漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。
第十話 小さな宝物
第九話 芽生え
第八話 持たざる者
拍手してくださった方、ありがとうございます!
前回ぶちのめされるシーンについてちょっと語りましたが、現時点で『キン肉マン』で好きなのは王位編立方体リングの闘いです。
「アタルを守るために超人の体を捨てたことで大幅に弱体化し、三人がかりで技を掛けられ瀕死になるブロッケンJr.」が一位。
「フェニックスにレイジング・オックスで痛めつけられるアタル」が二位。
どちらもそのまま退場するのではなく、執念を見せて反撃したので高評価。
前者は「ブロッケンの血がアタルのマスクにかかる」、後者は「見ているスグルが辛い想いを味わう」などでポイントが加算されました。
マンモスマンは弱くなったブロッケンを嬉々としていたぶろうとした印象が強いので、後で真剣勝負の楽しさに目覚めたのを見てちょっと待てと言いたくなった。
フェニックスの方は今回の試合前にアタルに謝罪したことで「おぉ……!」と感心しました。
敵から味方になったキャラが主人公に謝罪しても、酷いことした他のキャラには何もしないことがあるんですよね。
そういう場合「本当に反省や改心したのか?」ともやもやします。
ガッシュのゼオンとかな。
「電撃で散々いたぶったチェリッシュやパートナーとの別れを邪魔されたロップスは?」と疑問に思いました。
ちなみに、立方体リングの闘いにも負けないくらい好きなアトランティス対マーリンマン戦はぶちのめされる方向で好きなシーンはないんですよね。
サクサク攻撃し合って話が進むためでしょうか。
本格的に戦闘が描かれたのが19話からで、決着がついたのが22話。スピーディー。
40周年記念サイトの『完璧超人始祖編』で読めます。
初めて読んだ時、序盤は「卑怯な奴の闘いを見てもなあ」「今回は人質いないけど勝てるのか?」と冷めた目で見ていたのに、終盤は「うおおアトランティスー!」になってました。
「人質利用してる場面を回想から省いてやがる……」とか「せこい勝ち方なのに誇ってたのか?」とかツッコみたくなる部分もあるけど、熱いから気にならない。
脳内補完のしがいがある展開ですし。
『当初は「卑怯だろうがせこかろうが勝ちは勝ちだ」と割り切っていたが、人々の嘆きやロビンの実力を知ってあの一戦、あの一勝の重みが増していった』など妄想が広がります。
一番カッコいいと思うセリフは自分を応援する少年への「あ……悪魔なんぞ応援してたら……ろくなお……大人にならねぇぞ」ですが、他にも色々好きです。
「ロビンマスクの野郎との闘いに関しての罵りはやめてもらおう!」
「悪魔ってものはな……ただでは死なねぇんだーっ!」
それから何と言っても
「オレの大嫌えな野郎の……得意中の得意技で、一緒に地獄行きだ」
「悪魔のこのオレが……さ……最初で最後に見せる、正義超人の技……」
からのタワーブリッジ!
敵の全身をバキボキへし折って息の根を止め、自分も絶命!
涙ぐんでアトランティスの名を叫ぶ少年!
地味に好きなのはポールの父親が我が子に残酷な光景を見せまいと庇うところです。
ポールのその後が知りたいなあ。
テムズ川を見るたびにアトランティスのことを思い出したりしないかな。
ロビンが復活するならアトランティスも一緒に来てほしい。
ポールに握手やサインを求められ、「そういうのはアイドル超人の役目だろ」と言いつつ応えるアトランティスが見たい。
『完璧超人始祖編』39話・40話
渾身のベルリンの赤い雨の威力高いな!
クラッシュマンの体が裂けて向こう側が見えてる……。
敵の血が雨のように降り注ぐから赤い雨。よく考えると結構エグい。
「大輪の花を咲かせた」という実況が、彼の才能が開花したことを感じさせる。
勝利を父や仲間、心の師に捧げると告げるブロッケン。
ブロッケンは師匠的な存在が複数いるから強化イベントが描きやすいんだろうな。
血盟軍があるから悪魔超人との関係も掘り下げられるし、おいしいポジションだ。
敗北したクラッシュマンは己の未熟さを認め、自害する。
一回負けたら自害って厳しすぎるよ!
まず自分に厳しいのは見事だけど辛い。
仲間の自害を褒めるネメシスにモヤモヤした気持ちが湧く。
自分に「相手と競い合うことで己を高めていきたい」という欲求が芽生えたらどうするんだ。生きてまた戦いたいと思っても命を絶つのか?
