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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

クウガ感想 7

クウガ感想 7



EPISODE42 戦場

四十五号、バベルによる事件発生。前半は特に展開が早い。
バベルの人間体はワイルドな……ワイルドすぎるくらいの兄ちゃんです。
四回で682人……どんどん犠牲者の数が増えていってる。
地下街を封鎖して逃げ道をふさぎ、確実に殺していく。出てきたところを桜井や杉田が対処しようとするが太刀打ちできない。
立ち向かうクウガをバベルが挑発。
「確かに今度のクウガは骨があるな。これだけ強い拳があれば、たくさんの獲物を殺せるだろう」
お前らと五代を一緒にするな。
この台詞は五代の痛いところを突いたのではないでしょうか。相手が未確認生命体であっても、拳を振るって倒している事実に苦しんでいるわけですから。
戦う理由を決めつける言い草に、怒りのまま殴りかかろうとして踏みとどまる。
マイティキックも効かず、バベルはさらに変身。
棘付きの槌でひたすらクウガをボコボコにする。
容赦ねえ……。
倒れたところに何度も振り下ろす様は餅つきのよう。
タイタンフォームの鎧もベッコベコに凹んでる……。このままじゃクウガが殴り殺されてしまうと思ったほどです。

バベルがとどめの一撃を振り下ろそうとした瞬間、弾丸が撃ち込まれる。
杉田や桜井の視線が動き、放った人物を見る。
「一条さん!」
クウガの叫びにシンクロしました。
物凄く頼りになる男来た!
この信頼感はどこからくるんだ。
筋肉弛緩弾を食らったバベルは苦しみ動きを止める。
金の力を得たビートゴウラムで撃破したのですが、五代と一条さんの温度差が激しい。
「一条さん! やりました! 金のゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック、効きました」
「長すぎないか? その名前」
冷静なツッコミ、さすがです。
名前の長さが小学生みたいだ。
「バリア!」「じゃあバリアを破るアタック!」「それも防ぐスーパーバリア!」とか、ただボールを蹴るのに「スーパーウルトラサンダーシュート!」とか叫ぶような。
一条さんも困ったように微笑んでいる。

激化する戦いに対処すべく一条さんや桜子さん、椿達が集まって会議を開く。
白衣を着ていない椿は珍しい。
未確認生命体は人間と生物学的にほぼ同一。それが何らかの力で変異して怪人になる。
彼らの腹部にある鉱石は五代のアマダムと同質のもの。
ダグバの力で強化されたゴオマの体内写真と最近の五代の体の写真は、似ているどころかほぼ同じ。
兵器になる危険性をいっそう強く感じ、危惧する椿に五代は「大丈夫」とサムズアップしてみせる。
桜子さんや榎田さんも同意。
大丈夫と言いたくなるのもわかるけど、椿の気持ちもよくわかる。一人の医師として葛藤を垣間見せるんですよね。
体の変化を見過ごせず、戦いに向かうことを止めたくても、状況は五代を必要としており彼自身の戦い抜く意志も固い。
無茶をしてほしくないという本音を漏らしたところで止められない。それどころか大変な思いをしてる相手に気を遣わせて、負担をかけることになる。ならば彼の危険を減らし、一刻も早く事件が終わるようサポートする。
これは一条さんや桜子さんにも当てはまることです。
アマダムはあくまで使用者の意志を受けて力を発揮するため、五代が大丈夫であれば戦うだけの存在にはならない。その言葉を信じて前向きな答えを出そうとする椿。普段五代をからかうような態度であるだけに、身を案じている姿にグッときます。
石と意思……一条さんもそういうこと言うんだな。
会議というより普通の時間らしかったのが五代にとって心地よかった様子。
「普通の時間、か」
私的な時間より戦闘を優先させていることを申し訳なく思っている一条さんは、どう感じたのか気になります。
一方、フルートのコンクールに出るためにやってきた実加の背後に怪しい男が。

