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『完璧超人始祖編』59話・60話
ネメシスの口から超人の歴史が語られる。
完璧超人は、神に選別された超人の末裔・系譜。
正義超人や悪魔超人を下等と見下すのも、選ばれなかった棄民の末裔だから。
ただの思い上がりではなかったのか。
……さらっと流されていますが、ロビンマスクは現存する古文書にはほぼ目を通しているらしい。
そういうキャラだったっけ。
ロビンに関しては自信が持てない。
いつどこからどんな設定が生えてもおかしくないイメージがある。
神々が超人を作り、しばらくは平穏が続いていた。
しかし彼らは醜い争いを繰り広げるようになり、地上の惨状を嘆いた神々は干渉することを決めた。
「自ら生み出した生命体の愚行の責任は自らが取る」か。
全滅させようとするのは極端すぎますが、生み出した責任を自覚し、世界を憂いて対処しようとするだけでもマシな気がする。
荒れてるのに放置したり、関わり方が中途半端なパターンも多いので。
カピラリア七光線ってブロッケンが人間に戻って無効化したやつか。
ここでそんな活かし方してくるとは思わなかった。
さすがに全超人抹殺はやりすぎということで、ある神が異を唱えた。
「勝手に生み出しておいて、失敗作だと気づけばすぐ処分する。それが神である我らのすることか!?」
ま、まともだ……!
キン肉マンの神々は何もしないか、ろくでもないことするかの二択だと思っていました。申し訳ありません。
醜い争いを繰り広げる者もいれば、状況を改善しようする優秀な超人もいる。
前者は殺してしまえばいいが、後者は救出してやるべき。
過激さは残っているものの、おかしくはない判断です。散々醜い争いを見た後ならば、それくらいしないと変えられないと思っても仕方ない。
しかし他の神々は承諾しない。
一部に優れた者はいるが、後に同じことをやるだろう。そうなった場合、生かした責任は。生き残らせた者達への説明は。
超人と直接関わることをよしとしない彼らに、その神が下した決断は……神の座を降り、一超人として指導者になることだった。
自分が模範となって厳しい戒律を定め、鍛え直す。
おお、自らの手で面倒見ようとしてる。
「おまえほどの神が」と言われるような立派な男が、天に戻れなくなる覚悟のうえで。
そこまでして改善しようとする気概はありがたい。
彼に助けられた者を除いて超人は死に絶え、救い出された超人達が完璧超人となった。
あれ、じゃあ正義超人と悪魔超人はどうなんだろう。
作中でもツッコまれたから後で描かれるかな。
話が終わり、ネメシスが猛攻を開始する。
兜がゆがみ流血するロビンマスクの姿が悲壮だ。
「ロビン……」となったところでアノアロの杖→ユニコーンファイヤーヘッド発動!
落ち着いてしんみりさせてくれない。
気迫のこもった攻撃でもネメシスを倒すことはできず、脳天を叩きつけられるが、ロビンはボロボロになっても立ち上がる。
くっそカッコいいな!
たった今「今度は火属性か!」と叫んだのにもう「ロビン……!」ってなってる。
驚きと興奮の間で高速反復横跳びしてます。
この勇姿をアトランティスに見てほしかった。
ロビンの自尊心について言及したネメシスに、彼は答えを返す。
スグルに敗北した日にプライドを砕かれたが、それと引き換えに新たなプライドを手に入れた。
今回の話は興味深かったです。
ここまでガッツリ関わろうとする神様に感動に近いものを覚えた。
ただ、気になるのは「グロロロー」ですね。
この口癖? は無量大数軍のストロング・ザ・武道と同じです。
武道の中の人は元・神なんでしょうか。
超人と直接関わった結果、失望し、滅ぼしにきたのか?
元・神なら不老でも不思議じゃないし。
「たしか武道もグロロって言ってたような……元・神=武道じゃないか?」と思い、確認するために序盤を読み返すと、引っかかるやりとりがありました。
武道がタイルマンを人間にしたあたりです。
平和を守ろうとするタイルマンに、人より優れた超人の力を誇示しない理由を問い、「平和な世になってしまってはそんな力など必要なくなってしまうではないか!」と、まるで暴虐を煽るかのような言葉を投げかける。
それに対し、タイルマンが「超人がひとりもいなくてもいい平和な世の中を作り上げることがオレたちの使命だ」と答える。
立派な答えです。
超人達が平和な世界を作ることを望んでいた元・神が喜びそうな内容です。
武道の反応は、「キレイ事ばかりほざく」。
正反対じゃないか……。
理想に燃えていた元・神ならそんなことは言わず、感心するでしょう。
ただの別人なのか、変質してしまったのか。
現実を突き付けられて心が擦り切れたならば辛いな。
武道に気を取られてタイルマンの台詞を深く考えませんでしたが、改めて読むと高潔な志を持っています。
こういう、「自分が必要とされなくなるかもしれない、平和な世界を作るために戦う」展開に弱いんですよ。ダイ大とか。
注目したいのは、言ったのがメインキャラではないことです。
理想を抱いているのは一部の実力者だけじゃないと思える。
始祖編は勢いやテンポの良さはそのままに、無印の設定やエピソードを丁寧に拾って話を組み立てる隙の無い作りになっています。
たまに「完璧な犬」など予測できない要素もぶち込んでくるので刺激に満ちています。
『キン肉マン』298話
今回色々スッキリしました。
「仲間のためにパワーアップと書くと主人公みたいだけどおかしくない?」「アタルは力を奪われて倒されるために出てきたのかよ……」「実績や実力が上の超人もいる中でブロッケンを選んだ理由を見せてくれ!」とやきもきしていたのが一気に解消された。
アリステラが「もう一人のスグル・主人公」であるかのような語られ方に違和感を覚えていたので、違いが示されて「そうだよなぁ」と思いました。
・ブロッケンJr.がアリステラに共感、この戦いに選ばれた理由を描く
・ブロッケンJr.がカットに入りつつ過度に進行を妨げない
・自分はスグルと似ていると主張するアリステラに対し、アタルが違いに触れる
・業火の! 再点火が! カッコいい!