非情なネメシスに対しロビンが吼える。
「負けが超人を成長させてくれることもある!」
「その代表がブロッケンJr.だーっ」
実際にラーメンマンに敗れて強くなりましたからね。
ロビンマスクが言うのは、ニンジャ戦後にブロッケンが一人前になれたと肯定したキャラだからでしょう。
バッファローマンも「あのツメの甘かった青二才野郎が、ようやく完全勝利したのか」と喜びを見せる。隠そうとしてるけど元チームメイトに絆を感じてる。
ラーメンマンの回想でブロッケンマンが惨殺されるシーンが描かれてる。
体がちぎれるところもだけど、ラーメンマンの表情がヤバい。
落ち着いた年長者みたいな顔してるけどとんでもないことしてたし、今もするからな。ロビンもそうです。
『1000円ヒーロー』97話
ダイコクさんとして生足を晒し続けてる貴崎。
正義のため、贖罪のために行動する覚悟がないとあんなきわどい格好できない。
スイカで人間を投げる練習すんな。スイカだったものがあたりに散らばりそうなんですが、無事に食べることはできたのでしょうか。
レート1ヒーロー二人が意地を見せる。
マジックテープ仮面はつなぎマンをいつも自分の上を行くと思っているが、つなぎマンはマジックテープ仮面を目標にしている。
頑張れ。何とか生き延びてくれ。
第七話 冥約
第六話 門番
第五話 天界へ
第四話 招待状
『キン肉マン』294話
ブロッケンJr.のトラウマ設定は正直唐突だと思いましたが、克服して成長するのは王道でいいと思います。
自分で何とかできる力があるなら交代を求められても応じないアタルが、進んで交代を申し出るのはよっぽどです。
バッファローの時とは随分違うな……。
総合的な実力が上の相手、それも二人がかりの技となれば対応も変わってくるか。
ブロッケンの場合、弱気・逃げ腰になるより、無理して踏みとどまって命を落とす可能性の方が高い。
交代を促す時は珍しく焦ってるように見える。
以前組んで戦った時ブロッケンに負担をかけて死なせた苦い思い出がありますから、今度は死なせないと決意しているんだろうな。
尊敬する相手の提案をブロッケンは断る。
「これを越えなきゃオレは前に進めねぇ」
「だから頼む。ここは信じてくれねぇか?」
ブロッケンの目が見えた!
伸ばした手を引いて頷くアタルと頷き返すブロッケンに「いけるぞ……!」という気持ちが湧き上がる。
いつでも手を差し伸べるのではなく、ここぞという時は見守り力を発揮させる。それもまた一つの絆の形と言えます。
相変わらず「グロリアスのおふたりさん」と呼ぶブロッケンが律儀ですね。
立ち上がって構えるまで待ってくれるオメガ・グロリアスの二人も同じく律儀。
またアリステラが相手を褒めてる……逆に彼が褒めないのはどんな場合か知りたい。
そしてブロッケンがやりやがった!
パワーもテクニックも遥か上のコンビのツープラトンを握力一本で止めたのはすごいな!
落ち着いて対処と言いつつ力押しかと一瞬疑問に思ったものの、やみくもに動くのと冷静に覚悟して力で勝負すると決断するのでは違うのでしょう。キャラに合っていていいと思います。
敵の必殺技を止めた後、ブロッケンは自らの新技をくらわせる。
新しい技の名前は『ローレライの青碧雪崩』。
ブロッケンの技名はどれも詩的だなあ。
技を放つ中でさりげなく服が破れていってる。服が空気を読んだかのようだ。
ブロッケンが上半身裸になったということは、そろそろ後半戦か?
ブロッケンの脱衣はRPGのボスの形態変化みたいなもんですからね。
脱いでからの戦いぶりに期待したい。
トラウマを想起させる技を見事に破ったことに、ウルフマンが涙を流して喜んでいる。よかったなあ。
反撃に移るアリステラをクソ力を発動させたアタルが阻止。
これは業火か? 火事場か?