EPISODE43 現実

実加に迫った男は彼女が落とした首飾りを渡してあげただけでした。
未確認の事件も一段落つき、コンクール会場に向かう一条さんの顔は穏やかです。花まで買って!
花束の似合う男、一条薫。絵になります。遠くから映された店員とのやりとりを想像するのもまた一興。
コンクール会場で知り合いの刑事と会い、花束に目をつけられて「ついに彼女ができたか」と言われる。
何でここまで恋人ネタを話題にされるんだ……。
「変わらないなお前。彼女が出来ないように無愛想にしてたんだよな」
いや、普段の態度は素でしょう。
みのりが「息抜きしてほわーっとした顔を見てみたい」と語るのもわかる。五代も見たがってる。

実加と語り合う一条さんの雰囲気はかなり和らいでいます。
相手の年齢に関わらず、対等に、丁重に接している。
いい雰囲気だ。
一条さんならモテモテでも納得するしかない。
人格者でイケメンな努力家。携帯電話をマナーモードにする以外のことは大抵こなせる万能刑事。
合理的でクールかと思いきや熱い性格で、真面目で意志が強くどこまでも頑張り抜く男。
いろいろ詰め込まれたキャラは鼻につきそうなものですが、そうならない。
五代も同じです。
バランスがいいため応援したくなるのでしょう。

相手を尊重した話し方で未確認の情報もきちんと伝える一条さん。
もうじき未確認はいなくなるかと問われても安易に肯定はせず、強い意志を伝えるのみ。
「奴らのいいようにはさせないつもりだ」
気休めは言わない。
すっかり真剣な表情の一条さんですが、ここで新情報が。
「意外でした。一条さんがおまんじゅう好きなんて」
「……そうかな」
意外です。
コーヒーをブラックで、もしくは紅茶を飲みながらお洒落なお菓子を優雅に食べ進めるイメージがあります。
厳しい表情の印象が強い彼も穏やかに笑うことに、実加は新鮮さを感じている。

こんな時間が続けば……と思ったけれどやはり事件が起こる。
清掃員を装った男が社長を人質にとって立てこもった。
この後未確認の脅威が去っても一条さんの戦いは終わらないと暗示しているかのようです。
銃を持った犯人は発砲しながら逃走を図る。
今度は一般人を人質にとり、一条さんを威嚇。
一条さんは冷静に隙を窺い、銃が離れた瞬間に発砲し、犯人の銃を弾き飛ばす。同時に素早く駆けより、腕をねじり上げ抑え込む。
グロンギに生身で立ち向かい痛手を与える男がそこらの人間相手に後れをとるはずもない。相手が悪すぎた。
犯人は逮捕され、実加ちゃんの落としたフルートを拾ってあげる一条さんですが、彼女の表情は硬いまま。驚かせて済まなかったと詫びても態度は変わらない。
目の前で五代がクウガに変身して怪人を倒した時は恐怖していなかったのに、一条さんには怯えるんだ……。
「大事にしていた首飾りを拾ってくれたいい人」が銃を振りかざし、「おまんじゅう好きな笑顔の素敵な刑事さん」がそれを容赦なく取り押さえて、混乱しているのかもしれません。

荒々しい一面を見せたのは仕方ない。
時間をかけると興奮した犯人は人質や周囲の人間を傷つける可能性があり、早く解決する必要性があった。
一条さんの判断が間違っていたとは思えない。
それでも彼は少女を怯えさせたことに苦い思いを抱いているようです。
守ろうとした人々を恐怖させ、疎まれるのはキツいよなぁ。
五代と二人になってから実加はぽつりぽつりと語り出す。
「怖かったんです、すごく。その前に笑った顔の一条さん見てたから、多分余計に……同じ人じゃないみたいで」
「でも、ホントの一条さんだよ。そういう一条さんもいるんだ。怖くてやだけど、どうしようもなくいちゃうんだ」
まるで自分のことを語っているようです。
戦っている時、怖ろしい一面を見せるのは五代も同じです。クウガに変身するのだから、余計に。
周囲の人にどんな感情を抱かせるかも、どんな目で見られるかも知っている。
それでも皆を守るために戦おうとする。
「でもさ、笑った顔もホントの一条さんだから」
普段は一条さんが五代に対する感情や態度をフォローしていましたが、今回は逆転しました。
一条さんのことを誤解されると悲しいんだろうな。一条さんが五代に対してそうであるように。

