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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

僕らの都市伝説

僕らの都市伝説

ライジング斉藤様制作『僕らの都市伝説』をプレイしました。

退屈している男子中学生が自分達で都市伝説を考えて広めようとする話です。
四つの提案のうち二つを組み合わせて話を作ります。

音楽やフォントのレトロさと、スマホやYouTuberといった要素が合わさって独特の空気になっています。
懐かしさを漂わせつつ、古臭さは感じさせない。
どのルートもしっかり怖さがあります。
超常現象が起こるものもあれば、生きている人間が怖いものもあり、結末の違いが楽しめます。


・キャラクターについて
気になるのは彼らの背景がルートごとに異なっているのかどうかです。
別だと思いたい。特に田畑。柳沢も。
柳沢学:お喋り。
調子いいなあと思うこともしばしば。
正体が○○○だったという話があるけど、柳沢視点の話だと全然そんな様子はないので、ルートごとにキャラクターの背景は違うのかもしれません。
嶋優太郎:老人に好かれる光景が容易に想像できる。お菓子とかもらってにこにこしてそう。
カッパの幽霊ルートだと酷いことを言ってしまったけど、それでも普段の優しさが偽りだったわけではないと思っています。
優しいからこそ自分を責めて、責めすぎて、その反動で爆発してしまったのではないでしょうか。
田畑克明:秀才。冷静。聡明。さすがの『苦手科目:特に無し』。
普段冷めてるから強烈な感情は抱かないイメージがあった。そんなことはなかった。
一番安定しているように見える奴が一番ドロドロしたものを抱えていた。
「柳沢を見るにルートごとにキャラの背景が違うみたいだから、END4以外なら妹との関係も悪くはないかも」と希望を抱いていたら、
『家族構成:父 母 妹(故人)』
『嫌い:雨 妹』
……。
そこは共通だったか。
END4じゃなければ○○○○○はいないと思いたい。
寺尾ひさし:オタク。「~ですぞ」という口調で喋る。
田畑への感情が気になる。嫉妬や劣等感だけでなく、自慢の友達だと誇る気持ちも大きいといいな。
殺したくないなら無視すればいいのに田畑を狙った理由や、それでも実際に傷つけることはできなかった理由など、考え出すと止まらなくなる。

・エンディングについて
2→1→3→4→5→6→真の順に見ました。
ゲームプレイ時の感想に、※で設定を読んだ分を追記しています。
END1:新興宗教エマラ・テッド教団
想像と違ってかなりぶっ飛んでる方向にいきました。
生々しさが出てもまずいテーマなので、ぶっ飛んでる方が楽しめるかもしれません。
笹山の表情のインパクトが大きかった。
※名前の由来に気づいていませんでした。
END2:宮白橋のおばあさん
心霊スポット×お化けという王道の組み合わせ。
ゆえに最初に見ました。
展開や結末もストレート。王道中の王道。
嶋を通じて死者の声を柳沢が受信していたのかな。嶋はその負荷でぐったりしていたんだと思う。
柳沢が疲れやすくなっていたのも、嶋ほどじゃなくても影響を受けていたのかもしれない。場所を決めたのは柳沢の方ですし。
※推測が当たっている部分もありましたが、嶋が完全に憑かれたタイミングや、どんな霊かは外れました。老婆の霊かと予想していましたが、違った。確かに、口調は男っぽいからな……。
END3:浦越西団地の宇宙人
最後はショックでしたが、普段の空気が軽いのでまだ楽かもしれない。
※他のルートでは人間ということで、安心しました。
END4:耳をふさぐ女生徒
どんな気持ちでこの話を作ったんだ田畑ァ!
基本的に冷静で、精神的に安定しているように見える田畑が闇を抱えていた。
都市伝説を生み出す前の出来事というのが根深さを感じさせる。
学校での広まり方も怖がったり面白がったりするだけじゃなくてギスギスするので、嫌な雰囲気なんですよね。
END4以外では妹を○○○○○いないことを願わずにはいられない。せっかく真ENDでスッキリ終わったのに妹が○○の犠牲になっていたら喜べない。
END5:ガラガラ男
女生徒→ガラガラ男の順で見たのできつかった。劣等感の連続パンチ。
END4で語られたことを考えると、優秀な人間への嫉妬や劣等感を抱えていたはずの田畑が寺尾の心を理解できないのは考えにくいんですよね。ルートごとに背景が違うのでしょうか。
「俺程度をそこまで持ち上げるなんて理解できない」という方向も考えましたが、苦しい気がする。ストレートに劣等感や承認欲求が理解できないという方に受け取りたくなります。
上で述べたように、色々考えてしまう。
刃物を突き付けて本物になると宣言=まだ被害を出していないはずで、最初の犠牲者に田畑を選んだ理由。
そして、狙っておきながら殺せなかった理由も。
突き飛ばされた程度なら起き上がって反撃できるでしょう。相手は素手で自分は武器を持っているんですから、闇雲に襲い掛かれば傷を負わせることができた。
狂ってしまっても友情が残っているのかも……と願望込みで推測せずにはいられない。
※当たっていた。
しかし、三人は絶対に殺さないほど残っていたとは……。
そこまで友情を感じているのに二度と会わないのは悲しい。
END6:カッパの幽霊
最後に見ました。
「いつも通り話を作ったことに満足するんだろう」と読み進めていたら、他のルートと違って柳沢達の反応が微妙。「差分があったのか!」と驚きました。
噂もろくに広まらず、「これはギャグエンドかな?」と思ったところからの……。
緩急の差が鮮やかでした。
柳沢は勉強も運動も苦手なのに安藤がバスケを褒めたのは、柳沢を好意的に見ていたからか?
それとも、その時はたまたま活躍できたとか? バスケだけは苦手じゃない可能性も……。
※やはり柳沢はバスケが上手いわけではなかった。
何かが違えばもっと二人の距離が縮まったのだろうか。
真END:すごく爽やか! これが正史でありますように。
田畑の妹が気になってしまう。

特に心に刺さったのはEND4と5かもしれません。
END4を見た後に田畑の「人間より怖いものはない」を見ると「お前……」となるし、END5を見た後だと「本当にな」となる。
シンプルに好きなキャラクターは田畑ですが、一番グサッときたのは寺尾の台詞です。
「な、何でもできて……自慢できることがたくさんある克明にはわからないんだよ!」
普段「○○ですぞ」という口調のキャラが本音をさらけ出した。『耳をふさぐ女生徒』の後に見たから複雑な気持ちになった。
全てのENDを見てから真ENDが出てくるのが良かったです。
後味良く終われる。
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