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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ミストとザボエラについて

ミストバーンと関わりのある人物で、ハドラー、キルバーンときたらこの方を外すわけにはいかない。
そう……ザボエラです!
他人の力に頼って平然としている姿勢にコンプレックスを刺激されまくるらしく、ザボエラに対して厳しい。
若干「酷いんじゃないか?」という気持ちと、「そう言いたくなるのもわかる」という要素の両方を感じます。

・とるべき態度
嫌う理由は承知で思わなくもない。
「個性もみ合う強力な軍団を作りたい」というバーン様のためなら、嫌悪をぶつけずに活用すべきじゃないか?
と言っても、評価しようが優遇しようが状況次第で裏切ろうとするのは変わらないからなぁ。
考えが批判されるのも、「味方の被害を減らして敵に打撃を与える」ではなく、「自分一人が傷つかなければ味方がいくら死のうとかまわない」という点ですから。
個性があっても、強力な軍団を作るどころか邪魔しかねない。
そもそもバーン様が強く求めているのは、バランやロン・ベルクみたいなストレートに強い人材ですし。
ミストバーンが嫌っていると言ってもバーンパレスから蹴り落とす真似はせず、見捨てたのもバーン様から帰還命令が下された後。
言葉が厳しいせいで冷遇してる印象がありますが、一応部下として扱ってるんですよね。
嫌悪を表に出すところを除けば、他の魔王軍幹部とそこまで扱いに差はないかもしれない。
取り入りたいバーン様にはさほど関心を持たれず、傷つかずに敵をいたぶるのが好きなキルバーンと距離が近くなるわけでもなく、合いそうなフレイザードはすぐ退場し、一番評価していたであろうハドラーはザボエラが切り捨ててしまったんですよね……。

・独断専行
弱ったダイを仕留めようとして牢にぶち込まれる。
これはミストバーンではなくハドラーの話ですね。
最初に読んだ時は「弱った敵を一刻も早く片付けようとするのは、別に間違ってはいないんじゃないか」と疑問に思いました。
最近読み返すと「勝手に動かれると困るよな」と思うようになりました。
勝利のためにもっと手を尽くせよと言いたくなるところですが、それは全体通して当てはまることで、実行したらダイ大が終わる。
バーン様が魔王軍の勝利、地上征服にそこまでこだわっていないという前提があって、ギリギリのバランスの上で成り立っています。
下手に動いて軍団レベルアップやスカウトの機会を潰すとバーン様から「空気読め」と思われる危険性がある。
初期のミストバーンはそれが顕著でした。
この点に関しては、ミストバーンは魔軍司令ハドラーに助走つけて殴られても文句は言えない。

・たまには自分の手足を動かせ
「そこまで言われるほど怠けてないだろう」と思った方も多いはず。
ザボエラの場合、美味しいところを持っていこうとする姿勢が露骨だから、その部分を批判しているのではないでしょうか。
研究に向いてる相手に直接戦えと要求するのは酷ですが、忘れてはならないのは、ザボエラが功績を求めて表に出てきている点です。
危険を冒して戦う者と同じかそれ以上の待遇を望むのなら、求められるものも大きくなるでしょう。
そもそも魔王軍は、要職に就いた者には相応の戦闘力が要求される組織という前提があります。その中で成り上がろうとすれば……。
いくら強靭な戦士が大好きなミストバーンでも、「裏でコツコツやります」「研究でお役に立ちます」と主張する相手を引きずり出してまで要求はしないはず。
「研究に専念させれば必ず魔王軍のためになる! バーン様のお役に立つ邪魔をするな、素人は引っ込んでろ!」と啖呵切るくらいのキャラならば、好感度は上がったかもしれない。
研究方面で地道に働くか、前線に出て戦果を上げるか、ハッキリしていればよかったんだと思います。
戦うならば、サポートの範囲で力を尽くせばあそこまで嫌われることはなかったんじゃないかな。
ミストバーンも「とにかく一人で戦え」ではなく、「他人の力当てにして功績掠め取る真似はするな」と言いたかったのではないでしょうか。
「トレーニングしてパワーアップして敵を薙ぎ払え」という意味なら「年寄りに無茶言ってんじゃねーぞ!」とツッコみまくりますが。

