グレイメルカ
シニカルとレトリック様制作
『グレイメルカ』の感想です。
こんな方におススメ
・フリーゲーム、特に長編をガッツリプレイしたい
・国と国のぶつかり合いが見たい
・世代を交代しつつ紡がれる物語に惹かれる
・ジャンル
シミュレーションRPG
・ストーリー
人と人、国と国がぶつかり合うことによって歴史が、物語が、作られる。
利害や怨嗟によって激突する以上、何者かをやっつけて万事めでたしめでたしとはいきません。
敵にも敵の人生がある。
当たり前のことですが、主要キャラだけでなくモブ同然の敵のボスにも言えることです。倒された時の一言に、家族、出世、忠誠心など、戦う理由を感じさせます。
中でも目立つのは……憎悪。
復讐です。
『憎しみの連鎖』という言葉がありますが、あちこちで発生するので憎しみの落ち物パズルと化しています。
「やられたからやり返す」を繰り返していたらいつまでも終わりませんが、じゃあ我慢します、で片づくはずもない。
範囲を広げすぎたり方法が過激だったり、それに対して「やりすぎだろ……」と言うのは簡単ですが、すぐに抑制できるならば復讐劇なんて生まれません。
関係ない人間も躊躇なく巻き込む者、仇以外も敵視していたが態度を改める者、子供のために復讐を放棄する者と、様々な形で描かれます。
「悪い奴をぶっ倒して後腐れなく終了!」を見たい気分の時には合わないかもしれませんが、やりきれなさも感じつつ読み進めたい時はピッタリです。
・難易度
武器や魔法には相性があり、命中率や回避率に補正がかかるので、何も考えず突っ込んで暴れてクリアとはいきません。
イージー、ノーマル、ハードとありますが、イージーだとクリア特典が無いとのことなのでノーマルモードでプレイしました。
ノーマルは便利アイテムなどの救済措置があり、初心者でもクリアできるようになっています。
ただ、ノーマルモードでも仲間が死んでしまうことがあり、毎ターンセーブに助けられました。
仲間が死んでも戦闘は続行できますが、以後使用できなくなるのでロードロード。
元々ゴリ押し大好きな上に不慣れなので酷い戦い方になり、攻略情報も見ました。
・便利なところ
情報が簡単にチェックできます。
例えば、相手にどれくらいダメージを与えられるか表示され、作戦を立てやすい。
武器の三すくみだけでなく魔法にも相性がありますが、忘れても確認できるので安心。
攻撃の際、得意か苦手か表示されるので、そちらでもチェックできます。
序盤から大量にカタカナの国名や人物名を出されても覚えられない……そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、大丈夫。
単語をクリックすれば説明が出てくるので「誰だっけ……」「何だったかな」という事態を避けられます。
・引っかかったところ
頻繁に出撃させるキャラとさせないキャラのレベル差が開いていき、使わないキャラはどんどん使わない方向にいってしまうのが残念です。
終盤の加入キャラはある程度育った状態なのでそのまま使えますが、序盤や中盤に仲間になったキャラはレベルが高くないので戦わせるのが後回しになり、そのままに。
出撃しないキャラも徐々に育つシステムがあれば、新しくスキルを覚えた時などに「今度は使ってみようかな」と試せたかもしれない。
ここからはネタバレも含むのでたたみます。