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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ジェライについて(マスターモードプレイ前)

ジェライについて語り足りないので本人や周囲の台詞を取り上げます。
マスターモードプレイ前の感想です。
ネタバレも大いに含まれます。


第10話『因果応報』から。

・ハルカへの評価と部下からの反応
ハルカについて「得体の知れない人物ではあったが、姑息な人間だとは思わなかった」とのこと。
わりといい評価。
手柄を競う部下達を諌めるジェライですが、
(うるさいなぁ……この人は)
と呟かれます。
鬱陶しく感じられるか……。無理もありませんが。

・対決時の台詞
ハルカの逃亡に事情があることは勘付いている様子。
だが容赦はしない。
「あらゆる者達の屍がこの国を築き、過去の数え切れない血の涙達が、現代の我らにパンを与え、家を残した」
詩的な言い回しだ。
これがジェライの戦う理由……帝国を守る理由なんですよね。
「破壊してはならぬのだ、どのような事情があろうとも」
「例え正義に反していようともな」
この言い方だと、帝国が絶対的な正義とは思っていない?
それでも守ろうとするんですね。
間違いだと感じる部分があるのなら正してほしいですが、どこまで口出ししていいか線引きしづらいからなぁ。

・撃破時
このステージは脱出すればクリアですが、倒すこともできます。
以下、倒した時の台詞。
「ま……まだ私も未熟であったか」
素直に認めるのか。
印象に残るのはこの台詞。
「逃げた先で幸福を手に入れた者は……ほとんどおらぬ」
ベルセルクのガッツを連想した。ロストチルドレン編の。
肝に銘じておくのだな、って渋い。

普通に脱出した場合は、
「まあいい、こんな形で出世する者が出ても、帝国の益にはならんだろう」
と呟いて撤退します。

第17話『バッカ山の山賊』から。

・ウィラとの会話
休暇明けで鈍っている兵士達を倒して波が大き過ぎると指摘。
どんな風にしばき倒したのか……見たかった。
「ハルヴィン城防衛隊は任務ではない、資格だという事を忘れるな」
厳しい御方。
敗れたウィラが部隊の立て直し方を問うと……。
「お答え致しかねる、私には経験の無い事なので」
無敗か。
化物だな。
防衛隊だから負けたら帝国は滅んでるか。

答えかねると言いつつ、部下を喪ったことはあるからと助言してくれます。
珍しく口数が多い。
ウィラが礼を述べて去った後も新鮮な反応を見せる。
(あの若さで千騎長の重圧は大変なものだろう。百騎長であれば、手柄を楽しむ事も出来ただろうが……)
おぉ、労わるような台詞を……。
ウィラは元々己に厳しいですし、そんな相手に追い打ちをかける真似はしないか。
ジェライにとって、デミライトのために懸命に戦う彼女は好ましいだろうな。
ジェライは、彼が千騎長にならなかったのが不満そうな兵士をたしなめる。

「部隊長が昇格を願うのは、部下の生活を向上させてやりたいと思うからだ」
「幸運な事に、我がハルヴィン城防衛隊は生活に困るような部下を持っていない」
いや、部下だけでなく自分もいい想いしたいという部隊長も当然いるでしょう。
部下達も、別に生活に困っていなくても、待遇がさらによくなれば喜ぶんじゃないですか?
全員が無欲じゃないんですから。
「我々は地位を求めなくてもいい、千騎長に否定的な感情を持たない事だ」
後半は同意。
ウィラも相応しい能力と闘志を備えていますから。

第26話『子供達の戦い』前半から。

・出撃前
デミライトに兵の配置について進言。
ここでアパン武器を使うよう言われても、結局使わないんですよね。
なんとしても反乱軍を仕留めろと言われての返答がこれ。
「命に代えても!」
防衛隊長だから当たり前の返答ですが、もう少し自分の身を大事にしてください。

ジェライを出世させなかったと語るデミライトに
「我らは出世の機会が少ない事を知った上で、ハルヴィン防衛隊に志願したのです」
「私はこの国を愛しています、この城はロマテアが帝国になる前の、王国時代からの象徴でした」
「ただの拠点ではなく、我らロマテア人の故郷(ふるさと)なのです」
「例え引退していても私は防衛戦に参加するでしょう」
ジェライだからこう言えるんじゃないか?
出世したいケルケラに対し、ジェライは「これ……」と言いますが、責めるほどの言動とは思いません。
無謀な突撃や他人を蹴落とし自分の功績を偽るなどの工作に走るなら別ですが、評価してほしいとストレートに告げただけです。