・キルバーンとの違い
ミストバーンは決して高潔な武人というわけではありません。
用いる手段が汚かろうが、それだけであれほど嫌うことはないでしょう。超魔ゾンビを見た時も否定的な態度ではありませんでした。
何故同じく卑怯な死神には好意的なのに、ザボエラは嫌うのか。
まず、キルバーンは自分で罠を仕掛けていたぶるので、他人の力を当てにしていない。
あとは、堂々としているからでしょうか。
キルバーンは評価が下がろうと悪意を向けられようと気にしない。
ザボエラは弱者には強く出て、強者が相手だと反応を気にして媚びるものの逆効果。
力こそ全ての集団の中で強い者の機嫌を取ろうとするのは間違ってはいないはずですが、方向がずれて逆撫でしています。
キルバーンの方は堂々と振る舞いつつ「さすが魔界の神、器が大きい」とか、揺さぶりをかけてから「可愛い君が謝れば許してくれる(それほどバーン様にとって大事な存在だ)」とか、さりげなく相手を持ち上げるのが上手い。
要は相手の求める態度や言葉を考えついて実行できるかどうかが重要なんでしょう。
心を理解し傷つけることができてこそ、残酷な死神と言えるかもしれません。
知っていて踏み込むのがキルバーン、知らずに踏みにじるのがザボエラということで。

……それにしたって対応違いすぎるだろと思う時はあります。
尊敬するハドラーを馬鹿にしているのはどちらも同じなのに、ザボエラには怒る。
ハドラーを拘束してバーン様を救った功績があるのに。
いざとなったらミストバーンが脱衣すれば対処できたからか?
ともかく考えてみます。
キルがみっともないと罵った時は、ハドラーの涙でそれどころじゃないのが大きい。
それに、相手に友情を感じている。
さらに同格補正もあるのかもしれない。立場や実力的にハドラー、ミストバーン、キルバーンの三者はさほど変わらず、偉そうなことを言っても許されるだけの存在感がある。
一方、ザボエラは落ち着いている状況で侮辱し、元々の好感度が低く、ハドラーの部下だった。
忠誠心が服着て歩いてる……むしろ露出して歩いてるミストにとっては、主を乗り換える気満々で侮辱までする奴は、寄生戦法抜きにしても好きになれないだろうな。
キルは場合によっては大魔王暗殺という無茶ぶりにもほどがある命令に従ってやってきて、数百年働いてきて、ヴェルザーが石になった後も大魔王に寝返らずにいます。
さらに、水中に落下したハドラーを見に行かせたり、謁見前身を案じている様子のミストに「心配ないって」と告げたり、フォローしています。

・沈黙すべき男
ハドラーを卑下したザボエラにミストバーンが怒りを露にするシーンはとても熱い。
ですが、ザボエラからしたらついていけないだろうな。
黒の核晶をそのままにしただけなら責められる理由はないんですよね。
大魔王の行いを自分の一存で邪魔する方がまずい。
ザボエラの知らぬことですが、大魔王の意思に従って爆発させた張本人にとやかく言われても困るだろう。
じゃあ何が悪かったかと言うと、わざわざハドラーを侮辱したこと以外ない。
余計なこと言わなければ済んだわけですが、ザボエラ視点だと理解が追いつかないかもしれない。
「『大魔王さまのお言葉は全てに優先する』と言う相手」に、「大魔王の命を救った功績がある状態」で、「大魔王に刃向かった男」の悪口を言ったらキレられたわけですから。
もしハドラー本人が見たら「えっ……?」となりそうな光景です。
ザボエラからすれば予想外にもほどがあるでしょうね。
観戦時の動揺を見ておらず、ハドラーへの想いなんて知りようが……いや、生まれて間もないヒムでも評価してくれてると察していたんだから、最低限はわかるか。
出世に関係なさそうだからスルーした、もしくは自分と同じように役立つ道具として見ていると決めつけた可能性があります。
「苦渋をにじませつつ、『大魔王様の御意思に逆らえないから外さなかった』と答える」が正解でしょうけど、そういう選択肢が出ないからこそのザボエラということで、もう必要な時以外黙っておけばいいんじゃないかな。
ミストバーン以上に沈黙すべき男と言えるかもしれない。

・理想
ザボエラが理想とする能力を語った時、最低の発想と言われたことに関して。
傷つかずに敵を攻撃することを望むだけなら、そこまで悪く言われなかったと思います。
問題視されるのは、超魔ゾンビに限らず、味方まで犠牲にして踏み台にする意図丸見えの姿勢でしょうね。
部下は切り捨てられると怯え、仲間は功績を横取りされると警戒し、上司はいつ裏切るかと不信感を抱く。
すげえ、全方位にギスギスした空気をまき散らしてる……!
力こそ全ての集団らしく殺伐としている中でも、ザボエラは露骨すぎるというか目立ってるからなぁ。
汚い手に寛容だろうと、自分達にまで被害が及ぶなら、そりゃ受け入れられないでしょう。

