第７７話 勇気と信頼
この世界のヒーローは人質に弱い。
ちゃんと利用する敵は立派な悪役です。
そんな非情で卑怯な相手に涙ぐみ、恐怖しながらも毅然とした対応を取った白駒さんに痺れる。
「あなたは威借くんに斬られるべきです」の表情がカッコいいです。
怪人にトラウマがあるのに、殺される可能性も覚悟のうえで、刃に危険を知らせた。
グー→パーの手はそのままか。
白駒さんが叩かれた時の刃の表情がいい。眉間に皺が刻まれて、怒りが一瞬で湧き上がっているように見える。
バカな女と嘲笑する敵を否定する刃もカッコいいよ。
普段は抜けてる言動の前髪半裸なのにここぞという時には漢気を迸らせるキャラです。
刃と白駒さんの、お互いに勇気を与えあう関係が大好きです。
刃の気迫をレート1000の千が近くにいるからだと勘違いする敵は、何もわかっちゃいない。
そこは関係ない。
ビットは今のうちに刃を洗脳するようニルに呼びかける。
怪人だとバレて嫌われるくらいなら人形に……やめろニル。人形にしたらニルが魅力を感じた部分が消えてしまうじゃないか。
そんな彼女の内心を知らないまま、ニルは普通の女の子だと言ってのける刃。
鈍感で、事実に気づいていないだけと言えばそれまでなんですが、おそらく彼女が最も欲していた言葉なんだろうな……。
涙ぐむ→目を閉じる→怪人の眼を見せる の流れが熱いと思いつつ、まつげに注目してしまった。
「普通の女の子じゃないアルよ」の冷ややかな表情がたまりません。
冷酷な顔してるけど、刃の言葉に心を揺さぶられた結果だと思うと愛おしい。
第７８話 兎と狐
ニルが怪人態を披露。
九尾の狐がモチーフみたいですね。
洗脳能力持ちのキャラが額に第三の眼を備えているのはお約束。
刃も背後の異様な気配に気づきつつ振り向けない。
刃のためとはいえ部下を自害させたニルは非情ですね……。そこが怪人らしいと言えるかもしれない。
煙に紛れてニルは去ってしまった。
薄々真相を悟りながらも気づかないふりをする刃と、暴かない白駒さん。
白駒さんは嫉妬して自己嫌悪に陥っていましたが、怪人だとバラしてライバルを蹴落とそうとしないあたり、ものすごく善良だと思います。
危機を知らせるという大義名分もあるのに。
哀愁を含んだ刃の表情が辛い。
直後のルードとの落差よ。
ニルからエッジマンを好きになったと言われたユウロの顔は何度見ても笑える。
「ニルをたぶらかされてなるものか」という台詞だけだと娘に過保護な父親みたいです。
キャンディのお礼に笑った。
マフラーの礼ということでキャンディプレゼントしたはずなのに。
この調子だと返礼の無限ループにハマりそう。
やり取りを想像すると微笑ましいので一向にかまわない。
第７９話 相談と帰宅
ユウロと総帥の過去が気になるところです。
二人とも荒れていたとのこと。
ろくでもないことしていたんだろうな。
ほのかの様子がおかしいため、千は麗華に相談する。
千が麗華に相談持ち掛けるのが嬉しいんですよね。
千と恵理、刃と白駒さんの組み合わせが至高と思いながらも、千と麗華、刃とニルの組み合わせも進展してほしくて困る。
「ニンジン剥いてたらインスピレーションが～」という言い回し自体にインスピレーション迸ってるわ。
親身になって考え、立派に答える麗華も素敵。
赤面する彼女が可愛い。
真面目な会話の後に唐突に親父が登場。
息子と再会した第一声が「おっかえりー」って軽っ！
うさんくさっ！
ほのかが狙われている会話の後だっただけに、「怪人が父親の振りして潜り込んだんじゃ……？」と疑いました。
ある意味そっちの方がよかったかもしれない。
おまけはビット……ララビットのプロフィールです。
