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ひよこの足跡ブログ

漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。

2019/6/30

からくりサーカスの感想を見て回った結果、『キン肉マン』が期間限定で無料公開されていることを知ったため、読んでいます。
からくりサーカスの感想を探す→現在連載中の話でアタルがブロッケンJr.をパートナーに選んだことが語られている→調べてみると期間限定で公開中→試しに読んでみる
という流れです。
見たことがあるけど詳しく知らなかったキャラクターやシーン、聞いたことはあるもののどんな状況で出てきたか分からなかった台詞などを知ることができて楽しいです。

『からくりサーカス』最終幕 閉幕
フェイスレスの心境の変化については後半にまとめて語るとして、他の部分から。
今回はどの表情も気合入りまくってた。勝やディアマンティーナも素晴らしく、フェイスレスはその上を行った。
彼らの表情、特に眼差しによって心の動きに納得がいく。
重要だと思っていた台詞が幾つもカットされたのは残念ですが、ここまで来たらあまり言う気にならない。

敵のあるるかんとの対決は燃えますね。
フェイスレスの精神を宿した犬が勝を庇って命を落としたのは、もう嫌になったからだったっけ?
自分は犬の体で、愛する人と結ばれるという夢は絶対に叶わない。
そんな立場だと頭も冷えますし、傍から自分の姿を見ていれば滑稽であることに気づくでしょう。本物の人生を生きた師父も観ましたから。

ディアマンティーナは声も顔も可愛く作られているはずなのにおぞましい。
目が、目が怖い。
最古達は皆最後の精神を崩していきましたが、最も大きく事態を動かしたのはコロンビーヌだったかもしれません。
ディアマンティーナと会話しているときのフェイスレスの目が暗く、ゾッとさせられる。彼は何を思っていたのか。
分解されたディアマンティーナの声が機械じみていくのが怖かった。

落下地点が黒賀村から発射場に変更された。そちらの方が自然ですね。
フェイスレスはフランシーヌが天国にいると思っているけど、銀は地獄にいると思っている。
フランシーヌが自ら命を絶ったと知っている銀と、いつの間にか死んでいたと思っている金の認識の差が浮き彫りに。
言うまでもないと思いますが、フェイスレスは、最後にいいことしたからといって本気で天国に行けるなどとは思ってません。
からくり世界に地獄があるのなら、辿り着いたフェイスレスが銀とフランシーヌに再会して驚くだろうな。
鳴海がえんとつそうじが勝だと気づいている台詞に「!?」となりました。
原作だと言及されなかった記憶が。
尺が無いので仕方ありませんが、もっと掘り下げてほしかったな。
鳴海の性格なら、少年に背負わせたことを気に病むでしょうから。

原作を読んだ時はフェイスレスの退場に「やっと自分のやってきたことに気づいたか」と思ってましたが、声や音楽がついたことで泣きそうになりました。外道なラスボスの最期なのに何故……。
最期の台詞直前の目の動きと涙の盛り上がる描写が細やか。
実によかった。
EDの月虹の歌詞が的確に表しています。子守唄で眠れる。
最期に語りかけた対象にフランシーヌが含まれなかった理由を考えてきたのですが、しっくりくる答えが浮かばないんですよね。
シンプルに、兄への執着が強いためか。
フランシーヌへの執心が目立ちますが、兄への拗らせ具合も酷いんですよね。
鳴海を生かして兄にしようとしたり、あるるかん作って兄さんのより強いと強調したり。
執念・執着を感じるのは、プラハの街並みを再現した場所へ行くために「井戸」を通るところです。
銀は井戸に身を投げて死んだわけで……。
兄に対する嫌がらせか、井戸を通って過去に戻って来いと願っているのか。
「大好きな兄さんに、大好きな人を取られた」と認識していて、本人も周囲も後者ばかり意識しているけど、実は前半部分もかなり大きいんですよね。
フランシーヌと結ばれなかっただけなら銀に泣きついて立ち直ったでしょうから。
自分の幸せは「愛する女を奪って結ばれる」ではなく「大好きな兄さんとフランシーヌの笑顔を守る」ことでもたらされると気づいていれば、自分も笑顔でいられた。

エピローグの仲町サーカスはカットか。
平馬や涼子がカットされて人数少ないけどどうするんだと思っていたらそう来たか。
そして……最後にカーテンコールが!
尺がないから諦めていたのに。
あるるかんとオリンピアが美しい!
最古二名の傍に法安と涼子がいないのが寂しい……。
好きな組み合わせは多々あるけれど、一番はルシールとドットーレかもしれない。
本編では絶望しながら壊れていった彼が楽しそうな笑みを見せるのでこちらも笑顔になる。

フェイスレスの心境の変化について。
「急に改心していい奴になった」「悪行が無かったかのように救われた」と言われると、本当にそうか疑問に思います。
最期に笑みを浮かべたからといって、安らかな気持ちで死んでいったわけではないでしょう。
どう見ても、満足した、幸せそうな笑顔じゃありません。
自分が間違っていたと認めたことを改心と呼ぶにしても、救済はされていないのでは。
彼をただ痛めつけても、己の行動を悔いながら死んでいく、悪行に相応しい最期を迎えさせることはできなかったでしょう。
自分が正しいと思ったまま「残酷な運命やくだらない世界、邪魔する奴らのせいで愛する人と結ばれなかった可哀想な僕」で終わります。
勝やディアマンティーナといった自分の分身に近い存在に己の行動を直視させられ、自分の姿がどう見えるか知った。
己の言動を客観的に見ることができるようになり、ようやく間違っていたと認めた。
しかし、見方が変わっても何もできないまま死んでいく。自分の我儘のせいで幸せを打ち砕いたことを噛み締めながら。
それこそが最大の罰と言えるのではないでしょうか。
改心が安らぎをもたらすのではなく、苦しみを与える。