満足。
アタルが何をしようとしているのか、ブロッケンが何故選ばれたのかが分かって熱かった。
技をくらっても立ち上がり猛攻を耐えるアタルと、余裕を失っていくアリステラ。
念願のパワーアップが叶って相手に大技を叩き込んだ直後とは思えない。
アタルが逃げ出したことを責めるのは、「自分は苦しんでいるのに!」と訴えているように見えます。
アタルに無責任だと言ったところで今更です。自覚しているから「その通りだ」で終わる。
それなのにわざわざ責任だの余裕だの言い出すのは、自分が重圧に潰されそうになっていることの裏返しじゃないですか。
使命や責任から逃げないのは立派だけどそれで侵略を正当化されても困るし、周囲を巻き込んで破滅に突き進むなら主人公やヒーローと持て囃す気にはなれない。
……あの、クソ力込みの技が直撃したのに普通に戦闘続行するアタル兄さんって一体……。
アリステラの姿を見て涙するブロッケン。
「そうだ、アリステラは……かつてのオレ自身だ!」
そうか。このためにブロッケンが選ばれたのか。
復讐に囚われていた頃も、仇と共闘して困っている人々を助けることができたので、そこはアリステラと違いますが。
ラーメンマンの「オヤジのことは忘れろ。そうすればお前は強くなる」という台詞はよく考えるとかなりきわどいな。
「過去に囚われるな、復讐なんて忘れろ」を仇本人が復讐者に言うのは、一歩間違えるとただの身勝手な台詞に聞こえてしまう。
ラーメンマンの場合は、
・ブロッケンJr.の父を惨殺したことを心から悔いている
・ブロッケンの攻撃を抵抗せずにくらってボロボロに
・あえて攻撃を受けたものの、未熟であることを知ったため返り討ちにしての発言
・その後もブロッケンを助けたり導こうとしたりする
と、ブロッケンの将来を考えての行動だから受け入れられます。
「過去に縛られているオメガ側と解放されたブロッケンJr.」で対比になるという指摘を試合前に見ました。
この要素を使うとしたらいつだろうと思っていました。
よりによって仲間への想いでパワーアップした直後に持ってくるか!
アリステラの主人公補正を引っぺがした感じだ。
「オメガ側のキン肉マン」を「迷走する哀れな青年」に修正。
同時にアタルを導く側へと持っていく。
アタルの強者ゆえのボス属性を指導者属性へと変換し、不利な流れを一話で塗り替えた。
アリステラの内面を見抜いてブロッケンを起用したアタルもすごいけど、一瞬で意図を理解するブロッケンもすごい。
アタルだけだと淡々と戦っているように見えるけど、ブロッケンを添えることであら不思議、超速でなんかいい方向に解釈して読者に分かりやすく説明してくれる!
攻撃に耐えつつチラッと視線向けただけで「そうか隊長はアリステラが過去に囚われていた頃のオレと同じだと見抜いてオレを選んだのか、隊長は道標になろうとしているからオレの役目は邪魔が入らないようにすることだ!」まで辿り着ける奴なんてブロッケンしかいない。
一番の理解者扱いされるのも納得。
アリステラの目的に反しても加勢するマリキータと、アタルのやりたいようにやらせるブロッケンで対比になっているかもしれません。
アタルが無責任と糾弾されてからアリステラはスグルとは違うと語るまでの流れが巧みという指摘を見て、なるほどと思いました。
逃げ出したのは事実であり、すでに認めている以上、否定しても評価が落ちる。
ブロッケンが反射的に「隊長は無責任じゃない!」と反論しなかったのもよし。闇雲に擁護しても逆効果です。
ブロッケンのモノローグがかなり効果的に働いている。
すぐにスグルとは違うという話題に移っては、アタルが話を逸らしているように捉えられかねない。
一度ブロッケンに視点が移ると流れが変わるし、内容もそれを後押ししている。
囚われているという負の面を取り上げることでアタルへのパスを出した。
しかしアリステラは哀しいな。
使命のために邁進していると思い込み、強大な力を得て、もはや敵はなくなったと思ったら、敵の「小僧」からも哀れみの眼で見られるんだぞ。
迷走していた頃の自分と同じという理由で。
オメガ側がブロッケンを格下の未熟者扱いすればするほど、カウンターも重くなるんですよね。
散々未熟者扱いした相手から涙流しながら「昔のオレだ……」と認定されるのはむごい。
アリステラは一度止まって頭冷やした方がいいと思う。
このまま進もうとしても方向間違ってるのでどうにもならないよ……。
アリステラを過去の己と重ねて涙を流すブロッケンを見て様々な感情がこみ上げました。
「そこで泣くの!?」という驚き、「思考や行動が予測不能で面白え!」という笑い、「相手の心境を考えるようになったのか……」という感慨、「頑張れ、キツいかもしれないけどマリキータを食い止めるんだ!」と応援する気持ち。
今までブロッケンは自分が生き延びるのに精一杯で、敵への理解や共感までは到達できていない印象があったんですよね。
そんな彼が相手を想うことができるようになったのが嬉しいです。
ドライに考えれば命がけの闘いの最中に敵の今後まで気にしてられないんですが、スグルだけでなくテリー達もやってるので、正義超人の主力として戦っていくなら必要な姿勢です。
今回の内容を踏まえて試合前を振り返ると、ラーメンマンの頷きが重くなります。
ラーメンマンが穏やかな笑みとともに頷いたことで、ブロッケンは勇気づけられたんですよね。
憎い敵だった男と師弟のような関係を築き、ブロッケンは強くなることが出来た。
ここまでの話がつながったと感じます。
『完璧超人始祖編』55話・56話
凄まじい握力でバッファローマンの皮膚を毟っていくグリムリパー。
ひぃ、さりげなくグロい。
彼はバッファローの力を引き出すため、怒りや恐怖を抱かせようとする。
死んだ仲間をネタにして怒りを煽るとは、ヒールのマイクパフォーマンスが上手いなあ。
うーん憎らしい。
回想でアトランティスが描かれるたびに胸がドキドキしてしまう。この気持ちは何なんだ。
命を落とした仲間を想い、バッファローが吼える!