ここでジェライが臨時の将軍に任命される。
「……将軍!?」
そこまで驚くか。廃止されていたとはいえ実力を考えればおかしくないのに。
ウィラの分の空いた千騎長のポストを、将軍に格上げした形になります。
「……そういう事でしたら、謹んでお受け致します」
本当に出世に興味が無いんだな。
「王座にて吉報をお待ち下さい!!」
気合入ってる。

・オブレイクとの会話
オブレイクには殿下呼びか。
帝国の将軍が見られるとは思ってなかったオブレイクはジェライの見送り。
ジェライはデミライトの、ハルカに対する迷いを見抜いている。
「顔を知る仲だ、出来れば生かして捕らえたいとも思うが……陛下を惑わす事があってはならん」
「戦いの中で殺すしかない」
一応情らしきものもあるんですね。敵として殺す気満々でも。
出世したいからハルカを片づけると宣言するケルケラ。
ジェライみたいに欲がなさすぎるのも困りますが、落ち着いてください。
「そうしてくれるとありがたい、だが死に急ぐなよ若者」
あなた何歳なんですか。
「防衛戦での突撃は良策ではないからな、慎重に」
ジェライのスキル構成なら一人で敵陣に突っ込んで暴れても何とかなりそうですけどね。『予測』持ちですし。

ソヴォがクレミトとロマテア人だけを率いて前に現れたなら道を迷ったかもしれないとのこと。
マジで?
他国の人間を引き連れているのが帝国を売り渡すことになって駄目らしい。
「皆殺しにする事に躊躇いは無い、殿下は迷っているのか?」
恐ろしいことをサラッと言うな……。
オブレイクも迷ってはいない。ジェライが迷っているなら吹っ切らせるつもりでいた。
「守ろうぜ、俺達の故郷を」
「ああ……」
いぶし銀のやりとり。
主人公側みたいな台詞を吐くのはやめてください。

・戦闘開始直前
突入したハルカ達にジェライが立ちはだかる。
地位は百騎長ですが、実際は千騎長クラスの実力者。
スポポンドいわく、何一つ歯が立たない。
人望ではスポポンドが上を行ってると思うけどな。
部下から慕われる度合いは上でしょう。
ジェライは出世や名誉の魅力を理解できず、そういったものを求める兵士達とすれ違いそうですし。

ジェライがハルカ達を挑発する。
「私が尊敬するクナタ千騎長の名を汚した事、私は絶対に許さん!!」
普通なら「わざわざ親の名前を出すなんて……。大して尊敬してないくせに、ハルカを貶す為に持ち上げるなよ」と思うところです。
しかし、ジェライの性格を考えるとクナタへの敬意は本物だと思える。
皇帝のため、帝国のために戦い抜いて散った戦士を軽く扱うとは思えない。

サーシンだけでなくレシウルを殺したのもお前だと糾弾するジェライ。
デミライトのせいだろ。
ソヴォいわく、「味方の時は心強い存在」「今は厄介極まりない」「頭のキレる奴」「ごちゃごちゃ作戦を考えても通用するとは思えん」らしい。
罵倒されたハルカも「彼の言葉には品がある」「挑発とか得意じゃないんだろうな」と高評価。
戦死した親の名前を使って挑発してきた相手に対する反応がこれですから。

ジェライはデミライトがアパンに頼るのを、自分達の不甲斐なさのせいだと考えている。
防衛隊に十分な力があってもアパンの武器を取り入れそうな気がするんですが……。
ジェライはアパンの武器を使う気にはなれない。
武人の誇りを謳うのならば、そうこなくては。
あんな武器に頼るようなら武人の誇りはどこいったんだと言いたくなるところだ。

・通常の戦闘会話
アパンの武器を汚れた武器と語るジェライ。
帝国の方向が乱れたのは武器のせいだけなのか?
道を踏み外さない者もいるのでは。
そう言いたいところですが、強力な武器を手に入れて勘違いする者が多かったからなぁ。
兵士達がサドラ族狩りでヒャッハーしている光景は正視に耐えないものでした。

「国を守るのは、人間である」
「ここが私の死地となるならば、武人としてこれ以上の誉れは無い!」

カッコいいとしか言えない。

・対ハルカ
「お前が一人でこの城に戻ったならば、私は命を賭けてでも陛下に減刑を申し出たかも知れん」
そこまで認めてくれていたのか。
嬉しいな。
ハルカの行為を、オルハダ人に帝国を売り渡したと言いますが、何かなぁ。
オルハダ人オルハダ人言いすぎです。
ハルカから
「……貴方の事は、尊敬してた」
と言われて
「必要の無い感情だ、抜け」
と返す。
もうちょっと受け止めてくれよ。

