漫画やゲームなどの感想を書いています。 ネタバレが含まれることもありますので、ご注意ください。
SS『Battle of “V”』
※竜魔人ダイがバーン達を圧倒する。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
前回竜魔人ダイにぶちのめされる封印解除ミストバーンを書いたので、サイトに載せていた秘法無しバージョンも修正して更新しました。
旧題は『暴君』でしたが、新しい方に合わせてタイトルを変更しました。
ミストバーンがぶん殴られる話が続きますね。
もっとほのぼのする話を読みたいです。ハドラーを応援するミストバーンとか、ミストバーンに助けられたからお返ししようとするハドラーとか。
ミストバーンとハドラーの話を読みてえ!
アニメではミストとハドラーの会話はカットされることも覚悟すべきでしょうね。
他のキャラとの関わりを描いてほしい気持ちは強いんですが、キャラクターの根幹にあるのも、作品全体のバランスを考えた時に優先すべき要素も、バーン様への忠誠心です。
一番力を入れるべき部分を描くために他の要素をカットするならば、歯を食いしばり涙を流しながら賛同します。
……その前にバーン様がどうなるかだ。
ミストバーンの描写不足とバーン様の描写不足、どちらが作品にとって致命的か明らかです。
まず主人公とラスボスがしっかりしないと全体の完成度や評価がガクッと下がってしまう。
ぶちのめされるといえば、キン肉マンの「私の好きなぶちのめされるシーンランキング」が更新されました。
今までは「アタルを守るために超人の体を捨てて大幅に弱体化した状態で三人がかりで技を掛けられ瀕死になるブロッケンJr.」が一位でした。
今回の試合で、一位は「オメガ・グロリアスのツープラトンを連続でくらい、グロリアスエヴァンタイユで血を吐くブロッケンJr.」になりました。
その後相手の未来を想って力を発揮し、天道羽根抜刀をベルリンの赤い雨でカウンターして切り裂くところまでセットで。
己のため、仲間のため、そして敵のために力を振り絞る姿が熱い。
ブロッケンは今回の試合で、戦闘力では相手のツープラトンを破る握力を披露したり、クソ力に開眼したり、目覚ましい向上を見せました。
精神面でもトラウマを克服しただけでなく、相手の未来を想えるようになった。
これなら二世の境遇につながらないのでは?
ここまで丁寧に成長を描かれて「やっぱり駄目でした」では、今までの描写をぶち壊すようなものだろ。
とにかく、順調に経験積んでレベルアップして心身両面での成長を見せ、未熟な若手ポジションから脱したといってもいいでしょう。
だからそろそろジェロニモや他のキャラを……。
ブロッケンは未熟さを強調されがちで、課題も多いんですが、乗り越えるポテンシャルも機会もあるので恵まれていると言えるかもしれません。
ぶちのめされるという印象ではないためこのランキングには入りませんが、マーリンマンに胸貫かれてぐったりするアトランティスも好きです。
その後息を吹き返したものの再び貫かれ、余力などない状態で語りかけるんですよ。
ただ一人自分を応援してくれた少年に。
減点ポイントがあるとすれば、少年を悲しませて終わることです。
涙ぐみながらアトランティスの名を叫ぶポールが悲痛で……。
ファンになった少年を喜ばせてやれよ!
ヒールのマイクパフォーマンスが噛み合わないアトランティスを見たい。
「オレのファンになったら温泉旅行に招待するぜー!」と観客からブーイングされるつもりで叫んだらポールに「旅行なんかなくても応援するよ」とはにかみながら言われたり、「今度は『人質のせいで負けました』なんて言い訳できないようにボコボコにしてやるぜー!」とロビンを煽ったら「フフッ、正々堂々勝負したいということか。喜んで受けて立とう!」と返されたりしてほしい。
『キン肉マン』304話
道を見失い、迷いをにじませるアリステラにパイレートマンが声をかける。
盲従するのではなく、別の方向を示す者もいる。
恨みを背負って思考停止していたアリステラには言っても無駄だっただろうけど、立ち止まり、己を見つめ直した今なら言葉は届くはず。
彼は語る。
アリステラの努力と優しさをオメガの皆が知っていることを。アリステラの価値は強さと才能だけにあるのではないことを。
「お前の価値をお前が勝手に決め込むなーっ!」
パイレートマン……!
アリステラの「超人強度が上がるからヒーロー、オメガの希望であり救世主」という考えにそうじゃないだろ……と思っていたので、切り込んでくれて嬉しい。
「もしも道を見失ったというのなら、背負わず仲間に聞けばいい!」
怒っているような表情から真剣さが伝わってくる。
こうやって苦言を呈するのも、アリステラを認め、信じているからだと思える。
やみくもに肯定するだけが友情ではないんだな。
「そんな時は……ちょうど吾輩は船乗りだ。海図を読むのは慣れている」
照れくさそうに鼻の頭こするような仕草してるのが何か、こう……デカくてごつくて強そうなのに可愛く見える。
作中での好漢度と読者からの好感度を稼いでいく。
上手いこと言いやがって、このための海賊モチーフか?
ちょっと言い換えて「お前が道に迷ったならば、吾輩が進むべき方角を見出そう」と書くとゲームのエンディングみたいな爽やかさ。
超人達と一緒に特訓したり試合したりして仲良くなるゲームが欲しくなるな。
オメガ編はアリステラに近づこうとするとマリキータマンが現れて試練を与えそうだし、マリキータの好感度を上げるにはアリステラから評価される必要がある。
いやしかし本当にパイレートマンに好感が持てる。言ってほしいことを言ってくれた。
アリステラは一人で背負いすぎて思考停止に至ったわけで、仲間と分かち合うのは大事です。
パイレートマンがいてくれてよかった……これからもアリステラを支えていってほしい。でもスグル達と協力するのも見たい。
現在のシリーズを読み始めたのはフルメタルジャケッツ結成からですが、オメガの中でパイレートマンが一番好きかもしれない。
スグルとの試合もよかったみたいだし、始祖編を追いかけるのが終わったら読みたいな。
試合中にパイレートマンの泣き顔が見られるらしい。とても気になるけど心を抉られそう。
絶望して涙を流すパイレートマンが見たいなあ。その後希望を取り戻すところまで含めて。
パイレートマンの言葉に、アリステラはオメガの悪しき伝統を正すことを決意する。
よし、説得成功!
何もかもアタルにやらせるのではなく、最後の部分はパイレートマンに担当させるのがいいですね。
途中ブロッケンの働きもありました。
アタル一人に詰め込みすぎないのはバランスが取れていますし、読者への説得力も増します。
分かり合えたことに喜びの涙を流すブロッケン。
鼻水出てるけど茶化すのはやめておこう。いいシーンだから。
目がキラキラしていてマジで嬉しそう。
アタルが歩み寄ると、ブロッケンは泣いてしまったことが恥ずかしい様子。
そんな彼にアタルがかけた言葉は……。
「ブロッケン、お前は本当に泣き虫だな」
「だが弱虫ではない。その涙は……お前の誇りにしていい涙だ」
アタルがまた優しい言葉をかけ、温かいまなざしを向けている……!
泣き虫であっても弱虫ではない。
いい言葉だ。
以前、ブロッケンに優しく見えるのは厳しくする必要がないからだと考えました。がむしゃらに突き進む気質の彼を叱咤したら、無理をして命を落としかねないためだと。
そう思っていたのですが、やっぱり単純に甘くない?
アリステラが涙を流した時は見ないようにしていたのに、ブロッケンが泣いたら声をかける対比がにくいですね。
絶望の悔し泣きには触れず、喜びの涙には言及するところに優しさを感じる。
ここで「泣き虫」という表現を使うところがお兄ちゃん感ある。スグルが羨ましがりそうだ。
「この役立たずめ」と言いながら現れ、狙いをベラベラ喋り出す黒幕。
すごい……すごくお約束。
でもそれでいい。
このまま共闘する展開にいってくれそうなので。パイレートも一緒に戦ってほしいな。
サタンの笑い声や言い回しが、あの、ものすごく小物くさい。
簡単に小物認定してはいけないと分かっていますが、自分で悪の権化とか言うのはちょっと……。品格を漂わせてほしい。
ダイ大のバーン様と同じ大魔王を名乗るのはやめてくれませんか?