か弱い少女を人質に取り暴力を振るうクズですが、最後の一文は哀れだ。
第８０話 お迎えと犬の鼻
連絡を寄こさなかった父親に千は刺々しい態度を隠せない。
主人公の周りで怪人が暴れることを当然だと受け止めていただけに、この市の怪人発生率が異常と言われて目から鱗でした。
放置していた家族に謝罪もしない上に、街を出ようと提案する父親を疑う千。
すぐに信じず、本当に父親か疑ってくれて安心した。
読者が引っかかる部分にツッコんでくれるとスムーズに読めます。
麗華も千に同意。
疑う理由がちょっと違うが、協力してくれるのはありがたい。
遊園地に行くことになった一家とは別行動を取るけど、一緒に遊ぶ光景も見たかったな。
ジェットコースターとかコーヒーカップとかメリーゴーランドとか観覧車とか乗ってほしかった。
おまけはニルのプロフィール。
好きなものに「お、おぉ」となります。
刃には彼女の想いを正面から受け止めて、答えを出してほしい。刃なら心配いらないか。
どう答えるにせよ、ちゃんと向き合ってくれるはず。
過去が重い。
第８１話 父親と休日
千は父親を偽者だと疑いかまをかけてみるけど失敗。
「ハンサム一枚」という頼み方をするあたり、刃と気が合いそう。
そう言われたら真顔で淡々と否定しそうですが。
ほのかが初めて会う父親とすぐに打ち解けた理由は、彼女が〇〇だからでしょうか？
昔の親父の顔、ちょっと軽そうだけど人の良さそうな青年だな。
うーむ……。
ほのかの表情や母親の話題に触れた時の様子から、本当に父親だと千も認めた。
素直に認めた彼に、父親が謝罪。
疑う最大の理由だった「十年放置しておいて平然としている」という部分に触れてくれました。
和解したところで親父が爆弾発言。
いきなり現れいきなりとんでもないこと言い出すなこいつ！
ニルの怪人態のプロフィールが。
単純な戦闘力は低いのか。
ルードが洗脳にかかりやすいのは背景に何かあるのか、単に流されやすいのか、どっちなんだ。
第８２話 元凶と遺志
衝撃の展開はまだ続く。
親父が怪人。ほのかもその血を濃く継いでいる。
それだけでも驚くのに、父親である日朝零は姿を変える。
白スーツの男……ユウロに！
初めて読んだ時は「え……えぇ……？」と途方に暮れたんですよね。
敵が父に化けて登場したのではなく、父が別人の姿を取って敵として行動していた。
変装能力持ちの怪人、マニフェイスについては２巻で触れられています。
ユウロは慇懃無礼な印象が強かったので、素の口調だと違和感がすげえ。
麗華への仕打ちなど、ユウロを糾弾する千に同意したい。
「その調子で何人傷つけてきやがった？」
全くだ。
私がユウロ許さんと思っていたのもヒーロー達や、仲間であるはずの怪人にまで惨い仕打ちをしてきたためです。
刃を始末しようとしたり、外道な寄生超人に手を貸したり色々とろくでもないことをしてきた。
ほのかが幸せに暮らせる世界を作るためという理由があっても、簡単に受け入れられません。
可愛い可愛い妹が怪人になったら幸せにしてやれるのか。
ヒーローとして退治するのか。
突きつけられた問いに明確に答えられず戦闘態勢を取るも、敗れてしまう。
ヒーローが自分の使ってきた技で倒される展開は暗い方向に熱い。
千を守るため、ほのかが怪人と化す。
子供はほぼ怪人にならないけど、例外はあるものです。
第８３話 別れと入電
ヒーローである母親の勇姿に目を輝かせていた少女がなったものは怪人だった。
全身に炎を纏う姿は恐ろしいと思うべきかもしれませんが、デザインが可愛く感じる。
娘が怪人化しても微笑を崩さないユウロにこの野郎……と思いました。
後で泣きそうだったと明かされてさらにこの野郎……と思いました。
