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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

2019/11/24

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『完璧超人始祖編』59話・60話
ネメシスの口から超人の歴史が語られる。
完璧超人は、神に選別された超人の末裔・系譜。
正義超人や悪魔超人を下等と見下すのも、選ばれなかった棄民の末裔だから。
ただの思い上がりではなかったのか。
……さらっと流されていますが、ロビンマスクは現存する古文書にはほぼ目を通しているらしい。
そういうキャラだったっけ。
ロビンに関しては自信が持てない。
いつどこからどんな設定が生えてもおかしくないイメージがある。

神々が超人を作り、しばらくは平穏が続いていた。
しかし彼らは醜い争いを繰り広げるようになり、地上の惨状を嘆いた神々は干渉することを決めた。
「自ら生み出した生命体の愚行の責任は自らが取る」か。
全滅させようとするのは極端すぎますが、生み出した責任を自覚し、世界を憂いて対処しようとするだけでもマシな気がする。
荒れてるのに放置したり、関わり方が中途半端なパターンも多いので。
カピラリア七光線ってブロッケンが人間に戻って無効化したやつか。
ここでそんな活かし方してくるとは思わなかった。

さすがに全超人抹殺はやりすぎということで、ある神が異を唱えた。
「勝手に生み出しておいて、失敗作だと気づけばすぐ処分する。それが神である我らのすることか!?」
ま、まともだ……!
キン肉マンの神々は何もしないか、ろくでもないことするかの二択だと思っていました。申し訳ありません。
醜い争いを繰り広げる者もいれば、状況を改善しようする優秀な超人もいる。
前者は殺してしまえばいいが、後者は救出してやるべき。
過激さは残っているものの、おかしくはない判断です。散々醜い争いを見た後ならば、それくらいしないと変えられないと思っても仕方ない。
しかし他の神々は承諾しない。
一部に優れた者はいるが、後に同じことをやるだろう。そうなった場合、生かした責任は。生き残らせた者達への説明は。
超人と直接関わることをよしとしない彼らに、その神が下した決断は……神の座を降り、一超人として指導者になることだった。
自分が模範となって厳しい戒律を定め、鍛え直す。
おお、自らの手で面倒見ようとしてる。
「おまえほどの神が」と言われるような立派な男が、天に戻れなくなる覚悟のうえで。
そこまでして改善しようとする気概はありがたい。
彼に助けられた者を除いて超人は死に絶え、救い出された超人達が完璧超人となった。
あれ、じゃあ正義超人と悪魔超人はどうなんだろう。
作中でもツッコまれたから後で描かれるかな。

話が終わり、ネメシスが猛攻を開始する。
兜がゆがみ流血するロビンマスクの姿が悲壮だ。
「ロビン……」となったところでアノアロの杖→ユニコーンファイヤーヘッド発動!
落ち着いてしんみりさせてくれない。
気迫のこもった攻撃でもネメシスを倒すことはできず、脳天を叩きつけられるが、ロビンはボロボロになっても立ち上がる。
くっそカッコいいな!
たった今「今度は火属性か!」と叫んだのにもう「ロビン……!」ってなってる。
驚きと興奮の間で高速反復横跳びしてます。
この勇姿をアトランティスに見てほしかった。
ロビンの自尊心について言及したネメシスに、彼は答えを返す。
スグルに敗北した日にプライドを砕かれたが、それと引き換えに新たなプライドを手に入れた。

今回の話は興味深かったです。
ここまでガッツリ関わろうとする神様に感動に近いものを覚えた。
ただ、気になるのは「グロロロー」ですね。
この口癖? は無量大数軍のストロング・ザ・武道と同じです。
武道の中の人は元・神なんでしょうか。
超人と直接関わった結果、失望し、滅ぼしにきたのか?
元・神なら不老でも不思議じゃないし。

「たしか武道もグロロって言ってたような……元・神=武道じゃないか?」と思い、確認するために序盤を読み返すと、引っかかるやりとりがありました。
武道がタイルマンを人間にしたあたりです。
平和を守ろうとするタイルマンに、人より優れた超人の力を誇示しない理由を問い、「平和な世になってしまってはそんな力など必要なくなってしまうではないか!」と、まるで暴虐を煽るかのような言葉を投げかける。
それに対し、タイルマンが「超人がひとりもいなくてもいい平和な世の中を作り上げることがオレたちの使命だ」と答える。
立派な答えです。
超人達が平和な世界を作ることを望んでいた元・神が喜びそうな内容です。
武道の反応は、「キレイ事ばかりほざく」。
正反対じゃないか……。
理想に燃えていた元・神ならそんなことは言わず、感心するでしょう。
ただの別人なのか、変質してしまったのか。
現実を突き付けられて心が擦り切れたならば辛いな。

武道に気を取られてタイルマンの台詞を深く考えませんでしたが、改めて読むと高潔な志を持っています。
こういう、「自分が必要とされなくなるかもしれない、平和な世界を作るために戦う」展開に弱いんですよ。ダイ大とか。
注目したいのは、言ったのがメインキャラではないことです。
理想を抱いているのは一部の実力者だけじゃないと思える。

始祖編は勢いやテンポの良さはそのままに、無印の設定やエピソードを丁寧に拾って話を組み立てる隙の無い作りになっています。
たまに「完璧な犬」など予測できない要素もぶち込んでくるので刺激に満ちています。

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