フェイスレスとの問答で重要なのは、主人公の答えだからといって全部正しいものとして扱われてはいない点です。
先に好きになった鳴海優先という勝の答えが正しいならば、金とフランシーヌが結ばれるべきという結論になりますから。
何故エレオノールを譲ったのかというフェイスレスの質問も、勝の最初の返答も、ズレています。
譲るも何も、彼女の気持ちが勝に向いていない。
後で勝も、しろがねが鳴海を好きだということが大事だと述べています。
それでも真っ先に挙げたのが「本人の気持ちが大事」という模範解答ではなかったのが、フェイスレスの心に刺さったのでしょう。
彼が唱えたのと同じ子供の理屈を持ち出し、その内容が矛盾を突き付けるものだったから。
先に好きになった者優先という勝の言葉を肯定するならば、鳴海としろがねを邪魔してはならない。
否定するならば、フランシーヌやアンジェリーナを先に好きになったのは自分という理屈で突き進んできたのが間違っていたことになる。
どう答えても自分を否定することになります。

好きなら奪えばよかったと無理矢理別方向の答えを出しても、そうすれば幸せになれたか訊き返されて再び自分の心を抉られる。
さらに強引に方向転換して勝を排除しようとしたら犬が妨害して死を選んだ。
「自分」が自分のやることを否定したわけです。
さらにディアマンティーナが自分の思想と一致する言動を披露。
愛してるから愛してくれと言われたらどう思うか体感できました。
自分そのものと言える彼女を破壊したことで、今までの己を否定したと言えるのではないでしょうか。

彼の目を覚まさせるには、まず計画をぶち壊して、夢に邁進するドリカムモードを解除しておくのが大前提。
そして、普通に正論をぶつけても効果は薄い。
「本人の気持ちが大事」「周りの迷惑を考えろ」「みっともないからやめろ」と言ったところで「僕が愛してるんだから彼女も愛して当たり前」「他の奴なんて知ったこっちゃないね」「自分を信じて夢を追い続ける姿がみっともないわけないだろ?」で聞く耳持たない。
「先に好きになった者に譲る」「愛してるんだから愛してるって言って」という自分と同じ発想の言葉をぶつけられたからこそ、どれほど子供じみているか、勝手だったか知ることができた。
自分の分身と言える勝、犬、ディアマンティーナに鏡を見せられまくってようやくこじ開けることができました。
「傍迷惑なラスボスの思想を打ち砕く方法は、分身が鏡やブーメランとなることだった」というのは上手い落としどころだと思います。
その後の共同人形遣いなども合わせて、考えを変えることができました。
それらは「兄」である鳴海にはできないことですね。
治療法を聞き出そうとしても「嫌だよ~ん今度は僕が兄さんに意地悪してやるんだ~」で何も解決しない。

問答・説得からの改心と捉えると急ですが、段階を踏んでいます。
勝犬ディアマンティーナによる鏡&ブーメランアタック
→自分の分身=未熟な弟である勝に手を貸すことで兄の立場になる
→一番幸せだった頃の記憶が蘇る
→自分と同じはずの勝が違う答えを出す、そうすれば彼女の笑顔を守れたと知る
そして、芸人を奮い立たせる観客である勝の前で、何かをやり遂げる気になった。
巻き展開で駆け足気味なのは確かですが、いきなり改心して善人になったわけでも、救われたわけでもないと思います。

最後にアニメ全体のまとめです。
演技や音楽は文句なし。
色や動きといった作画も、力を入れてほしい部分ではしっかりしていました。
原作では印象の薄かったキャラやシーンが、声や音楽、色、動きがついたことで強烈だと感じました。
ストーリーというか脚本には正直不満も多かったです。
比較的じっくり進む話や取捨選択が上手いところは満足できたのですが、カットや改変の結果ちゃんとつながっていないと感じられる場面が多々ありました。
カットや改変、キャラの代役自体が駄目なのではなく、それらが溶け込んでいないのが問題だと思います。
総合的な評価は……不満も抱きつつ楽しめました。

『1000円ヒーロー』87話
麗華が椿を助け、ユウロと対峙したら刃が加勢に来る。
政府ヒーローも民間ヒーローも垣根を越えて協力している。街が破壊されている状況で「政府ヒーローの問題」「民間が」などと言い出して揉めなくてよかった。
ユウロは余裕こいて一撃くらいそうになることが多いな。その油断が命取り……になるかどうか。
椿が刃を前髪呼ばわりしてる。まだ心に余裕があるということか。
刃が現れた時のニルの表情。
怪人とヒーローの溝が埋まると聞いて笑う顔。
刃のことが本当に好きなんだな。白駒さんを応援したいけど、ニルもなあ……。

ユウロの異変に同児が驚く。
確かに序盤は、千について他人みたいな口ぶりだったんですよね。
二重人格なのか?
怪人の人格と人間としての心があるとか。

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