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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

キャラクターとエンディングについて 3

キャラクター・エンディングについて 3

今回はグレオニーについて語ります。



「わあ、このキャラを狙えば個別エンドがカンタンに見られるんだね!」と目をキラキラさせながら寄ってきたかもかて初心者の夢を片っ端から打ち砕く暗黒の男。
初心者向けだと思ったら初見殺しだった。
簡単そうだと思って挑戦するもエンディングに辿り着けず、やっと友達口調になって今度こそ到達できると思ったら『恐れおおいこと』が発生した瞬間の絶望はトラウマ。

最初にエンディングを迎えたため非常に思い入れがあるキャラ。初めてイベント全回収したのもこのキャラです。
もしあっさりエンディングを迎えていたらそこで満足して、他キャラも軽く見ただけで満足して終わったかもしれないと考えると、心と時間を奪い去った元凶。
もっと難易度が高いキャラは複数いて、出現条件が厳しかったりイベント進める手順が複雑だったりするんですよね。
その中でグレオニーが難しく感じるのは、登場の仕方と抱えている悩みのギャップでしょう。
こちらを憎んだり、親しくなりすぎないようにしている相手だと「簡単にはいかないだろうな」と慎重に進める必要を感じますが、グレオニーは友好的だからなあ。
グイグイいけばいいと思いきや気づかぬうちに相手の領分に踏み込んでしまい、友情ルートにいくか憎まれる。

第一印象と全ッ然違うキャラでした。
Before:サッパリした性格の兄貴分で攻略しやすそう
After:ウジウジしてるし逆恨みするし何なんだよ!
彼によって第一印象と抱えるもののギャップを突き付けられたことで、他のキャラの内面も知りたくなりました。

良くも悪くも普通の人。
勘違いしてレハトに声かけなければモブの一人で終わりそうなほどの。
超人的な肉体や特別な才覚を備えているわけではなく、悲劇的な過去も壮絶な決意もない。
悩む内容が身近で、その結果どう振る舞うかも現実味がある。
試合で勝てないのを人のせいにしたり、個人の考えを仲間の総意であるかのような言い方して出場しないでくれと言ったり。
じゃあただの嫌な奴かというと、もちろんそんなことはありません。
レハトが衛士達と一緒に昼食を食べようとして渋られたらとりなしてくれたり。
仲良くすることであわよくば出世を……という思惑があっても、いざ実現しかけると厚意に甘えるわけにはいかないと考えたり。
人間味があると好感を持つか、心の弱さを嫌うか、はっきり分かれそうなキャラです。
人間味があるという理由で全部擁護することはできません。
お前レハトが来る前から負けてただろ。
実力や覚悟の無さを人のせいにするなよ。
レハトが苦悩や挫折なしに強くなってるような言い草だけど、いきなり連れてこられて城から出られず周囲から好き勝手言われる子供に言うことじゃない。
憎悪ルートならレハトが馬鹿にしまくるから憎むのも分かるけど、普通に仲良くしていても試合で勝ち進むだけで敵視するのはおかしいだろ。
衛士にとっては恵まれている子供がお遊び感覚で出ているように見えても、レハトも必死なんだよ!
能力見せないと一生飼い殺しにされるから、人生懸かってるのも今じゃなきゃ駄目なのも同じなのに。

ただ、一方的な言い分には反論したくなるけど気持ち自体は分かる。
壁にぶち当たって悩んでる時期に、特別な才能の持ち主が現れたら。
何年もかけて進んできた道を全く経験のなかった子供が数か月やそこらで追い抜いて、あっさり優勝を飾ったら。
忘れてはならないのは、全力でぶつかり合って爽やかに健闘を称え合おうにも、身分・立場の差がそれを阻むことです。
それはヴァイルの件で証明されています。
衛士同士なら試合中の怪我で罰されることはないのに、寵愛者相手だと故意でなくても処罰を受ける。
普通に戦って負ければ衛士達も納得しやすいでしょうけど、どうしても「手加減しているから不利」「本気で戦えないのに……」と感じてしまう。
勝ったら機嫌を損ねたり負傷させたりして罰されるかもしれず、負けたら負けたで弱いだの媚を売ってるだの馬鹿にされる。
やってられないと言いたくもなるわな。
さらに、怪我させた衛士の末路を知るグレオニーにとっては理不尽さが増す。
公的な処分に加えて、報復に殺される可能性があるように見えてしまう。
わざとじゃないのに罰を受けた挙句殺されると思えば「試合に出ないでくれ、余計なことするな」と願うのも無理はない。

