんてさらっと言い出すダイに何と言ったらいいのか……。
『からくりサーカス』を連想した。

ザボエラの策に乗り暗殺しにくるハドラーはポップから説教されます。
「残酷だけど卑怯じゃなかった」とのこと。
卑怯とそうでないことの境界線はどこにあるのだろうと疑問に思ったものの、以前はまだ魔王の威厳があったというのには同意。
失敗は許されない、手段を選ぶ余裕はないと反論するハドラーに、「男の戦いには勝ち負けより大事なものがある」と断言。
この言葉が刺さるあたり、良くも悪くも一介の戦士が性に合っているんでしょうね、ハドラーは。
マトリフの「てめえの専売特許だとでも思ってたのか? おめでたいヤツだ!」はかっけえ。
ベギラマ二発&ベギラゴン二発の攻撃食らって下半身ふっ飛ばされながらも生きてるハドラーすげえな。この頃から生命力の強さが示されていたんですね。

ザボエラへの一蓮托生発言いただきました。
改造に協力したのは同じなのにミストバーンとザボエラに対して態度が違うのは、協力要請した時の状況が原因でしょうね。
ザボエラ:自分に媚びてきたのに罵って見捨てて他の相手に取り入ろうとした部下→脅して言うことを聞かせる
ミスト:失態を報告されても文句は言えない、自分より立場が上の相手→必死に頼むことしかできないのに引き受けてくれた
全然違う。

・過去編
面白いなあ、ハドラーが活き活きしていて。
一国の姫を逆らう理由が、建前は「魔界の神に捧げる生贄」で、本音は「一国の指導者をさらい国民に無力さを痛感させ侵攻を容易にする」というのもちゃんと考えてる。

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