パワーアップしたバッファローに張り手をくらい、グリムが顔をゆがめる。
うお、痛そう。
グリムのサンダーサーベルカッコいい。
マグネットパワーの時に出てきた技だっけ。
四肢を貫き磔に……好きな構図です。
力を測定・吸収しようとしたグリムだが、吸い取り切れずにアースユニットが壊れ、バッファローの反撃をくらう。
グリムが焦りを見せた。
意外と崩れるの早かったな。
「死んだ仲間を嘲り挑発→力を吸収しようとする→失敗して反撃くらう」と、お手本のようなやられ方だ。
追い詰められた時に踏みとどまるか否かで評価が分かれるので、悪役として意地を見せてほしいところです。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
始祖編のグリムリパーを見てダイ大のキルバーンを連想してしまいます。
死神の名を持ち、黒ずくめの凝った衣装を身にまとい、本心を掴ませない台詞やトリックスター的な振る舞いで相手も読者も翻弄する。
すり抜ける特技まで完備。
敵どころか味方すら駒としか見ていないようですし、最期まで戦って死んでいった仲間に死体蹴り。
怪しさがにおうどころか充満してるので、第三勢力のスパイや刺客でもおかしくない。
仲のいい友人などが出てくるのか、最後まで憎まれ役を貫き通すのか、興味が尽きません。
『完璧超人始祖編』53話・54話
「相棒がオレ以外の違うパートナーと使っていた、胸クソ悪い技」
そ、そこまで言うか。
相当嫉妬してたの?
前回の台詞を見た時、半分冗談で「『オレ以外の男をパートナーに選びやがって』と書くとやきもち焼いてるみたいだな」とちらっと思いましたが、あながち間違いでもなかった。
足が壊れていきながらもスプリングマンは止まらず、ターボメンを追い詰める。
パートナーがピンチなのに一切動揺せず見ているだけのグリムリパーが不気味。何だコイツ。
散ったステカセキングに呼びかけながら、足が木っ端みじんに砕け散った状態で、スプリングマンがバッファローと力を合わせてターボメンを撃破!
やった!
見てるかステカセキング。
かたきは討ったが、スプリングマンにもう力は残されていない。
生まれ変わったらまたお前とタッグを組みたいと語る。
やめろ! そんなこと言うな! そういう台詞に弱いんだ!
何がグッと来るかって、次は最新鋭のおもちゃ超人になることを望んだスプリングマンに対して、バッファローが「バネボディのままのおまえでいいんだ」と答えたことです。
生まれ変わったら立派な体になりたいと言う相手に、そのままでいいと肯定するのか。
そこでそう言える奴だから、スプリングマンがまたタッグを組みたいと熱望したんだろうな。
スプリングマンの体が完全に砕け散ったのは辛いけど、見事な退場に笑顔になりました。
何言ってるんだと思われるかもしれませんが、力を出し尽くして命を燃やしきって想いも相手に伝わったので、生きていてほしいのに「よかったな」と言いたくなります。
アトランティスもそうです。
残されたグリムリパーはわざとらしい台詞でターボメンの敗北を嘆く。何だコイツ。
仲間の死体から部品をはぎ取りやがった。
しかも蹴りを入れてリング外に出す。お前……。
醜態を晒したわけでもない、まともに戦って敗れた味方を文字通り死体蹴りとは、憎まれ役の鑑。
高潔さが前面に出ているキャラとは違う外道枠か。
グリムはバッファローの力に興味を示し、正確に測ろうとする。
死神の名を持ち道化じみた衣装をまとい幻属性で闘牛士の真似までこなす。要素盛りだくさんですね。
グリムはハリケーン・ミキサーを手で止め、皮膚を毟り取った!
小細工が厄介だと思っていたけど、フィジカルも強いのか。
衣装を攻略すればいいんじゃないかと予想したけど、それだけでは終わらないかも。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
アトランティスにタワーブリッジ掛けられたい。適度な力で。
でも貧弱一般人が頼んでも「ロビンマスクの野郎に言えよ」で終わる。
傲慢な敵超人がポールやロビンマスクを侮辱すれば背骨をへし折る勢いでやってくれそうです。
「なるほど、下等な生物は下等な超人を応援すると見える~っ」とか「貴様ごときに負けるロビンマスクとやらもたいしたことはないな、所詮は下等超人かーっ!」とか。
アトランティスにロビンマスクの名シーンと迷シーン見せてどう反応するか確かめたい。
引退セレモニーぶっ壊した時の映像を見せたい。
『完璧超人始祖編』49話・50話
スプリングマンの敵に対する表現が面白い。
「おネエ野郎」「ブタ鼻野郎」「クマちゃん」ってポーラマンだけ可愛いな。
一番敵視しているターボメンに対しては「ポンコツ機械超人」。
破壊された仲間……ステカセキングの仇を討つため、彼を壊れたオモチャ呼ばわりするターボメンへの闘志を燃やす。
無印で悪役やってた頃から悪魔超人達にも友情はありましたからね。
グリムリパーを見てるとフリーザを連想する。
曲者っぽさが漂っている。
丁寧な口調や澄ました表情が引っぺがされる展開がそのうち来るのでしょうか。
『Sorge~』を読み返すと、バーン様は様々な攻撃をくらって色んなダメージ受けてるのにミストの方は「力を使いすぎて消耗しました」ばかりで単調だと思いました。
あとは焙られたくらいです。スルメかな?
