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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

2019/12/1

拍手してくださった方、ありがとうございます!

『キン肉マン』300話
前回「出てきてすぐ流れ作業みたいに必殺技くらってダウンして復帰するって、ブロッケンの扱いが……。せっかく気合入れたんだから、もう少しカッコよさを持続させても」と思いました。
今回の見せ場を見てジェットコースターみたいなキャラだと思いました。やられたり輝いたり忙しいな!

恨みを捨てることはできないと答えるアリステラ。
台詞にわずかな間があったり、下を向いていたり、葛藤が窺える。
復讐を否定する台詞は「部外者が恨みを捨てろだの復讐やめろだの気軽に言うなよ……」と思うケースもありますが、アリステラはやらされている感が漂ってるからなぁ。
「先祖に申し訳が立たない」という理由で重い荷物を捨てるに捨てられず、よろめきながら歩いているようでいたたまれない。
呪いだと認めながらも破滅へ歩むアリステラをマリキータは肯定する。
「お前が行くと決めたのなら、それがどれほど呪われた道でもオレはお前についていく……。どこまでもな」
いや止めろよ。

クソ力を負の感情で発動させようとするアリステラ。
それじゃ駄目だと言われたばかりでしょう。
相性悪い要素を無理矢理組み合わせるより、別の力を探した方がいいのでは?
発動できたら強敵になりそうですが、そうなると完全に闇に堕ちて葬られるしかなくなる。
宿命を教えてやると言って披露したツープラトンがマリキータマンをぶん投げるだけって、それでいいの?
アタル兄さん腕組みしたままだしブロッケン一人に止められてるぞ。
流血しつつも受け止め切ったブロッケンに、マリキータが動揺を見せる。ブロッケンのこと舐めてたからな。

マリキータを止めたままブロッケンは語りかける。
先ほどアタルが道を示したものの、アリステラは拒絶しました。
アリステラが決意を述べたなら、アタルはそれ以上言葉を費やさない。
それでも手を差し伸べるのがブロッケンの性格であり、役目か。
「わかんねえって言うのもわかるけど……でもほんとはわかってんのもわかんだよ、オレにはお前の気持ちが。なんとなくだがよ!」
この台詞、上手いなあ。
意味が分かりづらいけどちゃんと伝わる言い回しです。拙いながらも必死に感情をぶつけている感がよく出ている。
言い換えるなら、「アリステラの、今更恨みは捨てられないという主張は理解できる。だが本当は、恨みを捨てないといけないと感じているのも、オレには伝わっている」というところでしょうか。
こういう言い方はブロッケンに合っている。
思考を整理できていないまま、それでも訴えかけるのがいい。
「このままじゃお前、不幸になっちまう。だから素直に……わかってくれよ!」
読者の気持ちを代弁してくれた。
それにしてもブロッケンは……自分を攻撃している相手に不幸になってほしくないと言えるのか。
このお人よしめ。
大好きだ。
ブロッケンは、警戒心足りないんじゃないかと心配したくなる甘ちゃんですが、そこがいい。
登場時も自分の復讐心より人助け優先した男ですからね。

ブロッケンの説得にマリキータは激高し、再度穴だらけにする。
「お前なんかにアリステラのことが、わかってたまるかーっ」
私にはお前の方が分からないんだよ!
試合がここまで進んでも、彼の考えていることは「オレはアリステラについていくぜ!」しか分からない。
「あんたなんかに〇〇のことは理解できない!」と書くと厄介なファンみたいだな。
簡単に理解できないのは事実だけど、分かろうとする姿勢すら否定しているじゃないですか。
全自動アリステラの背中押し機と化すのはいい加減やめろよ。その先崖だぞ。
これアタルが「間違った道を歩むのを後押しするのは友情とは呼べん!」と真・友情パワーを提唱する展開にならないか?
もしアリステラが和解を選ぼうとしたら、ブロッケンを攻撃して決裂させようとしないか心配です。
アリステラを英雄にするため、アリステラが今まで歩んできた道を肯定するため、アリステラを想っての善意で。