EPISODE44 危機

爽やかな朝の空気の中でジョギングする五代と一条さん。
一条さんの私服姿は新鮮です。この人はいつでもスーツとコートを着ているイメージです。
敵の戦闘能力が上がっているため、五代はもっと強くなろうとしている。一条さんが我々も、と言いかけたところで五代がすっ転ぶ。
こけた状態で「頑張りましょう!」とサムズアップする五代に苦笑し、手を差し伸べる。助け起こしてやる様はまさに紳士。
微笑ましいシーンですが、「荒れているわけでもない路面で転んだのは、右足に相当負担がかかっているためか?」などと深読みしてしまう。考えすぎか。
暗い気持ちになりかけましたが、一条さんの差し伸べた手に救われた気分になりました。一条さんもいるんだからきっと大丈夫。
小田原まで行きたくなったと言う五代に往復で十二時間かかると返す一条さん。彼ならば走った事がありそうだ。

マーキング弾を用意した榎田さんのパワフルさに感嘆する五代と一条。
だが、約束していたのに授業参観に行けそうにないため彼女は母親から責められる。
少しでも未確認による被害を減らそうと昼夜を問わず頑張ってるんだからそう非難しなくても……。
人々の命が危機に晒されてるんですよ。
榎田さんだってもっと子供と触れ合う時間を取りたいけれど、状況がそれを許してくれないんです。
文句はグロンギに言ってほしい。

ようやく松倉本部長と五代が対面。
まだ名刺を渡していなかったのか。
『夢を追う男』や『2000の技を持つ男』という肩書は前情報なしだとふざけていると思われたかもしれない。
共に戦ってきた実績があるため五代は好意的に迎えられ、会議が始まる。
第零号は五代が見られただけで押しつぶされそうな気分を味わった、怖ろしい力を持つ存在。
人間体は掴めていないためバルバ、ドルド、ガドルから近づこうと試みる。
彼らの足取りを掴むマーキング弾を作り、現在は神経断裂弾を開発中。
ただの弾丸だとまるで効果はないが、椿の協力もあって弱点が発見できた。
脅威的な回復力を持っているが、その元になっている神経状の組織は連鎖的な爆発を起こせば破壊できる、とのこと。火薬の量などを調整して実験を進めている。
榎田さん、すごいです。
しかし……。
クウガ以外のグロンギを倒せる手段が出てくる。しかもそれが銃弾。
となると、一つの結末を思い浮かべざるを得ない。
五代の「なりかけたんだ」や一条さんの「私が射殺します」という台詞が思い出されます。

強くなるのは主人公側ばかりではない。
ゴ集団の中で一人残ったガドルは新たな力を得た。
元々強いうえに貪欲に強さを求める敵は怖ろしい。
「クウガやリントの前に、ゲリザギバスゲゲルさえ誰一人として成功させられなかった」
「そんなリントだからこそ、殺す意味がある」
ゲリザギバスゲゲル=セミファイナルゲームは当然成功させる。新たな力はザギバスゲゲルのためのもの。
そう語った刹那、朗らかな声が。
「待ってるよ」
声の主は白い服を着た若者。静かな声なのに存在感があります。
外見だけならばお年寄りに席を譲ったり道に迷っている人を案内してあげたりしそうな、無害そのものに見える青年です。
ガドルがとうとうゲゲルを開始する。
新たな力は戦うリントにのみ使用するつもりで、武人の風格があります。