オメガ側は方向が間違っていたとはいえ彼らなりの正義や信念があることを描写してきたのに、サタンにはそういう要素が微塵も感じられないな。
彼の言い分にもところどころ頷ける部分はあります。
慈善事業で支援してるわけない。そりゃそうだ。
成長したアリステラを乗っ取って敵を倒すつもりだった。そう上手くいくものか?
利用価値がなくなったアリステラをサタンが制裁しようとする。
雷でも落とすのかと思ったら串かよ!
そこは不思議パワーで制裁加えようよ。直接的すぎるだろ。
サタンの攻撃からアリステラを庇ったのは、マリキータマンだった。
やはり彼は生きていた。
アタルに慈悲がないとか残虐とか言っていた読者は謝るべきですね。
……ごめんなさい、慈悲の心はどこ行ったんだと目を疑いました。
「話の流れを考えると殺すわけないけど死ぬだろアレ」と思って誠に申し訳ありませんでした。
ナパームコンビネゾンくらって胸に穴空いてるのに、生きてるどころか普通に動けるのは何なんだ。
耐久力が高いというレベルを超えてない?
アタルはこのタフさを計算に入れて容赦ない技をぶち込んだのか。
アリステラに対するマリキータの姿勢は指摘や批判されるのでしょうか。
アリステラの思想はアタルやブロッケン、パイレートが意見をぶつけたけど、マリキータの友情は献身的で美しいものとして終わるのかな。
想いの大きさは本物でも、方向が危ないのはアリステラと同じじゃないか?
二人が一介の戦士ならまだしも、星の代表が思考停止して、親友がそれを後押しするのはまずいのでは。
そのあたりに言及されずに美しい友情で済まされても違和感があるので、触れられるといいのですが。
破滅すると薄々分かっていながら従うことを決めた苦悩があったのかもしれないけど、勢いよすぎて何も考えていないか煽っているように見えたのがなあ。
この状況でマリキータマンを笑ったり、しつこく茶化したりしようとは思いません。
そんなことをしては、ブロッケンの落ちぶれるネタを延々引っ張って貶したり、ダウンしている姿を笑ったりすることをとやかく言えなくなります。
あるキャラは笑いものにするのに自分の好きなキャラがされるのは許せないなんて筋が通りませんから。
真面目に考えた結果、アリステラの呪いを強化するような行動や対戦相手を見下す台詞はどうかと思います。
チンピラみたいな台詞で相手を馬鹿にしたままならば、高潔な戦士みたいな顔はしないでください。
己の所業を見つめ直し、排他的な思想を改めつつ、アリステラが誤った道を進もうとするならば正してほしい。
そのためにも生き延びることを願います。
『完璧超人始祖編』69話・70話
友情パワーも通じず絶体絶命と思われたウォーズマンだが、仲間や観客の呼びかけによって立ち上がる。
さらなる友情パワーに目覚めた!
『オモイヤリ+ヤサシサ+アイジョウ+シンジルココロ=ユウジョウ』
ウォーズマンの中では友情の定義はそうなっているのか。
他の超人だと構成する要素が少しずつ変わりそうですね。
体を輝かせながら師の必殺技、タワーブリッジネイキッド!
私それ好きなんですよ。
衝撃で腹や両脚が裂けてる……。
そこからパロ・スペシャル。
必殺技のオンパレードだ。
完璧に極まったと思われたが、ウォーズマンの仮面が剥ぎ取られてしまう。
己の素顔を醜いと思っているウォーズマンは動揺するはずだったが……。
「それがどうしたーっ!!」
そうなんだよウォーズマン。正義超人一軍に必要なのはそれ……勢いだよ!
真面目な話、トラウマやコンプレックスを克服して強くなるのは大事です。
現シリーズでブロッケンもトラウマ克服して握力でツープラトン止めて新技披露しました。
「超人はツラで勝負しているわけじゃない!」
私の脳内で観客が「そうだーっ、その通りだぜーっ!」と叫んでる。
素顔を見られることを恐れていたキャラが怯まず戦うのは熱いですね!
さらに発展させて『パロ・スペシャル ジ・エンド』炸裂。
ウォーズマンよく頑張った。カッコよかったよ。
真面目で優しいいい奴なのに戦績で色々言われるのが気の毒だったから、勝ってくれると嬉しい。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
>「ダイ大のアニメ化とゲーム化が~」の方
ゲームの方は、持っているハードで出るならば遊ぶかもしれません。
アニメは……非常に悩ましいです。
期待だけでなく不安も大きいんですよね。
長大な作品であるためカット無しで進めるのは難しく、削除・改変せざるを得ないでしょうから。
取捨選択した要素をアレンジして、アニメはアニメで楽しめる作品になるのか。
一部のキャラの描写に力を入れるのか、広く浅くなぞっていくのか。
ある程度バランスが取れているか確かめてから視聴するかもしれません。
どちらも様子を見たいと思います。
声についてはあまりこだわりはないので、当時のままでも変更しても、合っていると感じられる方ならいいなあ……程度です。
>超魔生物ハドラーや封印解除ミストバーン
今の作画で動くのを見たいのですが、果たして彼らが動く時間がどれだけあるのか、などと後ろ向きな思考に嵌ってしまいます。
「ハドラーとミストバーンの謁見前のシーンを見たくてたまらないけど、カットされるかも」
「ミストバーンが黒の核晶を爆発させるところがすごく駆け足で、無言爆破おじさんになったらどうしよう」
「ただでさえギャグとかコントとか言われたミストの退場がさらに急になったら」
などなど、期待通りにいかなかった時のダメージを減らすために、悪い方へ悪い方へ考えてしまい……。
この調子だと楽しめないおそれがあります。
視聴するならば、正面からガッツリ楽しむ気満々の姿勢になるか、逆に火傷しないように距離を置いて接するか、その中間か、とにかく悲観的な見方から脱しないとすぐ不安や不満へとつながってしまいそうです。
メッセージありがとうございました!
