忍者ブログ

ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ダージュの調律

ダージュの調律

ローゼンクロイツ様制作『ダージュの調律』の感想です。

優秀で人気者の弟セインツと比較される内気な主人公、ダージュの苦悩と足掻きと希望を描くアンチヒロイック・ポエトリーRPG。

こんな方におススメ
・劣等感を抱く兄と優秀な弟という構図が大好き!
・レベルを上げるために雑魚戦を繰り返すのは面倒
・モブキャラの口が悪くても平気

世界観・ストーリー
世界を滅ぼそうとする魔王やドラゴンをなぎ倒すヒロイックファンタジー……ではありません。
物語の英雄・主人公のような弟と比較され、鬱屈した想いを抱く青年が主人公ですから。
華やかな英雄譚の主人公に眩しさを感じる方は主人公に共感できるかもしれません。
全体的に仄暗い雰囲気で、不気味な空間もありますが、幻想的なダンジョンもあり、物語の舞台が狭いとは感じさせないようになっています。

印象に残るシーンは色々あります。
ダージュ達が○ー○○○から逃げたシーンや最終決戦など、もちろん盛り上がります。
序盤でガッチリ心を掴んだのはダージュと友達のエレジットがボスを倒して戻ってきたシーンですね。
二人が力を合わせて倒した相手を、セインツは一人でさらっと複数狩っていた。
奮起して強敵に挑んで見事に勝って意気揚々と帰ってきたところにこれじゃあ心折れるわ。
得られた自信や達成感より、惨めさや劣等感の方が遥かに大きいだろ……。
非才な主人公がやっとの思いで成し遂げる傍らで軽々とこなす天才という、差を浮き彫りにした構図。
ダージュの長年の苦悩を簡潔に表しています。

システム
雑魚を狩っても得られるのはお金だけで、主人公のダージュを強化するにはギフトというポイントを割り振ります。
ギフトは物語を進めたり、特定のボスを倒したり、アイテムを集めることで入手できます。
いつでも何度でも振り直せるので、状況に応じて気軽に戦い方を変えることができます。
ステータス画面が分かりやすいので、何となくやっているうちに慣れます。
使用できる魔法は装備によって固定されているので、ボス戦ごとにスキル・ステータスを変えて挑みます。
タイトル通りダージュを「調律」して進んでいく形になります。

シンボルエンカウントで、敵を回避することは難しくないので、雑魚戦はすっ飛ばしてどんどん先に進めます。
「戦略重視って難しそう……」という方も安心。
おススメのスキルを教えてくれるヒントキャラもいます。
それに、雑魚を狩って得たお金を使えば、ドーピングでステータスを強化できます。
ですので、力押しも可能。

クリアしたエピソードを遊び直せるのも嬉しい。
「ギフトや装備を入手しそびれた!」という時に、戻って取得することが可能です。
コンプしようという意欲をそそられます。

ネタバレがありますので、キャラクターについてはここから。


ダージュ
セインツの方は兄を疎んでいたわけでも何でもなく、仲良くしたがっていた。
カーネイジがいなければそのうち和解できたのか、誤解して終わるか、どちらとも言えない。
どちらにせよその機会は永遠に失われたわけで、一人で目を背けていただけと知ったダージュは失われた可能性の重さを噛みしめることになるでしょう。
セインツがいなくなっても彼と比較されることは避けられません。
堕ちることのない英雄、絶対的な存在になってしまったから、さらに重く感じられるかもしれない。
それでも、前へ踏み出した彼が進んでいくことを願います。
ギフトの割り振りによる戦闘面だけでなく精神面を調整して進んでいくからこそ調律なのでしょうね。

エレジット
この作品における癒し。
ペットですが、主人公にとっては最高の友達です。

セインツ
いい奴っぽいな、でも実は裏で兄を笑っている腹黒い奴という可能性も……。
→ごめん。
本気でいい奴だった。
名前に相応しく聖人かコイツと思わせる。
強くてカッコよくてモテるが、偉ぶっているわけではない。
「じゃあ悪気はないけど空気を読めないタイプかな?」と思いきや、そういうわけでもない。
川原で遭遇した時など、気まずそうな様子だからこそこちらもキツい。
あそこで無神経に接してくるなら「悪気はなくても近寄りたくない相手」と認定できるるのに。
ダージュが川原に行ったと聞いて心配して追いかける兄想いな性格。
……が、壮絶に裏目に出る。
安全のために敵を狩ったらあんなことになるとは思いませんよね。
今までもダージュを心配しての行動が空回りしたり裏目に出たりしたんだろうな。
もう少し真意が分かりにくかったら、日記を読んだ時の衝撃が大きくなったかもしれない。

サイレンス
いい子。
彼女に関しては過去よりその後が見たい。

レクイム
過去が気になる。
パワータイプ&状態異常に弱いので一歩間違えると発狂して味方をザクッと殺る厄介なキャラ。

オラクル
謎多き存在。
アレの著者だと気づきませんでした。

カーネイジ
ラスボスに相応しい強さ・恐ろしさを誇る。
人食い熊が弱いわけないだろと言わんばかりの風格。

周囲の人々
ダージュの落ち着いたモノローグとモブキャラの口汚さのギャップが激しいです。
大半がダージュを馬鹿にしています。
内気とはいえ地位のある相手によくここまで暴言吐けるな……と変なところで感心した。
真っ当な態度の相手もいるのは救いかもしれない。
嫌味や皮肉をぶつけてくる連中だけだと胸糞悪くなってゲームを進める気が削がれますから。
強面の自警団員は終盤優しいところを見せてくれたものの、序盤の酷い言い草が頭をよぎって複雑な気持ちに。
言い方がいちいち嫌味ったらしいんだよ!
悪気はないとのことですが、明らかに馬鹿にしてただろ。
次々に燃料追加していく姿勢やめろ、悪気はないというのがただの弁解にしか聞こえない。
冷たい目の自警団員と一緒に来てくれたところで見直しました。
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

最新記事

(04/28)
(04/21)
(04/14)
(04/07)
(03/31)
(03/24)
(03/17)
(03/10)
(03/03)
(02/25)