物足りないけど体質上仕方ない。
キルバーンの暗殺未遂シーンはかなり変更しています。
特に正体やミスト関連。
原作最終話を読んだ時のショックが大きすぎて、「正体知らないミストを嘲笑ってたんじゃ……!? そんなのあんまりだ! 認めたくない!」という衝動のままに別人格設定を考えたんですよね。
改めて振り返ると「本体もミストに好意的なセリフが多いから友情は本物では? だったら無理に正体を否定しなくてもいいのかも」と思って変更しました。
黒の核晶入りの人形の顔面など、ありのままを愛するのは難しい部分もありますが、あまり否定しないようにしたいです。
日頃の演技や人形の演出をめちゃくちゃ頑張ってるし、ミストも認めた度胸は本物ですし。
正体が何だろうとミストとの友情が偽りだったと言われるよりはマシです。
『Sorge~』の移行が一通り済んだので、一休みします。
その後、サイトに掲載していた感想を修正しつつ載せていこうと思います。
『キン肉マン』296話
わざわざ「変身能力」と形容するところに、弟にあって自分にはなかった力へのコンプレックスがにじんでいるように聞こえるのは考えすぎか?
自分を冷遇した連中をどうこうしようという方向に行かず、役に立てると喜んだことで悪党にはなりきれてない。
復讐まではいかなくても、これで認めさせてやると考えてもおかしくないのに。
期待されていなかったアリステラと、元々素質に恵まれていたアタル。
一族を背負う立場から逃げなかった前者と、厳しい教育に耐えかねた後者で見事な対比になりますね。
六鎗客が描かれていますね。
彼らの中で全身のデザインが好きなのはパイレートマンですね。
デカくて強そうですし、シンプルに船乗り・海賊モチーフでまとめている。
ただし部位に注目すると他のキャラに惹かれる。
マリキータマンは腹筋が好きです。アリステラは脚。膝から下。
内面についてはこれまでの試合を読んでいないので保留。
ざっと調べたところ、パイレートマンを好きになりそうな予感がする。
アリステラはスグルにシンパシーを感じている。
パイレートもアリステラへの理解を覗かせる。
表情が哀しげに見えます。
根っこは善良なのに間違った方へ進む仲間を見たらそうなるか。
彼らの境遇が似ているというのは前回述べた通りですが、ズレがあるように感じられるんですよね。
アリステラはキン肉マンのすごさを「クソ力があるから強い」「パワーアップして敵を倒してきたことで英雄になった」と捉えているようですが、それは違うのでは。
子供の心を踏みにじる嫌な奴だったテリーの考えを変えさせたり、残虐ファイトしていたウォーズマンに優しさを思い出させたり、自分や仲間に散々酷いことをしたフェニックスに手を差し伸べたりしたから、皆からヒーローと認められるようになったんだと思います。
精神面だけでなく戦い方もしっくりこない。
最初から特殊体質ありきでいることに違和感が。
吸収できる上限があったらどうするのか。上手く取り込めない場合は。そんな暇を与える相手じゃなかったら。
このように無数に疑問が湧いてくる。
あくまで普段の鍛錬や基礎があってこそクソ力でそれらが跳ね上がって、爆発的な力を発揮するのでは?
アリステラとて強くなるために地道なトレーニングもしてきたはずですが、本人は体質のおかげで強くなれたという認識なんでしょうか。
そもそもキン肉マンは他所の星に攻めこむ人物ではないので、ズレどころではないな。
アリステラを主人公みたいと評しましたが、侵略者であることを考えると「みたい」であって、そのものとは呼ぶ気になれない。
アタルの「淡い期待も水の泡だ」という台詞や『希望も野望も業火で焼き尽くす!』という文章、主人公陣営のものとは思えん。
力を吸収されないよう細かく技を解除する立ち回りは冷静なのですが、計算違いが起きて失敗しそう。
トンデモ理論と根性で強引に勝ちをもぎ取る方がこの作品には似合うので。
攻撃に耐えるアリステラをマリキータが助けようとする。
たった今アリステラが狙いを語ったばかりだろ。
相手の意に反しても助けたいんでしょうけど、間がなさすぎて「話聞いてた?」と言いたくなる。
最初からクソ力狙いのアリステラとそうでもないマリキータで温度差があるような……。
アリステラがアタルの業火を取り込みつつある。
その前に勝負を決めるため、アタルがナパーム・ストレッチを繰り出した!
こ、このタイミングで必殺技を出すのは……。
まずい、間違いなく決まらない。
シングルだと確実に耐えられて逆転負けになる流れですが、これはタッグマッチです。
まだブロッケンとマリキータがいるので勝負は分かりません。
彼らが鍵を握るはず。
『完璧超人始祖編』47話・48話
ペンタゴンが強すぎて笑うしかない。
そうだよな、四次元殺法コンビはラスボス務めてもおかしくない能力持ちなんだよな。
別人が戦うのはさすがにどうかと思うけど、ブラックホールも自覚した上で決断したので追及するのも酷か。
ジャック・チーには同情する。
次はバッファローマン&スプリングマンVSターボメン&グリムリパーのタッグマッチか。
悪魔超人を見るとアトランティスの姿を求めてしまう。
ポールと悪魔超人達の交流を見てえなあ。
他の悪魔超人と話すばかりで自分の方に来ないポールを見て「性根が腐ってるから当然だな」と冷静に受け止めていたら、最後にやってきて勇気を出してサインを求められどんな反応を示すか知りたい。
「アトランティスカッコいい!」とグイグイくるならノリよく答えそうですけど、「が……頑張って」と控えめに応援するタイプだったらどうするんだろう。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
『キン肉マン』295話
二週連続ロビンの後だとアリステラが落ち着いてる人に見える。
おお、やっぱり業火か!