『ダイの大冒険』がアニメ化・ゲーム化すると聞きました。
ダイ大が好きだと言っておきながらアニメ化を素直に喜べない自分が嫌になります。
尺はどれくらいあるのか。感想を見てダメージを受けた時どう立て直すか。
今の時点で、好きなエピソードが省かれる可能性に焦ったり、「ポップこそ真の主人公、ポップの大冒険」とか「老バーンはいいのに真バーンは……」とか「ミストバーンは正体表してから駄目」とか言われそうだな……と憂鬱になったりする有様。
「ダイがちゃんと主人公してるからポップやハドラーも輝けるんだな」「老も真もカッコいい!」「正体発覚から退場まで尺は短いけど、悲哀や余韻が感じられる」といった意見を生み出すような構成、描写になることを願います。
ついダイ大とキン肉マンのクロスオーバーを考えてしまう。
そのたびに「ロビンマスクどうすんの?」という疑問が浮かび上がるのですが、「アタル兄さんどうすんの?」が追加されました。
アタルとブロッケンの戦いぶりに「正義のために戦い、敵に情けをかけるのか。アバンの使徒のようだ」と注目したハドラーが、ナパームコンビネゾン見て「かつてのオレなみに残虐では?」と真顔になる光景が浮かんでくる。
ブロ「アバンストラッシュAやBは敵の胸がAやBに裂けるんだな? あ、ダイならDか」
ダイ「えっ、裂けないけど……」
ブロ「マジかよ。オレと隊長が一緒に技掛けたら『AB』に裂けるけどな。空気抵抗で」
ヒュンケル「AはともかくBはおかしいだろう」
マァム「目を覚ましてヒュンケル、Aの時点で変よ」
世界が違えば物理法則も違うということで。
ロビン劇場にアタル劇場まで追加されたら使徒と魔王軍の意思が「何を考えているんだアイツら……」で統一されてしまう。
ロビンマスクはアバンの知識・経験・技量にヒュンケルの奇跡モードを搭載してパルプンテかけたような男ですからね。そして読者にメダパニかけてくる。
アタルは……何だろう。慈悲をもって相手をぶちのめし心をバキバキにへし折るタイプですが、そういうキャラってダイ大にいるかな。
アリステラは礼儀正しいから「ミストバーンか……風格を感じさせる名だ」とか「勇者ダイ……幼いながらも使命を背負い世界を救おうとしているとは立派なものだ」と初手賞賛。
そんな彼を諭したりちょっとキツいこと言おうとするとマリキータマンが「お前にアリステラの何が分かる!」「アリステラをバカにするなーっ!」と割り込んでくる。
ミストバーンはスプリングマンを鉄くずとかガラクタ呼ばわりしそうなんですよね。
ブロッケンが「オレは元人間だからひどく侮辱されるかもしれねえな。親父や一族のことまで貶すならガツンと言い返さないと」と身構えていたら、厳しい訓練に耐えて超人の力を得たのは素晴らしいと褒められて口を半開きにする。
金属は駄目で元人間は評価するのはキン肉マン側にとっては意味不明ですが、ミストバーン的には譲れない。
ブロッケンなら「バッファローマンのパートナーを馬鹿にすんな! スプリングマンだって猛特訓して強くなったと聞いてるぜ」と擁護するかもしれない。
スプリングマンは「甘っちょろい正義超人に庇ってもらうほど落ちぶれちゃいねーよ」と突き放す。でも実は嬉しい。
『キン肉マン』303話
正直、アリステラの泣き顔が見たいと思ってたんですよ。
故郷の教えが間違っていることを思い知らされて涙する姿を見たいなあとか思ってました。
予想以上にグッときたというかドゴォときました。
泣き顔見たいなんて思ってすみませんでした。
そ、そんなつもりじゃなかったんだ。
強敵であるはずの、強敵でなければならない男が、技掛けられている最中に己の無力さを噛み締めて号泣するなんて思ってなかったんです。
必死に首を振り、力が使えないことに泣き叫び、絶望しながら叩きつけられるのはキツい。
先祖の悲願のために自分も仲間も犠牲にして力を手に入れたのに、先祖の悲願のせいで真価を発揮できず負けるしかないジレンマ。
彼は敵です。
強盗ムーブして用済みになった相手を始末しようとした連中の一人です。
それなのに胸が痛い。
涙と叫びにここまで心を揺さぶられたのは、過去が描かれ、人となりが掘り下げられたからですね。
長い試合だったけど、それだけの尺が必要だったんだな。
最後の技はアタル版マッスル・スパーク。
「不完全」と称することでスグルや完全版の顔を立てつつ、己の立ち位置を正確に見極めているという要素で本人の評価も上げる。
あがくように首を振り、涙をこぼしながら落下するアリステラが痛々しい。
表情描きづらそうなデザインなのにここまで感情を出せるのは業前。
「オレにも使えるはずだ!」
「オレにだってその力がっ! なのに!」
「なぜ使えない~っ!?」
今まで相手の力をコピーして勝ってきた。その能力のおかげで落ちこぼれから救世主へと成り上がった。
本人はそう思っているから、手に入れたはずの力が使えないと絶望するしかないんだな。
パワーアップを体感しただけに、落差も激しいのでしょう。
前回アリステラのことを泣きながら殴りかかる子供みたいだと思いました。
今回幼少時の弱気な表情を覗かせたアリステラを見て、そのように描かれてるんだろうなと感じました。
アリステラは立ち上がり、戦闘を続行しようとするも、倒れ伏す。
フルメタルジャケッツの勝利!
アタルの公式戦初勝利であり、ブロッケンのタッグマッチ初勝利!
おめでとう!
良かった……本当に良かった。
負けていたら間違いなくブロッケンが戦犯扱いされ、貶されるところだった。
活躍しても二世ネタを持ち出されるんだから、負けたらますます二世とつなげられ、駄目になる落ちぶれる酒浸りになると言われたでしょうね。
二世のことを言い出したら、他のキャラも「偉そうなこと言っておきながら将来は……」「立派なこと言ってるけど実は……」にならないか?
そうなると始祖編や現シリーズで活躍してもなんだかなーと思うので、パラレルになってほしいんですよね……。
パラレルと明言されないと二世を読む気になれない。
思考停止できれば楽だと語るアリステラ。
マリキータもそれに同調していた。
アリステラを肯定し続けるマリキータに引っかかっていたので、言及してくれたのはありがたい。
「アリステラを煽って誘導してない?」とマリキータの姿勢に疑問を抱いたのですが、合っていた。
思考停止させようとしていたわけですから。
アリステラが正しいと信じ込んで肯定するのではなく、「間違っていようと悩まないように肯定する!」だったんですね。
何も考えずにイエスマンしてたんじゃなくて、考えてイエスマンしていたと。
アリステラの立場は、恨みを捨てると先祖の悲願が叶わず、恨みを捨てないと星が救えないという非常に難しいものです。
先祖の悲願を放棄するのはアリステラには困難だから、マリキータは強引に叶えさせようとしていた。
他の道を封じるのがマリキータなりの思いやりだったとしても、それで未来がなくなっては元も子もないだろ。
やっぱりマリキータを黙らせないとどうしようもなかったんだな。
思考停止していた二人に考えさせようとしたのがフルメタルジャケッツ。
それは、とてつもなく残酷な慈悲。
ただ倒されたなら、自分達のやり方に疑問を持たずに「オメガの悲願に殉じた」で終われたもんな。
残酷な慈悲とは、胸にストンとおさまる表現だ。
アタルの慈悲はスグルとは方向性が違うという漠然とした感覚を、的確に言い表しています。
「すべてはそこの小僧が言ったとおりさ」
ブロッケンに言及してくれた。
アタルがブロッケンを呼んでよかったと思わせてくれる一言です。
倒れてるのに答えようとするブロッケンは律儀だな。休んどけ。
ブロッケンの言った通り、心の中ではアリステラも理解していた。
勝つだけなら他のキャラでもできたはず。
しかし、アリステラに共感し、自身の体験も交えて呼びかけ、想いを届かせるのは、ブロッケンじゃないとできなかった。
アタルだけだと正論をつきつけて力で止めても、認めさせるところまでいかなかったかもしれない。
ブロッケンが感情でぶつかり、力を見せたことで、下地を作ったのではないでしょうか。
ブロッケンは試合前も試合中も格下の小僧扱いされ、実際に未熟さも見せた。
そんな彼が復讐に燃えた過去を語り、相手を想って目覚ましい力を発揮したから、「恨みを捨てることで未来が拓ける」という主張に説得力が伴ったのでしょう。
「オレの慈悲などスグルに比べればまやかしのようなもの」
「結局オレは自分の罪滅ぼしのために、慈悲の真似事をやっているだけの欲深い男だ」
前回「マリキータへの慈悲は?」と思ったので、完璧な慈悲の体現者のように振る舞わなくて安心した。
読者から指摘・批判されそうな点に自分から言及するあたり、隙が無い。
落ち度や欠点を自ら認めることで、敵から糾弾されても「その通りだ」で返すことができ、弱点にならない。
ここまで強さを見せつけておきながら、「お前はオレと違って私利私欲で動いてはいない」と相手を認めるのも、同じく隙が無い。相手を評価することで自分の評価も上げていく。