・魔王軍の空気
上の続きで考えてみました。
ダイ大世界では、危険を冒し傷つきながらも正面から戦う姿勢が好まれます。
使徒側に比べれば卑怯な作戦が許される魔王軍においてもその傾向が強い。
クロコダインやヒュンケル、バランは言うまでもない。
割り切って評価しそうなバーン様やハドラーも、好むのはやはり正面から圧倒する強者。
キルバーンはザボエラを嫌いはしないが、味方もしない。
立派な武人を好むミストバーンは、いたぶったり汚い手を使ったり自体は多分そこまで否定しない。彼自身もえぐい技で敵を苦しませて殺そうとしますし。
他人の力を利用する戦い方、上司を躊躇いなく売り渡して侮辱する姿勢、その両方を合わせて平然としている態度がまずい。
その上司がよりによってハドラーという、見事なまでのコンボを決めてる。
積極的に受け入れそうなのはフレイザードくらいか?
周囲に合わせて最低限取り繕うべきだったんだろうな。
「反発をねじ伏せる実力や才覚が無ければ周りに合わせるべき」と書くと妙に現実的。

真っ向勝負を奨励する気風に割を食っているように見えますが、それだけならあそこまでボロクソに貶されないと思いますし、読んでいて「もっと評価してあげればいいのに」と同情したくなりそうです。
以前読んだ時は「力押しを好む面々からは理解されない」という印象を受けましたが、改めて言動を振り返ると、もっと別の部分に原因があるような……。
そもそも本人は「脳筋の方が扱いやすいわい、キィーッヒッヒッ!」と利用するつもりでしょうから、同情する気になれない。
ザボエラと似たような立ち位置だが、あくまで大魔王や魔王軍全体の勝利のために行動するキャラがどう扱われるか見たかった。
魔王軍の空気がそういうキャラ全般に厳しいのか、それともザボエラ個人の言動のせいか、判断できるでしょうから。

・愛すべき悪役
能力はあるのに立ち回りがまずいザボエラですが、だからこそ魅力を感じるかもしれない。
これで言葉巧みに取り入って労せず美味しいところを持っていくばかりだったら、「他のキャラは大変な思いをしてるのに……!」と苛立ちが募った可能性があります。
空回りするから笑ってみていられるのでしょう。
王道少年漫画において卑怯な敵がごまをすり媚を売って成功する姿を見たいかと言うと……。
武人系の敵とは異なる方向で輝きを見せつつ、本気で嫌悪感を催すようなレベルまではいかないゆえの魅力を感じます。

・お前が言うな
バーン様の体あっての強さが大部分のミストに、ザボエラに偉そうなこと言う資格があるか否か。
これはもう読む方次第としか。
誰かの力に頼りっぱなしの彼には言われたくないと思われる方もいれば、頼らざるを得ないからこそ言うのだと受け止める方もいるでしょう。
忌まわしい体と本人も言っていて、自覚があるからこそ必要としてくれる主への忠誠心があるので。
個人的には、あそこまでボロクソに罵られるザボエラはすごいと思います。
ただの雑魚が「一言お願いします」と頼んだところで声を聞かせる価値など無いと思われても当然で、三字以上喋ったら驚く。
磨けば光るものがあるのに活かそうとしないからこそ怒り、バリエーション豊かに罵ると思うと、ザボエラに対して羨望が……湧くか?
とにかく、一番敬意の対象になるのは剣や拳で戦う肉体派の戦士でも、魔法使いももちろん範囲内のはず。
当初は周りから一目置かれていたとのことですし、何だかんだで関心を向けられあそこまで感情を引き出すのは、そこらの相手にはできない。
ザボエラに対するミストバーンの好感度が下がっていき、底に到達するまでの話を見たい。

まとめ
数年前に読んだ時は、ザボエラの考え方について「戦争にあてはめて考えれば理にかなっている」、「自軍の被害を最小限に、敵の被害を最大限にと言い換えれば説得力が増す」と感想に書きました。
改めて読み返すと、自分一人が傷つかなければ味方がどれほど犠牲になってもかまわないという姿勢なので、それらの言葉は当てはまらないことに気づきました。
「騎士道精神あふれる戦いをしないと卑怯だと言われる空気のせいで評価されないのでは?」と思ったこともありましたが、同じ陣営の部下から上司まで犠牲にする姿勢だと、手段の汚さ以前の問題です。
研究に向いてるのに直接戦うのを要求されるのも、幹部が戦闘力を求められる組織で功績や地位を欲して行動して、ザボエラ自身がハードル上げてるからなぁ。
ミストバーンとの関係に話を戻すと、ミストは「一番嫌いな相手の理想のタイプ」ど真ん中なんですよね。
……本人は猛烈に嫌がりそうだな。
似ている部分があるからこそ違いが面白いです。
一番認めてくれたであろうハドラーを切り捨てるのは同じでも、認められていた要素の違いや切り捨てる際の苦悩の有無、相手の反応など。
ミストバーンはザボエラに対して厳しいですが、改めた方がいいかというと……ハドラーを適度に褒めて上手にミストの機嫌を取るザボエラくらい想像できない。
何より、「ハドラーを侮辱されたが、別にかまわん」と適当に流す姿など見たくない。
そういう性格ならハドラーが魂を認めることも無かったでしょうから。

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