狙われている力を使うのはまずいのではというツッコミと、それに対する返答もこなす。この判断が吉と出るか凶と出るか。
これまで立方体リングが目立っていませんでしたが、今回活かされましたね。
垂れ下がるロープに掴まるのは絵になる。
アタルと組み合いながらアリステラの過去が明かされる。
優等生やエリートというイメージのあるアリステラが蔑まれていたのは予想外。
小さいアリステラ可愛いな。ディクシアも。
不安げな顔つきや仕草が、今の堂々たる姿とは全然違って新鮮。
彼に対する視線が変わったのは、一生不変であるはずの超人強度が増大する特殊体質だったため。
強い敵と戦うことでパワーアップすると書くと主人公みたいだな。
「兄」「王族の立場」に注目すればアタルと対比できますし、「元落ちこぼれで現期待を背負うヒーロー」という要素を取り上げるとスグルに近い。
クソ力に固執する理由に納得できる。
序盤はブロッケンのこともちゃんと警戒していたアリステラが、アタルが出てきてからは周りが見えなくなっていると感じたんですよね。
境遇を考えると、己の力を高めてくれるものに執着するのも無理はない。
超人強度が低いせいで蔑まれてきた+それを覆す体質持ちだと発覚して一気に変わったというコンボが決まって、超人強度を上げる以外の道が見えなくなっている。
こんな特性を持つ敵との戦いにブロッケンが選ばれた理由が、アタルとの信頼関係以外にもあるといいなあ。
超人強度がさらに低いブロッケンが、超人強度にこだわるアリステラの考えをゆるがせるとか。
ブロッケンは元々超人ですらないうえに、苦労して得た超人の力をアタルを守るために捨てて笑っていられる男ですから。
『完璧超人始祖編』45話・46話
不利な状況を作られたブラックホールが痛めつけられる。
目潰しや金的で反撃する彼に野次を飛ばす観客に「おい!」と思いました。
クリーンな戦いを望む気持ちは分かるけど、「下衆野郎」だの「とっとと負けて引っ込んじまえ!」だの言いすぎ。
大火傷を負いながらも戦ってる奴に言う台詞じゃないだろ。
ブラックホールを庇うスグルとテリーへの好感度が上がる上がる。
潔さを求める敵に対し、スプリングマンやバッファローマンは卑怯な手を使おうが惨めな姿を晒そうが勝てばいいと叫ぶ。
悪魔達は勝利優先だからこそ、ロビンにあんな勝ち方をしたアトランティスも誇りを抱いていたんでしょうね。
45話の最後のページの舞い落ちる羽根、そして46話のラスト……。
美しい。
神々しさすら感じさせる。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
先日『藤田和日郎原画展』に行きました。
名シーン・名台詞の数々に熱くなりました。
色彩とか修正液とかすごい。
生で見ると迫力ありますね!
生ふすまに生白面……鳴海の列車ぶち抜きやフェイスレスの夢は叶う。
カラーだとルシールの赤い血やフランシーヌ人形の微笑が印象に残りました。
何より、最古達の笑顔を見ることができて腹ァいっぱいです。大好き。
毎週『1000円ヒーロー』の感想を書いてきましたが、裏サンデーがリニューアルされて漫画が表示されなくなりました。
リニューアルで見づらいデザインになるのはよくあることですが、作品を読めないとは……。
『1000円ヒーロー』の感想は単行本発売ごとに書こうと思います。
『さよなら、キン肉マン!!』後編
今の画力でタワーブリッジを描かれるとちょっとグロいかも。腹裂けてる。
キン肉ドライバーとキン肉バスターをくらって苦しげだけど嬉しそうなロビン。
そのまま殴り合いへ移行。
ベタだけどそれがいい。
いい話な空気へと持っていく委員長もナイスアシスト。こんなきれいなこと言うキャラだったっけ?
あ、大王になったら引退せざるを得ないことはロビンも分かっていたのか。感情は別という話で。
心の中ではスグルの引退に納得していなかった仲間達がロビンをノリノリで応援する。
その中にウォーズマンがいないのは、セレモニー台無しにしたのが申し訳なくてノリきれてないのか?
読者視点だとロビンが原因だから気に病まなくても……と思うけど、そこを気にするのがいいところ。
ロビンの涙を受けて、スグルは自分の引退届を彼に託す。
丸くおさまって本当によかったな。ウォーズマンの心の平穏のためにも。
もしスグルがショックを受けて終わったらウォーズマンもアワワ……となって「ご、ごめん……」と落ち込んだはずですから。
現在ロビンは鳥取砂丘に埋まっていると聞きました。ひょっとして引退届も砂の中なのか……?
『完璧超人始祖編』43話・44話
グリムリパーは衣装に仕込んだギミックで戦うタイプか。
じゃあ服を引っぺがせば弱体化する……といいなあ。
「完幻」という肩書がさりげなくカッコいいです。凝った衣装やトリッキーな戦い方にピッタリ。
スプリングマンの前にブラックホールとジャック・チーの試合が描かれるのか。
ブラックホール対熱湯って普通じゃ考えられない対決だな。
火炎や電撃に比べて熱湯は地味。
しかし、日常生活で馴染みがある分、痛みがリアルに想像できてしまうかもしれない。
ブラックホールがピンチに。
連戦はきついよ……。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
ダイ大キャラがキン肉マンのキャラの技を使うなら、どれが似合うか考えました。
真大魔王バーンは手刀つながりでブロッケンJr.のベルリンの赤い雨。
キルバーンは機械つながりでウォーズマンのパロ・スペシャル。
ハドラーは胸筋がたくましいからアタルのナパーム・ストレッチ。
ミストバーンは封印解除の方だと髪が長いので落下が映えるだろうな。
ゴオオオと落下してガガァンと叩きつけると強そう。
金髪みたいな部分が映える悪魔将軍の、地獄の断頭台とか似合うんじゃないでしょうか。
『さよなら、キン肉マン!!』前編
キン肉星の大王となったキン肉マンが引退することとなったため、セレモニーを行う……のをロビンマスクがぶち壊す話。
キン肉マンとゆかりの深い超人十人がゴングを鳴らすとのことですが、ブロッケンJr.も入っていてよかった。
公式戦で直接対戦したことはないんですよね。
ジェロニモやウルフマン、ラーメンマン、バッファローマンも鳴らしてくれる。
もちろんテリーマンも。
ウォーズマンも惜しみつつ祝ってくれるはず……ベア―クローをゴングにぶっ刺した!?