恐ろしいのは、自分の慈悲をまやかし扱いしたことで、殺意の高い技を繰り出してもツッコみづらくなったことです。
エグい技を叩き込んでも「スグルには及ばないって言ってたもんな」で済んでしまう。
それにしても、胸に大穴が空いて地面に転がってるマリキータ、オメガハンドの指がちぎれてボロボロのアリステラ、胴体穴だらけでざっくり抉れてダウンしているブロッケンに対し、平然としているアタルは一体……。
「もう一戦いけるぞ」みたいな顔してやがる。
途中で「アタルは力を奪われ負けるために出てきたのか?」とハラハラしたのがウソのようだ。
あの時は負けるかもしれないと悲観して申し訳ありませんでした。
終わってみるとひたすら強かった。
また、ブロッケンも重要な働きを見せました。
アリステラが落ちこぼれだった過去を語り、読者も「オメガのキン肉マン!」「主人公じゃん!」と乗ってきたところで、ブロッケンが「オメガのキン肉マン」を「復讐に囚われている青年」に上書きして主人公補正を引っぺがし、ひっくり返した印象を受けます。
マリキータに対してもロールシャッハ・ドットでデバフかけてくるのを血盟軍効果でバフに変換するのが強かった。
これからアリステラはどうするんだろう。
アリステラの非道な所業をスルーして主人公と持ち上げる見方にはついていけなかったものの、作中で違いを指摘され、本人も道を見つめ直した今、オメガのキン肉マンとなることを望みます。
『完璧超人始祖編』67話・68話
ウォーズマンがいいこと言ってます。
正義超人陣営のメインキャラの中で一番常識的な優等生かもしれない。
敵討ちのため死ぬつもりで戦うのではなく、生きるため、大切な命を守るために戦う。
その命の中には今闘っている相手、ポーラマンも含まれている。
ウォーズマン、マジでいい奴。
守るべき命の中には己を攻撃してきた相手も含まれている、的な姿勢は『1000円ヒーロー』の刃を連想します。
SS『Battle of “D”s』
※竜魔人ダイがバーン、ミストバーンと戦う。
強大な力を持つ相手に対し、ミストバーンは……。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
>「>バランの末路~」の方
最期と対比させて考えたのは今回が初めてですが、「バランがまとめて消し飛ばした者達の中に、誰かにとっての『ダイ』や『ソアラ』がいただろうな」とは思っていました。
仮にバランが生存した場合、立場も描写もかなり難しいものになっていたでしょうね。
ハドラーにも同じことが言えます。
最期の瞬間自分のことを悪魔と称したのは、過去の所業の残虐さに気づいたためではないか等、色々考えてしまいます。
本人がどう向き合い答えを出すのか、知りたかった気持ちもあります。
>改めて思うと、バーンの存在も結構儚いものですね。
負ければどうなるか知っていたはずで、それでも信念を曲げずにいたわけですから、敗北して全てを失おうと、評価が一転しようと、受け入れねばならないんですよね。
個人的には、評価が分かれ、様々な反応を示すと見ごたえがあって面白いと思います。
「ヒャッハー、バーンの時代は終わったぜー!」と調子に乗る者、悲しみ惜しむ者、冷静に今後の立ち回りを検討する者、新たな地上破滅計画を練り上げる者、ダイの力に怯える者などなど。
評価が一転しようと受け入れねばならないと述べたものの、全員が一斉に掌を返して唾を吐くのは正直あまり見たくありません。
メッセージありがとうございました!
竜魔人ダイにぶちのめされる封印解除ミストバーンが見たかったので書いた話です。
以前サイトに掲載したのは秘法解けたバージョンだったので、今回は解けないままで。
『バトルオブ~』と書くと『ざくざくアクターズ』の超強敵BGMを連想します。
バトルオブマ〇〇〇やマ〇も好きですが、一番はア〇〇ー〇です。『アグナモニタ』が大好きなので。
始祖竜達と戦う時に流れるアレンジもカッコよかった。
破壊王ティムールが何気に好きなんですよね。
「うわ、チンピラみたいな台詞。自分は強いとうぬぼれている小物だな」と甘く見ていたら予想よりはるかに強くて「適正レベルより大幅に上じゃなかったらボコボコにされてたぞこれ……」と焦りました。
簡単に小物認定してはいけないと思いました。
『キン肉マン』で「好きな技」は地獄の断頭台とかナパーム・ストレッチとか天道羽根抜刀を破ったベルリンの赤い雨とかアトランティスの最初で最後のタワーブリッジとか色々あるんですが、「衝撃を受けた技」部門をナパームコンビネゾンが作り出しました。
好きなキャラ二名が力を合わせて必殺技を繰り出す展開にワクワクしていたら凍りついたのは初めての経験かもしれない。
相手を救いたいという、熱く優しい心から繰り出された技の殺意が、殺意が高い……!
もっと破壊力の高い技は他にあるでしょうけど、慈悲を込めてぶっ放したことに衝撃を受けた。
実際は死なないように加減しているかもしれないけど、殺す気にしか見えない。
『キン肉マン』を読んでいると様々な方向に揺さぶられるというか、振り回される感覚を味わえますね。
私はついていけるだろうか、『キン肉マン』の世界のスピードに。
しょっちゅう振り落とされて「ちょっと待って」と叫んでる気がする。
詳しくは以下の感想で。
『キン肉マン』302話
フルメタルジャケッツのツープラトンを楽しみにしていました。
強くてカッコイイ技になることを期待していました。
期待通り、どちらの要素も備えていました。
問題はそれら以上に殺意の高さが印象に残ることです。
応援しているコンビが必殺技決めて目を疑ったのは初めてです。
途中までは「いけー! ぶちかませー!」と応援してたんですよ。
決まった光景を見て「……え?」となりました。
分かり合おうとする姿勢を押し出していたから「すでに威力は十分だから、ブロッケンを加えることで高すぎる破壊力を調整するのかもしれない」と思ってたんです。
そんなことはなかった。
もっとエグい技は他にもあるでしょうけど、慈悲の大切さを説き相手を救おうとする流れで繰り出されたので思考が停止しました。
まずマリキータを倒さないとどうしようもないのは事実。
アリステラへの批判を遮断し、彼が揺らぐたびに呪われた道を進ませようとするマリキータを黙らせないと説得は不可能です。
手加減して倒し損ねても二人とも破滅へ向かうだけ。半端な技を仕掛けても無駄でしょう。
それは分かるけど……。
回転を加えることは考えた。
胸が裂けて「AB」が刻まれるのも、候補の一つとして予想はした。
裂けた胸をコーナーポストに叩きつけるのは予想できてたまるか!
頑丈なマリキータだからモズの早贄にならずに済んだけど、耐久力低い奴がくらったら太い鉄柱が心臓貫通して串刺しになるぞ……。
リング外に落下して転がったマリキータの姿に「そ、そんなつもりじゃ……」と狼狽えました。
「アリステラの背中押して退路断つのやめろよ」「チンピラみたいな台詞で相手を見下すのはどうなんだ?」と腹を立てましたが、反省して態度を改めてほしいと思ったのであって……。
いっぺんぶっ飛ばされて頭冷やしてほしいとは願っても、無残な姿になることは望んでいなかった。
話の流れを踏まえると生きている可能性はあります。
慈悲の心をもって放たれた技ですし、相手の親友を殺して「お前達を救いたい」「恨みを捨てろ」と言っても説得力がありませんから。
……そう思ってるけど、見た目がとにかく惨い。
気絶しているだけであってほしい。
新ツープラトンの衝撃冷めやらぬ中、今回の話を改めて振り返ります。
ただでさえ強いナパーム・ストレッチを進化させる必要はあるのか一瞬疑問に思ったものの、カット不可にするのは大事か。
角度を変えて頭から落とすか、回転させて胸を叩きつけると予想したんですよね。そのまま落下するとブロッケンが下敷きになるので。
答えは後者でした。着地地点が予想外だっただけです。
回転を加えることで威力を増すだけでなく、敵の方向感覚を狂わせ抵抗を封じる。
なるほど合理的だと納得しかけた瞬間、マリキータの胸にAとBの文字が。
空気抵抗でそうはならないだろ! まあいいか。
敵の胸に自分達のイニシャル刻む兄さん、意外とノリノリだな。
アタルのAとブロッケンのBが刻まれるのは予想したけど、Aの上にBが重なって模様みたいになると思ってました。
相合傘みたいという感想を見かけて笑った。
そんな血なまぐさい相合傘嫌すぎる……。どれだけ猟奇的なバカップルだよ。
マリキータがアリステラへの友情をアピールするなら、フルメタルジャケッツはそのマリキータを黒板代わりに二人の絆を書きなぐる。
ロールシャッハ・ドットで相手の顔を浮かべたり秘密のサインを映したり、必殺技で二人のイニシャル刻んだりしてやりたい放題。
敵の体を何だと思ってるんだ。
カットしようとしたアリステラが弾かれ、フルメタルジャケッツのツープラトンが炸裂!