・対ソヴォ
サーシン暗殺のことはどう思ってるんだというプレイヤーの疑問に答えるかのような台詞が。
そのような話は我らが気にする事ではない、後継がデミライトと指定されたから従う。
帝国を「先人達が血を流して作り上げた」と表現する。
こちらを否定しまくるジェライに物申したい気持ちはあるのですが、殿下が望むならこの城を焼き払うと宣言するソヴォも過激だと思う。
ちなみに、本編終盤の会話でスポポンドを将軍に抜擢したことについてのソヴォのコメント。
「ジェライと比べたらスケールダウンしちまうが」
そう言うなよ。
ソヴォもジェライのことを高く評価してるんですよね。

・対スポポンド
唾を飲み、ジェライが将軍職に就いたのは納得も行くと語るスポポンド。
クナタ、カタリ、ハルカを崇拝するスポポンドなら先ほどの挑発に激怒してもおかしくないのに、言い返しませんでしたからね。
ジェライの返答は……。
「人材がいない一時凌ぎに過ぎん」
「私より優れた者は大勢残っている」
何言ってんだこの人。
ジェライより優れた人物が大勢残ってたら抗帝軍に勝ち目ねえよ。
謙虚なのは美点のはずですが、行き過ぎているように感じられる。
自分の力を必要以上に低く見てませんか?

直後のスポポンドの台詞に猛烈に共感しました。
「……惜しい」
「惜しいぞぉぉ、お前はここで死ぬような人間じゃないぞおぉ!!」
全くだ。
この城と共に死ぬつもりか、それで大義が果たせるのかと叫ぶスポポンド。
ジェライの言動に関してカッコいいと思いつつも引っかかった部分に言及してくれました。
守りたいものや守る方法についてもうちょっとどうにかならないのかと言いたくなったんですよね。

ジェライの返答は冷淡。
「かつては共に前線で戦った仲だ、だから下らない話にも耳を貸してやった」
共に前線で戦った?
いつ?
どこで!?
その光景を見たかった。
「だがこれ以上、武人の誇りを汚すような言葉を発するならば、お前と共に家族も墓に入る事となる」
娘のフェネックは参戦しているから殺害もやむを得ないかもしれませんが、この場にいない妻も含むのでしょうか。
だとしたら非情すぎやしないか。
全く耳を傾けないと思わせて最後に一言。
「無駄な感情は捨てろ、言葉など……苦しみを残すだけだ」
わざわざそう告げるということは、思うところがあるのでは。
自分にも苦しみがなければ、そんな発想出てこない気がします。

・対クレミト
人を惹きつける力を「優しいようで、背筋の凍りつく恐るべき才能」と語る。
確かに。
普通の子供なら反乱も起こらなかったかもしれない。
クレミトに語りかけられた時の反応が好きです。
「ジェライ将軍、僕達は悪い人じゃないよ」
「……それを認める訳にはいかん」
この、答えるまでの一瞬の間がいいんですよ。
さらに、後から参加したハルカだけは許してあげてほしかったと言われると長い沈黙が。

「その暖かい光が、帝国の為の存在であれば……どんなに良かったか」
心を揺さぶられている……。

「貴方は私の敵なのだ、覚悟して頂きたい」
言葉遣いが丁寧だ。
敵であっても敬意を払ってくれるので嬉しい。
他の状況では「素性の知れない子供」として扱っていますが、立場上そうしなければならないんですよね。
彼個人はクレミトの血筋や魅力を認めている。

・撃破時
「……夢はここまでか」
「この城を枕に沈むのなら……悔いは無い」
「アパンの武器に手を汚さなくて……良かった」
抗帝軍を認めたゆえの台詞だと思いたい。
祖国を他国に売り渡す人間と、それに乗っかるろくでもない連中の集まりと見なしているなら、悔いなく逝くこともできないはず。
「汚れた武器を使ってでも仕留めたかった」と思うのではないでしょうか。

まとめ
美点がそのまま引っかかる部分にもなっています。
高い実力を備えているにも関わらず驕らない謙虚さと、帝国を守るため最期まで戦おうとする姿はカッコいい。
しかし、だからこそ引っかかる。
まず、無欲さや謙虚さについて。
普通は美徳のはずですが、己の力を低く見て、自身の存在を軽視しているように感じられる。
己の命や欲求を噛みしめつつ捧げようとするなら口を挟めないけど、最初から軽く扱っているゆえの行動なら手放しに称賛できない。

もう一点、守るため戦う姿勢がブレないのも魅力を感じますが、守るべきものについてもうちょっと考えてくれませんか?
帝国の歴史を守ると言いますが、じゃあその歴史とは何を指しているのか。
彼が国や城を守りたいのは、先人の犠牲の果てに作られたものだから。故郷、皆の拠り所の象徴だからであるはず。
それらはデミライト側で戦って死ぬことで本当に守れるものなのか?
守るべきものとは何か、他に道はあるかを探ったうえでの決断ならやはり何も言えませんが、違うように見えます。
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