年下なのに自分より強いというだけで嫉妬するわけではないんですよね。
ヴァイルには寵愛者・王族だからそういうものだと思っている節があります。
レハトに対して割り切れないのは、出会った時の剣に不慣れな「ちっこいの」の印象が強いためかもしれません。
そして、他にも栄達の道はあるのに、よりによって試合に出て上を目指そうとするのが耐えがたいのでしょう。
グレオニーは剣だけが自分の取り柄だと思っていますからね。
衛士の家系とかで剣の道以外ない子供なら、もう少し受け入れられたかもしれません。
グレオニーの精神を追い詰めるのは、レハトの才能や活躍に対する嫉妬だけでなく、戦乱の無い時代で剣を振るうことへの疑問、周りに合わせて出世を目指すことへの迷い、試合で勝てば上手くいくはずという焦り・願望なども混ざっているんですよね。
そこから目を逸らすのにちょうどいい衛士と寵愛者の差があり、手加減しないといけないという言い訳が可能に。
厄介なことに、衛士惨殺について知っているため、ただの言い訳で片付く話でもなくなっています。あんな話聞けば怖いしやりづらくなる。

短所が生々しく描かれているため、嫌い・腹立つという意見にも頷けます。
進路に迷っているのに他の道を探そうとしないとか、「これだけやったんだから」という言い訳を作るために努力したつもりになっていたとか、心にグッサグサ刺さる。
彼の悩みは「王の犯した罪、背負う業」「王の資格に囚われた子供の孤独」といった日常生活からかけ離れた劇的な内容ではなく、身近なものに置き換えられるので共感しやすい。
同時に「その程度のことで」と軽く見えてしまいます。

ストレートに強くてカッコいいとは到底言えない。
しかし、嫌いだったら何周もして「この台詞いいなあ」とか「このシーン見てよかった」とは思いません。
理不尽だと感じても反論したり試合でぶちのめしたり処刑したりできるのがありがたい。
作中の時期がちょうど絶賛苦悩迷走中ですからうじうじしまくりに見えますが、それだけではありません。
相手への気遣いを見せるところが好きです。空回りするところまで含めて。
双子やモルは相手が相手だから不発でしたが、普通ならあれでいけるはず。
『大事な日には』でレハトが城から出たいと言った時、「お気持ちは分かりますが」と言いかけて、思い直して、自分なりの言葉で止めるシーンも、境遇が違いすぎるレハトの心に寄り添おうとしています。
「お気持ちは分かりますがお戻りください」だけで十分なのに、真摯に答えてくれた。
隠し事ができない性格も、欠点だけではなく美点にもなります。
自分の立場が不利になるのに内心を表に出してしまい、腹の探り合いや駆け引きが全然できない姿は城でやっていけるか心配になるほど。
取り入ろうとしたなんて嘘だと信頼を向けられると本心を明かしてしまうし、『重なる剣』での一件は事故だったと言い張ればいいものを、わざとだったのかもしれないと言いますし。