その名も、ナパームコンビネゾン!
※相手は片翅を切られて、飛んで逃げづらい状況です
・二人で手足をガッチリ固めて動きを封じます
・回転を加えて方向感覚を狂わせ、抵抗を防ぎます
・空気抵抗により胸が裂けて掛け手二人のイニシャルが刻まれます
・カットに入った敵のパートナーも弾き飛ばします
・回転しながら二人のパワーと三人分の体重を乗せて裂けた胸の中心をコーナーポストに叩きつけます
あ、あの……。
慈悲の心どこいった。
見れば見るほどえげつねえ。
少しタイミングがズレれば味方が鉄柱に激突する、恐ろしく危険な技をきっちり決めたのは信頼のなせる業でしょうね。
これくらって喋れるだけでもすごいよ、マリキータ……。
交代のタッチをするのは根性あるのですが、試合の権利がいつマリキータに移っていたのか分からず、少し混乱しました。
マリキータがアリステラに呪いを遺しそうで不安だったものの、そういうわけじゃないようで安心した。
アリステラを肯定するのは相変わらずですが、今までみたいに破滅へ背中を押す感じではなく、違う道を選んでもいいと言ってるように聞こえる。
それをもっと早く言ってほしかった。ブロッケンの奮闘で考えが変わったなら納得できる。
これまでの呪いを強化するような言動の数々は、友情が行き過ぎただけだったのか?
何者かに誘導されたわけでもなくまずい方向へ進ませたのなら、そっちの方が厄介な気がする。
ブロッケンもとうとう限界か。
普通に考えれば敵のツープラトンをくらい続けたせいですが、コンビネゾンの反動が大きいんじゃないかと感じてしまう。
「本当にここまでよくやってくれた!」
そう思う。
「オレの想定していた期待を遥かに上回る十二分の働きを、お前はここまで見せつけてくれた!」
同じように思われた方はきっと多いはず。
キン肉アタルという人気も実力もトップクラスのキャラが登場したんですから、当然試合も彼の見せ場がメインとなり、ブロッケンはサポート担当で終わると思っていたんですよね。
ガッツリ成長や活躍が描かれたのは嬉しい誤算でした。
「成長したんだな……ブロッケン」
眼差しと言葉が優しい。
あの厳しいアタルが、ここまで温かさを露にするとは。
尊敬する男からの何よりの評価に、よせやいと返すブロッケン。照れてるな。
ブロッケンいわく「求められた仕事をしたまでのこと」。
マリキータ退場とともに脱落というのは予想通りですが、内容は期待と予想を上回りました。
最高に頑張ったよ。
わざわざリング外までゴロゴロ転がって休む姿がシュール。
タイミングよく退場するところまで含めて、自分の役割を果たしました。
ここからはアタルとアリステラ、一対一の闘いになります。
アリステラが闇の力に目覚めたらどうしようと心配していたんですが、そうならないみたいですね。
もはや引けないアリステラだが、自分が間違っていることにも気づいている。
倒して止めるしかない。
アタルの言葉は穏やかですが、相手の目の前で親友の胴体コーナーポストにブッ刺してシームレスに諭すのは、その。
犠牲にしてきたものを叫びながらアリステラは攻撃を仕掛ける。
家族、故郷、仲間、親友、己の人生。
自分だけでなく他者が犠牲になったから他の道を選べないんだろうな。
引っかかったのは故郷も挙げたことです。もはや星の救済を捨てているのか?
列挙しながら攻撃し続ける様は、子供が泣きながら殴りかかっているように見える。
「それでいい」「このためだけに」と繰り返すのも、必死に自分に言い聞かせているようです。
もう見ていられないのでアタルは早くアリステラを倒してくれ。
そんなやり方では駄目だと、ブロッケンが激情で揺さぶってからアタルが正論と実力で知らしめる。冷静で的確な布陣です。
ブロッケンがいなかったらアタルが淡々と間違いを指摘し続けて、いたたまれない空気になっていただろうな。
アリステラに捕らわれ落下しながらもアタルは落ち着いている。
アリステラは苦労してきて、痛みを知っていて、優しさもある。
しかし活かす方法が間違っている。
それは確かに。
もう少し方向が違えば、オメガのキン肉マンと心から呼べただろうに。
アタルの業火の迫力が……!
ガッチリ捕まってたのに普通にクラッチ切って逆に首に足絡めるの、強すぎませんか。
アリステラの精神がガタガタになってるから外せたのかもしれない。
口数少ないアタルが、珍しく言葉を尽くして破滅へ向かうアリステラを止めようとしている。
まぎれもなく慈悲のなせる業なんですが、ナパームコンビネゾンがあまりにも強烈で言葉が頭に入ってこない。
といっても、アタルをサイコパスだのなんだの茶化すのも躊躇われます。
一部の要素を強調して貶されたり茶化されたりしたらいい気分はしないからな……。ここから二世の境遇になるとは考えづらいのに負の要素を延々引っ張られるブロッケンとか。
相手を救いたいと願うのと、その相手に必殺技をぶち込むのは矛盾しないんですよね。
『キン肉マン』はリング上で力と技をぶつけ合えば心が通じることも多い世界ですから。
話し合いで解決できる状況じゃないし、強力な技を使っちゃ駄目なんて言ったら戦いようがない。マイルドに見える技も大怪我してもおかしくないものばかりで、やりすぎかどうかの境界は曖昧です。
それはそうと、殺意が高いと言われれば否定できない。
「心臓病のフェニックスにこんな技を使うつもりだったなんて」という声もありますが、あの時点では知らなかったのでは?
そもそも心臓に爆弾抱えていようが健康だろうが関係ない破壊力に見える。
擁護してるのか違うのかよく分からない意見になってしまう。
アタル兄さんは厳しさの中に優しさを秘めた人だと思ってますが、厳しさの層が分厚い。
慈悲を発揮しつつぶちのめすので隙が無い。
そんな彼が厳しさ控えめで接するブロッケンはすごいな……。
序盤の無言ビンタ以外気遣われたり褒められたり、優しさばかり向けられている。
ブロッケンは強敵との激闘や過酷な訓練に果敢に挑むタイプですから、厳しくする必要がないのか。
『完璧超人始祖編』65話・66話
ロビンの仇を討つためウォーズマンが奮戦するも、ピンチになってしまう。
ロビンを慕い尊敬するあまり、ロビンの幻影に惑わされてないか?
復讐のために目が曇るなんて、かつてのブロッケンや今のアリステラみたいだ。
それじゃ勝てないよ……。
尊敬するのはいいけど、呑まれないようにしてほしい。
……偉そうなこと言ったけど、自分の師匠が回転しながら鳥取砂丘に埋まったら気になるし引きずるよな。ごめんウォーズマン。
拍手してくださった方、ありがとうございます!