桜子さんも栄養ドリンクを飲んで、榎田さんに負けず劣らず頑張ってる。
敵に対抗するためのより大きな力が要るが、碑文には特に書かれていない。唯一明らかな強くなるための方法は凄まじき戦士になることですが、もちろん選ぶわけにはいかない。
古代にはなかった金の力が今のところ一番強く、三十秒しかもたないという欠点を聞いてジャンが無邪気に提案。
「じゃ、それをもっと強くできれば、どんなのが出てきてもオーケーだもんね」
五代は名案を聞いたように明るく答える。
「そっか。そうだね! また電気ショック受ければね」
おい!
早速椿のところへ電気ショックを受けに行こうとする。
いくらなんでも無茶だ!
ぎょっとして制止する桜子さんに心から同意。
「それしかないならやるしかないし」
ジャンは迂闊な発言を後悔。彼はこういう展開が多いなぁ。もちろん悪気はないけど、まずい方向に噛み合ってしまう。
そんなに無理しなくてもとジャンが止めるが、五代は退かない。
「したいんだよね。やっぱ皆の笑顔を見たいもん。だから俺は、俺がただできるだけの無理をしている。それだけだよ」
でもなぁ……。自分にできるだけの無理という範囲はとっくに超えてるよ。
見ていて痛々しい。

猶予の無さを示すように、警察署の前にガドルが来る。
作られた剣に雷が走り、さらに形状が変化する。
ガドルまで金の力を手に入れた。強敵が主人公と同じ手段でパワーアップするというのは皮肉が効いていて、恐ろしい。
署内の男性警察官は全員殺され、ガドルは歯ごたえのある相手を求める。
「他愛もない。もっと強いリントの戦士はいないのか」
一条さんですね。
クウガが駆け付け狙撃しようとするが……。

EPISODE45 強敵

授業参観に出られず母親から責められる榎田さんが可哀想だ。
母の台詞にはことごとく引っかかります。
未確認生命体の活動が激化する中で対策が遅れれば何十人、何百人と死者が出るかもしれない。すでに大勢犠牲者が出ており、まだまだ増える可能性が高い。
そういった状況で激務をこなしながら育児も今以上に頑張れというのはいくらなんでも厳しい。
下っ端でいなくてもたいして変わらないならともかく、彼女がいなければ、彼女でなければ、回らない状態です。
ゆえに背負うものも大きく、重い。
親としての責任を全部放り出して他人に押し付けているわけではなく、自分にできる範囲で何とかしようとしており、気に病んでいます。未確認が暴れなければ普通に子供との時間をとれたでしょう。
一条さんも母親に会いに行くのを断念し、事件のために動いていました。
グロンギが原因です。

だから、榎田さんの「母親としても頑張る」宣言はいいのですが、その前に子供に仕事の重要性を伝えるべきだったと思います。特に榎田さんの母が。
子供であっても、当事者だからこそ、丁寧に説明すべきではないでしょうか。
安心して暮らせるように、親子の時間を守るために戦っているのだと。
子供が寂しがって荒れるのはわかる。幼い少年に何もかも我慢しろというのは酷です。
ですので、榎田さんの母に橋渡し役になってほしかった。
榎田さんはすでに力を尽くしていてさらに頑張ろうとしているので、榎田さんの母も意気込みを認めて「頑張りなさい」から「わたしも支えるから」という姿勢になれば後味が良かったかもしれません。
ここまでモヤモヤするのは、最終決戦の近いガドル編に入れたためだと思います。
強敵が動き出し被害が激増している段階。さらに強い第零号も登場した状況で「そんなこと言ってる場合か!?」と言いたくなる。
この問題は後回しにしても解決せず、放置したら犠牲者の数は膨れ上がる。その中に息子や母親が含まれないなどという保証はどこにもない。
榎田さん関連のエピソードは彼女一人に負担をかけすぎているように見えてモヤモヤします。すでに十分頑張っている人にもっと頑張れと言って、本人もそれに応えようとして……潰れたらどうするんだ。

ガドルと戦うクウガは各種変身を使い分ける相手に厳しい戦いを強いられる。
一条さん早く来てくれと思っていたら駆けつけた一条さんはドルドを発見。
射撃してあっさりバグンダダを破壊。その弾丸はドルドの体にも当たり、マーキング弾の打ち込みに成功。
ますます冴えわたる一条さんの狙撃能力。この人やっぱりペガサスフォーム持ってんじゃないか。
攻撃をくらったドルドは怪人体に変身する。
……素顔を隠した人間体の方がミステリアスだった。何故怪人体はそんなに愛嬌のある顔なんだ?
鳥の怪人に相応しく高速突進して一条さんを突き飛ばす。
突き落とされたかに見えた一条さんはパイプに掴まり生きていました。
派手に吹き飛ばされたあの状況で、よく咄嗟に掴めたもんだ。下から目撃した杉田さんも胆をつぶし、慌てて階段を駆け上ってきます。
実際に吊るされて撮影したとのことで、緊迫感があります。