脆さが目立つほど、吹っ切れた時の清々しさは大きい。
目的ができて迷いがなくなった彼は素直に強いしカッコいい。
悩みを乗り越えた彼は安定感があります。

好きなイベントは、『最後の試合』や『衛士の決心』は言うまでもなく、『怪我』『詩を書く』『魅力に励み』『自然の振舞い』などです。
『嫉妬』ではレハトに会いたくて中庭をうろうろしている。一歩間違えるとストーカー……何でもありません。
色んなシチュエーションが見たくなる。
「苦労せず強くなって……」と思っていたらレハトが泣いてるところに遭遇し、不安や怯えを隠してメンタルボロボロになっていると知って真剣に心配するとか。
殺害女レハトであの台詞を告げたグレオニーに「私もだ」と答えて「お前の心に一生消えない傷を刻んでやりたかった」「剣を向けられた時嬉しかった」と告げたらどんな反応するかとか。

グレオニーのエンディングは「自分は何を目指しているのか、本当にやりたいことは何か」「戦乱の無い時代に剣を握る理由は」という悩みに対する答えとなっている気がします。
グレオニーは時代が違えばと考えているようでしたが、戦いが起これば解決するわけないんですよね。
内乱エンドであっさり死亡するので。
剣を向ける相手や戦う理由が自動的に決まったところで、迷いは消えない。本人が見出さないと意味がなく、剣の行方を見失って終わるでしょう。

友情ABC
「全然身分は違うけれど、レハトは俺にとってすごく大事な友達だ。どんなに離れても、会えなくてもそれは変わらない。ずっと」
『去っていく彼の背中は、とても自然体に見えた。もう彼は迷うこともないのだろう』
『今の態度から、分かってしまったのだ。想いが叶う望みはないことが』
上の問いの答えとして、このルートでは「自分を見つめ直し、できることを着実にやる」傾向にあります。
ABどちらも穏やかです。
Aで王になると手紙の内容が少し変わりました。
Cはほろ苦い。
友情C→愛情Cの順に回収したかったけど失敗して最後になりました。
これは「グレオニーにとって」友情エンドでは?
レハトにとっては愛情エンドに近い。

憎悪AB
「迷惑なんです、貴方が試合に出られると!」
「どうぞ貴方の体で、俺が弱いかどうかお見極めくださいませ」
「俺は、貴方のようになりたかった」
友情や愛情だと自分の姿を見つめ直して前向きに歩むのですが、こちらでは見たくない自分を無理矢理突き付けられて追い詰められていく印象を受けます。
始めたばかりのころ、仲良くなろうとして上手くいかないことに首を傾げつつエンディングを迎えてひっそり憎まれていたことを知って愕然としただけに、このルートをやるのに抵抗がありませんでした。
くらえキャラ無しエンドの恨み!
相手が弱いという理由でレハトが貶しまくるので、「失敗だらけのメイドを教育しているだけ」「相手のためにやってるんだ」と正当化するサニャ憎悪よりはスッキリします。
「てめーらが弱いだけなのにぐちぐち言いやがって!」と試合で衛士達をボコボコにするロールプレイがはかどります。
最終的にグレオニーだけでなく他の衛士からも白い目で見られる。
これで進路が衛士長だとどうなることやら。
他のルートで勝ち進んで微妙な反応されて「応援するようなこと言っといてそれかよ?」と苛立ったものの、このルートで衛士が惨殺された事件について語られ、納得。
あの一件がなければグレオニーも「戦った! 負けた!」で終わって諦めがついたかもしれない。

Aで告発しなかった場合、いきなりいなくなる。
荷物も置いたままって、どこ行ったんだ。
グレオニーのために罰を受ける覚悟で怒りを見せたフェルツ、マジでいい奴だな。
Bで最後の日に会いに行って戦い、勝利すると貴方のようになりたかったと語る。
王になると少し台詞が変わるんですね。
憎悪Aで失踪したグレオニーとレハトの再会も見てみたいけど、悲惨な事態になりそう。
両者が同じくらい憎み合っているならマシですが、レハト側だけケロッとしてると……。
「あの時はバカにしてごめんね! 試合に出て評価を上げなきゃいけなくてピリピリしてたんだ。……え、試合中の怪我? 気にしてないよ、もう傷跡も消えたし」などと言おうものなら、グレオニーが変な方向に吹っ切れてバッドエンドになりそうな予感。