ブロッケンの体がどんどん穴だらけになってる。
もっとボロボロになってほしいとか流血してほしいとか思ってたけど、これ以上いくとグロくなりそう。
ブロッケンが回避しないのは、実力の差もありますが、真っ向から想いをぶつけようとしているようにも見える。
愚直だ。
まだやれるかというアタルの問いに当然だと答える。
重傷のブロッケン一人に任せるアタルと、すぐ加勢するオメガ側で対比になっているかもしれない。
フルメタルジャケッツの信頼を言葉で語らない態度と、口に出して確かめ合うオメガ側も対比になってるか。
オメガ側ばかり二人で攻撃しているけどルールはどうなっているんだろう。

不安にさせてスマンと相方に謝るアリステラに好感が持てます。
だからこそ止まってほしい。
「オレたち二人に後退という選択肢はもはやない」
あの、パイレートマンは?
オメガの中では穏健派と聞いたのですが。
スグルに破れ、和解の道を進もうとしているとのことなので、パイレートマンと話し合ってください。
きっとまだ戻れるはず。
まずは相手を潰す、考えるのはその後って……周りが見えてないというより、あえて無視しようとしているな。

グロリアスグレイブヤードスプラッシュ→グロリアスエヴァンタイユのツープラトン二連発がブロッケンに炸裂。
軍服脱ぐ前のダメージは除外するとしても、トゲで刺されて流血してまたトゲで刺されて流血して今度は大きな爪で深々と切り裂かれて流血して、そこから関節技で両肩を締められる。
もうボロッボロ。
ダメージがえぐいことになってるはずですが、ブロッケンは耐える。
吐血し、苦しげな表情の彼を見て「そうそう、見たかったのはそれだよ」と思いました。
ろくに傷つかずスマートに戦う姿を求めてはいない。
血まみれになりながら必死にあがいて勝利をつかみ取ってほしいんだ。
頑張れ。
自分のため、仲間のため、そして敵のためにも倒れるな。

ここでマリキータが、アタルがカットに入らないことをネタにブロッケンを煽る。典型的なヒールムーブ。
「お前はもう見捨てられたんじゃないのか」
それ、挑発失敗するパターンだ。
間違いなく「あの人はオレを信頼している」と答えるのが予想できる……と思ったらちょっと違った。
「ソルジャー隊長は誰も見捨てない! オレのことも……お前らのこともな!」
おお……。
散々痛めつけられても相手を想うブロッケンはマジでお人よしだ。
アタルへの評価も兼ねたいい返答です。
正直、試合始まるまではアタルのことを「ソルジャーチームへの仕打ちを考えると敵には容赦ないタイプだよな」と思っていたんですよね。
途中まで倒すべきボス属性がつく勢いでした。
でもブロッケンがアタルの強者属性を指導者属性にガンガン変換して『慈悲深く相手を導いてる』アピールして勝ちへ持っていこうとしている。

げっ、またロールシャッハ・ドットか。
アタルにやってほしい気持ちはあったけど今更使われても困る……と思ったらまさかの!
やられた。
燃えると同時に笑ってしまった。読んでて「ぶえっへ!」となりました。
対戦相手と読者を混乱させてきたマリキータマンが困惑している。
アルファベット一文字が浮かんでくるのは絶対想定していないだろ……。
「心を読んでやるぜ!」→「読めたぜ!」→「何だこれは!?」となった彼の心境を想像すると面白い。
相手の精神を揺さぶろうとしたら盛大に逆効果になってしまったことに気づいたかどうか。
「バッファローやニンジャがいるから椅子使って陣形してほしいな。でもブロッケン達には見えないか」と思ったので、ここで使うのは予想外。
「マリキータがアタルにロールシャッハ・ドットを使う」「ピンチの時に血盟軍が陣形を作る」までは予想していたものの、まさか組み合わせるとは……。
敵にやらせる発想はなかった。完全に。
これが『キン肉マン』か。

私は気づかなかったのですが、陣形はオメガ側にも向けられているという感想を見て目から鱗が落ちました。
たしかに、「隊長はオメガのことも見捨てない!」という流れで出たんですよね。
「お前達も星を救うことを諦めるな!」と思っているなら熱いな!