たとえキン肉マンに引退してほしくなかったとしても、それだけでウォーズマンがこんなことするとは思えない。
何か理由があるはず。
つーかあの男がまだ出てないから答えは明らかだよな。
式を台無しにするウォーズマンにくってかかるブロッケンはいい奴ですね。
「やめるんだウォーズマン」と諫めながらロビン登場。
お前今やめるんだと言ったよな?
「こんなセレモニーなど認められるかーっ!!」
何数ページも経たないうちにゴングぶっ壊してんだ!
ここからは自分の番だ的な意味でやめろと言ったのか?
大王になるため協力したのに引退しますなんて言われたら、話が違うと言いたくなるのもわかるけどさあ……。
相棒を務めてきたテリーや血の気が多いブロッケンすら引退を受け入れているのに、セレモニーをめちゃくちゃにしやがった。
この男、自分のことを「若さによる爆発力には欠けるが、知識と経験で補って堅実に戦う」と認識しているけど、若手よりはるかに無茶してるんだよな。
ダイ大で言うなら、自分をアバンポジションだと思い込んでいるけど実際はヒュンケル以上のトンデモ理論で勝利をもぎ取る男です。
普段「私は英国紳士です」みたいな顔してるロビンが全力でキレて荒っぽい口調になってる。
彼を止めようとする仲間達を制したのはウォーズマンだった。
師匠の尻拭い……フォローに奔走する姿は健気通り越して不憫の域にまで達してる。
ウォーズマン自身は引退は残念だけど仕方ないと思っていたけど、ロビンがぶっ壊す気満々だから協力したんだろうな……。
「ロビンは真剣にやってるんだーっ!」
真剣にやってるから性質悪いんだよ!
ふざけておかしなことするんじゃなくて真面目にやるから敵も味方も読者も翻弄されるんだ。
まあロビンなら後半でいい感じに〆てくれるでしょう。
彼のすごいところは、真剣に奇行に走りつつ、最終的に熱い・カッコいいという印象を与えるところです。
変な行動取るだけなら「ふざけたキャラ」で終わるでしょう。
ロビンに限らず、味方側で強いキャラは「ぶっ飛んだ行動を取りながらも熱い・カッコいいと思わせる」スキルを備えています。
『完璧超人始祖編』41話・42話
ラーメンマンの古傷はいつまで引っ張るんだ……。
気軽に死んだり生き返ったりする世界で昔の傷が残り続けるのも不思議な話です。
「敗者には死あるのみ」が信条のマーベラスだが、ラーメンマンの古傷を狙う真似はしない。
そんな手で勝つ気はない。完璧超人に相応しく、正々堂々の勝利を目指す。
おお……。良くも悪くもラージナンバーズは完璧超人としての誇りを抱いていますね。
マーベラスとの戦いはラーメンマンが勝利。
意図を悟ったブロッケン、アタル兄さん以外にも分析・解説・リアクション力を発揮するんだな。
「そうだったのかーっ」と納得する姿がとても似合う。
マーベラスの自害を防いだはずだったが、彼は蒼龍に心臓を食われ、死んでしまう。
心が通じたと思ったのに……。
次の対戦はスプリングマンとグリムリパーか?
楽しみだな。
『1000円ヒーロー』98話
弱くて足手まといになるから残ろうとするヒーローがいる一方で、道案内などできることをやるために行こうとする非戦闘員。
ここでケンジも意地を見せるか。
覚悟を受け入れる椿もいいなあ。パラシュートか遺書持ってこいと返すあたりが素直じゃないけど。
ルードが戦闘狂になったのも背景があるんでしょうか。
げ、またユウロがえぐいことしてる。
敵に洗脳やら改造やらされた時のデザインの方が強そうに見えるのはお約束。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
前回ぶちのめされるシーンについてちょっと語りましたが、現時点で『キン肉マン』で好きなのは王位編立方体リングの闘いです。
「アタルを守るために超人の体を捨てたことで大幅に弱体化し、三人がかりで技を掛けられ瀕死になるブロッケンJr.」が一位。
「フェニックスにレイジング・オックスで痛めつけられるアタル」が二位。
どちらもそのまま退場するのではなく、執念を見せて反撃したので高評価。
前者は「ブロッケンの血がアタルのマスクにかかる」、後者は「見ているスグルが辛い想いを味わう」などでポイントが加算されました。
マンモスマンは弱くなったブロッケンを嬉々としていたぶろうとした印象が強いので、後で真剣勝負の楽しさに目覚めたのを見てちょっと待てと言いたくなった。
フェニックスの方は今回の試合前にアタルに謝罪したことで「おぉ……!」と感心しました。
敵から味方になったキャラが主人公に謝罪しても、酷いことした他のキャラには何もしないことがあるんですよね。
そういう場合「本当に反省や改心したのか?」ともやもやします。
ガッシュのゼオンとかな。
「電撃で散々いたぶったチェリッシュやパートナーとの別れを邪魔されたロップスは?」と疑問に思いました。
ちなみに、立方体リングの闘いにも負けないくらい好きなアトランティス対マーリンマン戦はぶちのめされる方向で好きなシーンはないんですよね。
サクサク攻撃し合って話が進むためでしょうか。
本格的に戦闘が描かれたのが19話からで、決着がついたのが22話。スピーディー。
40周年記念サイトの『完璧超人始祖編』で読めます。
初めて読んだ時、序盤は「卑怯な奴の闘いを見てもなあ」「今回は人質いないけど勝てるのか?」と冷めた目で見ていたのに、終盤は「うおおアトランティスー!」になってました。
「人質利用してる場面を回想から省いてやがる……」とか「せこい勝ち方なのに誇ってたのか?」とかツッコみたくなる部分もあるけど、熱いから気にならない。
脳内補完のしがいがある展開ですし。
『当初は「卑怯だろうがせこかろうが勝ちは勝ちだ」と割り切っていたが、人々の嘆きやロビンの実力を知ってあの一戦、あの一勝の重みが増していった』など妄想が広がります。
一番カッコいいと思うセリフは自分を応援する少年への「あ……悪魔なんぞ応援してたら……ろくなお……大人にならねぇぞ」ですが、他にも色々好きです。
「ロビンマスクの野郎との闘いに関しての罵りはやめてもらおう!」
「悪魔ってものはな……ただでは死なねぇんだーっ!」
それから何と言っても
「オレの大嫌えな野郎の……得意中の得意技で、一緒に地獄行きだ」
「悪魔のこのオレが……さ……最初で最後に見せる、正義超人の技……」
からのタワーブリッジ!