今ブロッケンがめちゃくちゃ輝いてるから、この後駄目になると言われるとキツい。
いくら頑張っても、活躍しても、つながるかどうかもわからない未来の話を取り上げて貶されるのは気の毒です。
二世を持ち出して悪く言われるのはネプチューンマンもか。「老害マン」って何やらかしたんだ……。
二世を読んでいない状態であれこれ言わずに確かめるべきですが、無印のキャラ達が鬱な方向に向かう話を読むのは怖い。
落ちぶれるブロッケン、自分の息子を殺害するアシュラ、老害呼ばわりされるほど迷走するネプチューンマン、ロビンの息子がグレて人間殺し、実は汚いことをしていたカミングアウト……どれも見たくない。
パラレルワールドにしてほしい。無理につなげなくていいです。
王位編から何事もなく過ぎるか、始祖編が発生するかでルートが分岐。
ブロッケンは前者だと未完の大器のままだが、後者だと成長イベントを経て「オレはやるぜオレはやるぜ」から先へ進めるということで。
>「>知らなかったのか? 大魔王からは逃げられない~」の方
もしかすると、勇者以上に逃げられないかもしれません。
そう考えると大魔王も楽じゃないと思いそうになりますが、力でねじ伏せてきた者が力で滅ぼされるのは因果応報と言えばそれまでです。
>「人生のツケ以下略」
改心や勝ち逃げ等を除いた悪役の大半が当てはまる気がします。
その台詞をぶつけられたザボエラは言うまでもなく、発言者のミストバーンもそうですし、バーンにも言えます。
強引な言い方をすれば、かつて一国を消し飛ばしたバランが、広範囲を吹き飛ばす爆弾のせいで亡くなったのも、過去の所業と対応しているかもしれません。
ハドラーやバランを捨て駒扱いしたから読者としても「そんな提案却下だ却下!」で済みますが、もし、仮に、部下達を厚遇していたら、読んでいてどんな感想を抱くか気になります。
「部下に優しくても地上を消す奴に従うのは……断ってくれてよかった」「今まで地上の平和のために戦ってきたんだもんな」という安堵が大半を占めるでしょうけど、惜しむ気持ちが湧いたかもしれません。
切り裂かれてから絶命するまでの間、彼が何を想っていたか気になります。
もっと言えば、光を凝視しているところから心境を知りたいです。
メッセージありがとうございました!
『キン肉マン』301話
あのマリキータマンが理解に苦しんでいる。冷や汗流してる。
内面が見えなかったマリキータが、アリステラ以外の話題で感情を見せるようになってきた。
解釈できずにいたら教えちゃうのかよブロッケン。全身がミシミシいってる状況でか。
まあいいか、解説は大事だ。読者のためにも。
Lの陣形の意味は『最後まで望みを捨てずに闘え』。
・せっかくの秘密のサインを自分でバラすなんてバカ
・やられていくだけの仲間に送る最後の言葉じゃないか、見捨てたも同然
マリキータがこの二点をツッコんだ。
一つ目は別に構わないでしょう。バラしたところで不利になる情報でもない。……最初から口で言えばいいなんてツッコんじゃいけない。
二つ目は大事な部分です。
それにしっかり返答することでフルメタルジャケッツの株が上がります。
・勝負を捨てるな、ではなく望みを捨てるな
・アタルとブロッケンの望みは、恨みに生きる虚しさをグロリアスの二人に気づいてもらうこと
「オレの」じゃなくて「オレたちの」と言っているのがいいですね。
アタルが考えを表に出さないからブロッケンが彼の分まで喋ってくれます。読者に優しい。
それはできないと言うマリキータに、できると断言するブロッケン。
勢い任せだけど彼はそれでいいと思います。理路整然と論破するのは求めてない。
「復讐なんて虚しいからやめろ」という台詞はありがちですが、安易な印象を与えるか、説得力を持つか、発言者と相手の状況によってかなり変わりますね。
復讐と一口に言っても、『キン肉マン』だけ見てもブロッケンかアリステラかロビンマスクかで肯定したくなる度合いが全然違うからな。
ブロッケンも己の復讐や立場に言及した。
そうなんですよね。
ブロッケンも一族の誇りを背負ってきた男です。
アタルに諭された場合「お前は使命や責任から逃げたくせに!」と言い返せるけど、ブロッケンには通じないんだよな。
そして、先祖から託されたか否か、積み重ねられた年月などは違うけれど、復讐に燃えたのはアリステラと同じ。
そんな彼は仇であるラーメンマンに教えられた。仇本人が復讐者に諭すのはどうかと思うけどそれはいったん置いておこう。
「そんなものだけで生きていちゃ……オレ自身の未来はない」
「そしてオレの未来がなければ、一族の未来もないってな」
うわラーメンマンの反応超見たい。
自分が惨殺した男の息子がこんなこと言うのはどんな心境なんだろう。
アリステラに対して気になっていたことをぶつけてくれた。
様々な方向から代弁者となってくれる男だ、ブロッケン。
使命だ責任だというけどアリステラ自身はどうなんだ、重荷を背負い込んで突き進んで潰れたらオメガの人々はどうなると思ったんですよね。
使命を果たすというのは破滅しに行くことじゃないもんな。
アリステラに「復讐はやめた方が……」「そのまま進むと破滅するぞ」と思うのは、星が滅びそうな状況で復讐を優先しているからですね。
まずは星の危機に対処しないといけないはずなので、恨みを捨てろというアタル達の言葉に説得力が増します。
仇を倒して帰ったら星が滅びてました、なんて事態になったら彼も民も未来はない。
アリステラの未来を想うブロッケンが再び輝き、その力に驚愕するアリステラとマリキータ。
主人公側の力に「何だこの力は!」するお約束の展開に興奮しかけたところで思わず「おい……」と言いたくなった。マリキータに。
まだブロッケンを雑魚扱いするのか。この期に及んで。
その「ザコ野郎」相手に二人がかりで何度も攻撃くらわせておきながら倒せずにいるのはどいつだ。
リーダーの右腕みたいな顔をするならば、チンピラめいた言動は慎むべきでは。
アリステラの評判まで悪くなったらどうすんだ。
恨みを捨てた者の力を見せることが、今のブロッケンに課せられた最大の仕事。
ブロッケンが役割を自覚した!
己に課せられた仕事は絶対に遂行する責任感が彼の魅力だとアタルも言っていた。
特殊な技は使わず、湧き上がる力に任せて強引に両腕を抜く!
そのまま二人まとめてジャーマンで投げる!
さらにマリキータの天道羽根抜刀をベルリンの赤い雨で切り裂いた!
最高のタイミング、最高の演出。
カッコいい。
その一言に尽きる。
ブロッケンが最高に輝いてる……。命を燃やしている。
手が燃えているようなエフェクトなのは業火のクソ力だからでしょうか。
私は気づかなかったのですが、斬り上げてぶつけ合う形で迎撃したのではなく、回避しつつ上から叩き切ったのは、この瞬間は相手を上回ったという描写なのですね。
ベルリンの赤い雨は、威力が高いからこそ決め技にならないイメージがありました。
『ボスに即死技は効かない』的な。
実際、序盤で出した時はあっさり止められました。
でも、ここぞという場面で繰り出されれば決まるし、決まればものすごく強い。部位破壊にはこの上なく有効です。
マリキータの翅を片方落としたのは大きいですね。
飛行刺突拘束さらに斬撃と機能豊富すぎるんだよあの翅。
誇りのため、オメガの教えの正しさを証明するため、なおもグロリアスはブロッケンに攻撃を繰り出す。
直撃した……が、ブロッケンは立ち上がる。
オメガ側が恨みにこだわる姿勢を見せれば見せるほど、ブロッケンが燃えるんですよね。
「へッ、おかげで最高に充実している」
満身創痍のはずなのに、笑みを浮かべてやがる。
まさに不撓不屈という実況に同意せずにはいられない。
グレイブヤードスプラッシュ直前の禍々しいエフェクトが気になります。
ひょっとして負の感情を糧とした、新たな力に目覚めようとしているのか?