他のルートでうっすらとにじんでいたグレオニーの脆さ、暗い側面が一気に晒されるルートです。
この作品では純粋な善人や完璧超人、聖人君子はいません。皆大なり小なり悩みや弱さ、歪みを抱えています。
いい奴感溢れるフェルツにしても、もっと出番が多くなって掘り下げられれば嫌な部分が見えるでしょう。
グレオニーは第一印象の爽やかさと内面のギャップが大きいので「何だこの嫌な奴!」となりやすい。評価が低い状態から上がっていくキャラと比べると悪い印象を抱きがち。
ただ、一方的に憎んでくるといっても、それをはっきりぶつける憎悪ルートではレハトの態度も酷いんですよね。
事なかれ主義のフェルツが、今のままのレハトには仕えたくないとまで言うからには相当だったんでしょう。
嫉妬や羨望を抱くこと自体は責めるわけにはいかないし、直接ぶつけるまでは堪えようとしているので、ダメなところはあってもクズではないと思います。

殺害
「消えていなければいいなと思ってるんです。俺はもうすぐここから消えますから、何か一つぐらい残るものがあってもいいでしょう?」
「……俺はひょっとしたら、貴方のことがとても好きだったのかもしれません」
「さようなら、レハト様。どうかお元気で。心から、そう願っています」
人気が高いのも頷ける。
最後の試合において愛情ルートだと目が合い、殺害だと刀身が見えるという違いが輝いている。
牢の中で穏やかに語る姿に何故か嬉しくなりました。
迷走して、憎悪をため込んで、ぶつけてきた彼が、こんな形でとはいえ吹っ切れたんですから。
「寵愛者たるレハト様は俺なんかとは違う」という諦念を愛で乗り越えるか憎悪で吹き飛ばすかが違うだけで、全力で近づこう、真っ直ぐに向き合おうとした結果かもしれない。

初めてレハトにドン引きしたのがこのルートでした。
もう少し後でプレイしたサニャの村潰す発言でも「コイツ何言ってやがる」と思ったのですが、ベクトルが違います。
レハトと大幅に思考が乖離していることを初めて痛感したといいますか……。
途中までは「逆恨みしてんじゃねえよ!」とか「実力不足なだけだろ!」と同調しつつプレイしていたのですが、殺害へと派生する告発シーンで「……え?」となりました。
事故ではなく故意だったことを周囲に伝えて、罰を引き上げるよう淡々と要求するだけだと思っていたんですよ。
しかしレハトは再び殺されそうになったと訴え、悲鳴まで上げる名演技を披露。
しらじらしい……。
相手を死に追いやろうとする強固な意志を感じた。
そこまでグレオニーが憎いのか。
さすがに罰を受けようとする相手を陥れようとまでは思っていなかったので恐慌をきたした。
何も言わないグレオニーにいっそう動転。
再び殺そうとしたなんて嘘なのに何故反論しないんだと混乱しました。

後で、印憎不足の状態で告発してみました。
「告発する」という選択肢を見て最初に想像した通りの展開でした。事故ではなく故意だったと伝えて終了。
再び殺そうとしたという「証言」がないため極刑にならず、憎悪Aで終わるんですね。
そして、失踪ではなく追放という形になりました。
うーん……。
陥れず、いきなり姿を消したわけでもないのに、後味悪いのは何故。
あえて告発しなかったり印憎不足で告発したりすると、不完全燃焼だと感じられる結末になるな。
グレオニーが全力で剣と感情を向けてきたのに、それに応えないためか?
殺意に殺意で返されたからこそ、グレオニーが穏やかになれたのかもしれない。

