忍者ブログ

ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

破落戸どものマリア

破落戸どものマリア
ブラジリアン忍術様制作『破落戸どものマリア』をプレイしました。

注意すべき点としては、攻略対象が裏社会の住人であり、暴力的な表現があります。
ルートによっては攻略対象が死体になります。
主に文章で描写されるだけで、イラストでは血しぶきが描かれるくらいですが、キツイところはキツイです。
「まずはタイトル画面のキャラから攻略するか」と軽い気持ちで最初に義雄ルートを目指し、マリアに甘える様子を面白く眺めていたら終盤の血みどろ展開に「ひいい……!」となりました。
石川があんな目に遭うのは予想していなかった。完全にギャグ要員と思っていたので、凍りつきました。

義雄→ガブリエル→ヒラト→ナオミの順にクリアしました。
一番終盤で「うわああ……」となったのが義雄で、唯一主人公が完全にあちら側へ行ってしまうのがガブリエル、最も見方の違いが浮き彫りになるのがヒラト、一番後味スッキリしてるのがナオミという印象。

以下、各キャラについて。

・マリア
優しさはあるが、甘ったるいだけのものではない。血にまみれた慈悲を発揮します。
ルートによって受ける印象は変わってくるものの、基本的に気丈。
幼馴染の男の子を守るために手を汚した時点で、覚悟完了系女子であることが確定しています。
死体を見ても泣き叫んだりしないのでプレイヤーに優しい。
か弱く儚く死体が出るたびに泣きわめいて打ちのめされるタイプだとプレイするのが辛くなったでしょうね。たくましくてよかった。
ガブリエルを懐柔するために手作り弁当持ってきた彼女に「したたかだなあ」と感心し、絶大な効果を発揮するのを見て「マリア……おそろしい人!」と思いました。
一番その後が気になるのは義雄ルートの彼女です。彼女はどこまでゆくのだろう。
・義雄
軽い気持ちで最初に攻略して気分をどん底に叩き落された。
他キャラのルートだとガブリエルとは別のベクトルで危険だと思わせる。
ガブリエルはブレーキが壊れた危険さで、義雄はアクセルとブレーキを踏み分ける怖さがあります。
普段めそめそしてマリアに甘えるからウエットな性格に見えるけど、そうでもない。
長年尽くしてきたナオミに冷淡さを見せた時は、ヒラト同様「そんな言い方は……」という反応になりました。
義雄のルートだとヒラトの良さが光る。石川に対する心情とか、死にかけている時のマリアとの会話とか。
エンディングでは一番マリアのたくましさが発揮されるかもしれない。
・ガブリエル
主人公にベタ惚れの幼馴染枠。
マリアの手作り弁当を食べて喜ぶ無邪気さと、気軽に拷問したり死体生産したりするギャップを見せてくれます。
やきもちやいたら恋敵にチェーンソー振りかざして人体切り裂こうとするぞ!
登場時にいきなりグロいことしてるのでビビりました。彼の境遇を知った上で登場シーンを読み返すと、問いが重くなりますね。
彼以外のルートでは死亡するので救いはないのかと言いたくなりますが、あの結末が彼にとっては救いなんだろうな。
成り上がるために罪を重ねすぎて、引き返せるような状況じゃない。本人もそれを理解していて変えようがない。
影響が大きすぎるから息の根を止めるしかありません。他ならぬマリアの手で。
ナオミルートではナオミと距離が縮まっただけに、やりきれなさが増す。
・ヒラト
軽薄そうに見せかけて真面目。
マリア達と「世間」との距離・断絶を体現したかのようなキャラ。
彼のルートでは価値観の違いと衝突が描かれます。
真っ当に生きてきた彼は、道から外れている者達に正しく残酷なことを言えてしまう。
彼の立場を考えると、相手に共感を抱けとか歩み寄れとか安易に要求するわけにはいきません。
何しろ隙を見せれば殺されてしまうので。
一般人を守ろうとする意志は立派ですし、そのために危険を冒して行動している。安全な場所から石を投げてるわけじゃない。
それでも時々言い分が一方的だと感じるんですよね。
ヒラトルートで彼が好意を持ったマリアとて、「真っ当」な人々から疎まれ苦しんだ過去がありますし、清廉潔白ではありません。簡単に綺麗な存在・汚れた存在で分けられるものじゃないはず。
そう思うのも登場人物の過去や心情を把握できるプレイヤーだからであって、一般人の立場ならヒラトの意見に異論の挟みようがない。
そういったもどかしさも含めていいキャラしています。
・ナオミ
ツンツンしているけど悪党にはなりきれない、かなりのお人よし。
粗暴な悪人であるかのように振る舞い、実際そういう面もあるけど、かなり無理している。
打算や保身込みとはいえ、チェーンソー持って襲ってきたガブリエルと心の距離を縮められるのはすごい。
別の形でもっと仲良くなれればと思うけど、別の形だと共感せずに終わる。ままならない。
ヒラトもナオミには友情を感じてるんですよね。
この二人は見ていて安心できる組み合わせです。
義雄とガブリエルが組んだら? ……こわい。
ナオミが足を洗おうとした時に義雄が援助してくれてよかった。
義雄がナオミに冷淡な態度を取ったこともあったのは、いい意味で突き放そうとしたのだと思いたい。
ナオミルートが一番後味爽やかでした。

ヒラトやナオミルート後の彼らの様子が見たいですが、一番見てみたかったのはナオミとマリアが一緒に料理して、それを嬉しそうに食べるガブリエルというパラレルな光景ですね。
で、義雄も食べて大げさに喜んでヒラトが呆れる。
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

最新記事

(05/05)
(04/28)
(04/21)
(04/14)
(04/07)
(03/31)
(03/24)
(03/17)
(03/10)
(03/03)