アリステラだけでなくマリキータの体からもオーラが放たれているのが気になります。
今までアリステラへの友情をアピールしながらもクソ力には目覚めなかったのに、危険そうな力はサラッと発現させるのか。
呪いじみたオーラを見て平然と「ウム、あともうひと押しだ」と言えるアタル兄さんが怖い。あの、相手が闇の力に目覚めかけてる感じなんですけど。
敵が負傷しているとはいえ、ツープラトンを涼しい顔で止めるのもやばい。アリステラもマリキータも汗かいてる。
それにしてもグロリアスは同じ技を繰り返してばかりなような……。
効果的だと判断してやっているのか、単に技のレパートリーが少ないのか、どちらなんでしょう。
肉のカーテンで防御→タックルで分断→ナパームストレッチの仕掛け→合体の流れがスピーディー。
くるか、フルメタルジャケッツのツープラトン。
名前も出ておらず、ここからどんな風に展開するか不明なので、不発に終わることはないでしょう。
次回で決着と思いたいのですが、アオリが不穏。
マリキータが倒されることでアリステラが呪いのクソ力に目覚めるとかやめてくれよ。
新たな展開につなげるとしても、ひとまず試合を終わらせてからでいいよ……。
マリキータは呪われた道を歩むアリステラの背中を押しまくってきただけに、事態を厄介な方向へ動かしそうでものすごく不安です。
ここまでブロッケンが体を張って説得したんですから、無駄になってほしくありません。
アリステラがマリキータを受け止めて二人ともダウンするけど命は助かるとかそういう感じでお願いします!
穏便に一時離脱してほしい。
マリキータマンがオメガ側のロビンマスクとか言われてるから、下手に追い詰めると何が発動するか分からないので……。
『完璧超人始祖編』63話・64話
普通のタワーブリッジでも相手の体をへし折ることができるのに、さらに威力が増した。
サラッと命を奪ったと言ってますね。
初期は命が軽かったからなぁ。ギャグみたいな勢いで大量に死んでた記憶が。
ロビンの新技でもネメシスを倒せず、逆に窒息死か両腕をもがれそうになる。
そんな姿を見たくないと叫ぶスグルに対し、ロビンは命に代えてもネメシスを倒すと宣言。
覚悟決まってんな。
素直にカッコいいと思いつつ、「ベテランの実力派」にフフっと笑ってしまった。本人は自分のことを「若さゆえの爆発力には欠けるのを知識や経験で補うベテラン」と思っているけど、実際は若手以上にめちゃくちゃしやがるので。
自分の体に多大な負担を掛けながら追い詰めるロビンだったが、ネメシスにとどめを刺されてしまう。
落下しながらウォーズマンに語りかける場面はいいシーンだと思うと同時に、「復讐の道具からよき弟子とみなすまでの変化を描いてくれていたらなあ……」と思いました。
敗れたロビンに「きさまのような男こそ完璧超人として生まれてくるべきだったのだ」と語るネメシスに「敵への敬意か?」と感心しかけたものの、下等超人の割には頑張ったというニュアンスなので違うようです。
その後ロビンの体を投げ落としたので好感度ダウン。
仲間に死体蹴りしたグリムリパーよりはマシですが、傲慢な男だ。
ネメシスに対する怒りが湧き上が……ちょっと待っておかしくない?
回転しながら落ちたってそんな埋まり方しないだろ。
「現在ロビンは鳥取砂丘に埋まっているらしいけど、どうしてそうなったんだ」と疑問に思っていたら予想外の解答だった。
てっきり、敵の技によって叩き込まれたのかと……。
ウォーズマンの戦いが描かれるのにロビンのダイナミックな埋まり方が頭から離れない。
ダイ大感想修正版 9
拍手してくださった方、ありがとうございます!
『キン肉マン』300話
前回「出てきてすぐ流れ作業みたいに必殺技くらってダウンして復帰するって、ブロッケンの扱いが……。せっかく気合入れたんだから、もう少しカッコよさを持続させても」と思いました。
今回の見せ場を見てジェットコースターみたいなキャラだと思いました。やられたり輝いたり忙しいな!
恨みを捨てることはできないと答えるアリステラ。
台詞にわずかな間があったり、下を向いていたり、葛藤が窺える。
復讐を否定する台詞は「部外者が恨みを捨てろだの復讐やめろだの気軽に言うなよ……」と思うケースもありますが、アリステラはやらされている感が漂ってるからなぁ。
「先祖に申し訳が立たない」という理由で重い荷物を捨てるに捨てられず、よろめきながら歩いているようでいたたまれない。
呪いだと認めながらも破滅へ歩むアリステラをマリキータは肯定する。
「お前が行くと決めたのなら、それがどれほど呪われた道でもオレはお前についていく……。どこまでもな」
いや止めろよ。
クソ力を負の感情で発動させようとするアリステラ。
それじゃ駄目だと言われたばかりでしょう。
相性悪い要素を無理矢理組み合わせるより、別の力を探した方がいいのでは?
発動できたら強敵になりそうですが、そうなると完全に闇に堕ちて葬られるしかなくなる。
宿命を教えてやると言って披露したツープラトンがマリキータマンをぶん投げるだけって、それでいいの?
アタル兄さん腕組みしたままだしブロッケン一人に止められてるぞ。
流血しつつも受け止め切ったブロッケンに、マリキータが動揺を見せる。ブロッケンのこと舐めてたからな。
マリキータを止めたままブロッケンは語りかける。
先ほどアタルが道を示したものの、アリステラは拒絶しました。
アリステラが決意を述べたなら、アタルはそれ以上言葉を費やさない。
それでも手を差し伸べるのがブロッケンの性格であり、役目か。
「わかんねえって言うのもわかるけど……でもほんとはわかってんのもわかんだよ、オレにはお前の気持ちが。なんとなくだがよ!」
この台詞、上手いなあ。
意味が分かりづらいけどちゃんと伝わる言い回しです。拙いながらも必死に感情をぶつけている感がよく出ている。
言い換えるなら、「アリステラの、今更恨みは捨てられないという主張は理解できる。だが本当は、恨みを捨てないといけないと感じているのも、オレには伝わっている」というところでしょうか。
こういう言い方はブロッケンに合っている。
思考を整理できていないまま、それでも訴えかけるのがいい。
「このままじゃお前、不幸になっちまう。だから素直に……わかってくれよ!」
読者の気持ちを代弁してくれた。
それにしてもブロッケンは……自分を攻撃している相手に不幸になってほしくないと言えるのか。
このお人よしめ。
大好きだ。
ブロッケンは、警戒心足りないんじゃないかと心配したくなる甘ちゃんですが、そこがいい。
登場時も自分の復讐心より人助け優先した男ですからね。
ブロッケンの説得にマリキータは激高し、再度穴だらけにする。
「お前なんかにアリステラのことが、わかってたまるかーっ」
私にはお前の方が分からないんだよ!
試合がここまで進んでも、彼の考えていることは「オレはアリステラについていくぜ!」しか分からない。
「あんたなんかに〇〇のことは理解できない!」と書くと厄介なファンみたいだな。
簡単に理解できないのは事実だけど、分かろうとする姿勢すら否定しているじゃないですか。
全自動アリステラの背中押し機と化すのはいい加減やめろよ。その先崖だぞ。
これアタルが「間違った道を歩むのを後押しするのは友情とは呼べん!」と真・友情パワーを提唱する展開にならないか?
もしアリステラが和解を選ぼうとしたら、ブロッケンを攻撃して決裂させようとしないか心配です。
アリステラを英雄にするため、アリステラが今まで歩んできた道を肯定するため、アリステラを想っての善意で。
ブロッケンの体がどんどん穴だらけになってる。
もっとボロボロになってほしいとか流血してほしいとか思ってたけど、これ以上いくとグロくなりそう。
ブロッケンが回避しないのは、実力の差もありますが、真っ向から想いをぶつけようとしているようにも見える。
愚直だ。
まだやれるかというアタルの問いに当然だと答える。
重傷のブロッケン一人に任せるアタルと、すぐ加勢するオメガ側で対比になっているかもしれない。
フルメタルジャケッツの信頼を言葉で語らない態度と、口に出して確かめ合うオメガ側も対比になってるか。
オメガ側ばかり二人で攻撃しているけどルールはどうなっているんだろう。
不安にさせてスマンと相方に謝るアリステラに好感が持てます。
だからこそ止まってほしい。
「オレたち二人に後退という選択肢はもはやない」
あの、パイレートマンは?