散々非道な真似しておきながら同情する要素を出されると感情のやり場が。
本人もちゃんと自覚しているんですよね。
「どれだけの命を踏み台にしてきたと思ってる」
ほんとだよ。
でも千とほのかの心境を考えると無残に散れとは言えない。
涙が炎で蒸発していく演出はお約束だけど辛いなあ……。
同児が来てくれて、痛ましげな表情でよかった。
子供相手に、手荒にというユウロの指示に疑問を抱いたのもよし。
弱者を守る正義を掲げるなら引っかかるはずです。
第８４話 決別と漢気
親友の千は重傷を負い、恵理からは怪人に協力すると宣言される。
刃の精神が追い詰められていく。
盗み聞きがバレて麗華がピンチ！
からのダイコクさん！
シリアスとギャグの温度差が激しい。
口から出ている腕がシュール。
第８５話 星男と配信
ルード強いな！
飄々としていて、ブラックホールの能力を持つ、敵幹部。
そりゃ強いに決まってる。
緩いノリのルードからの的確なツッコミの数々に、そんな場合じゃないのに感心してしまう。
彼から見れば着ぐるみ着てる理由が謎だし、ヒーローを裏切ったのにのうのうとヒーロー側に戻ってるし。
敵わないと知っていても立ち向かう意地を見せる貴崎はカッコいいけど、生足が。
首から上だけ見ればカッコいいのに。
ユウロが日本中に放送。
政府ヒーロー上層部は黒いんですが、華麗に受け流すほどの腹芸はできない模様。
つつけばボロが出そうだな。
おまけは大丈夫か？
頑張ってダイコクさんとして活動する貴崎は体張ってんな。
きっと勉強したんだろうな。
喋り方とか発想とか。
第８６話 変身と真実
泣くほのかを見てユウロが涙を流す。
ユウロの正体を知る前の自分にユウロが泣くと教えたらどう思うだろうな。
ユニオンプライスの飛行船に攻め込もうとする政府ヒーロー達。
椿が新型ベルトの罠に掛からなかった理由がしょぼい。でも助かる。
政府ヒーローの一人、ブルーシーカーがマスクを剥がれその下の顔を晒される。
変身解除の小細工が施されていなかったのはこのため。
この顔も細工の結果なのか、違うのか。
どちらにせよ、体質を指してヒーロー＝怪人と呼ぶのは納得できます。
LAWも区別がつかなかったし、敵と同質の力を使って戦うのは変身ものの王道中の王道ですから。
第８７話 疑念と亀裂
椿一人でユウロ、同児、ニルの三人に挑むのはさすがに荷が重い……と思った矢先、刃も参戦！
病院では携帯の電源を切る男。
刃の登場にニルがすごい顔してる。
ユウロがスイッチを渡したのは、ニルが洗脳も辞さないと分かっていたから。
ニルの気持ちを利用する気満々のユウロにお前……となります。
同児がエッジマンを始末するため動こうとするが、ユウロは乱暴な口調で制止。
様子がおかしい。
そうです、かつて刃を殺そうとしたユウロが止めるのは変なんですよね。
人格分裂してない？
千の父としての顔と敵幹部、二つに分かれてるように見える。
看護師さんの乱暴な言葉に笑った。
第８８話 会見と土下座
異形の姿になってしまったブルーシーカーも辛いよな。
民間ヒーロー会長の会見で報道陣が問い詰めるのも仕方ないけど、好き放題言う記者に腹が立つ。
病院を抜け出した千が、刃に土下座してまで変身資金を求める。
友情を壊さないよう金の貸し借りはしない主義だった彼が、ほのかのために。
刃の答えが男前。
「俺はキミになら、命だって無利子で貸してやる」
恵理や白駒さんやニルに見せたい、この姿。
普段前髪野郎扱いされていても決める時は決めてくれる。
恵理の目が死んでるけど、千と刃は彼女のことを信じている。
彼らならきっと助けてくれる。
おまけ漫画ではブルールの扱いが酷い。
ルードとの格差がどうしようもない。
何でもアリだな重力操作。