敵の全身をバキボキへし折って息の根を止め、自分も絶命!
涙ぐんでアトランティスの名を叫ぶ少年!
地味に好きなのはポールの父親が我が子に残酷な光景を見せまいと庇うところです。
ポールのその後が知りたいなあ。
テムズ川を見るたびにアトランティスのことを思い出したりしないかな。
ロビンが復活するならアトランティスも一緒に来てほしい。
ポールに握手やサインを求められ、「そういうのはアイドル超人の役目だろ」と言いつつ応えるアトランティスが見たい。
『完璧超人始祖編』39話・40話
渾身のベルリンの赤い雨の威力高いな!
クラッシュマンの体が裂けて向こう側が見えてる……。
敵の血が雨のように降り注ぐから赤い雨。よく考えると結構エグい。
「大輪の花を咲かせた」という実況が、彼の才能が開花したことを感じさせる。
勝利を父や仲間、心の師に捧げると告げるブロッケン。
ブロッケンは師匠的な存在が複数いるから強化イベントが描きやすいんだろうな。
血盟軍があるから悪魔超人との関係も掘り下げられるし、おいしいポジションだ。
敗北したクラッシュマンは己の未熟さを認め、自害する。
一回負けたら自害って厳しすぎるよ!
まず自分に厳しいのは見事だけど辛い。
仲間の自害を褒めるネメシスにモヤモヤした気持ちが湧く。
自分に「相手と競い合うことで己を高めていきたい」という欲求が芽生えたらどうするんだ。生きてまた戦いたいと思っても命を絶つのか?
非情なネメシスに対しロビンが吼える。
「負けが超人を成長させてくれることもある!」
「その代表がブロッケンJr.だーっ」
実際にラーメンマンに敗れて強くなりましたからね。
ロビンマスクが言うのは、ニンジャ戦後にブロッケンが一人前になれたと肯定したキャラだからでしょう。
バッファローマンも「あのツメの甘かった青二才野郎が、ようやく完全勝利したのか」と喜びを見せる。隠そうとしてるけど元チームメイトに絆を感じてる。
ラーメンマンの回想でブロッケンマンが惨殺されるシーンが描かれてる。
体がちぎれるところもだけど、ラーメンマンの表情がヤバい。
落ち着いた年長者みたいな顔してるけどとんでもないことしてたし、今もするからな。ロビンもそうです。
『1000円ヒーロー』97話
ダイコクさんとして生足を晒し続けてる貴崎。
正義のため、贖罪のために行動する覚悟がないとあんなきわどい格好できない。
スイカで人間を投げる練習すんな。スイカだったものがあたりに散らばりそうなんですが、無事に食べることはできたのでしょうか。
レート1ヒーロー二人が意地を見せる。
マジックテープ仮面はつなぎマンをいつも自分の上を行くと思っているが、つなぎマンはマジックテープ仮面を目標にしている。
頑張れ。何とか生き延びてくれ。
『キン肉マン』294話
ブロッケンJr.のトラウマ設定は正直唐突だと思いましたが、克服して成長するのは王道でいいと思います。
自分で何とかできる力があるなら交代を求められても応じないアタルが、進んで交代を申し出るのはよっぽどです。
バッファローの時とは随分違うな……。
総合的な実力が上の相手、それも二人がかりの技となれば対応も変わってくるか。
ブロッケンの場合、弱気・逃げ腰になるより、無理して踏みとどまって命を落とす可能性の方が高い。
交代を促す時は珍しく焦ってるように見える。
以前組んで戦った時ブロッケンに負担をかけて死なせた苦い思い出がありますから、今度は死なせないと決意しているんだろうな。
尊敬する相手の提案をブロッケンは断る。
「これを越えなきゃオレは前に進めねぇ」
「だから頼む。ここは信じてくれねぇか?」
ブロッケンの目が見えた!
伸ばした手を引いて頷くアタルと頷き返すブロッケンに「いけるぞ……!」という気持ちが湧き上がる。
いつでも手を差し伸べるのではなく、ここぞという時は見守り力を発揮させる。それもまた一つの絆の形と言えます。
相変わらず「グロリアスのおふたりさん」と呼ぶブロッケンが律儀ですね。
立ち上がって構えるまで待ってくれるオメガ・グロリアスの二人も同じく律儀。
またアリステラが相手を褒めてる……逆に彼が褒めないのはどんな場合か知りたい。
そしてブロッケンがやりやがった!
パワーもテクニックも遥か上のコンビのツープラトンを握力一本で止めたのはすごいな!