オメガの中では穏健派と聞いたのですが。
スグルに破れ、和解の道を進もうとしているとのことなので、パイレートマンと話し合ってください。
きっとまだ戻れるはず。
まずは相手を潰す、考えるのはその後って……周りが見えてないというより、あえて無視しようとしているな。
グロリアスグレイブヤードスプラッシュ→グロリアスエヴァンタイユのツープラトン二連発がブロッケンに炸裂。
軍服脱ぐ前のダメージは除外するとしても、トゲで刺されて流血してまたトゲで刺されて流血して今度は大きな爪で深々と切り裂かれて流血して、そこから関節技で両肩を締められる。
もうボロッボロ。
ダメージがえぐいことになってるはずですが、ブロッケンは耐える。
吐血し、苦しげな表情の彼を見て「そうそう、見たかったのはそれだよ」と思いました。
ろくに傷つかずスマートに戦う姿を求めてはいない。
血まみれになりながら必死にあがいて勝利をつかみ取ってほしいんだ。
頑張れ。
自分のため、仲間のため、そして敵のためにも倒れるな。
ここでマリキータが、アタルがカットに入らないことをネタにブロッケンを煽る。典型的なヒールムーブ。
「お前はもう見捨てられたんじゃないのか」
それ、挑発失敗するパターンだ。
間違いなく「あの人はオレを信頼している」と答えるのが予想できる……と思ったらちょっと違った。
「ソルジャー隊長は誰も見捨てない! オレのことも……お前らのこともな!」
おお……。
散々痛めつけられても相手を想うブロッケンはマジでお人よしだ。
アタルへの評価も兼ねたいい返答です。
正直、試合始まるまではアタルのことを「ソルジャーチームへの仕打ちを考えると敵には容赦ないタイプだよな」と思っていたんですよね。
途中まで倒すべきボス属性がつく勢いでした。
でもブロッケンがアタルの強者属性を指導者属性にガンガン変換して『慈悲深く相手を導いてる』アピールして勝ちへ持っていこうとしている。
げっ、またロールシャッハ・ドットか。
アタルにやってほしい気持ちはあったけど今更使われても困る……と思ったらまさかの!
やられた。
燃えると同時に笑ってしまった。読んでて「ぶえっへ!」となりました。
対戦相手と読者を混乱させてきたマリキータマンが困惑している。
アルファベット一文字が浮かんでくるのは絶対想定していないだろ……。
「心を読んでやるぜ!」→「読めたぜ!」→「何だこれは!?」となった彼の心境を想像すると面白い。
相手の精神を揺さぶろうとしたら盛大に逆効果になってしまったことに気づいたかどうか。
「バッファローやニンジャがいるから椅子使って陣形してほしいな。でもブロッケン達には見えないか」と思ったので、ここで使うのは予想外。
「マリキータがアタルにロールシャッハ・ドットを使う」「ピンチの時に血盟軍が陣形を作る」までは予想していたものの、まさか組み合わせるとは……。
敵にやらせる発想はなかった。完全に。
これが『キン肉マン』か。
私は気づかなかったのですが、陣形はオメガ側にも向けられているという感想を見て目から鱗が落ちました。
たしかに、「隊長はオメガのことも見捨てない!」という流れで出たんですよね。
「お前達も星を救うことを諦めるな!」と思っているなら熱いな!
ブロッケンが選ばれた理由を実感できて嬉しいです。
パートナーの役割と言えば「瞬時に意図を理解しサポートを行う」が浮かびますが、「相方にできないことをやる」を出してきた。
寡黙なアタルとは違い、ブロッケンだからこそ心のままにがむしゃらに言葉をぶつけることができる。
今までブロッケンに対しては「がんばれー」「勝ってほしい」「アタルをサポートするんだ!」と思っていたのですが、「アリステラを止めて救ってやってくれ」「アタルにできないことをやってほしい」と思うようになりました。
これまでずっと「オレはやるぜオレはやるぜ」だったブロッケンが、相手に共感した途端一気にクソ力の真髄に辿り着いたのはすごい。
フルメタルジャケッツ側は、もはや勝てるかどうかではなく、相手を救えるかどうかという段階にきています。
……陣形見た悪魔超人達の反応が知りたい。
手の甲にナイフ突き刺しながら観戦してないかなあ。
『完璧超人始祖編』61話・62話
傲慢なネメシスに過去の己を重ねるロビンマスク。
現シリーズのブロッケンとアリステラもそうですね。
相手を理解し、共感し、止めたいと思うことが正義超人に必要な姿勢なのかもしれません。
超人オリンピック……懐かしいな。
ロビンは絶対王者だったゆえに己が正しいと信じ、他人の意見など不要と考えていた。
しかし、スグルに敗れたことでプライドが打ち砕かれ、大怪我を負ったこともあって復讐の道を進んでしまった。
バラクーダ時代にも言及した……!
ロビンマスクは奇行とカッコよさ、熱さと笑いを併せ持ついい男だと思っていますが、イベントも挟まず仲間面したことだけはずっと引っかかっていました。
気軽に死んだり生き返ったりするのはそういう作品だからと割り切れても、何故かここは強烈に印象に残ってます。
「和解や謝罪は?」「友情に目覚めたなら真っ先にやることがあるんじゃないの」「スグル達に直接言うことはできなくても、陰で己の所業を悔やむとかあるだろ!」とツッコまずにはいられなかった。
戦闘技術を叩き込んだ弟子、ウォーズマンまでもが敗れたことでロビンのプライドは完全に砕け散ったが、清々しさすら覚えた。
ウォーズマンが負けた時ウスノロとか言ってませんでした?
試合直後はカッとなって悪態ついたけど、徐々に頭が冷えたんだろうか。
ロビンは敗北を認めて呪縛から解き放たれ、己に欠けていたものに気づくことができた。
それが“リスペクト”という概念。
自分以外の他者に敬意を払い認め合うことのすがすがしさ。
アトランティスもそうじゃないですか!
ダイ大のミストバーンを連想します。
敬意を抱く戦士、いいですよね。
傲慢だったロビンマスクが他者を認めるようになった。
その結果、友情パワーに目覚め、新たなプライドを得ることができた。
ああ……ようやくバラクーダから仲間化までの経緯が掘り下げられた。
かなりスッキリしました。
こういう描写が挟まれていれば、助けに来てくれた時めちゃくちゃ燃えただろうに!
友情など弱者の言い訳だと切り捨てるネメシス。
いいぞ、自信に満ちた強敵ならそれくらい言ってくれないと。
膝蹴りをくらってもロビンは倒れない。
技巧に優れているはずの両者が泥臭く殴り合う。
それを見るスグルの眼には涙が。
「カッコイイのう、ロビンってやつは!」
そう思う。
カッコイイ奴が真面目におかしなことするから脳が揺さぶられるんだ。
何でガラスの破片集めてロビン・パワー全開にしたらベルが作れたんだよ! ワケわかんねえ。
ロビンマスクの拳がネメシスのガードに弾かれる。
肉のカーテンではなくパーフェクトディフェンダーか。
ロビンも新たな必殺技を繰り出す。
タワーブリッジネイキッド!
カッコいい……!
ああもう何でアトランティスが見ていないんだ!
アトランティスに観戦してほしかったです。ポールと一緒に。
「大嫌えな野郎」がボロボロになっているのを見て不機嫌そうなアトランティスを見たい。
そしてロビンの反撃を食い入るように見つめてほしい。
ダイ大感想修正版 8
ダイ大修正版 7