女での台詞だけを聞くと愛情表現を間違えたヤンデレみたいですが、男の方の台詞も考えると違う印象を受けます。
憎悪は言うまでもなく、嫉妬や劣等感、羨望、憧憬、友情や恋愛感情、それらが全部混ざり合って爆発して最後に残ったものがあれだったのでは。
誰か一人に深く執着したことがなくて、膨大で激しい感情を表現しようとした結果だと思っています。
サニャ憎悪やグレオニー殺害は、真っ当に生まれ育ったド健全で善良な一般人を追い詰め、暗い感情を煮えたぎらせ、殺意という形で爆発させる様が醍醐味と言えますね。
できればレハトに処刑を見届けてほしい。
牢にいるグレオニーを見て監禁ルートが欲しくなりました。ただし殺害エンドだと粛々と受け入れそうなので他のルートで。

裏切A
「レハト様とお会いできて……できて良かった、です……」
「ありが……ございま……」
初めて見た裏切の破壊力よ。
ドア越し・震え声などことごとく心をぶん殴ってくる。
「よくも騙したなと罵るかな? 無言で刺しにくるかな?」と楽しみにしたら主人公を責めずに消息を絶ったので後味の悪さを感じました。
嫌いでも恨みがあるわけでもないんだ、苦しむ姿が見たかっただけで。
「そんな酷い奴だとは思わなかった!」「よくも裏切ったな!」と糾弾したり攻撃してくるなら「おードロドロしてるなー」と気楽に見ることができたでしょう。
こちらを責めずに終わったのでかえって心を抉られました。
さらに故郷にも戻らなかったと知って罪悪感が高まりました。
自ら命を絶ってもおかしくない。

裏切B
「馬鹿だ、俺……」
「俺……貴方が好きです。好き、でした」
「いくらあり得ない望みだったとしても、あの時貴方にちゃんと告げておけば良かったって」
Bはまだ軽傷で済みました。
冷静に考えれば、女になるよう頼んだAなら裏切ったと言われても仕方ありませんが、愛情BやCだと明言したのは「護衛としてそばにいる」という姿勢だけです。
本人の言う通り、ちゃんと伝えてもないのに裏切りというのもな。
敬語告白時の捧げられるのは忠誠だけ、という反応を鵜呑みにしてこうなる可能性もなくはない。
気持ちを言わずにいるのはずるいというか……。
それが分かっているから、裏切った時に取り乱して伝えておけばよかったと悔やむんでしょうけど。

愛情
前述の問いに「レハトに相応しい存在になってみせる」という答えを出し、力強く歩み始める。
グレオニーは王配になると胃に穴が開いて死ぬそうですが、精神的に安定して強さを得た彼が容易く折れるとは思いたくないなあ。
レハトを他の相手に取られないよう強くなると言っていましたし、有言実行してもらいましょう。
友達口調告白だと「王になったとしても、俺が守るから」とも言っていましたから、衛士としてだけでなく王配としても守ることになりますね。頑張れ。

・愛情A
「貴方と、共にいるために」
王道。
初めてみたエンディングですので、思い入れがあります。
殺害時の台詞もいいですが、一番好きなのはやっぱりこれ。
どれほどヘタレなところを見せてもこの一言で十分。
『最後の試合』で一番綺麗だと感じる流れは、会いに行って、理由を聞き出すことですね。
後で呼びつける方も見ようとしましたが、選んだ直後のローニカの「えっ」と言いたげな反応に心が折れて即やり直した。自分でも「呼びつけるとかないわー」とツッコみたくなったからな。
対戦相手のやられ方から、今まで真面目に訓練してきて、実力もあることが窺えます。
友達口調でも見ました。『最後の試合』での台詞が「お前」になったのでグッと来た。
試合中、直前まで敬語だったのに、ここぞという時に!
ずるいだろ。

・愛情B
「レハト様。俺は、貴方を守りたい。本当にそう思ってしまったから、今の自分じゃ駄目なんだ」
「見ててください。これからの俺の剣は、そのためだけに振るいます」
『彼の願いが叶う時はそう遠くはないだろう』
一番グッと来たのはグレオニーの台詞ではなく最後の一文です。
爽やか。すごく頑張ってる……。
なかなか陛下と仲良くなれず期限切れになったり、陛下と喋りすぎてグレオニーの好感度が足りなくなったり、苦戦しました。
だからトッズ・ローニカとの同時攻略で護衛トリオが結成された時はめちゃくちゃ嬉しかったです。

