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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

ベヨネッタ2の賢者について

※ベヨネッタ1と2のストーリーに関して重大なネタバレあり。
ベヨネッタに興味がある方は、自分でプレイされてから見てください。


ベヨネッタ2のストーリーをカタカナ八字で簡潔に表すなら「バルドルイケメン」です。
印象変わりすぎでしょう。
1:計画のために妻子を利用し、大勢の人間を死に追いやった外道変態クソ親父
映画:一応狂った事情があり、全裸で元気に叫ぶ顔と声の濃いおっさん
2:妻子を愛し人間の歩みを肯定する熱き魂の持ち主
「実はいい奴だった」路線が来るとしても、「理想に燃えるあまり過激な手段を取った」とか「彼なりに人類のためを思っていたが、基準が壮大すぎてついていけない」とか手放しに善人とは言えない方向で来ると思ってました。
実際は真っ当だった。
何ということでしょう、2冒頭の変態親父にしか見えなかった顔が、数々の熱い台詞によってカッコよく見えるように。
「それはちょっと……」と思うところもなくはないんですけどね。
賢者というわりに相手の狙い通りに動いて事態を悪化させたり、妻の仇を追うのに必死なあまり娘になかなか気づかなかったり。
でも彼との戦いは1とは違った方向に熱かったのでそれでいい。
1から2で株が急上昇しました。

あの世界の人間に「野心のために妻子をはじめ大勢の人間を犠牲にした非道の男」と語られると思うとやるせない。
でも、ベヨネッタ達が真実を知ったので、幾らか救われる気がする。
昔のバルドルを見てルカはどう思ったんでしょう。魔女狩りの元凶だと憎んでいたジャンヌの意見も聞きたい。
色んなキャラとの会話が見たかったですし、何より親子三人で穏やかに過ごす時間を見たかった……!
一族の誇りを重んじるバルドルとローサが掟を破ってまで愛し合うのはよほどのことですから、出会いや惹かれ合った過程が気になる。

「散々外道なことやった悪役が実はいいヤツだった」展開は引っかかる時もありますが、そこまで違和感は覚えませんでした。
1では魔女狩り当時のバルドルの行動やローサの最期は詳しく触れられず、ついに明かされたという感じだったのが大きいです。
「ただの悪党に幼いセレッサがあそこまで懐くか?」
「あのベヨネッタの母親が、騙され利用されるだけで終わったのか?」
「そもそも世界を作り直すなんて発想がどこから出てきた?」
などの疑問が解消されましたから。
それに、1のバルドルは間違いなくゲスで、ぶっ飛ばそうという気持ちはより強くなりました。「実はいい奴だったから許してあげよう」という展開にはなりません。

バルドル関連の設定は元からなのか、それとも2のために途中で変えたのか疑問に思っていたら、1の公式実況動画で2につながる情報がありました。
質問に答える中で「バルドルが魔女と子をもうけたのは純粋な愛だったのかも」という言葉が。
世界の目は世界が選ぶものだから、ベヨネッタが受け継いだのもバルドルが最初から計画したわけではない……子供目当てに近づいたんじゃなかったらしい。
というか、よく見たら1のタイトルデモでローサと引き離されそうになって抵抗してますね……。
口紅を撃ち込む時もメッセージがちらっと見えますし。
1の時点で「実は愛していた」路線もあったみたいですね。どちらでもいいようにボカしていたというか。
彼がただのいい人で終わるキャラかというと、そうでもないんですよね。
天使や変態の思惑通り動いてしまったり、仇を討とうとして突っ走りすぎたり、元々危うい一面があります。
己の中の変態を抑えきれずに道を踏み外したのは事実です。
しかし、他に方法があったかというと難しい。
変態を野放しにしたら世界が滅茶苦茶になったでしょうし、他の人間に封印したところで耐えきれるものではなく同じ結果になるでしょうし。
あれだけのことをしておいてすんなりハッピーエンドになったら引っかかりますが、本人は討たれたので……。

追放されたところまでは、掟を破ればどうなるか本人も予想できた事態でしょうし、罰されるのもある程度は仕方ないと思えます。世界のバランスが崩れるとなれば厳しい目で見られるでしょう。
だから映画の方で、引き離されたからと言ってあんなことをしたのは無茶苦茶だと思います。
しかし、ゲーム本編の場合、追放後は神の都合や天使の思惑に巻き込まれての展開ですからね。
仲間である賢者達、さらに観測者というくくりで見れば同胞と言える魔女達も死に、その首謀者ということにされる。
最愛の相手と二十年ぶりに会えたと思ったら、目の前で殺される。
必ず助けると宣言した直後にああなるのはどうかと思いました。
弱ってるローサに庇われるってどういうことだよバルドル! 何やってんだよ!
せめてローサを守りボロボロになったところを彼女に庇われて、なら格好がつきますが、元気そうでした。あれじゃ警戒心が足りなかっただけに見える。
き、きっと見えにくいだけで負傷していたんでしょう。バルドルの名誉のためにそういうことにしておきたい。
仇を追う中で成長した娘と何度も戦い、誤解が解けたと思ったらゆっくり語り合う時間も無く別れる。
その過程で賢者の象徴たる光の右目を奪われ、誇りを傷つけられたでしょう。
挙句の果てに己の内に封印した変態に染められ、最終的には娘に……。
「人間は自分の意思でこの世界を創る」「人間の力を見せてやろう」的なことを言ってた男が、「神の力で世界を作り直す」ための駒になったのは屈辱的なはず。信念を自ら否定したことになりますから。
それでも変態の思惑を打ち砕き、満足げな微笑を浮かべて退場したから、救われたと思いたい。

本編でローサと賢者の共闘を見たかった。
操作キャラをローサにすればそれらしく見えますが、やっぱりストーリー上で力を合わせて戦って、共同作業と書いてトーチャーアタックしているところを見たい。
ローサが敵の尻をガンガン蹴りまくる間、賢者は魔女並みのヒールで敵の頭を踏みにじるとか。
「おまえ」「修行の賜物だ」など普段は凛々しい口調のローサですが、賢者に対しては「あなた」「セレッサをお願い」と柔らかい口調になるんですよね。
ローサの印象もだいぶ変わりました。
1:計画のために外道に利用された可能性が高い被害者
映画:バルドルの暴走に巻き込まれて命を落とした人
2:凛々しい中に優しさが見える人、絶対アンブラで最強だろ……!
アンブラの誇りを重んじ、修行に励んでいたであろう彼女が、掟を破ってまで賢者を愛するようになった過程が気になります。
あれほど強い二人なら、その気になれば掟や処分を無視して生きていくこともできたでしょうけど、そうしなかったんですよね……。
掟を破っても一族の誇りは捨てていないから、厳しい罰を受け入れたんだろうな。

今まで賢者と言えばノクターンのカオスが真っ先に浮かびましたが、彼も浮かぶようになりました。
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