落ち着いて対処と言いつつ力押しかと一瞬疑問に思ったものの、やみくもに動くのと冷静に覚悟して力で勝負すると決断するのでは違うのでしょう。キャラに合っていていいと思います。
敵の必殺技を止めた後、ブロッケンは自らの新技をくらわせる。
新しい技の名前は『ローレライの青碧雪崩』。
ブロッケンの技名はどれも詩的だなあ。
技を放つ中でさりげなく服が破れていってる。服が空気を読んだかのようだ。
ブロッケンが上半身裸になったということは、そろそろ後半戦か?
ブロッケンの脱衣はRPGのボスの形態変化みたいなもんですからね。
脱いでからの戦いぶりに期待したい。
トラウマを想起させる技を見事に破ったことに、ウルフマンが涙を流して喜んでいる。よかったなあ。
反撃に移るアリステラをクソ力を発動させたアタルが阻止。
これは業火か? 火事場か?
敵が狙っているのに使って大丈夫なんでしょうか。
ピンチになってから発動させると思っていましたが、追い詰められて仕方なく出すより、いい流れのうちに使った方が良いのかもしれない。
アタル本人は「パートナーが頑張っていいとこ見せたからテンション上がった」くらいのノリで出した気もする。勝ち展開だの負けフラグだの作中の人物は意識しないからな。
アタルはブロッケンでは厳しいと思って交代するよう告げたのに、それを拒否して、実際に技を止めて、カウンターをくらわせた。
敵の想定だけでなくアタルの評価や期待をも上回ったと言えるのではないでしょうか。
アタルから「乗り越えてみせろ」と言われてではなく、自分で「乗り越える」と決意して、やってのけたのが熱い。
そんな光景を見たら応えたくもなるよな。
アリステラのラリアットが直撃したのに平然としてる……カッコいい……。
尊敬する男からよくやったと言われたらグッとくるだろうな、ブロッケン。
『完璧超人始祖編』37話・38話
『キン肉マン』を読んでいて注意した方がいいと思っていたのは「好きなキャラの出番がある=活躍するとは限らない」ことですが、「読者の意見を代弁したかのような辛辣な言葉をぶつけられる」も追加した方がいいかもしれない。
ただの「愚か者」「下等超人」といった大雑把な罵倒なら気にならないのですが、個人を対象とした内容だと読んでてグサッとくる。
「人数合わせ」「善戦超人」「万年未完の大器」……貶しまくり。
戦績が振るわないブロッケンの痛いところをついている。
しかし、血盟軍の数合わせ云々は的外れです。一気読みしただけの私でもそれは違うと断言できる。
何が人数合わせだアタルは好きな色や食べ物まで調べた上でスカウトして副将に据えて右腕扱いして選んだ理由を細かく説明して退場したら涙流したんだぞ立方体リングでサポートしまくったのは「多少は活躍」どころじゃないだろ!
激高したブロッケンは全身を巨大なトゲ付きグローブで握りつぶされ、穴だらけの血まみれに。
わりとグロい。
グローブの隙間から血が迸る描写がえぐい。
現シリーズでもミミックニードルで刺されたし、穴だらけ&流血が似合うキャラです。
気に入ってるキャラがぶちのめされる展開は好きなんですが、グロい方向にはあまりいってほしくない。
諦めかけたブロッケンを力づけたのはラーメンマンだった。
ブロッケンマンを「過去最大の難敵」と呼んだのは強引な後付けだと思うけど、過去を打ち消すなという言葉はラーメンマンの所業と合わせると頷ける。
ブロッケンJr.の父親を惨殺した過去を消そうとしても、罪はなくなりませんからね。
栄光も挫折も受け止めて反芻して乗り越えろという言葉に、ブロッケンは己の人生を振り返り、自分のやり方を見つめ直す。
いかなる困難や障害があろうとも己に課せられた仕事は絶対に遂行する気概……そうなんだよブロッケン。お前の強みはそこだろ。
クラッシュマンがさらっとジェロニモを貶してる。
「声のでかいことしか能のない」とのこと。
だから具体的な罵倒はやめろって!
何がキツいって、読者の心のどこかにありそうな内容なのが……。
「ブロッケンは成長性を評価されたのに、発揮しきれないまま無印の連載が終わったな」「ジェロニモはアパッチのおたけび以外印象薄くない?」という気持ちが全く無いと言えば嘘になります。
そういう心の声を抉りだされ、増幅した上でつきつけられた心地になる。
仲間を侮辱されてブチ切れたブロッケンが突っ込むが、前回とは違い執念で攻撃を叩きこむ。
ジェロニモを思わせるトマホークチョップ→ラーメンマンの必殺技キャメルクラッチ→乾坤一擲ベルリンの赤い雨!
仲間・師・一族を背負った見事なコンボだ。
『1000円ヒーロー』96話
政府ヒーローのトップが出てきた。『シャインクリーズ』の会長とは兄弟だったのか。
本当に、彼らのどちらかがユウロの仇なんでしょうか。
風雅の方は可能性が高そうですが、ユウロが普通に復讐を達成して「やはりヒーローが仇だった! ヒーローはクズ!」という結論で終わるのもアレなので違ってほしい。
ヒーローが殺したと思っていたが、逆に彼女を助けようとしていたなどの真相を知って「私が今までやってきたことは……」と己の過ちを突き付けられる展開を見たい。
スパイしてる奴は敵に合流した途端始末されそうだな。保身のために仲間を裏切るような男が、敵に信用されるとは思えない。
恵理が危ないと思ったら何とかしていた。
豆知識ならぬ刃知識が役に立った。刃と友情を育んでいてよかったね……。
ダイコクさんの着ぐるみのままで参加している貴崎。喋り方もキャラに合わせてる。生足がちょっと。
ここでつなぎマンか。
一話から登場している実力は平凡なヒーローが、重要な局面で鍵となるのは熱い。