・愛情C
「そうです、この右腕が動かなくなっても、まだ左腕があります。左腕をやられても、背中だって、腹だって、足だって。惜しくないんです、そんなもの」
「私を、貴方の側に置いてください」
「ずっと貴方を護らせてくださいね、レハト様」
普通にクリアした後、別の機会に護衛要請→ついてくる気配→覚悟の誘い→勝利のコイン→最後の試合→衛士の決心をこなして再度クリア。
勝利のコインも入れるつもりでやっていたのに、トッズのイベントをこなしていなかったため間に合いませんでした。
途中からやり直してコインを入手できたので渡し、無事成功。
最後の試合を見ていると『衛士の決心』での台詞が少し変わるんですね……! 細かい。
試合経由だとグレオニーの覚悟がより重く感じられます。
御前試合で優勝を飾るほどの力の持ち主が、レハトを庇って利き腕を使えなくなり、それでも守ろうと決心したわけですから。

途中やきもきしました。
何一人で結論出して去っていこうとするんだよ!
グレオニーは自己完結する癖があります。
敬語告白時の反応は部下として忠誠を捧げるというものですし、愛憎反転して会いに行った時も「俺は好きでしたけど通じるはずないと分かってましたさようなら」で去っていきます。
ギリギリまで「俺なんかじゃレハト様には釣り合わない」で一貫している。
フォローしたローニカ、よくやった。
出来心で最後に「いいえ」を選んでローニカに本気で窘められて「ご、ごめんなさい……」となりました。
ローニカはグレオニーへの関心や配慮が目立つ気がします。
後にリリアノが暗殺者に殺されることを想うと、遠い場所から見ているだけなのか、主君を守れなくていいのかというローニカの台詞がいっそう重くなる。

ただでさえ身分の差や能力不足を理由に辞めようとしていたグレオニーが、利き腕が動かないかもしれないという事態になって、それでも護衛でいることを決意したという、非常に覚悟の重いエピソード。
レハトを庇って利き腕がやられてもなお、自分の身を盾にしてでも護りたいという姿勢は危ういけれどカッコいいと思う。
本人は護衛として力不足と言いますが、緊急時にちゃんと動けるんですよね。
試合優勝ルートでも思いましたが、実力は備わっています。
苦悩を乗り越えれば地に足の着いた強さがあります。
同情を引いて取り入ったと言われても動じないグレオニーに感動した。
以前の彼ならば「厚意に甘える俺なんかやっぱりレハト様には相応しくない」と悩みますから。
認めさせるために努力すると言い切った!
彼がそう言うのならば、レハトも相応しい主とならねばなりませんね。
愛情AやBはグレオニーの身分の壁を越えようとする覚悟が鍵になりますが、Cだとレハトにも仕えられる側の覚悟が必要となるのが面白い。
安易な同情などの軽い気持ちで護衛を命じるべきではない。信頼無しに自分を守る役目を任せてはならないし、命じたからには信じて貫かなければならない。
ストレートに盛り上がるのが愛情Aで、じっくり沁みるのが愛情Cという印象を受けます。

最初にイベントを全部回収したのはグレオニーでした。
最後に残ったのはローニカとの対話『護るべきもの』。
護衛就任だけでもきついのにローニカのイベントもこなさないといけない。苦労した分じんわり沁みわたりました。
ただ、『想い人の正体』での台詞を考えると、警備の薄さには裏の事情も絡んでいますよね。
それでもいい話です。
グレオニーらしさが出ているんですよね。
・訊き方がストレート
・軽んじられてると考えた根拠が「初めて護衛に就いたのが自分だから」
・ローニカの説明にあっさり納得
など。
もっとローニカとの会話が見たかったですし、護衛同士トッズとのやり取りも気になります。
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