ブロッケンが選ばれた理由を実感できて嬉しいです。
パートナーの役割と言えば「瞬時に意図を理解しサポートを行う」が浮かびますが、「相方にできないことをやる」を出してきた。
寡黙なアタルとは違い、ブロッケンだからこそ心のままにがむしゃらに言葉をぶつけることができる。
今までブロッケンに対しては「がんばれー」「勝ってほしい」「アタルをサポートするんだ!」と思っていたのですが、「アリステラを止めて救ってやってくれ」「アタルにできないことをやってほしい」と思うようになりました。
これまでずっと「オレはやるぜオレはやるぜ」だったブロッケンが、相手に共感した途端一気にクソ力の真髄に辿り着いたのはすごい。
フルメタルジャケッツ側は、もはや勝てるかどうかではなく、相手を救えるかどうかという段階にきています。

……陣形見た悪魔超人達の反応が知りたい。
手の甲にナイフ突き刺しながら観戦してないかなあ。

『完璧超人始祖編』61話・62話
傲慢なネメシスに過去の己を重ねるロビンマスク。
現シリーズのブロッケンとアリステラもそうですね。
相手を理解し、共感し、止めたいと思うことが正義超人に必要な姿勢なのかもしれません。
超人オリンピック……懐かしいな。
ロビンは絶対王者だったゆえに己が正しいと信じ、他人の意見など不要と考えていた。
しかし、スグルに敗れたことでプライドが打ち砕かれ、大怪我を負ったこともあって復讐の道を進んでしまった。
バラクーダ時代にも言及した……!
ロビンマスクは奇行とカッコよさ、熱さと笑いを併せ持ついい男だと思っていますが、イベントも挟まず仲間面したことだけはずっと引っかかっていました。
気軽に死んだり生き返ったりするのはそういう作品だからと割り切れても、何故かここは強烈に印象に残ってます。
「和解や謝罪は?」「友情に目覚めたなら真っ先にやることがあるんじゃないの」「スグル達に直接言うことはできなくても、陰で己の所業を悔やむとかあるだろ!」とツッコまずにはいられなかった。

戦闘技術を叩き込んだ弟子、ウォーズマンまでもが敗れたことでロビンのプライドは完全に砕け散ったが、清々しさすら覚えた。
ウォーズマンが負けた時ウスノロとか言ってませんでした?
試合直後はカッとなって悪態ついたけど、徐々に頭が冷えたんだろうか。
ロビンは敗北を認めて呪縛から解き放たれ、己に欠けていたものに気づくことができた。
それが“リスペクト”という概念。
自分以外の他者に敬意を払い認め合うことのすがすがしさ。
アトランティスもそうじゃないですか!
ダイ大のミストバーンを連想します。
敬意を抱く戦士、いいですよね。

傲慢だったロビンマスクが他者を認めるようになった。
その結果、友情パワーに目覚め、新たなプライドを得ることができた。
ああ……ようやくバラクーダから仲間化までの経緯が掘り下げられた。
かなりスッキリしました。
こういう描写が挟まれていれば、助けに来てくれた時めちゃくちゃ燃えただろうに!

友情など弱者の言い訳だと切り捨てるネメシス。
いいぞ、自信に満ちた強敵ならそれくらい言ってくれないと。
膝蹴りをくらってもロビンは倒れない。
技巧に優れているはずの両者が泥臭く殴り合う。
それを見るスグルの眼には涙が。
「カッコイイのう、ロビンってやつは!」
そう思う。
カッコイイ奴が真面目におかしなことするから脳が揺さぶられるんだ。
何でガラスの破片集めてロビン・パワー全開にしたらベルが作れたんだよ! ワケわかんねえ。
 
ロビンマスクの拳がネメシスのガードに弾かれる。
肉のカーテンではなくパーフェクトディフェンダーか。
ロビンも新たな必殺技を繰り出す。
タワーブリッジネイキッド!
カッコいい……!
ああもう何でアトランティスが見ていないんだ!
アトランティスに観戦してほしかったです。ポールと一緒に。
「大嫌えな野郎」がボロボロになっているのを見て不機嫌そうなアトランティスを見たい。
そしてロビンの反撃を食い入るように見つめてほしい。

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