クウガ対ガドルではタイタンソードを腹部に突き刺しても倒せない。それどころか剣を作りかえられ、殴り飛ばされる。
タイタンフォームでも耐えられないような斬撃を浴び、何とかマイティキックで剣を弾き飛ばす。
そのまま金の力を発動させ、キックを食らわせる。
今までの敵ならばそれで倒せたでしょうが、ガドルには通じませんでした。
「その力はこう使え」
この余裕……完全に自分が強者だと確信しての台詞だ。
ガドルも金の赤の力を発動させる。
まともに食らったクウガは変身が解け、血を流しながら倒れてしまう。

五代が重体だと聞いて衝撃を受ける榎田さんに、一条さんは「あいつは絶対に大丈夫です」と告げる。
「あいつの力が借りられない今は、我々が何としても頑張りましょう」
ヒーローに任せきりにはしないという意気込みが感じられます。

グロンギ達の会話もこちらの緊迫感を煽る。
ガドルはザギバスゲゲルに進みそうだが、クウガがガドルを殺すかもしれない。
そうなればダグバが究極の闇をもたらすことになる。
「クウガは、どうなるかな」
「楽しみだね。とても」
爽やかに言いきるのが怖い。

バルバ、ガドル、ドルドが集い、ドルドがリントの戦士に汚されたと聞いて興味を引かれたガドル。
「そんな奴がいたとは! 獲物として仕留めてみたいものだ」
強いリントの戦士と戦いたがっているガドルは一条さんと相まみえる運命にあるのですね。
対峙して驚くなよ?
数を数えるための道具、バグンダダが破壊されたためゲゲルはやり直しになる。
それは受け入れたガドルだが、ドルドに責任をとって死んでもらうと宣言。
「応じよう」と言葉少なに答えるドルドもまた格好いい。
これで怪人体が格好良ければ文句ありません。
今までほとんど戦闘シーンの無かったドルドと強敵たるガドルの一騎打ちに盛り上がります。

病院に運ばれ目を覚まさない五代。
彼の強くなりたいという望みを椿に伝え、自分からも重ねて頼む桜子さん。
心臓の動いている人間に電気ショックを施す行為を躊躇う椿。
どちらの気持ちも共感できるだけに辛い。五代のために頼み込む桜子さんだって最初は反対していましたから。
その時、迷っている椿を促すかのように五代の心臓が停止する。
電気ショックを施してもらうために自らの意思で心臓を止めた。そこまでして力を得て、皆を守りたいのか!
後押しされた椿は処置のために動き出す。
「強くなったお前の笑顔……見せてもらうぜ」
ここまでされたらやるしかない。
神経断裂弾がようやく完成し、一条さんはドルド達のいるセントラルアリーナへ向かう。

EPISODE46 不屈

一条さんはアリーナ内部を進んでいく。
彼が目撃したのはガドルとドルドの戦いでした。
ドルドが予想以上に強い。ラの意地を見せている。同じラのバルバもそれくらい強いのでしょうか?
さすがに二名の中に飛び込むのは無謀であるため引き返す。ここで狙撃を始めるんじゃないかと思ったのでホッとしました。
目を覚ました五代は電気ショックを施されたことを悟っており、椿や彼を説得した桜子さんに礼を言う。
「皆も頑張ってるから、俺も頑張らなくちゃ」
警察の人々も桜子さんも椿も頑張っているけど、五代はすでに頑張りすぎですよ。