敵が狙っているのに使って大丈夫なんでしょうか。
ピンチになってから発動させると思っていましたが、追い詰められて仕方なく出すより、いい流れのうちに使った方が良いのかもしれない。
アタル本人は「パートナーが頑張っていいとこ見せたからテンション上がった」くらいのノリで出した気もする。勝ち展開だの負けフラグだの作中の人物は意識しないからな。
アタルはブロッケンでは厳しいと思って交代するよう告げたのに、それを拒否して、実際に技を止めて、カウンターをくらわせた。
敵の想定だけでなくアタルの評価や期待をも上回ったと言えるのではないでしょうか。
アタルから「乗り越えてみせろ」と言われてではなく、自分で「乗り越える」と決意して、やってのけたのが熱い。
そんな光景を見たら応えたくもなるよな。
アリステラのラリアットが直撃したのに平然としてる……カッコいい……。
尊敬する男からよくやったと言われたらグッとくるだろうな、ブロッケン。
『完璧超人始祖編』37話・38話
『キン肉マン』を読んでいて注意した方がいいと思っていたのは「好きなキャラの出番がある=活躍するとは限らない」ことですが、「読者の意見を代弁したかのような辛辣な言葉をぶつけられる」も追加した方がいいかもしれない。
ただの「愚か者」「下等超人」といった大雑把な罵倒なら気にならないのですが、個人を対象とした内容だと読んでてグサッとくる。
「人数合わせ」「善戦超人」「万年未完の大器」……貶しまくり。
戦績が振るわないブロッケンの痛いところをついている。
しかし、血盟軍の数合わせ云々は的外れです。一気読みしただけの私でもそれは違うと断言できる。
何が人数合わせだアタルは好きな色や食べ物まで調べた上でスカウトして副将に据えて右腕扱いして選んだ理由を細かく説明して退場したら涙流したんだぞ立方体リングでサポートしまくったのは「多少は活躍」どころじゃないだろ!
激高したブロッケンは全身を巨大なトゲ付きグローブで握りつぶされ、穴だらけの血まみれに。
わりとグロい。
グローブの隙間から血が迸る描写がえぐい。
現シリーズでもミミックニードルで刺されたし、穴だらけ&流血が似合うキャラです。
気に入ってるキャラがぶちのめされる展開は好きなんですが、グロい方向にはあまりいってほしくない。
諦めかけたブロッケンを力づけたのはラーメンマンだった。
ブロッケンマンを「過去最大の難敵」と呼んだのは強引な後付けだと思うけど、過去を打ち消すなという言葉はラーメンマンの所業と合わせると頷ける。
ブロッケンJr.の父親を惨殺した過去を消そうとしても、罪はなくなりませんからね。
栄光も挫折も受け止めて反芻して乗り越えろという言葉に、ブロッケンは己の人生を振り返り、自分のやり方を見つめ直す。
いかなる困難や障害があろうとも己に課せられた仕事は絶対に遂行する気概……そうなんだよブロッケン。お前の強みはそこだろ。
クラッシュマンがさらっとジェロニモを貶してる。
「声のでかいことしか能のない」とのこと。
だから具体的な罵倒はやめろって!
何がキツいって、読者の心のどこかにありそうな内容なのが……。
「ブロッケンは成長性を評価されたのに、発揮しきれないまま無印の連載が終わったな」「ジェロニモはアパッチのおたけび以外印象薄くない?」という気持ちが全く無いと言えば嘘になります。
そういう心の声を抉りだされ、増幅した上でつきつけられた心地になる。
仲間を侮辱されてブチ切れたブロッケンが突っ込むが、前回とは違い執念で攻撃を叩きこむ。
ジェロニモを思わせるトマホークチョップ→ラーメンマンの必殺技キャメルクラッチ→乾坤一擲ベルリンの赤い雨!
仲間・師・一族を背負った見事なコンボだ。
『1000円ヒーロー』96話
政府ヒーローのトップが出てきた。『シャインクリーズ』の会長とは兄弟だったのか。
本当に、彼らのどちらかがユウロの仇なんでしょうか。
風雅の方は可能性が高そうですが、ユウロが普通に復讐を達成して「やはりヒーローが仇だった! ヒーローはクズ!」という結論で終わるのもアレなので違ってほしい。
ヒーローが殺したと思っていたが、逆に彼女を助けようとしていたなどの真相を知って「私が今までやってきたことは……」と己の過ちを突き付けられる展開を見たい。
スパイしてる奴は敵に合流した途端始末されそうだな。保身のために仲間を裏切るような男が、敵に信用されるとは思えない。
恵理が危ないと思ったら何とかしていた。
豆知識ならぬ刃知識が役に立った。刃と友情を育んでいてよかったね……。
ダイコクさんの着ぐるみのままで参加している貴崎。喋り方もキャラに合わせてる。生足がちょっと。
ここでつなぎマンか。
一話から登場している実力は平凡なヒーローが、重要な局面で鍵となるのは熱い。
第三話 襲来