桜井や杉田も来て神経断裂弾の到着を待つ。
やがて弾丸が届けられ、三人は各々の銃に装填する。
ドルドを追いつめたガドルですが、リントの戦士のにおいがすると告げられそちらに興味を向ける。
桜井と杉田はドルドを、一条さんはガドルを担当することに決定し、二手に分かれて行動。
観客席の間を進んでいく一条さんの前にガドルが姿を現し、殴り飛ばした!
だが、ちょっと待ってほしい。
突如近距離に現れた敵から不意打ち気味に攻撃されたのに咄嗟に腕で庇い、吹っ飛ばされ階段から落ちながら撃った三発は全て命中、息を荒げながらも立ち上がることが可能……腕で防いだことでいくらか衝撃が緩和されたとしても、普通は死もしくは重傷を負うのでは。
もはや人間とは思えません。
このシーンで一条さん役の人は背中に段ボールを入れただけで何回か階段背中落ちを演じたそうです。
痛くないか問われても「いえ、そんなでもなかったですよ」。
リアル一条さんだ。演じている人とのシンクロ率が高い。

神経断裂弾によりダメージを負ったガドルは倒れ伏す。
もしかして、弾丸が豊富ならばとどめを刺すこともできたのでは?
敵のナンバー2に大ダメージを与えて倒す寸前まで追い詰める……クウガの世界の警察、特に一条さんは優秀です。
頭では一条さんの強さは榎田さんの開発した神経断裂弾によるところが大きいとわかっています。彼女が開発できたのは五代が戦ったからだということも。
しかし、感情では「一条さんすげー!」になる。ただ使用するだけの状況ではなく力量が発揮されているためでしょうか。
一条さんの前にバルバが現れる。
「リントもやがて……我々と等しくなりそうだな」
彼女の台詞はこれまで繰り返されてきた。
直後に映される、ドルドを撃つ杉田と桜井の姿。
ドルドは人間体に戻り、呻きながら斃れ、成功を確かめる刑事達。
バルバの台詞と合わさり、ふと怖ろしさを感じました。
かつてグロンギの存在に戸惑い、「人間の姿をした連中を撃てるのか?」と言っていた杉田の表情に喜びさえ漂っているので。
グロンギは怖ろしい。
では、そのグロンギをも殺せる兵器を作り出せる人間は。
場合によってはそれ以上に強力な兵器を同族に向けることもある。個の力はグロンギに遥かに劣っていても、集団・種という単位で考えると、異物を排除する時の怖ろしさ、暴力性は異物そのものをも上回るかもしれないと思いました。
『寄生獣』を読んだ時にも同じ事を考えました。
ドルドは本編中では人間を殺している描写が無いので、「怪人=悪・加害者」という印象が薄くなり、どことなく物悲しさが出るのかもしれません。

バルバに銃を向け発砲しようとした瞬間、ガドルが起き上がり、一条さんを掴む!
静と動の転換でスピード感が出ている。
銃を落とし、首を絞められ、殴り飛ばされる。
さすがに顔をゆがめて立ち上がれない一条さんへ、剣を手に歩み寄るガドル。
いくら一条さんでも斬られたら死ぬ。多分。
危機に駆けつけたのは、やはり五代でした。
一条さんを助け起こし、いきなり赤の金へと変身する。
驚く一条さんは何とか事態を把握し、周辺の避難を促すため歩き出す。行動する気満々です。腕を押さえているとはいえ動けることにどう突っ込んだらいいのか。

ガドルとの戦いで赤で金の力を使うクウガは別の色――凄まじき戦士を思わせる黒へ変化した。
両足でキックを繰り出す彼に対し、ガドルも同じ事をする。
双方吹き飛び倒れる。
先に立ち上がったガドルはとうとう爆発し、巨大な火柱が立ち上る。
少年漫画等で見られる「二人とも倒れた場合、先に起き上がる方が負ける」法則の発動か。
強敵を撃破し、一条さんと合流した五代はサムズアップ。
一条さんも笑みとともに応える。

強敵を撃破し、危機は去ったかに思われた。
しかし、ガドルが殺されたことで第零号――ダグバがとうとう動き出す。
「究極の闇を、始めるよ」
何と朗らかな殺害予告。
勘弁してください。
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